Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

黄金週間(ケラマミノウミウシ)

2016-04-29 19:02:41 | ウミウシ

西高東低の影響で、少々ヒンヤリした風が吹いたりしましたが、日差しはたっぷりでいい感じ。

気持ちのいいGW初日になりました。

ビーチ横の空き地に車を止めたら、ゲットウの花が咲いていたり。

そしてビーチに下りたら、無数のキャタピラ痕が…。

子ガメたちが旅立ったようです。

両方ともGWの頃の風物詩的な……。

明日も降水確率は0パーセントなやんばるです。

風は北。晴天。

〈サキシマミノウミウシ科サキシマミノウミウシ属ケラマミノウミウシ Flabellina bicolor 16年3月29日 沖縄島安和〉

学名種小名は『二色』の意。

何色と何色の二色でしょうか。

半透明と白色と橙色の三色あるようにも思えますが、まあ半透明は色には含めないとすると、白色と橙色でしょうか。

学名のバイカラーはファッション用語でもあるようで、ツートンカラーとほぼ同義の言葉のよう。

で、少し気になることが…

バイカラーの洋服を画像検索してみたりして、二色の色彩の比率を見比べてみたりしますと……

バイカラーはベースカラーとサブカラーの二色から構成されるようですが、これを上の画像に当てはめると、橙色の面積率が少なすぎるように思えるのですが。

白色がベースカラーならば、橙色はサブカラーではなく、アクセントカラーの面積比率になるのでは。

ベースカラーとアクセントカラーの二色でもバイカラーなのかなぁ…とか思えたり。

あるいはバイカラーは宝石にも用いられる言葉で、二色がグラデーションになった宝石をバイカラーストーンと呼ぶのだそう。

その宝石の画像を見たりしてみると、半透明から白色への繋がりが、バイカラーに思えてきたりも。

そういう宝石的な理解の方が、本種をより綺麗に感じられるように思いませんか。

 

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国産コーヒー(キャロットシードウミウシ)

2016-04-26 19:20:13 | ウミウシ

予報に反して気持ちいい空模様だった本日のやんばるです。

梅雨入りも少しずれたみたいですし…。

もっとも、局地的には降っているみたいですから、僕が出会わなかっただけなのかもしれませんが。

夕方、テレビの天気予報で、コーヒーの花が咲いたという話題が取り上げられていました。

沖縄県はコーヒーの産地だったようで…。

コーヒーの栽培ができる北限なのだそう。

今日まで知りませんでした…。

風は南西。晴れときどき曇。

〈ヨツスジミノウミウシ科ヨツスジミノウミウシ属キャロットシードウミウシ Facelina bourailli 16年3月29日 沖縄島安和〉

今までの人生で、一度もニンジンを育てたことはありません。

ニンジンだけでなく、ダイコンもゴボウもレンコンも…というか、野菜の栽培をしたことがありません。

ですから本種の和名を見て……

あっ、ニンジンは種から育てるのね…、という非常に基本的なことに納得してしまってたり…。

ニンジン=カロテンが豊富に含まれている、というイメージしかなかったものですから。

なんせカロテンの語源は、ラテン語のcarota、すなわちニンジンの学名種小名からですから。

カロテンは橙色光合成色素で、ニンジンの橙色の元なのだとか。

でもニンジンって橙色だけではないんですね。

黒・赤・黄色・茶色に白までいろいろな色彩のものがありました。

カロテンだけではなく、アントシアニンを含むものもあるそうで、それが多彩な色を生み出しているよう。

で、話を戻して、ニンジンの種。

画像検索してみたら、本種の背側突起にそっくり。

違った、本種の背側突起がニンジンの種にそっくり。

で、この名前に非常に納得してしまったり…。

 

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ベタベタ…(コクテンフグ)

2016-04-22 18:47:14 | フグ科

雨交じりでしたが、思ってたほど降らなかった…って感じだった本日のやんばるです。

雨がパラついてないときは、陽光たっぷりでもちろん夏日に。

もっとも雨でも晴れでも、風がベタベタに湿っていて、常に肌が潤ってる感じも…。

もう梅雨入り秒読み段階のようで、来週前半に梅雨入りしそうな雰囲気です。

風は南~南西。晴れ一時弱雨。

〈フグ科モヨウフグ属コクテンフグ Arothron nigropunctatus 16年3月24日 沖縄島安和グスク〉

コクテン=黒点といえば太陽黒点。

太陽の表面にあらわれる黒い斑点のこと。

実際には黒い色の部分も光を放っているのですが、周囲より表面温度が低いため暗く見えるのだそう。

低いといっても、約4000℃あるそうですが。

中国ではこの黒点から、カラスが住んでいるという伝説があるのだとか。

月にはウサギ、太陽にはカラスが住んでいるというわけですね。

そしてこれは日本の八咫烏伝説の基になっているのだそうです。

さて学名種小名は『黒い斑点』の意。

黒い斑点模様というよりは、たくさんのホクロがあるって感じですね。

ホクロ(黒子)はメラノサイトが周囲より高い密度で集まってできた斑点。

その語源は『ははくそ(漢字で書くとかなり汚い)』で、鎌倉時代に『ははくろ(母黒)』になり、そこからハワクロ→ハウクロ→ホークロと転じていって、室町時代末期にホクロになったのだとか。

画像の個体には泣き黒子あり…。

黒い斑点といえば眼状班。この黒班にそういった機能はあるのかなぁ…。

もう一つ……

黒天丼という真っ黒すぎて具材の見分けがつかない天丼があるのだそう。

画像を見る限り、とても美味しそう…。

具材にフグは含まれていませんが。

 

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白虹とホタル(オビイシヨウジ)

2016-04-19 19:47:08 | ヨウジウオ科

穏やかで気持ちのいい陽光が降りそそいだ本日のやんばるです。

穏やかさを生み出したのは上空の薄雲のようで、沖縄島各地で白虹とも呼ばれるハロ現象が見られたそうです。

ハロ現象はお天気がゆるやかに下るサインだとか。まあ明日はまだ晴れの予報ですけど。

そしてクロイワボタルの初見を沖縄気象台が発表したそうで…。

この発表があると、そろそろ梅雨が近づいているのだとか。

明後日あたりから雨の日が続く予報ですが…。

風は北東。晴れ。

〈ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科イシヨウジ属オビイシヨウジ Corythoichthys amplexus 16年3月24日 沖縄島安和グスク〉

学名種小名は『巻きついた』の意。

本種は白色系の地色に、褐色~鮮赤色の多数の横帯(11~14条)を持つ模様。

赤帯が多数巻きついているということでしょうか。

本種はまた体外運搬型卵保護をします。

そして学名種小名には『抱擁する』という意味も。

こっちだとかなり愛にあふれた学名だなぁとか思えたりも。

ただ育児嚢の発達程度が低く、卵塊の大部分は露出していたりしますが…。

 

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のち陽光…(コノハガニ)

2016-04-15 19:13:11 | エビ・カニ類

早朝はパラパラ雨交じり…。

でも時間とともに晴れ渡っていった本日のやんばるです。

風は北寄りでややヒンヤリでしたが、陽光はパワフルで夏日になりました。

明日以降も夏日が続きそうですが、ゆっくりと下っていくような予報…。

今年の梅雨入りは早まるかも…、なんて予想も聞こえてきたり…。

風は北東。雨交じりの曇、のち晴天。

〈クモガニ科コノハガニ属コノハガニ Huenia heraldia 16年3月24日 沖縄島安和グスク〉

夜間に活発に活動し、昼間は海藻の根本付近に隠れすむという本種。

撮影時間は日中ですので、隠者の姿です。

額に海藻をくっつけ、隠蔽型擬態中です。

『うつらうつら』という感じなのでしょうか。それとも『ぐーすか』という感じなのでしょうか。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

ところで、昼間はどのくらい不活性なのでしょう。

例えばこの画像を撮影した3月の後半は、日の出が6:30過ぎくらい、日没が18:30過ぎくらい。

この間、ず~っと、じ~っと潜んでいるのでしょうか。

なぜそんなことを思ったかといいますと…

活性から不活性へと移る早朝(あるいは未明かも)や、不活性から活性に移る夕暮れ時(あるいは午後遅く)に、この額の隠蔽型擬態が、捕食に対しても有利に働いていないだろうか…なんて思えたりもするのです。

自身が捕食者から隠れるためと同時に、捕食対象から自身を隠すためにも働いてはいないだろうか、と。獲物を容易に接近させるという意味で。

つまり攻撃型擬態としても機能していたりしないのかなぁ…とか考えてみたり…。

防衛のための擬態と攻撃のための擬態は、実は表裏一体なのでは…とか思えたりもするのです。

 

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少々ヒンヤリ…(プセウドパグリステス・モノポルス)

2016-04-12 18:45:02 | エビ・カニ類

季節が後退した……というほどではないですが、少々ヒンヤリした本日のやんばるです。

しかしながら風はゆる~く、海は凪。

後半は日差しもありで、ポカポカ感もありな一日でした。

明日はまた夏日になる予報です。

風は北東のち東。雨のち曇、日差しあり。

〈ヤドカリ科ミギキキヨコバサミ属プセウドパグリステス・モノポルス(和名なし) Pseudpaguristes monoporus 16年3月10日 沖縄島安和〉

『人を呪わば穴二つ』

ということわざがあります。

なんだかおどろおどろしい響きに思えることわざですが、人に害を与えようとすれば、やがて自分も害を受けるようになるという意味だそう。

この場合の穴とは、墓穴のことだとか。

つまり誰かを呪い殺せば、自分も報いを受けて命を失うことになり、結局墓穴が二つ必要になるということ。

やっぱりおどろおどろしい…。

穴の話で始めたのは、本種の学名種小名が『一つの穴』の意味だから。

さて本種の方のこの穴とは何の穴なのでしょう。

まあ墓穴でないことは当然として、それが一つであることが本種の特徴なのでしょうか。

例えば鼻の穴が一つだとか、耳の穴が一つだとか、口の穴が…いやこれはもともと一つだった…。

まさかと思いますが鍵穴が一つだとか。いやこれも一つが当然ですよね。

鍵が二つの生物は知っていますが、鍵穴が二つの生物は僕は知りません。

もちろんヤドカリ類は鍵穴二つがスタンダードだ、なんて話も聞いたことがありません。

ここでいう鍵や鍵穴は、当然本来の鍵や鍵穴のことではありません。

なんというか……

例えばあるフジツボの雄の鍵は本体の8倍の長さがあって、これは体のサイズに対する相対比で動物界最長とか…。

また例えばサメやエイ、いわゆる板鰓類の雄の鍵は二つがスタンダードとか…。

鍵穴の方は研究が進んでいなくて、こういう例えはあげられなかったり。

まあそもそも、鍵穴にはあまりバラエティーがないのかもしれませんが…。

もう、お分かりですよね…。

 

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夏日続き…(ハナビラウツボ)

2016-04-08 18:30:43 | ウツボ科

夏日が続いてますやんばるです。

今日も日中は日差し鋭く、もう夏そのものって感じの空模様でした。

まあ、水温はまだ少しヒンヤリしてますが…。

天気図を見るとまるで梅雨のよう。

というわけで、ぎらぎら陽光が降りそそいでいたと思ったら、急速に曇だして強雨になるという梅雨のような天気の流れに。

週末も、そんな感じの天気になりそうです。

風は南~南西。晴れ、午後遅くに強雨。

〈ウツボ科ウツボ亜科ウツボ属ハナビラウツボ Gymnothorax chlorostigma 16年3月10日 沖縄島安和〉

学名種小名は『黄緑色の斑点』の意。

画像の個体は白斑点ですが……、まあ名は体を表す系ということで。

また本種は、シモフリタナバタウオが擬態するそのモデル種。

シモフリタナバタウオはこちら

前後が逆で尾っぽの方をハナビラウツボの顔に、眼状班を目に見立てているのだそう。

で、自身の顔を岩陰に隠して、岩の狭間から顔を出すハナビラウツボになりすましているのだそう。

普通に正面を向いていても似ているように、僕には思えたりもしますが。口の大きさは違いすぎるけど…。

この擬態もベーツ型擬態だとか。

有毒の方ではなく、有害な生物に似せる方。

有害というとどこか違和感がありますが、危険な種に似せているということでしょう。

ハナビラウツボの成魚は体長が1メートルに達するそうですから、容易には襲われないのでしょう。

シモフリタナバタウオの大きさは15センチほどですから、この擬態にはかなり効果があるように思えます。

生息場所やその様子もよく似ている印象ですし。

 

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ムシムシ…(レモンウミウシ)

2016-04-05 18:32:11 | ウミウシ

前半には激しい雷雨が…、雨が上がった後もムシムシした空気だった本日のやんばるです。

気温も最終的には夏日になりました。

明日以降は陽光も加わって、汗ばむ天気になりそうです。

うりずんって感じのこの頃です。

風は南西のち北東のち南西。雷雨のち曇、時々晴れ間。

〈センヒメウミウシ科センヒメウミウシ属レモンウミウシ Aegires citrina 16年3月10日 沖縄島安和〉

いつの間にか属が移っていたり…。

IUPAC名は2ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸。

別名は3-カルボキシ-3-ヒドロキシペンタン二酸。

化学式はC6H8O7

これは何かと申しますと、クエン酸のことです。

各種サプリメントの成分として多用されたり、電気ポット内部の水垢洗浄などに非常に便利なあれです。

クエン酸は枸櫞酸と書き、つまりこのクエンは漢名です。

クエンの英名はシトロン。

で、本種の学名種小名は『シトロンのような』

シトロンはミカン科ミカン属の常緑低木樹で、レモンの近縁種。

その果実もレモンによく似た色をしています。

形はレモンよりデコボコしてますけど…。

和名はシトロンウミウシとかクエンウミウシでもよかったのでは…、とか思えたりも…。

画像は黄色のカイメンの上にのっかっているわけですが、本種はこのカイメンを好んで食するのだそう。

同じ色をしているのも、その食性と関係があるのでしょう。

 

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卯月(サビウツボ)

2016-04-01 19:02:03 | ウツボ科

4月の初日はティーダカンカンだったやんばるです。

風は北寄りで気温の数字はイマイチ上がってませんが、たっぷりすぎる陽光のおかげで、体感はその数字よりずっと暖かな感じでした。

明日からはその数字もグングン上がっていくようで、季節が確実に進んだようです。

さて衣替えしないと…。

風は北西。晴天。

〈ウツボ科ウツボ亜科ウツボ属サビウツボ Gymnothorax thyrsoideus 16年3月10日 沖縄島安和〉

ローマ神話のワインの神様バッカスは、ギリシャ神話のディオニューソスに対応するのだとか。

ディオニューソスの異名であるバッコスがラテン化してバックスになり、日本ではその英語読みのバッカスで言及されるのだそう。

というわけで、バッカスの原型はディオニューソスということになるのでしょう。

ディオニューソスはギリシャ神話の豊穣と葡萄酒と酩酊の神様なのだそう。

その象徴には、テュルソスという聖杖があるのだとか。

テュルソスのスペルは、Thyrsos

これに接尾辞の oideus をくっつけて……

できあがったのが本種の学名種小名。

つまりその意味は『テュルソスのような形をした』

ではそのテュルソスという杖は、どんなものなのでしょう。

それは先端に松かさ(松ぼっくり)が付き、葡萄の蔓や蔦が巻かれた杖なのだとか。

で、本種の画像を見る…

頭部は松ぼっくりのように……は見えないですが…。

体に蔓や蔦が巻き付いているようにも……見えないですが…。

杖のような細長い形はしてますが、それをいうならウツボ科はすべてそうですからね。

どうしてこんな学名になったのでしょう。

まさかワインが好物のウツボだとか……?

 

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