Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

Symbolic orange(オレンジモウミウシ)

2020-03-31 19:06:33 | ウミウシ

朝から雲量多めの空模様で、日中は雨交じりだった本日のやんばるです。

前線が停滞していたようです。

そこに流れ込む風は温~く湿っていて、寒さはそんなに感じませんでした。

明日は前線通過と共に北西の風が強まりそう…。まあ、同時に晴れ間は広がりそうですが…。

この先一週間は雨半分晴れ半分みたいな印象の予報になってます。

風は南西~西。曇り時々雨。

■■

少し前、スローなテンポで話すのが印象的な某戦場カメラマンが、コンゴのジャングルで大量の蚊に刺されマラリアに感染したというエピソードを、ネットのニュースで知りました。もとはテレビ番組で話したことのようですが。

何でも意識が遠のき、呼吸困難になり、死をも覚悟したのだそう。そんなときに看護師が彼にある液体を強引に飲ませたのだとか。すると元気になり、ベッドからも起き上がれるようになったのだそう。その液体とは、『ファンタオレンジ』だったのだそうです。

凄いな、ファンタオレンジ…。

実はファンタはオレンジもグレープもカロリーや糖質がスポーツドリンク系よりも高く、成人一食あたりの摂取カロリーの三分の一以上を500mlボトル1本でとれてしまうという優れものなのだとか。まあ、食事と一緒に飲むとカロリーを取り過ぎてしまう飲み物ということでもあるような気もしますが…。

この豊富な糖質とカロリーが、某戦場カメラマンを救ったのでしょうか。

■■

オレンジといえば…

〈ミドリアマモウミウシ科ミドリアマモウミウシ属オレンジモウミウシ Hermaea sp. 20年2月4日 沖縄島安和〉

和名にオレンジが入っていますが、このオレンジはミカン科ミカン属の果実(和名はアマダイダイ)のことではなく、オレンジの果実のような色、つまりオレンジ色であることを表しているのでしょう。

僕らが一般的にイメージするオレンジ色は、カラーコード『#ef810f』や『#ff5900』あるいは『#ffa500』なのだとか。

また航空宇宙産業にはインターナショナルオレンジなるものが存在するのだそう。カラーコードは『#ff4f00』で、赤と黄色の中間色で赤に近い鮮やかな朱色なのだとか。

航空法施行規則第百三十二条の三において『赤黄』と呼ばれる色なのだそう。

たぶんこの色は日本では一番馴染み深いオレンジ色で、シンボリックなオレンジ色だと思います。

というのはこの色は、東京タワーの塗装に用いられているオレンジ色なのです。

 

 

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花の色は…(トゲコマチガニ・ハクセンコマチテッポウエビ)

2020-03-24 19:19:43 | エビ・カニ類

陽光たっぷりで、心地良い日が続いているやんばるです。

風は北寄りですが、エキジット直後でも寒さを感じることもなく…。

めっきり春…なこの頃です。

週の後半には夏日になりそうな予報も…。

風は北東。晴れ。

■■

『花の色はうつりにけりないたずらにわが身世にふるながめせしまに』

桜の季節ですねぇ…。

例年のようなお花見が出来る雰囲気ではないですけど…。

冒頭の和歌は小野小町が詠んだ歌で、『花の色は』の花とは桜の花のことなのだとか。そして同時に女性の美しさ(美貌)のことでもあるのだそう。

『桜の花の色はむなしく色あせてしまった、春の長雨が降っている間に。恋に思い悩んでいる間に私の美貌が衰えてしまったように』という感じの意味なのだとか。

さすが世界三大美人の一人。自分で自分のことを美貌だったと言い切ってしまってますね。しかしながら、当時の小野小町像とされる絵や彫像は現存せず、後世に描かれた絵でも後ろ姿が大半で、顔がよく分からないものが多いのだそう。

では何故小野小町は美人だというイメージが定着したのでしょうか。実はそれには紀貫之が関わっているのだとか。「男もすなる…」で始まる『土佐日記』を書いたあの紀貫之です。

彼が小野小町のことを「いにしえの衣通姫(そとおりひめ)のようだ」と感想を述べたのだとか。『衣通姫』とは、記紀に登場する絶世の美女で和歌の名手であったとされる人物です。でも実は彼は小野小町の容姿が衣通姫のようだと述べたのではなく、小野小町の詠む和歌が衣通姫のそれのようだと評価したのだそう。それがどこかの段階で、容姿も衣通姫のようだとなり、小野小町は衣通姫のように美しい、となっていったようです。

本当のところはどうだったのでしょうね。

本人は美貌だと言っていますけど…。

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それはともかく…

〈ケブカガニ科ムラサキゴカクガニ亜科トゲコマチガニ属トゲコマチガニ Tiaramedon spinosum 20年1月14日 沖縄島安和〉

〈テッポウエビ科ツノテッポウエビ属ハクセンコマチテッポウエビ Synalpbeus simpsoni 20年2月4日 沖縄島安和〉

どちらも和名の中に『コマチ』を持つ2種ですが、このコマチはウミシダのこと。

ウミシダの属名(学名)であるComaster(コマステル)またはComatula(コマトゥラ)が、その由来なのだそう。

画像の個体の住処になっているリュウキュウウミシダ属の学名にもOxycomanthusで『コマチ』に繋がる響きが入ってたりします。

『コマチ(ウミシダ類)』に住むエビ・カニということですね。

 

 

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ふくれた糸(Kyonemichthys rumengani)

2020-03-17 20:33:08 | ヨウジウオ科

朝から気持ちいい青空。風はどちらから吹いているのかよく分からないくらいにゆるやか~だった本日のやんばるです。

朝は少し冷え込みましたが、日中はとても過ごしやすい感じでした。

明日以降は数日雨交じりのようですが、週末にかけては日差しが戻り夏日になりそうな予報です。

風は南、のち西~北西。晴天。

■■

〈thread,yarn,string,line〉

上記の四つの英単語は全て『糸』を表す語です。といっても、それぞれに細かな意味は違います。

〈thread〉は『縫い糸』のことで、〈yarn〉は『紡ぎ糸』のこと。〈string〉は『たこ糸』や『楽器の弦』を指し、〈line〉は『釣り糸』のことです。

用途によって呼び方が違うということですね。

ところで…

〈ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科Kyonemichthys属Kyonemichthys rumengani  20年1月20日 沖縄島安和〉

一般的に『ピグミーシードラゴン』の通称で知られる、まだ和名のない本種。

英語のサイトをいくつか見ていると、〈Thread pipefish〉と呼ばれているサイトが多い印象…。

前述の通り、〈Thread〉は『縫い糸』ですから糸のような、というか糸のように細いパイプフィッシュということでしょうか。

何だか、『ピグミーシードラゴン』よりも似合っているような気がしたりもするのですが…。

もっとも、スレッドパイフィッシュやピグミーシードラゴン以外にも、ピグミーパイプフィッシュ、レンベシードラゴン、パイプホース、ピグミーパイプホースやピグミーシーホースなどとも呼ばれているようで、まあ海外では本種の呼び方はかなり揺らいでいるようです。

それから考えると、ピグミーシードラゴンで統一されている感のある日本の方が解りやすいですね。

しかしながら…

1属1種の本種の属名『Kyonemichthys』は、ギリシャ語の『kyo=ふくれた』、『nema=糸』、そして『ichthys=魚』で構成された名前なのだそうで、糸のように細長い身体にふくらんだ胴という形態を表しているのだそう。

それを知ると、やっぱり『スレッドパイプフィッシュ』のほうが似合っているのでは…、とか思えたりも。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

最初の画像の個体とペアでいた個体。

ふくらみが胴だけではない抱卵中の雄個体。

〈同種別個体 20年2月4日 安和〉

この画像は幼魚個体。

まだ胴にも目立ったふくらみを持たない単なる糸ですね…。

 

 

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食卓を共有する(ウミシダヤドリエビ)

2020-03-10 17:13:12 | エビ・カニ類

早朝は気持ちの良い陽光を浴びられたりもしたのですが、時間と共に雨交じりの空模様になった本日のやんばるです。

北寄りの風は強めに吹いてましたけど、そんなに寒くはない感じでした。

明日は一時的に冷え込みそうですが、それ以後はまた暖かな日が続きそうです。

風は北西。曇り時々晴れ、のち雨交じり。

■■

複数種の生物が相互関係を保ちながら同所的に生活する現象は『共生』と呼ばれています。

共生には、『相利共生』、『片利共生』、『片害共生』、『寄生』があるのだとか。

これらの違いは、共生関係にある生物間の利益・不利益の関係性によるのだそう。つまり互いに利益を得ているのであれば『相利共生』。一方が利益を得、もう一方は利害が発生しないのであれば『片利共生』。一方には不利益があり、もう一方には利害が発生していないのであれば『片害共生』。そして一方だけが一方的に収奪する場合を『寄生』と呼ぶのだとか。

共に生きる、と書くと一緒に協力して生きるような印象を抱いたりするのですが、まあそうはいかないようで…。

共生の一形態、『片利共生』にはさらに三つの種類があるのだそう。

一つ目は単に移動するためだけに、ある種が別の種にくっつく関係で『便乗』と呼ばれるのだとか。二つ目は別の種を住処として生活するタイプで『着生』と呼ばれるのだそう。三つ目はある種の死骸などを別の種が利用する関係で『変態共生』と呼ばれるのだそうです。

一つ目と二つ目はまあイメージしやすいですが、三つ目の『変態共生』はイメージできますでしょうか。死骸を利用する関係って…。

これはヤドカリのことです。巻き貝の死骸(殻)を利用してますから…。

片利共生は英語で『Commensalism』。これは『食事仲間、食物の共有』を意味する『Commensal』という英単語に由来するのだとか。

さらに『Commensal』という語は、ラテン語の『com mensa』に由来するのだそう。これは『食卓を共有する』という意味なのだそうです。

■■

さて…

〈テナガエビ科カクレエビ亜科ホンカクレエビ属ウミシダヤドリエビ Periclimenes commensalis 20年1月14日 沖縄島安和〉

学名種小名は『食卓を共有する』の意。

共有相手はウミシダなのでしょうね。

様々な体色変異を持つ本種、それは宿主に合わせた体色を纏うためです。

実験によると、あるウミシダから別の色の違うウミシダに移したとき、約2週間で新しい宿主と同じ色になったのだそうです。

 

 

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花束とブーケ(ミルクオトメウミウシ)

2020-03-03 19:18:38 | ウミウシ

陽光サンサン、風は穏やか~な良い感じのコンディションだった本日のやんばるです。

でも明日はお天気下り坂のよう…。

そこからは雨の日と晴れの日が交互に並ぶような予報になってます。

今週の後半は目まぐるしく天気が変化しそうです。

ただ、気温的には暖かな週末になりそうですけど。

水温も上がり始めたようですし…。

風は北東。晴れ。

■■

つい最近、ご近所にブーケ屋さんがあるのを知りました。その店の存在自体は知っていたのですが、その店がブーケ屋さんだとは知らなかったのです。

それを知ったときの僕の最初の感想は、『ブーケってそんなに需要があるのかな』って感じ。いやだってブーケって花嫁さんの必需品ではありますが、それ以外には使わないでしょう。と思ったわけです。

しかしながら少し気になって調べてみると、どうやらそうではなかったようで…。

『ブーケ』とは『生花や造花の花束』のフランス語で、つまり花束とブーケは基本的には同じ意味なのだとか。つまりそのお店は、生花や造花の花屋さんだったわけです。

もっとも基本的に同じ意味だといっても、日本ではこの二つの言葉は使い分けられているよう。

一般的に、『花束』といえば縦長で背丈があり前後があるものを指し、『ブーケ』といえば花嫁さんの持つ『ウエディングブーケ』を指すのだそう。

だから僕のイメージは、まあ間違っていなかったってことでしょうか。

『ウエディングブーケ』には二つの意味があるのだとか。一つは厄除けの役割で、古くから虫除けに使用していたハーブを集めて束にし、新婦が持つことで花嫁を一生守ってくれるお守りとしての意味を込めたのだそう。

もう一つは儀式から。中世ヨーロッパで、男性が野の花を摘んで束にして、プロポーズの言葉とともに女性にプレゼントしたのだとか。受け取った女性はプロポーズを受ける意味を込めて、贈られた花束の中から一輪抜いて男性の胸に差したのだそう。これは『ブーケ』のみならず『ブートニア』の由来でもあるのだそうです。

『ブートニア』って知ってます? 結婚式のとき新郎が胸につけてる花飾りのことです。最近の式では省略されることが多いそうですが。

花束にしてもブーケにしてもヨーロッパ起源の花文化で、日本に古くからあったわけではありませんね。日本に古くからある花文化と言えば、『生け花』や『華道』ですから。

前述のように一般的な花束が縦長なのも、送られた相手がその花を生けるため、つまり花が痛みにくいように花茎の長い状態で束ねるのだそう。

ヨーロッパでは花束という出来上がったものを贈り、日本では素材として束ねた花を贈っているということでしょうか。

まあどちらにしても、花束を贈るという行為は日本の男性にとってはかなり敷居が高いですよね…。

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さて…

〈タテジマウミウシ科オトメウミウシ属ミルクオトメウミウシ Dermatobranchus fasciatus 20年1月14日 沖縄島安和〉

学名種小名は『束状の、帯状の』の意。

 

 

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