Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

暖風…(ハゼ科3種プラスα)

2016-01-29 18:41:42 | ハゼ科

朝から暖かく湿った風が吹き、気持ちよくムシムシした本日のやんばるです。

後半は日差しも加わり、小春を通り越して小夏日和とでも言いたくなるような空模様でした。

北部の最高気温は24℃でほぼ夏日、那覇では25℃を超え夏日だったそう。

1月の下旬に那覇が夏日になるのは、28年ぶりのことだとか。

数日前の寒波との差が激しすぎます……。

風は南。曇のち日差し。

〈ハゼ科ハゼ亜科トンガリハゼ属の1種 Oplopomops sp. 15年12月14日 沖縄島安和湾奥〉

〈ハゼ科ハゼ亜科ヤツシハゼ属の1種 Vanderhorstia sp. 15年12月14日 沖縄島安和湾奥〉

〈ハゼ科ハゼ亜科ヤツシハゼ属クサハゼ Vanderhorstia sp. 15年12月14日 沖縄島安和湾奥〉

同じ日に同じポイントで撮影した三種のハゼですが、三種とも種小名がsp.

つまり三種ともに名前がない。

名前についてあーだこーだと書くブログなのに…。

内湾の泥場のポイント、つまりは冬のポイントにはこの手のハゼが豊富。

まあ季節の風物詩ということで…。

最後のクサハゼは名前があるじゃない、と思われるかもしれませんが、学名的にはヤツシハゼ属の1種。

もちろん日本ではクサハゼ以外の名で呼ばれることはまずないでしょうけど。

プラスαで名前のある画像も↓

〈ウツボ科ウツボ亜科アラシウツボ属クモウツボ Echidna nebulosa 16年1月26日 沖縄島浜元〉

画像は幼魚。

もちろん生態写真ではありません。

先日の最強寒波の後、ビーチにうちあげられていた個体。

この他にもたくさんの魚種がうちあげられていましたが、本種を含むウツボ科幼魚の数が一番多かったです。

通常のダイビングポイントでは、このサイズのウツボ科の個体を目にすることはありません。

気温が急激に変化したときに強く影響を受けるようなごく浅い場所に、ウツボ科幼魚は生息しているのかもしれませんね。

 

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結局初記録…(センテンイロウミウシ)

2016-01-26 18:38:09 | ウミウシ

空からは陽光、でもまだまだ寒~い本日のやんばるです。

それでも昨日までと比べると、ずいぶん寒さは緩みましたけど…。

降る降るといってもホントに降ることはないだろう…、と高をくくっていたのに……

結局日曜日にはみぞれが降り、沖縄島の雪の初記録に。

もう十年以上沖縄島を離れたことがないので、久しぶりに見たみぞれにちょっと感動したり…。

降ったのが夜だったので、みぞれの中をエントリー…ということにはなりませんでしたけど。

ところで、明日から急激に暖かくなり、週の後半には夏日になる日もあるとか。

すごいな、今年の冬…。

風は弱い北。晴れときどき曇。

〈イロウミウシ科アオウミウシ属センテンイロウミウシ Hypselodoris maculosa 15年12月14日 沖縄島安和〉

学名種小名は『ぶち』の意。

ぶち模様は、黒と白のモノクロームなイメージだったのですが…。

色はカラフルでもいいわけですか。

それを確かめようとぶち模様を検索したら、まだら模様のこと、とでてきた。

あれ? ぶち模様とまだら模様は違うものだと思ってたけれど…。

違う色や同色の濃淡の入り交じった模様は、ぶちともまだらともいうようで。

どの辺りに双方の境界線があるのでしょう。

色数が少なく地味系の色だとぶち、というイメージだと本種と齟齬が出るし…。

画像検索だとぶちは地味系、まだらは派手系も地味系もあるって感じなんですけどねぇ。

ちなみにブチウミウシという和名のウミウシもいて、それはこんな感じ

ほら、地味系でしょ…。

ところでこちらの種小名は『陰気な・墓の・葬式の』の意。

意味まで地味だ…。

 

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最強寒波…(シマオリハゼ)

2016-01-22 18:27:39 | ハゼ科

雨交じりの空模様にて…、体感の寒さが増してるような本日のやんばるです。

まあでも、本当の寒さはこれから来るようで…。

天気予報では、日曜日には雪が降るかも…、なんていってたりします。

雪が降る条件は二つ。

まず上空1500mの気温が-4℃を下回ること。

日曜日には-6℃の寒気が沖縄島上空にやってくる予想なので、この条件は満たされそう。

もう一つは地上の気温が2℃を下回ること。

日曜日の予想最低気温は7℃。

ただし局地的には2℃程度になる場所もあるかもということで、ひょっとしたら…。

もし沖縄島で、雪が舞う中でエントリー…、なんてことになったら……

それはそれで楽しみなような気もしたり…。

風は北東。曇ときどき雨。

〈ハゼ科ハゼ亜科ヤツシハゼ属シマオリハゼ Vanderhorstia ambanoro 15年12月14日 沖縄島安和湾奥〉

画像は幼魚。

アフリカ大陸の南東、インド洋西部に位置するマダガスカル島。

世界で4番目に大きな島で、気候は熱帯に属する。

1999年からの10年間で615種の新種生物が発見された島。

生命の宝庫といえる島ですが、新種の多くが発見されたときにはすでに絶滅の危機に瀕していたりするという少し悲しい事実も…。

さてそのマダガスカル島の北部に浮かぶ、ノシベ島という島があります。

マダガスカル最大のリゾート地で、もちろんダイビングリゾートでもあります。

ノシベ島の中心地はエルヴィル、正式名称アンドゥアニ(Andoany)。

そのアンドゥアニから遠くない場所にAmbanoroという街があります。

熱帯の生物多様性を絵に描いたような島の、たぶん小さな街『Ambanoro』

で、本種の学名種小名を見ていただきたいわけでして…。

ようやく到達した感じになってますが、本種の学名の由来がこの街のことなのか、本当のところは知りません。

さらには、Ambanoroにもノシベ島にも、ましてやマダガスカル島にも行ったことはありません。

あしからず……。

 

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寒すぎる…(クチナシイロウミウシ)

2016-01-19 18:43:20 | ウミウシ

さ、寒い…、寒すぎる…、な本日のやんばるです。

先週、とうとう真冬がきたって書きましたが、この寒さに比べたら全然真冬じゃなかった…。

今日はウエットで潜らないといけなかったので、久しぶりに水中カイロを使用。

文明の利器のありがたみを強く感じたり…。

風は強めの北~北西。晴れ。

〈イロウミウシ科アオウミウシ属クチナシイロウミウシ Hypselodoris whitei 15年12月14日 沖縄島安和〉

クチナシといっても、本種に口がないというわけではない。

アカネ科クチナシ属の常緑低木、つまり植物のクチナシからの名前なのでしょう。

もっとも本家のクチナシのほうは、熟しても果実が割れないため、『口無し』から『クチナシ』という名になったとか。

クチナシの花は白色ですが、その果実は黄色~クリーム色。

本種は果実の色が和名の由来なのでしょうね。

ちなみに、本家のクチナシの学名種小名は、jasminoides で『ジャスミンのような』の意。

まあ、似てます。

ジャスミンといえばジャスミン茶。

当地ではさんぴん茶という名でポピュラーな飲み物。

コンビニやスーパーで必ず販売されているし、居酒屋のメニューにも必ず記載されてたり。

この『さんぴん』、勝手に沖縄の言葉だと思っていたら、中国語のシャンピェンチャー(香片茶)が語源なのだそう。

今日知りました。

 

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やわらぎ…(セホシテンジクダイ)

2016-01-15 18:19:53 | テンジクダイ科

昨日までの寒さは時間とともにやわらぎ、気温もグングン上昇した本日のやんばるです。

風もごく弱く日差しも十分だったおかげで、エキジット後も過ごしやすかったり…。

なにより水中が明るいと、水温以上に心地よく感じられたりも。

もっとも、実際に水温はいつもの冬よりまだ2℃ほど高いのですが。

この週末も、寒さはやわらいだままで過ごせそうです。

風は北東~東。晴れのち曇。

〈テンジクダイ科コミナトテンジクダイ亜科スジイシモチ属セホシテンジクダイ Ostorhinchus moluccensis 15年12月14日 沖縄島湾奥〉

画像は幼魚。

去年の4月にテンジクダイ科の分類体系が大きく変わったことを少し前に書きました。

本種も以前は、テンジクダイ科テンジクダイ亜科テンジクダイ属だったのですが上記のように変わりました。

個人的な印象としては、スジイシモチ属にはすごくしっくりくるなぁ…。

テンジクダイ科分類体系の変更で、図鑑の学名(属名)が役に立たなくなって……、ってこれも少し前に書きましたが、本種はさらにややこしかったり。

手元にある2008年発行の図鑑では、本種の学名は Apogon ventrifasciatus なのです。

けれどシノニム(異名同種)が確認されて、種小名が moluccensis に変更されることに。

そこから属名も変わってしまったので、件の図鑑とは二名の両方が異なる、学名だけ見ると別種のようになってたり。

まあ、それはいいとして…

以前の種小名は、『腹部に横縞のある』

画像の幼魚ではわかりにくいですが、成魚ではしっくりくる、いわゆる名は体を表す系の名前だったのです。

が、新しい種小名は『モルッカ諸島の・モルッカ諸島産の』

ホロタイプの採取場所なのか、発見場所なのか、分布の関係か、とにかく本種にちなんだ場所なのでしょうけど…。

何となく、残念に感じてしまうなぁ…。

 

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寒い…(キヌハダウミウシ属の1種)

2016-01-13 18:30:09 | ウミウシ

いや~寒い寒い。とうとう真冬が来た…って感じのやんばるです。

陽光も乏しく雨交じり。

久しぶりに、エントリー直後の海水をぬるく感じたり…。

明日も真冬が続きそうです。

風は北。曇ときどき雨。

〈キヌハダウミウシ科キヌハダウミウシ属の1種 Gymnodoris sp. 15年12月9日 沖縄島安和〉

キヌハダは絹肌のことですか。

絹のような肌って、絹のような滑らかさ・光沢・色彩ってことでしょうか。

まあ、確かに。

触ったことはないので滑らかかどうかはわかりませんが、見る限り滑らかに違いない、としか思えない。

光沢や色彩は言わずもがなですね。

清楚な美人のイメージ…を誘うウミウシだとか思えたり。

もっともこのところの厳しい寒さで、絹と言われると絹ごし豆腐の湯豆腐が食べたくなったりも…。

あと絹肌から美しい肌をいろいろと連想してるうちに、柔肌なんて言葉が浮かんできたりして、与謝野晶子に繋がってみたり。

『柔肌の熱き血潮に触れもみで寂しからずや道を説く君』

ってやつ。

こっちは、情熱的でストイックな女性のイメージが浮かんだり…。

 

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寒の内…(ヒメクロイトハゼ)

2016-01-08 18:42:12 | ハゼ科

一昨日は二十四節気の小寒。

すなわち寒の入りの初日。で、今は寒の内ってことですね。

暦の通りヒンヤリな一日だった本日のやんばるです。

冬ですねぇ…。

といっても今年の冬は性格がまるいから、のどかに楽しめますけど…。

海辺の風景に、薄灰色が上塗りされてるように感じたりするこの頃です。

風は北。曇のち雨交じり。

〈ハゼ科ハゼ亜科クロイトハゼ属ヒメクロイトハゼ Valenciennea parva 15年12月9日 沖縄島安和〉

ヒメクロイトハゼ。クロイトハゼに対するヒメクロイトハゼ。

つまりクロイトハゼより小さいということですよね。

どのくらい…。

SLすなわち標準体長を比較すると……

クロイトハゼは20cm

ヒメクロイトハゼは5cm

確かに小さい。

そしてもちろん学名種小名は『小さい』という意味だったり…。

 

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綿帽子…(ヒオドシユビウミウシ)

2016-01-05 18:47:16 | ウミウシ

年が明けてから、晴れていても曇っていても雨が降っていても、暖かい日が続いてますやんばるです。

今日もほとんど夏日に。南部の方では完全に夏日だったようで…。

家の前の道路脇にはすでにタンポポが咲いていて、その上すでに綿帽子になってたりしてます。

まあ、4月並みの気候が続いているらしいですから、当然のことなのかも…。

風は南東。曇ときどき晴れ。

〈ユビウミウシ科ユビウミウシ属ヒオドシユビウミウシ Bornella anguilla 15年12月9日 沖縄島安和〉

ヒオドシとは緋縅のことなのでしょうね。

緋縅とは鎧の縅の一つ。縅とは?

検索した画像を見る限りでは、鎧の肩の板状の部分だったり、腰回りの板状の部分だったり、兜の後ろ側の首を覆っている部分だったり…のよう。

ようするに、紐や革緒などで作られた鎧兜の一部ってことみたい。

緋縅だから緋色の縅。緋色=深紅のイメージだったけれど、緋縅はオレンジ系だったり金色っぽい感じだったり…。

どうでしょう…、鎧を纏っているように見えますか。

頭部も、兜のように見えたりしますか。

戦国武将のようにも……。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

なんだか口の部分も兜の緒に見えてきたり…。

ちなみに、緋縅力弥という力士もいました。

初代から四代までいるのですが、特に二代目の緋縅力弥(1799ー1836)は、文政角界の三傑と謳われた名力士だったそう。

そう聞くと、お相撲さんにも見えてきたり……、はしないか…。

 

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2016

2016-01-01 18:19:52 | エビ・カニ類

本年も、よろしくお願い申し上げます。

 

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