Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

Naraka(タキベラ)

2019-05-28 19:55:39 | ベラ科

長~い梅雨の中休みも終わったようで、久しぶりに雨に降られた本日のやんばるです。

といっても雨が降り出したのは午後の遅くでしたけど。

明日は朝から日中もずっと雨交じりの空模様の予報。

風が北寄りになって、少し肌寒い一日になりそうな気配です。

風は南。曇のち雨。

■■

宗教的死生観において、悪行を為した者が死後に送られ罰を受けるとされる世界を『地獄』といいますね。

地獄は多くの宗教に存在するそうで、イスラム教にもキリスト教にも、そして仏教にも存在します。

日本の仏教では、死後に人は三途の川を渡り、閻魔王を含む十王に7回の裁きを受け、最終的に最も罪の重い者は地獄に落とされると信じられているのだとか。

その地獄には八大地獄という八つの形相があり、裁きの結果、その罪の重さによって服役の場所が決まるのだそう。そして服役期間を終えた者は輪廻転生によって、またこの世界に生ま変わってくるのだとか。

地獄って、一度落ちると永遠に出られないイメージだったんですけど、そうではないのですね。

東アジアの仏教では、地獄の色は『黒』で表されるのだそう。

餓鬼は『赤』、畜生は『黄』、修羅は『青』で、この三色を混ぜると地獄の黒になる、と言われるのだとか。

節分の豆まきで追われる赤鬼、黄鬼、青鬼はここから来ているのだそうですよ。

地獄って、あると思いますか。

まあ、宗教的概念ですから、正直僕にはあるとは思えません。

ですが、日常的に蜘蛛を邪険に扱ったり、傷つけたりしないように暮らしてたりはします。万が一地獄に落ちたとき、糸を垂らしてくれるかもしれませんから。

芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のことですよ。

糸を掴んで昇るときは、カンダタみたいに独り占めしないことを忘れないようにしないとな…、なんてことを思ってたりもしてます…。

地獄はサンスクリット語でNaraka(ナラカ)といい、奈落と音写されるのだとか。これが後に演劇の舞台下の空間を指して言うようになったのだそう。

劇場の奈落の由来は地獄だったんですね。

■■

さて…

〈ベラ科タキベラ亜科タキベラ属タキベラ Bodianus perditio 19年4月15日 沖縄島安和〉

画像は幼魚

学名種小名は『破壊、破滅、地獄落ち』の意。

いったいどんな罪で裁かれたのでしょうか。

というか、すごい学名ですよね…。

 

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神の使いの子(カノコイセエビ)

2019-05-21 19:29:07 | エビ・カニ類

強い日差しと涼風のコラボが絶妙で心地よかった本日のやんばるです。

今日から梅雨は中休みだそうで、週間予報でも来週開けまでズラリと晴れアイコンが並んでました。

しかもこの週末金・土・日の降水確率が0パーセント。

今週は気持ちの良い1週間になりそうです。

風は北。晴天。

■■

 『大仏に、鹿の巻き筆、あられ酒、春日灯籠、町の早起き』

これは落語の『鹿政談』の冒頭で語られる奈良の名物のことです。

最後の『町の早起き』というのが、何それ? って感じですよね。何故、早起きが名物になるのでしょう?

それは…

奈良と言えば『鹿』ですよね。奈良公園の鹿は外国人観光客にも人気があるのだとか。

奈良公園内には春日大社があります。西暦768年に創建された神社で、タケミカヅチ(建雷命)という神様を祀るために建てられた神社です。

そのタケミカヅチが白い鹿にのって奈良の地にやってこられたのだそうで、鹿は奈良では神鹿(しんろく)と呼ばれて保護され、現在に到るまで人と鹿が共生しているのだそう。

鹿は『古事記』にも登場し、古くから神の使いとされているのだとか。

その昔、神鹿を死なせてしまえば子供でも死罪になったのだそう。もし朝起きて、家の前に鹿が死んでいたらもう大変。そのままにはしておけず、こっそりと隣の家の前に移動しておく。それに気づいた隣の人は、慌てて向かいの家の前に移動しておく。それに気づいた向かいの人も大急ぎで…。という感じで、奈良の町では朝ゆっくり寝ているなんて出来なかったそうで…。

そんなわけで町の早起きが名物になったと、鹿政談では語られます。

神の使いと共に暮らすのは大変なんですねぇ…。

因みに、三代目桂米朝の鹿政談はおすすめです。

■■

さて…

〈イセエビ科イセエビ属カノコイセエビ Panulirus longipes bispinosus 19年4月5日 沖縄島崎山〉

画像はまだ幼い個体。

カノコは鹿の子。神の使いの子です。

もっとも本種の鹿の子は、鹿の子斑模様のこと。白色小紋が散在する、子鹿の背のような模様のことです。

 

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名望家(ハナキンチャクフグ)

2019-05-14 20:15:11 | フグ科

ときどき激しい雨に降られた本日のやんばるです。

そうかと思えば鋭い日差しが降り注いだり、風はムシムシと湿った南寄りだったり。

梅雨っぽい感じの一日でした。

奄美地方は本日梅雨入りしたそうで、沖縄の梅雨入りも秒読み段階なのでしょうね。

風は南~南西。晴れ、ときどき雨。

■■

「レディース・アンド・ジェントルマン(Ladies and gentleman)」

これは英語圏で司会者が番組やイベントの冒頭で口にする定番のフレーズですね。

このフレーズは1972年のザ・ローリング・ストーンズのライブ作品のタイトルとしても有名です。

またこのフレーズは米ニューヨークの地下鉄やバスの車内アナウンスでも、伝統的な呼びかけとして使用されていたのだとか。

使用されていた…と書いたのは、今は廃止されているから。

現在は乗客に対しての呼びかけは、「お客様(passengers)」や「乗客の方々(riders)」あるいは「皆さん(everyone)」といった用語が使用されているのだそう。

これは、男女の区別を不必要に強調しないジェンダー・ニュートラルを目指す動きなのだとか。いわゆるポリティカル・コレクトネスですね。日本でも『保育士』とか『看護師』などの呼び方が既に定着してたりしますね。

ロンドンの地下鉄でも同じようになっているそうですから、「レディース・アンド・ジェントルマン」というフレーズは遠からず死語になってしまうのでしょうか。あるいは既に英語圏では死語になっているのでしょうか。

「レディース・アンド・ジェントルマン」は日本語では「紳士淑女の皆さん」と訳されます。

ジェントルマン=紳士という言葉は、日本では成人男性で、上品で礼儀正しく、教養高く優しい人物、といったイメージでしょうか。

ジェントルマンの発祥の地英国では、ジェントルマンとは地主貴族を核とする名望家のことなのだとか。

ジェントルマンのジェントル(gentle)はもともとラテン語のgentilisに由来し、それは『同じ氏族に属する』という意味なのだそう。

英語のgentleは古くは『高貴な』という意味の形容詞として使われ、つまりジェントルマンは『高貴な人』『家柄の良い人』といった意味合いで使用された言葉なのだそうです。

すなわちジェントルマンとは、16世紀から20世紀にかけての実質的なイギリスの支配階級のことであったのだとか。

まあもちろんそういう階級に属する人たちは、高い教養と品格を有していたのでしょうね。

■■

さて…

〈フグ科キタマクラ属ハナキンチャクフグ Canthigaster axiologa 19年3月18日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

学名種小名は『名望ある。言うに値する』の意。

名望とは、名声と人望のこと。

名声と人望を併せ持つ、紳士な魚のでしょうか?

 

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侍従、出納係、地名、姓

2019-05-07 19:29:18 | ウミウシ

大型連休は後半の方が好天でしたが、本日もまだそれが続いてる感じのやんばるです。

風は北寄りでギリ夏日にはなりませんでしたが、過ごしやすい一日でした。

この過ごしやすさも明日までのようで、週の後半はムシムシとした夏日になりそう。

それはそれで心地よいような気もしますけど…。

風は北東。晴れのち曇。

■■

2009年に公開された映画『天使と悪魔』は、2006年公開のヒット映画『ダ・ヴィンチ・コード』の続編、というかロバート・ラングドン教授シリーズの第2弾ですね。宗教象徴学者で直感象記憶という能力を持つラングドン教授が活躍するミステリースリラー映画です。

因みに、原作小説のほうでは第一作が『天使と悪魔』で、第二作目が『ダ・ヴィンチ・コード』なんですが、『ダ・ヴィンチ・コード』のほうが先に映画化されてしまいましたので、映画と小説では時系列が逆になっていたりします。

それはともかく『天使と悪魔』は、バチカン市国を舞台にバチカン警察に内密に調査を依頼されて、ラングドン教授が事件に深く関わっていくという感じの物語。

この映画の中では、英国人俳優のユアン・マクレガーが重要な役どころを演じています。ユアン・マクレガーといえば『トレインスポッティング』や『スターウォーズ』の若きオビ=ワン・ケノービ役で有名な俳優さんですね。

彼が演じたのは『パトリック・マッケンナ』という人物で、カトリック教会の『カメルレンゴ』という役職の人物です。

カメルレンゴ(Camerlemgo)とは、ローマ教皇の秘書長であり、教皇の死去に立ち会い、その死後教皇代理となる役職なのだそう。これを英語で表現すると Lord Chamberlain となるのだそうで、これは日本語で侍従長にあたるのだとか。

Chamberlain(チェンバレン)だけだと宮廷の侍従を意味し、収入役あるいは出納係のことも意味し、地名にもあり英国圏の姓でもあるのだとか。多彩な言葉なのですね。

■■

さて…

〈フジタウミウシ科クロスジリュウグウウミウシ亜科クロスジリュウグウウミウシ属セグロリュウグウウミウシ Nembrotha chamberlaini 19年3月12日 沖縄島安和〉

chamberlain の末尾に i がくっついた学名種小名。

つまりこの学名は献名ですね。『チェンバレン氏の』という感じの意。

『宮廷の侍従』の方が由来的には面白いのですが…、まあ、そう都合良くはいきませんね…。

 

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