Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

大根がさきかおろしがさきか(ミゾレウミウシ)

2020-12-29 19:14:58 | ウミウシ

雨交じりで始まり、日中は晴れ間もありましたが、午後遅くからまた雨交じり…。

なかなかに目まぐるしい空模様だった本日のやんばるです。

気圧の谷…って感じの一日でした。

沖縄島は今暖気側にあるようですが、明日には寒気が下りてきそう。

明日の予想最高気温は20℃ですが、この気温は午前3時の予想気温。そこからはひたすらに下がり続けて明後日の朝の予想気温は10℃になっています。

寒~い大晦日から元日になりそうです。

風は東~南東。雨のち曇時々晴れ、のち雨。

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前述のように年越し寒波が迫っているようですが、沖縄には過去に2度雪が降ったことがあります。

1度目は1977年2月17日に久米島で、2度目は2016年1月24日に沖縄島で。2度目のときは僕も経験しています。とんでもなく寒かった記憶があります。

雪が降った、つまり降雪を記録したわけですが、実は2度とも『みぞれ』です。まあ、みぞれは雪として記録されるわけです。

みぞれとは、雪と雨が混ざって降る気象現象のこと。

地上の気温が0℃以上でかつ上空1500メートルでー6℃以上ー3℃未満のときにみぞれとして降ってくることが多いのだとか。

そんな寒い日には鍋…、大根おろしを雪に見立てたみぞれ鍋なんかいいですよね。

昔から『大根おろしに医者いらず』という格言があるほど、大根おろしは身体に良い食品なのだそう。

消化を助ける働きがあり、ビタミンCを始めとする各種栄養素が豊富に含まれていたり、口内炎や虫歯、歯肉炎などの炎症にも効くと言われているのだとか。

さらには蜂蜜を加えて飲むと二日酔いによいとする民間療法もあるらしいですよ。

ところで、『大根おろし』と同じ意味で『おろし大根』という言葉もあります。

どちらも古くから使われている言葉のようですが、『おろし大根』は『大根をすりおろした食べ物そのもの』だけを指し、『大根おろし』は『食べ物だけでなく、おろすための器具、つまりはおろし金のこと』も指すのだそう。

ただ最近のある調査では、比較的若い年代では『大根おろし』のみが使われているのだそうです。

僕はまったく若くありませんが、『大根おろし』派です。

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さて…

〈イロウミウシ科ミスジアオイロウミウシ属ミゾレウミウシ Chromodoris willani 20年11月24日 沖縄島安和〉

背面や触覚・二次鰓の白色細点がみぞれっぽいですね…。

 

 

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王を護った魔法の…(ウデフリツノザヤウミウシ)

2020-12-22 19:56:12 | ウミウシ

久しぶりに晴れ空になった本日のやんばるです。

風も緩く海況も上々でした。

透明度もよく、水温もまだ23℃。

じっくり潜れるコンディションでした。

週の半ばは雨交じりのようですが、週末にはまた晴れアイコンが並ぶ予報になってます。

風は北東~東。晴れ。

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『カリブルヌス』

これはラテン語で『鋼』を意味する言葉に由来する剣の名前です。『ブリタニア列王史』という偽史に登場する剣で、持ち主はアーサー王。

アーサー王は5世紀後半から6世紀初めのブリトン人の君主で、アーサー王物語として数々の伝説的エピソードが残されている人物。そのほとんどが民間伝承や創作によるもので、実在したのかどうかは今も議論が続けられているのだとか。

日本でもアーサー王物語は、かなり以前にアニメ化されてます。確か僕が小学生の頃だったと思いますから数十年前ですけど…。

『カリブルヌス』は時代と共に呼び名が変化し、最終的には『エクスカリバー』と呼ばれるようになりました。『エクスカリバー』という名前なら、聞いたことがあるのではないでしょうか。

魔法の力が宿る聖剣とされ、石に刺さっていたこの剣を引き抜いたことによってアーサーは王になる資格を得たとする伝説や、アーサーが王になった後に『湖の乙女(守護妖精)』によって与えられたとする伝説などがあるのだそう。

あるいは二つの伝説はどちらも正しく、エクスカリバーは二本あるとされる物語もあるのだとか。アーサー王の物語は様々な人によって作品化されているために、エクスカリバーも様々な描かれ方がされているようです。

ちなみにエクスカリバーは『鋼を斬るもの』という意味としている作品もあるのだとか。と言うことはエクスカリバーは『斬鉄剣』だったのですね…。

剣と対になるもといえば鞘。

魔法の力が宿る聖剣の鞘もまた魔法の鞘だったのだとか。

その鞘は、前述の『ブリタニア列王史』に登場するアーサー王の助言者である魔術師から、アーサー王がもらったもの。それは所有者の身を護り血を流させない魔力を持っていたのだそう。

しかし策略によりその鞘が奪われてしまい、そのことでアーサー王は死を避け得ぬようになってしまったのだそうです。

昔見たアニメのアーサ王物語は、どんなラストだったかなぁ…。昔過ぎて全く憶えていません…。

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この鞘が魔力を持っているかどうかは解りませんが…

〈フジタウミウシ科フジタウミウシ亜科ミズタマウミウシ属ウデフリツノザヤウミウシ Thecacera paciffica 20年11月19日 沖縄島崎本部ゴリラチョップ〉

学名種小名は『太平洋の、または平和な』の意。

触覚に、触覚鞘を持っています。

 

 

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アンドロギュノス(ハナヒゲウツボ)

2020-12-15 20:14:43 | ウツボ科

冬が始まりました…、という感じの冷え込みになった本日のやんばるです。

空模様もドンヨリ…。明日以降の1週間の予報を見ても晴れマークが見当たりません。

真冬の冷え込みは、明日までのようですが…。

風は北。曇一時雨。

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『アンドロギュノス』

ギリシャ語で男性を表す『アンドロ』と女性を表す『ギュノス』から作られた言葉。つまりは両性具有のこと。

ギリシャ神話の中に、ニンフに恋された神が無理矢理一心同体にされて、両性具有になるという話があるのだとか。

日本神話でも、天照大御神が両性具有神として描かれている書物があるのだそう。

原初の世界あるいは人間が両性具有だったとする神話は、世界各地に存在するのだとか。

水中ではウミウシ類が目立つシーズンが始まっています。ウミウシ類はアンドロギュノス…、というか雌雄同体の生物ですね。

水中生物にはウミウシ類以外にも雌雄同体の生物が少なからずいますよね。

例えばスズメダイ科クマノミ亜科の魚たちや、ハタ科ハナダイ亜科の魚たちなど。

クマノミ類やハナダイ類は性転換魚では? と思った方、その通りです。

しかし性転換魚と雌雄同体魚はイコールです。雌雄同体には、『同時的雌雄同体』と『隣接的雌雄同体』があります。

前述のウミウシ類は『同時的雌雄同体』で、一つの個体が同時的に雄でも雌でもある生物。

クマノミ類やハナダイ類は『隣接的雌雄同体』で、雄から雌あるいは雌から雄へと性転換する生物です。生涯的には雄も雌も経験しますけど、ある一時期においては雄ないしは雌のどちらかであるということで、『隣接的』というわけです。

先に雄として成熟するパターンを『雄性先熟』、先に雌として成熟するパターンを『雌性先熟』と呼びます。

クマノミ類は『雄性先熟』、ハナダイ類は『雌性先熟』する魚ですね。

ところで、日本産魚類ではありませんがサンゴ礁に生息する『チョークバス』という魚がいます。

この魚は『同時的雌雄同体』の魚類で、さらに興味深いことに1日に20回も性的役割を入れ替えて励むのだとか。

水中世界の性は、かなり奔放に思えたり…。

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この魚も『隣接的雌雄同体』です…

〈ウツボ科ウツボ亜科ハナヒゲウツボ属ハナヒゲウツボ Rhinomuraena quaesita 20年10月5日 沖縄島安和〉

学名種小名は『気取った、特別の』の意。

本種は最初に雄として成熟し、その後雌に性転換する『雄性先熟』の魚です。

さらにその性の変化の過程で纏う色も変えていきます。

幼体や亜成体のときには背鰭が黄色の漆黒、成体の雄では黒が青に置き換わり、成体の雌は完全に黄色か後部にいくらかの青みを残した黄色を纏います。

 

 

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冬といえばこたつで…

2020-12-08 20:05:46 | ウミウシ

12月に入ってから北風強め、雨交じりの空模様が続いているやんばるです。

昨日今日はやや風が弱まり、今日の午前中はほんの少しだけ晴れ間が見られたりしましたけど…。

午後の遅くからはまた雨交じりの天気になり、日が暮れる頃からは風も強まっていたり…。

この先一週間も、晴れ間は少なそうな予報です。

風は北東。曇一時晴れ、のち雨。

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昨日は二十四節気の大雪でした。平地でも雪が降り積もる季節のことなのだとか。まあ、さすがに当地では雪の気配はありませんが。

寒くなってこたつを出している方も多いのではないでしょうか。我が家にもこたつはありますが、面倒くさくてここ何年かはしまったままです。

ある調査によると、47都道府県のこたつの保有率ランキングで、沖縄県は46位なのだそう。まあ、そうでしょうね。だから我が家がこたつを出さなくても、それは沖縄では多数派だということなのでしょう。

このランキングの最下位はというと、それは北海道なのだとか。その理由は寒すぎることにあるよう。つまり、暖房設備が充実していて家全体を温めているのでこたつの必要性が低いのだそうです。なるほどね。

こたつと言えばみかん。この二つの組み合わせは冬の身近な風物詩ではないでしょうか。

こたつは室町時代に考案されたと言われていて、みかんの原種は記紀にも登場しているそうですから、双方かなり昔から日本にあるもの。

けれどこの二つが組み合わさったのは高度成長期の頃なのだとか。

この頃一般家庭にテレビが普及し、茶の間に家族が集まって、冬にはこたつに入ってテレビを見るというスタイルが確立されたのだそう。

こたつって、一度入るとそこから動きたくなくなりますよね…。

で、こたつに置いておいても長く保存が利き、食べたいときに手で皮をむいて食べられるみかんは、ベストマッチだったというわけです。

もっとも、みかんには風邪の予防に効果のあるビタミンCがたっぷりと含まれていたり、長くこたつにいると失われがちな水分を補給できたりと、科学的にも理にかなった組み合わせなのだそうですよ。

ところでGoogle翻訳で『ミカン』を英語にすると『orange』と変換されるのですが、『みかん』で試すと『mandarin orange』と変換されます。

まあ、『みかん(ウンシュウミカン)』も『オレンジ』も『マンダリンオレンジ』も、全部ミカン科ミカン属の近縁種ですけど…。

しかし『ミカン』と『みかん』で、何故変換が変わってしまうのでしょう?

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で、オレンジのほうです…

〈ミドリアマモウミウシ科ミドリアマモウミウシ属オレンジモウミウシ Hermaea sp. 20年10月5日 沖縄島安和〉

すぐ近くに小さな個体もいました↓

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

この手の、サイズ差の大きく違う個体が近しい距離にいるというシーンを、ウミウシではときどき目にするのですが、こういうのってどういう関係性なのでしょう。

それとも、たまたまなのでしょうか…。

 

 

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芸術の女神たち(モザイクウミウシ)

2020-12-01 19:07:00 | ウミウシ

午後の遅くにようやく晴れ間。それまではド~ンヨリな空模様だった本日のやんばるです。

北寄りの風が強い日が続いています。週間予報を見る限りでは雨交じりの日が多そう…。

冬っぽい感じ、師走っぽい感じのこの頃です。

まあ、水温はまだ24℃以上ありますけど。

風はやや強めの北~北東。曇のち晴れ間。

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『カリオペ、クレイオ、エウテルペ、タレイア、メルポネメ、テルプシコラ、エラト、ポリュムニア、ウラニア』

これらは九人の女神の名前です。おっと神ですから九柱の女神の名前と言うべきですね。

『ムーサ(Musa)』、あるいは複数形で『ムーサイ(Musai)』と呼ばれるギリシャ神話の女神たちで、芸術や学問を司る女神たちです。

ギリシャ神話の絶対神『ゼウス』と記憶を司る女神の『ムネモシュネ』との間に生まれた娘たちで、ムネモシュネは9日間に渡ってゼウスと添い臥して9人のムーサたちを産んだとされています。

9日間で9人ですから、1日に一人ずつ産んでいったのでしょうか。速い! さすが神。

『ムーサ』という言葉は、学芸に関するいくつかの言葉の語源にもなっています。

英語・フランス語の『ミューズ』はスペルも同じで、ムーサが語源です。女神という意味だけではなく、ファッション業界ではブランドの象徴となる女性のことを指したりするのだそう。

音楽を表す『ミュージック』もムーサが語源です。

博物館や美術館を意味する『ミュージアム』そう。

そして、建築物の床や壁を装飾する美術技法である『モザイク』もムーサを語源とする言葉なのだとか。

ムーサイに捧げられた洞窟にこの装飾が施されていたために、この技法がムーサイと呼ばれるようになり、それが各国に広がる過程でモザイクへと変化したのだそう。

『Musai』が『Mosaic』になったということのようですね。

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さて…

〈ツヅレウミウシ科モザイクウミウシ属モザイクウミウシ Halgerda tessellata 20年10月5日 沖縄島安和〉

学名種小名は『モザイク模様の、モザイク模様になった』の意。

『mosaic』が入ってないのに…、と何度見ても思ってしまいます…。

 

 

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