Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

歯と嘴(リュウキュウウミシダエビ)

2022-12-27 19:38:08 | エビ・カニ類

風が弱まり、日中は比較的過ごしやすかった本日のやんばるです。

年末年始の週間予報は曇で雨交じり……な日が続きそう。

う~ん……って感じですが、気温は高めで推移しそうです。

風の強さで体感温度が大きく変わってくるので、暖かく感じるかは風しだいかな……。

今日の風はゆるやかな北~北東。概ね曇。

■■

『嘴』

鳥類の採食器官。上下の顎が突出し、一繋がりの角質の板によって硬くなったもの。

早い話が鳥の口ですよね。

しかし前肢を持たない鳥類にとっては、嘴は採餌の他にも、毛づくろいや物をつまんだり。

あるいは他の動物に対する殺傷の武器であったり、求愛行為や雛への給餌など、実に多様な機能を有しています。

でもこの『嘴』、食べ物を噛むことは出来ません。というのも、歯がないからです。だから咀嚼は出来ないのだとか。

鳥の祖先を遡れば、それは獣脚類の恐竜。当然その頃には鋭い歯を持っていました。

進化の過程で歯を失ったわけですが、研究によると嘴の発達と歯の喪失は同時期に始まったのだそう。

では何故歯を失ったのでしょう?

有力となっている説は『孵化期間の短縮説』なのだとか。

かつての恐竜たちは、孵化までに約3~6ヶ月かかっていたのだそう。

これは卵の中で歯の形成に時間がかかっていたからなのだとか。

鳥類は歯を捨てることで孵化までの期間を平均11~85日に短縮し、雛の生存率を高めたと考えられるのだそうです。

ちなみにヒヨコには歯があるのだとか。

卵歯と呼ばれる歯で、孵化するときに卵の殻を中から割るためのものなのだそうです。恐竜時代の名残でしょうか……。

■■

さて歯と嘴といえば……

〈テナガエビ科カクレエビ亜科リュウキュウウミシダエビ属リュウキュウウミシダエビ Araiopontonia odontorhyncha 22年10月24日 沖縄島安和〉

学名種小名は『歯+嘴』の意。

細長い額角の上縁に6~7歯、下縁に1歯あることが特徴の一つです。

ウミシダ類と共生し、体色は宿主に合わせて変異します。

 

 

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みかまがめ(ダンダラダテハゼ)

2022-12-20 19:39:22 | ハゼ科

久しぶりに気持ちよく晴れたなぁ……という印象だった本日のやんばるです。

北寄りの風はもちろん冷たいですが、日差しのおかげで過ごしやすい一日でした。

明日は雨空になりそうですが、それ以後は雨アイコンが見当たらない週間予報になってます。

たっぷりと日差しを楽しめるクリスマスウィークになりそうです。

風は北東。晴天。

■■

『目は口ほどにものを言う』

なんてことわざがありますが、目からは人の内側の情報を多く読み取れるもの。

また人が受け取る情報の8割以上が視覚からの情報だとされているのだそう。

人の情報の入出力にとって、目は重要な器官のようです。

39億年前に地球上に生命が誕生したとき、その生物に目はありませんでした。

生物が目を獲得したのは約5億4千万年前なのだとか。

5億4千万年前といえば、『カンブリア紀の大爆発』と呼ばれる現象が起こったとき。地球上に突如として多種多様な生物が出現したときですね。

この地層から出てくる化石に、目のかたちがはっきりと刻印されているので、目が誕生したのはカンブリア紀であると考えられているのだそう。

『目(め)』の語源は『見(み)』が変化したものという説が多いのだとか。

ただし『まなこ(眼)』の『ま』が変化したという説もあるのだそう。

つまり、「みかまがめになった」ということのようです。いや、ちょっと面白い響きだなと思っただけです……。

因みに『まなこ』は『目の子』という意味で、もともとは黒目の部分のみを指す言葉だったのだそうです。

■■

で、『め』といえば……

〈ハゼ科ハゼ亜科ダテハゼ属ダンダラダテハゼ Amblyeleotris periophthalma 22年10月24日 沖縄島安和〉

学名種小名は『まわり一面に、あるいは非常に+眼』の意。

まわりって、何に対してのまわりなのでしょうか……。

 

 

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応量器(ハチマキダテハゼ)

2022-12-13 20:08:40 | ハゼ科

気温よりも水温の方が高い……という日が続いているやんばるです。

今日はときどき日差しがあったので、まあ過ごしやすい日でしたけど。

今週はドンヨリ曇か雨交じりという空模様が続きそう。

そして週末は暴風雨、そしてその翌日にはガツンと気温が下がる予報なんですが……。

風は北。晴れたり曇ったり。

■■

『鉢合わせ』

『鉢巻』

『托鉢』

共通するのは『鉢』ですね。

『鉢合わせ』は出会いがしらに頭と頭がぶつかり合うこと、からの偶然ばったり出会うこと。

『鉢巻』は額の位置で頭を布や紐で結ぶこと。またはその布や紐のこと。

共通点は『頭』ですね。

では『托鉢』はというと……。

仏教などの出家者の修行の1つで、街を歩いたり街の辻に立ったりして、食料などをこう修行。

『托』は手のひらに物をのせるという意味。『鉢』は……頭蓋骨のことなのだとか。

といってもお坊さんが頭蓋骨を手にのせて街を歩いたりはしてませんよね。手にのせているのは『応量器』という個人の食器なのだそう。

その『応量器』の中で最も大きな器である『頭鉢(ずはつ)』という器を托鉢には使うのだそう。

出てきましたね、『頭』が。

これが何故『頭鉢』と呼ばれるのかというと、この器がお釈迦様の頂骨であるとされているからなのだそうです。

『頂骨』、つまりは『頭蓋骨』ですね。

これがもととなって、『頭蓋骨(頭)=鉢』になったのだそうです。

■■

で、鉢巻……

〈ハゼ科ハゼ亜科ダテハゼ属ハチマキダテハゼ Ambolyeleotris diagonalis 22年10月21日 沖縄島崎本部〉

画像はまだ幼い個体。

学名種小名は『斜行の、対角の』の意。

目の後方の上後方に向かう黒褐色斜線が『鉢巻』ということのようですが……。

僕にはどうもそれっぽく思えないんですよねぇ……。

まあ、くわがた結びの鉢巻が近いかなぁ……。

 

 

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モヤウ(モヨウシノビハゼ)

2022-12-06 18:36:01 | ハゼ科

昨日の夜に強い北風が吹き、今日はめっきり冬めいた一日になったやんばるです。

風はかなり弱まりましたが、なかなかにうねりありなコンディションでした。

気温よりも水温の方が5℃ほど高かったので、エントリーすると温く感じたり……。

明日以降は少し暖かくなるようですが、今週いっぱい雨交じりの日が続きそうな予報になってます。

風は北東~東。曇ときどき雨。

■■

『模様』

図形、図柄、ありさま、様子、らしい様子などを表す言葉。

もともとは漢語で『モヤウ』だった語形が『もよう』に変化したのだとか。

漢語では図柄や様子を表したのだそう。

『今日の空模様』や『午後には雨になる模様』などの、名詞につけて物事の動向を推測する場合の用法は、日本的用法なのだとか。

『模様』と同じような意味の言葉に『紋様』と『文様』がありますよね。

3つの違いをご存じですか?

『模様』は、『紋様』や『文様』を含めた図柄の総称なのだそう。

『紋様』は、平面上に自然と出来上がった『模様』のことなのだとか。

そして『文様』は、人工的に作られた『模様』のことなのだそうです。

だから僕たちが目にする砂地の水底に波が描いた『模様』は『紋様』、つまり『砂紋』というわけですね。

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さて模様といえば……

〈ハゼ科ハゼ亜科モヨウシノビハゼ属モヨウシノビハゼ Echinogobius hayahii 22年10月21日 沖縄島崎本部〉

学名種小名は『林氏の』の意。

本種に最初に和名をつけた魚類学者の林公義氏に因んでいます。

本種は一属一種の魚で、共生ハゼ類と同じような環境に生息していますが、テッポウエビ類との共生関係はありません。

 

 

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