Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

琴のように鳴く…(コトヒメウミウシ&オトヒメウミウシ)

2017-04-28 19:36:19 | ウミウシ

乾いた風は涼しく、日差しはタップリ…

気持ちいい空模様だった本日のやんばるです。

明日からGWですね。最大9連休だとか。

今年は晴れベースで夏日続きのGWになりそうです。

風は北~北東。晴天。

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ある平家のお姫様が、壇ノ浦の戦いに敗れ、ある浜に流れ着きました。そこで村人に助けられたお礼に、お姫様は毎日琴を奏でました。やがてお姫様が亡くなると、砂浜が琴の音のように鳴くようになったのだそう。

それ以来、そのお姫様を琴姫、その浜を琴ヶ浜と呼ぶようになったのだとか。

島根県の琴ヶ浜に残る『琴姫伝説』です。

全国には、歩くと音を発する砂浜や、波打ち際で小石が音を発する浜がたくさんあり、それぞれに魅力的な物語が残っていたりしますよね。

この琴姫伝説も、綺麗な物語だと感じたり…。

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さて…

〈ネコジタウミウシ科コトヒメウミウシ属コトヒメウミウシ Goniodoridella savignyi 17年3月21日 沖縄島安和グスク〉

全体が黄味を帯びたタイプの個体。

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この〈コトヒメ〉が〈琴姫〉由来なのかどうかは、実は知りません。

仮に〈琴姫〉由来であったとしても、琴姫には前述の伝説の姫の他にも、実在した〈琴姫〉が数人いたりします。

会津藩主の娘だったり、加賀藩主の正室だったり、紀州藩主の次女だったり…。

まあ、お姫様ですから…。

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〈コトヒメ〉という響きから連想されるのが…

〈イロウミウシ科Goniobranchus属オトヒメウミウシ Gniobranchus kuniei 17年3月28日 沖縄島安和〉

〈オトヒメ〉と〈コトヒメ〉って、並べるとどこか「大きい姫」と「小さい姫」的な印象になりません?

実際にオトヒメウミウシは75mmに達し、コトヒメウミウシは10mm程度までのサイズですし…。

この感覚、ズレてますか?

あるいは〈オトヒメ〉が姉で、〈コトヒメ〉が妹的な感じも…。

これもズレてますかね。

もっとも、〈オトヒメ〉の〈乙姫〉は〈弟姫〉とも書き、それは〈兄姫(えひめ)〉に対する〈弟姫〉のこと。

つまり〈乙姫〉は妹の姫をさす意味の言葉なのだとか。

だから意味的には確実にズレてますね…。

 

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恍惚を誘う視線(キイロイボウミウシ)

2017-04-24 19:22:36 | ウミウシ

空は陽光サンサン、気温は夏日。

そして海は凪…。

気持ちよすぎる本日のやんばるでした。

風は東。晴天。

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畑などに、鳥よけで設置してある目玉模様のバルーン…。

あれって、何の目玉のつもりなのでしょうね。よく見かけるのは50~60cmくらいありますけど、目がその大きさなら体は…。

そんな大きな生物、畑にはいませんよね。その辺の畑にいたら怖いし……、とか思えたり…。

もっとも、あの目玉の防鳥効果には、科学的な根拠はないのだとか。

最初は警戒するかもしれないけれど、すぐに慣れてしまうのだそう。

そしてそもそも鳥が、〈目玉〉だとだまされて驚いているのかどうかにも疑問があるのだとか。

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クジャクの雄は、繁殖期に目玉模様の美しい羽根を拡げて、雌にディスプレイしますよね。

雌のクジャクは、あのたくさんの目玉模様を見て、おびただしい視線を感じるのだとか。

そしてそのことによって、恍惚の境地に入ってしまうのだそう。

こちらの目玉模様の効果は、確認されているのだとか。

目玉模様が〈実際の視線〉として機能するなんて、すごくないですか。

しかも相手を恍惚へと誘う視線…。

文字通りの『目で落とす』ってことですよね。

格好いいなクジャク…、とか感じたり。

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さて…

〈イボウミウシ科タテヒダイボウミウシ属キイロイボウミウシ Phyllidia ocellata 17年3月13日 沖縄島安和〉

学名種小名は『小さな目のある』の意。

この〈小さな目〉とはどれのことでしょう。

黒色輪状紋のことでしょうか。

〈同種別個体 17年4月7日 沖縄島安和〉

輪状紋は目のように見えますけど、この子たちの体サイズからすると小さくはないですよね。

では、背面を覆うイボ状突起のことでしょうか。

あんまり目には見えないなぁ…。

どちらも、警告色(ボクかなり不味いですよ、あるいは毒あるかもね…的な色彩や模様)を強化しているようには思えますけど。

 

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とりあえず気分は?(ミドリリュウグウウミウシ)

2017-04-21 20:07:39 | ウミウシ

ちょうどいい感じの曇り空だった本日のやんばるです。

それでも夏日になりました。

早いリズムで風向が変化する日が続いていますが、海況はまずまず。

水温も上昇を続けていていい感じです。

風は南西のち西のち北西。曇、ときどき晴れ間。

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「こんにちは」という挨拶は、「今日は御機嫌いかがですか?」という挨拶の〈今日は〉以下が略されるようになり、現在のような「こんにちは」になったのだとか。

あるいは、室町時代の宮中で女官が使い始め、今も〈山の手言葉〉として生き残っている「ごきげんよう」という挨拶もありますね。

これって、英語で言うところの〈How are you?〉ですよね。

ヒトは、出会った相手にとりあえず気分や体調を尋ねるという共通の文化を有しているのでしょうか。

気分が良いことを〈御機嫌〉なんていいますけど、なんだか字面だけを見ていると気分悪そうに見えませんか。

何かを嫌ってる感じで…。

機嫌の語源は仏教語なのだそう。

もともとは『譏嫌』と書いたのだそうで、〈譏〉は〈そしる〉、〈嫌〉は〈きらう〉という意味。

他人をそしりきらうこと、世の人たちが嫌悪することを表したのだとか。

やっぱり何だか、もともとは〈御機嫌〉より〈不機嫌〉に近い言葉だったように思えたりしませんか…。

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さて…

〈フジタウミウシ科クロスジリュウグウウミウシ亜科ニシキリュウグウウミウシ属ミドリリュウグウウミウシウミウシ Tambja morosa 17年3月13日 沖縄島安和〉

画像は幼体。

幼体は、成体よりずっとミドリな体色の印象だったり…。

因みに成体は↓

〈同種別個体 17年3月28日 沖縄島安和〉

頭部や二次鰓、それに側足の縁の鮮やかな青の方が目立ってます…。

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学名種小名は『不機嫌な、気難しい』の意。

水中で観察する限りでは、不機嫌そうな印象を受けたことはありませんが…。

 

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光を放つ(ハナミドリガイ)

2017-04-17 19:22:56 | ウミウシ

南からの湿った風が、時間とともに強まっていった本日のやんばるです。

のち雨の予報でしたが、傘が必要ないほどしか降りませんでした。

ただ深夜から明日の未明にかけて前線が通過しそう…。

そして風が変化しそうな気配です。

風は南~南西、のちやや強め。概ね曇。

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〈1秒の299792458分の1の時間に『それ』が真空中を伝わる行程の長さ〉

これ、何のことかわかりますか。

1メートルの定義です。

『それ』とは、光のことです。つまり光の速度は秒速299792458mということですね。

光は光源の動きや方向に関わりなく、またどんな波長でも一定であり、そして不変だということで、現在のメートルの定義に利用されています。

因みに前述の定義の文章で『それ』と書いた部分、最初は『あるもの』と書いていたのですが訂正しました。

というのも、光は質量がゼロであり、『もの』つまり〈物質〉ではないのだそう。

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光を放つことを『輝く』といいますが、古くから輝くものは信仰の対象になっていたりも。

太古から人の身近で強烈に輝く〈太陽〉は、古代エジプトの神〈アメン・ラー〉等の太陽神として多くの宗教や神話に登場していますよね。

日本神話の天照大神も太陽神ですし…。

仏教でも光は、知恵や慈悲を象徴するものなのだとか。

仏様や菩薩様は後光が輝いてるイメージですものね…。

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さて…

〈チドリミドリガイ科アデヤカモドリガイ属ハナミドリガイ Thuridilla splendens 17年3月13日 沖縄島安和〉

学名種小名は『輝いている』の意。

側足の黄緑色の細点のことでしょうか。あるいは側足の縁の白色班のことでしょうか。

どちらも輝いているように思えたり…。

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ところで、画像の個体は何故丸まっているのでしょう。

こんな姿に今まで出会った印象がないのですが…。

寒いのでしょうか…。

眠いのでしょうか…。

何かに擬態しているのでしょうか……。

 

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嘆きの涙(シズクイソハゼ)

2017-04-13 20:06:37 | ハゼ科

早朝は曇りがちでしたが、時間と共にギラギラの陽光になった本日のやんばるです。

乾いた風は北寄りでヒンヤリしていたのですが、それが心地よく思えるほどのパワフルな日差しでした。

明日以降は南風に変わるようで、週末にかけてムシムシした日が続きそうです。

風は北東。曇のち晴天。

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今年の1月14日、水循環変動観測衛星の観測データから、地球上に存在する海氷の面積が、1978年の衛星観測開始以降最小値になったことがわかったのだとか。

温暖化の影響でしょうか……

水循環変動観測衛星とは、JAXAの〈地球環境変動観測ミッション〉で打ち上げられた人工衛星の一つです。

このミッションでは水循環変動観測衛星(GCOM-W)と気候変動観測衛星(GCOM-C)の2つのシリーズが全球規模での観測を続けているそうです。

GCOM-Wは、降水量・水蒸気量・海洋上の風速や気温・陸域の水分量・積雪深度などを観測しているのだとか。

そして現在稼働しているGCOM-Wの一号機(GCOM-W1)には、〈しずく〉という名が付いています。

きっと膨大な量の水の滴を観測し続けているのでしょうね。

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さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属シズクイソハゼ Eviota flebilis 17年3月13日 沖縄島安和〉

2014年に新種記載された種。

〈シズク〉は、眼下の垂線に因んだ〈滴〉の意味なのだそうで、目から伸びる赤いライン模様を、したたり落ちる滴に見立てたということでしょうか。

学名種小名は『嘆かわしい』の意。

嘆かわしいとは、悲しく情けなく感じられること。

するとこの滴は、悲しみの涙の滴なのでしょうか…。

 

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新ルール?(ハネウミヒドラ)

2017-04-10 19:33:27 | 水中生物

春の嵐…という感じだった本日のやんばるです。

強雨は早朝だけでしたけど、一日中強い風が…。

あたたかく湿った風は、まあ心地よかったですけど。

風は強い南~南西。雨のち曇。

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右側に立ち左側を空ける片側空けが世界で初めて行われたのは、ロンドンの地下鉄駅だといわれているのだとか。

何の話かわかりますか?

エスカレーターの話です。

日本でも、〈関西は左側空け〉、〈関東は右側空け〉、というマナーがあるとか聞いたことがあります。

しかし昨年、「片側空けより、両側に立って乗った方が輸送効率がよい」というシミュレーション結果がイギリスから、つまり片側空けの発祥地とされている国から発表されたのだそう。

それによると、片側を空け立って乗る人と歩く人を運ぶより、2列に立ち止まって並んだほうが、1分間に運べる人の数が多くなるのだとか。

業界団体もこの乗り方を推奨しているのだそう。

『2列で立ち止まって乗る』

が、エスカレーターの新しいルールになっていくのでしょうか。

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さて…

〈ハネウミヒドラ科ハネウミヒドラ属ハネウミヒドラ Halocordyle disticha 17年3月7日 沖縄島安和〉

遠目だとまったく魅力を感じなかったりしますが、その水母芽に最短焦点距離まで寄るといきなりフォトジェニックになる本種。

ただし比較的強い刺胞毒を持っているので、注意が必要です。

学名種小名は『2列になった』の意。

ヒドロ根から立ち上がって伸びる茎の両側に、交互に側枝が出ます。

ほぼ同一平面に伸びるこの側枝の並びを表しているのでしょうか。

側枝が描く平面は、羽根型あるいは木の葉の葉脈のような姿になります。

和名はここからでしょうね。

 

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少しずつ…(ベニハナダイ)

2017-04-07 18:59:45 | ハタ科

早朝の雨の後は曇ベースの一日だったやんばるです。

でも南からの風はタップリと湿っていて、そのムシムシ感が気持ちよかったり…。

週末は夏日になりそうな予報です。

風はやや強めの南。曇。

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どのくらい昔の話なのかは知りませんが、男性が女性に口紅をプレゼントするときに、「少しずつ取り戻したい」という言葉が添えられた…なんていう時代があったのだとか。

この意味わかります?

女性がその口紅を引きますよね。そして男性とあることをすると、男性は口紅を少しずつ取り戻せるわけです。

まあ、つまりキスのことですよね。しかも何度もキスをしたいという意味ですよね。

ものすごく気障だと思いますけど、こういう表現のしかたってちょっといいなぁ…とか思えたりも。

現在は様々な色彩の口紅ですが、そもそもは紅色。

それはキク科の紅花で染めた鮮やかな赤色のこと。

また紅色は〈くれないいろ〉とも読みます。

日本では古来から染料として利用していた藍色を、色に関係なく染料の意味で〈藍〉と読んでいたのだそう。

くれないとは〈呉の藍〉、すなわち〈呉の染料〉という意味のよう。

呉の国、つまり中国から伝えられたようです。

原産地はエジプトだそうですから、ユーラシア大陸を横断して、日本に伝わったのでしょうか。

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さて…

〈ハタ科ハナダイ亜科ナガハナダイ属ベニハナダイ Pseudanthias sp. 17年3月7日 沖縄島安和〉

画像はまだ幼魚。

深所のハナダイなのですが、この個体は-18mで撮影しました。

幼魚だからでしょうか…。

学名種小名は、まだありません。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

 

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苦い水(マイチョコウミウシ)

2017-04-02 18:23:17 | ウミウシ

太陽サンサン、すばらしくすばらしい陽光が降りそそいだ本日のやんばるです。

表現がおかしくなるくらい気持ちのいい日差しでした…。

風はかなり冷たく、最高気温も19℃止まりでしたけど、それでも季節がワンステップ進んだように感じられたり。

水温も上がり始めてるように思えますし…。

風は北西。晴天。

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その昔、北米メキシコ中央部に栄えた国家であるアステカ帝国には、『神の食べ物』と呼ばれる豆があったのだそう。

やがて、その豆をすりつぶしたものに香辛料などを加えた飲み物が作られました。

それは苦くてとても飲みにくいものでしたが、元気になったり快活になったりするという薬効がありました。

そしてそれは、アステカ帝国の言葉であるナワトル語で『苦い水』と呼ばれました。

さらにその後、アステカを滅ぼしたスペイン人によって、『苦い水』はヨーロッパに持ち込まれ浸透していきました。

その過程で、香辛料の代わりに砂糖が入れられるようになり、嗜好品へと変わっていき、19世紀には固形へと姿も変えました。

現代、コンビニで手軽に買えるそれは、〈チョコレート〉と呼ばれています。

つまりチョコレートは、元々は飲み物だったようです。

それも薬、あるいはスタミナドリンク的なものだったようですね。

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さて…

〈ツヅレウミウシ科ツガルウミウシ属マイチョコウミウシ Paradoris sp. 17年2月27日 沖縄島安和〉

軍隊の配給品に必ず含まれていたり、登山の非常食として携帯されたりするチョコレート。

質量あたりの栄養が高いということが、その理由なのだそう。

さらに甘みや、含有しているテオブロミン(アルカロイドの1種)が、非常時の心身に安らぎをもたらすという意味もあるのだとか。

じゃあ、日常生活でストレスがたまったときにも、チョコレートがいいってことですね。

ちなみにこのテオブロミンという名前は、カカオの学名に由来していて、それは『神の食べ物』の意。

そう、最初に出てきた『神の食べ物』とは、カカオ豆のことです。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

 

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