Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

輝く石(フシウデサンゴモエビ)

2022-01-25 19:36:43 | エビ・カニ類

日中は日差したっぷりで心地良かった本日のやんばるです。

明日以降週末直前まではこんな感じの空模様が続きそう。

週末はなんだか雨交じりになりそうですが、まあ気温は高めで推移するみたいです。

風は北東~北。晴れのち曇。

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『大理石』

石灰岩が変成作用を受けてできた粗粒の方解石やドロマイトなどの岩石のこと。

英語では『marble(マーブル)』

もともとは古代ギリシャで『marmaros(マルマロス)』呼ばれており、これは古代ギリシャ語で『輝く石』という意味なのだとか。

それが古代ローマのラテン語で借用され『marmor』となり、ラテン語の方言から生まれた古フランス語で『marbre(マルブル)』となり、さらにそれが中世英語に移入されて『marble(マーブル)』となったのだそう。

また漢字表現の『大理石』は、9世紀から12世紀にかけて存在した国家である『大理国』で産出する石材であったことに由来するのだとか。

そう、大理石は建築材料や彫刻の材料として身近な石ですね。

世界的建築物ならパルテノン神殿やタージ・マハル、彫刻作品ならミケランジェロのダビデ像やサモトラケのニケなどが大理石でできています。

大理石は産地ごとに様々な色彩や模様のものがあり、その産地は世界中にあります。

もちろん日本にもいくつもの産地県があり、産地別の石種として名付けられたりしているよう。

山口県は特に多く、例えば『薄雲』、『鶉(うずら)』、『山吹』、『吉野桜』、『黒霞』、『白鷹』等々。

いろんな模様がイメージできるラインナップに思えたり…。

前述した石種は全て国会議事堂の建材として使用されているのだそうです。

ちなみに当地の『琉球大理石』も国会議事堂に使用されてたりします…。

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さて大理石といえば…

〈モエビ科サンゴモエビ属フシウデサンゴモエビ Saron marmoratus 21年11月15日 沖縄島安和〉

学名種小名は『大理石状の』の意。

借用された『marmor』が入っています。

マーブル模様ということでしょうか…。

 

 

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冷光(セノウヒカリイシモチ)

2022-01-18 18:14:38 | テンジクダイ科

昨日のような冷たい雨は降りませんでしたけど、なかなかに風が冷たかった本日のやんばるです。

ときどきの晴れ間がとても心地良い一日でした。

明日は今日以上に晴れ間がありそう。

月末にかけては暖かな日が続く見通しなのだとか。

沖縄気象台が昨日、高温に関する早期天候情報を発表していましたから。

農作物の管理などには注意が必要なようですが、ダイバーには大歓迎ですね…。

風は北東。曇ときどき晴れ。

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『発光器官』

生物発光を行う器官として発光動物の多くが持つ効果器のこと。

発光を行う動物は散発的で、系統的繋がりはないのだとか。まあ、それぞれの事情があるのでしょう。

生物発光には二つのタイプがあり、自分で細胞から発光素を分泌して、それが触媒により体内もしくは水中の酸素で燃焼して起こるものを『自力発光』と呼ぶのだそう。ルシフェリンールシフェラーゼ反応による発光ですね。

それに対して共生バクテリアが共生することによって発光するものを『共生発光』と呼ぶのだとか。もっとも共生バクテリア自身はルシフェリンールシフェラーゼ反応で発光しているのだそうですが。

自力発光の代表格はホタルですよね。海の生物ではサクラエビでしょうか。

共生発光と言えば、ミミイカ類やマツカサウオ、チゴダラ、ホタルジャコ、ヒイラギ等々。

共生発光は海の生物ばかりのイメージが…。

水中生物に関して言えば、自力発光するのは深海性の魚で、共生発光するものは浅海から深海までわたっているのだとか。

前述の通り、どちらの発光も結局は『ルシフェリンールシフェラーゼ反応』によるもの。

これは酸化反応によって起こるものですから、熱をともなわないのだそう。

それでこの発光は『冷光』とも呼ばれるのだそうです。

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さて…

〈テンジクダイ科コミナトテンジクダイ亜科ヒカリイシモチ属セノウヒカリイシモチ Siphamia senoui 21年11月15日 沖縄島安和〉

学名種小名は『瀬能氏の』の意。

和名と共に、魚類学者の瀬能宏博士への献名です。

ヒカリイシモチ属の種は腹部に発光器があり、管で腸と繋がり、取り入れた発光バクテリアとの共生で発光するのだそうです。

 

 

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斑紅葉(ムラモミジハナダイ)

2022-01-11 20:10:15 | ハタ科

雨で始まった今日は時間と共に青空が広がる一日になりました。

ただ風はどんどん強まっていき、気温もどんどん下がる一方。

海のコンディションも陸のコンディションも厳し~感じに…。

明日は朝から晴れそうですが、今日と同じように寒~い一日になりそう。

風は弱まるので、体感は違ってくるかもしれませんが…。

風は北西、後半やや強め。雨のち曇、のち晴れ。

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『紅葉』

『こうよう』と読んだり、『もみじ』と読んだり。

植物の緑葉が秋に紅色に変わる現象のこと。あるいはその紅色になった葉のことですね。

メカニズム的には、葉にできるアントシアンなどの色素が、離層の形成によって移動を妨げられ蓄積して起こると考えられているのだとか。

まあ、葉の中に赤い色素が作られると言うことですね。

何故赤い色素が作られるのかをザックリ言うと、秋になると光合成で得られるエネルギーより葉を維持するエネルギーの方が大きくなるので、葉を落とした方がエネルギー効率が良くなるわけです。で、葉を落とすのですがその際になんだかんだで有害物質が生産されてしまうのだそう。で、その有害物質の生産を抑制するために葉を赤く染めるのだとか。

つまり自身(葉以外の組織)を守るためなのですね。その姿を愛でて、僕らは愉しんでいるわけです。ちょっと申し訳ない気も…。

『紅葉』を『こうよう』と読むのは分かりますが、『もみじ』と読むのはどうしてでしょう?

『もみじ』というのは、草木の葉が赤、または黄色になるという意味の『もみず』という動詞に由来しているのだとか。

さらに『もみず』は染め物の『揉み出づ(もみいづ)』が語源なのだそう。

つまり染色したように紅く染まるからということのようです。

『紅葉』は秋と冬の季語。様々な表し方がありますね。『初紅葉』や『薄紅葉』、『照る紅葉』とか『散り紅葉』とかも。

そして『斑紅葉(むらもみじ)』という言葉も。

『斑紅葉』とは木々が色の濃いところ薄いところと、まだらに紅葉している様子を意味するのだそうです。

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むらもみじって綺麗な響きに思えるのですが…

〈ハタ科ハナダイ亜科イズハナダイ属ムラモミジハナダイ Plectranthias longimanus 21年11月4日 沖縄島安和〉

学名種小名は『長い手の』の意。

学名Plectranthias longimanusは、少し前までチビハナダイという和名でした。

2019年にチビハナダイの学名がPlectranthias nanusになり、P longimanusにはムラモミジハナダイという和名が与えられました。

 

 

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HAPPY NEW YEAR 2022

2022-01-01 20:02:13 | ヨウジウオ科

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

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