Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

鬼神から善神(ヤシャベラ)

2020-09-01 09:35:10 | ベラ科

台風9号の暴風雨が続いているやんばるです。

今のところ停電はしていませんが…。

今日一日は激しい風雨が続きそうです。

風は激しい南東。暴風雨。

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三蔵法師、というキャラクターをご存じでしょうか。いやもちろんご存じですよね。

中国四大奇書の一つ、『西遊記』に登場する僧侶。主人公『孫悟空』の師匠です。西遊記はSFですから三蔵法師は架空のキャラクターですが、そのモデルとなった実在の人物がいます。

それが『玄奘三蔵』という唐の時代のお坊さんです。唐からインドに17年間かけて旅をして、大般若経などの経典を持ち帰った人物です。その旅をSFにしたのが、西遊記です。

しかし実際の旅の様子を伝えた書物にも、実はSF的な伝説が残っているのだそう。

それは玄奘三蔵がインドから唐への帰国の途中に、川のほとりで鬼神に出会うというお話です。

その鬼神の名は深沙大将(じんじゃだいしょう)。彼は玄奘三蔵に、法師は六回前の前世から衆生を救うためにインドに行かれているのですが、経典をたずさえた帰り道に、私は六度法師を殺しその経典を奪ってきました。今こうして法師とお目にかかるのは七度目です。以前にも増して多くの経典を持って帰られた法師の姿を見て、その仏法に寄せる情熱を私はようやく理解することが出来ました。六世もの間法師に犯してしまった罪を心から後悔しています。

という感じで、泣きながら謝罪したそうです。

玄奘三蔵はもちろんその行いを許し、深沙大将は以後未来永劫経典を守護し、経典を信じる者を援護すると硬く誓約したのだとか。

こうして仏法および仏教徒を守護する『護法善神』が誕生したという物語。つまり鬼神であった深沙大将が善神になったという物語ですね。

この場合の鬼神とは古代インド神話に登場する鬼神、つまりは『夜叉』のことです。この夜叉が仏教に包括され、守護善神になったという物語です。

因みに深沙大将は、西遊記には『沙悟浄』として登場しているのだそうです。

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さて…

〈ベラ科モチノウオ亜科モチノウオ属ヤシャベラ Cheilinus fasciatus 20年7月17日 沖縄島新里〉

画像はまだ幼い個体。

学名種小名は『帯(状斑紋)のある』の意。

幼魚も成魚も、体側に暗色系の帯状模様を纏っています。

 

 

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トイレの妖怪(ムナテンベラ)

2020-07-14 20:44:44 | ベラ科

風向・風速共に良い感じの日が続いてるやんばるです。

夏凪…という感じのコンディションでした。

午後の遅くにざっと一雨。空模様も典型的な真夏…、と思える一日でした。

明日からはまた少し南西風が強まりそう。空模様も不安定になりそうな予報です。

風は南南西。晴れ、一時雨。

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ときは慶長年間のこと。時代で言えば安土桃山時代から江戸時代にかけてのあたり。

笠松甚五兵衛という村人の家で甚五兵衛の妻が便所に入ると何者かに尻を撫でられるという怪異が起きた。

甚五兵衛は狐狸の仕業かと思い、刀を用意して便所に入ると、毛むくじゃらの手が出てきたため、これを刀で切り落とした。

数日後、三人の僧が甚五兵衛の家に現れ「この家には怪しい相がある」と言うので、甚五兵衛は切り落とした手を見せた。

すると手を受け取った僧の一人が「これは人家の便所に住み着く黒手というものだ」と言った。

さらに別の僧が手を受け取り「これはお前に斬られた我が手だ」と叫ぶと九尺(約2.7m)もの丈のある正体を現し、手を奪って三人もろとも消えてしまった。

それから何日か後、甚五兵衛は突然空から降りてきた衾(ふすま)のようなものに包み込まれ、6~7尺(約1.8~2.1m)も宙に持ち上げられて落とされた。気づいたときには、彼の懐から黒手を切った刀が奪われていたという。

これは能登(現在の石川県)、戸板村というところでの出来事。

妖怪『黒手』のお話です。

3m位もある大きな身体でトイレに潜んで、来る人のお尻を撫でる…。怖さよりも滑稽さを感じてしまったり…。

水木しげるの『妖怪大図鑑』にも描かれている妖怪なのだそうですよ。

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さて…

〈ベラ科カンムリベラ亜科キュウセン属ムナテンベラ Halichoeres melanochir 20年5月27日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

学名種小名は『黒い手』の意。

成魚の鰭を手と表現しているのだそうです。

 

 

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亡霊の織物(テンスモドキ)

2020-05-12 19:37:42 | ベラ科

昨日沖縄地方の梅雨入りが発表されました。平年より2日遅く、昨年より5日早い梅雨入りとなったそうです。

で、本日はいきなりの大雨。朝はまだ青空も見られたのですが、お昼前にはバケツをひっくり返したような激しい雨となりました。

明日は一日晴れ空のようですが、週末にかけては雨アイコンの方が多い感じ…。

梅雨っぽい印象の予報になってます。

風は南のち北東。強雨のち曇。

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西洋の『亡霊』であるゴーストは、白い布を被ったようなふわふわゆらゆらした感じの姿をしていますよね。

西洋ではその昔、白い布のようなものを着せて埋葬する習慣があったのだそう。それで、ゴーストはあのような姿をしているのだとか。

日本の幽霊も頭に三角形の布を着けていますよね。あれは天冠というそうで、これもなくなった方が着る死衣装の一部。

洋の東西を問わず、『亡霊』や幽霊には白い布がつきものなのかもしれません。まあ、世界中を探せばもっと奇態な姿の『亡霊』や幽霊がたくさんいそうですけど…。

宗教において、『影』は夢や想像に現れる死者のイメージであるのだとか。『影』はもちろん物理的自然現象ですが、文化的現象としてはそんな意味づけがされてきたようで、そういう意味では『影』は『亡霊』や幽霊と繋がる部分もあるのかも。

時間を少しだけ戻して、『布』について…。

糸を縦横に組み合わせて作った布地を『織物』といいますが、漢字では伝統的に植物繊維による織物を『布』というのだそう。絹織物の場合は帛というのだとか。

ここまで『』で示した四つのキーワード、『亡霊』と『影』、『織物』と『布』。

組み合わせると、『亡霊の織物』、『影の織物』、『亡霊の布』、『影の布』。

これらの言葉から、どんなものをイメージします?

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というのも…

〈ベラ科モチノウオ亜科テンスモドキ属テンスモドキ Xyrichtys sciistius 20年3月13日 沖縄島崎本部ゴリラチョップ〉

画像は幼魚。

学名種小名は『亡霊・影+織物・布』の意。

なんかもういろんなイメージが膨らんでしまう学名ですよね。

 

 

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サム・ブラウン・ベルト(ヒレグロベラ)

2020-04-21 14:31:00 | ベラ科

前線停滞で雨交じりの空模様が続いているやんばるです。

どうやら梅雨の走りのようです。本格的な梅雨入りは5月半ばの予想ですが…。

最高気温も20℃で、少し肌寒い感じの一日でした。

週末にかけてもこんな感じの日が続きそうです。

風は北東。曇ときどき雨。

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『ピーポくん』

ご存じでしょうか? 警視庁のシンボルマスコットです。いろいろなテレビ番組にも出演していますから、その姿をイメージできる方は多いのではないでしょうか。

誕生は1987年の4月17日だとか。つい最近33歳になったということですね。意外と年取ってる印象…。

名前の由来は『ピープル』と『ポリス』をミックスしたものなのだそう。

全身が黄色で、頭頂部には青いアンテナがあり、腰には黒いベルト、肩から腰のベルトに斜めに黒い帯を身につけています。

この斜めの黒い帯は何でしょう?

この斜めの帯には『サム・ブラウン・ベルト』という名前がついているのだとか。

19世紀頃、英印軍の騎兵将校であったサム・ブラウンという人物が考案したことからこう呼ばれているのだそう。

彼はある戦闘で左腕を肩から失ってしまいました。そのため腰のベルトに着けていた刀の鞘を左手で保持して抜刀するということが出来なくなってしまいます。というのも、当時は抜刀するときにウエストベルトがずれてしまい、必ず鞘を保持しなければならなかったのだとか。そこで彼はウエストベルトを固定するために、第2のベルトを肩から掛けて腰のベルトを支持するというアイデアを思いついたのだそう。

これが広まり、やがて標準的な軍服の一部になったのだとか。さらには軍隊だけではなく警察の制服にも採用されるようになったのだそうです。

日本の警察では1946年から1994年までサム・ブラウン・ベルトを使用していました。前述の通りピーポくんは1987年生まれですから、当時の警察官に倣いサム・ブラウン・ベルトを着用していて、今もそのデザインが変更されていないのだそうです。

ちなみもう一人、1976年頃の警察官を模しているという、葛飾区亀有公園前派出所に勤務している(していた?)あの巡査部長もサム・ブラウン・ベルトを着用しています。

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さて…

〈ベラ科タキベラ亜科タキベラ属ヒレグロベラ Bodianus loxozonus 20年3月6日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『斜めの帯のある』の意。

背鰭軟条部から尾鰭下葉に斜めに走る黒色帯が、成魚の特徴です。

幼魚では黒色帯は斜めではなく、背鰭から尻鰭へと体側を横断しています。

 

 

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古代劇の仮面(ムナテンベラダマシ)

2019-11-26 19:57:33 | ベラ科

気温の上下動がやや激しいこの頃のやんばるです。

10月並みの気温だったり、12月並みの気温になったり、はたまた平年並みだったり…。

これが日ごとに変化したりするから、寒さ暖かさを強く感じたり。まあ、暖かいほうはいいんですけど。

南の海上に目を向けると台風28号が。これで11月の発生数が、歴代最多タイ記録になったのだとか。

南の方の海水温はまだ十分に高いのでしょうね。

今週は週末にかけて暖かくなりそうで、日曜日には夏日になるかも…なんて予報になってます。

風は北東。曇一時雨、のち晴れ間も。

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『ペルソナ・ノン・グラータ』

これは外交用語。外交使節を交換している国家間で、接受国が派遣国に対して外交使節団の構成員(大使や領事や職員)である特定の者の受け入れ、滞在を拒否する通告のこと。

接受国はいつでも、理由を示す必要もなく通告することができ、通告を受けた派遣国はその者を召喚するか、任務を終了させなければならないのだとか。

僕はこの言葉をミステリーのタイトルとして知りました。不思議な響きが強く印象に残って、そのミステリーを読んでいないのに、この言葉が記憶に残ることになりました。

『日本のシンドラー』と呼ばれる杉原千畝もモスクワ大使館に赴任しようとしたとき、ソ連側がペルソナ・ノン・グラータを発動して赴任を拒絶しました。

そのため杉原千畝は行先を近隣のヘルシンキへと変更されました。そしてその後リトアニアに着任し、そこで6000人のユダヤ人を救うことになりました。

杉原千畝は何年か前に映画化されましたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。邦題は『杉原千畝 スギハラチウネ』でしたが、英題は『Persona Non Grata (ペルソナ・ノン・グラータ)』でした。

ペルソナ・ノン・グラータは『好ましからざる人物』という意味で、この場合のペルソナは人物を指す言葉になります。

ペルソナといえばゲームやアニメでも聞きなれた言葉ですね。シリーズ化されて長く続いてたりしていますから。あるいはマーケティング用語にもあって、『商品開発の際に設定する架空のお客様』のことなのだとか。さらには心理学用語にもあり、『人間の外的側面』、つまりは『周囲に適応するあまりに被ってしまう仮面』のことなのだそう。

ペルソナという言葉は、意外とあちらこちらで使われているようですね。

ペルソナはラテン語ですが、その語源はギリシャ語の prosopon で『顔やものの前面、仮面』の意。これがラテン語になって『演劇や実社会における役割』、『(法的主体または対象としての)人』の意味が加わったようです。

古代ギリシャの劇では、顔全体と頭を覆うヘルメット状の仮面が使われていたのだそうで、それが古代ギリシャ劇の特徴の一つなのだそうです。

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さて…

〈ベラ科カンムリベラ亜科ホンベラ属ムナテンベラダマシ Halichoeres prosopeion 19年10月4日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『仮面』の意。

前述したギリシャ語の仮面ですね。接尾辞は変化してますけど。

和名と絡まって、ムナテンベラの仮面をかぶっているのか…とか思えたり。

 

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正体見たり…(ホシススキベラ)

2019-07-30 20:40:42 | ベラ科

連日真夏日、連日灼熱~なやんばるです。

半島南北のどちら側も凪な日が続いてます。

浅場の水温は30℃、-20mまでいっても28℃なこの頃です。

週間予報によると週末辺りから雨交じりの空模様のようですが、気温はずーと真夏日が続きそうです。

風は東。晴れ。

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今日は全国の600以上の地点で真夏日を観測したのだとか。全国的に厳しい暑さが続き、熱中症で搬送される人の数も増えているようです。

いろいろな暑さ対策がありますが、きもだめしやお化け屋敷なんかもその一つで、この季節の風物詩ですよね。

お化けと言えば、『幽霊の正体見たり枯れ尾花』なんて句があります。

恐怖心や疑いの気持ちがあると、何でもないものまで恐ろしいものに見えてしまう、という意味の慣用句としても用いられますよね。

まさにそういう心理に働きかけるのが、お化け屋敷なのでしょう。

ところで、この『尾花』って何でしょう?

『尾花』とは、ススキの別名なのだとか。風になびく穂が、動物の尾っぽのように見えることに由来しているのだそう。

『萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花』

と詠んだのは山上憶良で、これは秋の七草。春の七草はそれを食して無病息災を願いますが、秋の七草はその美しさを観賞して楽しむものなのだそう。

ススキって、美しいですかね。ちょっと微妙な感じもするのですが…。

話を前述の句に戻して、尾花は秋のイメージ。お月見に飾ったりしますもんね。さらに枯れ尾花は冬の季語。枯れてますからね。

するとこの句は冬に詠まれたのでしょうか。まあ、幽霊そのものは夏だけのものではありませんけど。

この句は江戸時代の俳人、横井也有が詠んだのだそう。ただ本当は、『化け物の正体見たり枯れ尾花』という句だったのだとか。

それがいつの間にか変化して、広く知られるようになったのだそうです。

より涼しさを感じることができるのは、幽霊か化け物かどちらでしょうねぇ。

やっぱり、幽霊かな…。

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さて…

〈ベラ科カンムリベラ亜科ススキベラ属ホシススキベラ Anampses twistii 19年6月17日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『 Twist 氏の』の意。献名ですね。

この子なら、観賞して楽しめる尾花だと思えるのですが…。

 

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Naraka(タキベラ)

2019-05-28 19:55:39 | ベラ科

長~い梅雨の中休みも終わったようで、久しぶりに雨に降られた本日のやんばるです。

といっても雨が降り出したのは午後の遅くでしたけど。

明日は朝から日中もずっと雨交じりの空模様の予報。

風が北寄りになって、少し肌寒い一日になりそうな気配です。

風は南。曇のち雨。

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宗教的死生観において、悪行を為した者が死後に送られ罰を受けるとされる世界を『地獄』といいますね。

地獄は多くの宗教に存在するそうで、イスラム教にもキリスト教にも、そして仏教にも存在します。

日本の仏教では、死後に人は三途の川を渡り、閻魔王を含む十王に7回の裁きを受け、最終的に最も罪の重い者は地獄に落とされると信じられているのだとか。

その地獄には八大地獄という八つの形相があり、裁きの結果、その罪の重さによって服役の場所が決まるのだそう。そして服役期間を終えた者は輪廻転生によって、またこの世界に生ま変わってくるのだとか。

地獄って、一度落ちると永遠に出られないイメージだったんですけど、そうではないのですね。

東アジアの仏教では、地獄の色は『黒』で表されるのだそう。

餓鬼は『赤』、畜生は『黄』、修羅は『青』で、この三色を混ぜると地獄の黒になる、と言われるのだとか。

節分の豆まきで追われる赤鬼、黄鬼、青鬼はここから来ているのだそうですよ。

地獄って、あると思いますか。

まあ、宗教的概念ですから、正直僕にはあるとは思えません。

ですが、日常的に蜘蛛を邪険に扱ったり、傷つけたりしないように暮らしてたりはします。万が一地獄に落ちたとき、糸を垂らしてくれるかもしれませんから。

芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のことですよ。

糸を掴んで昇るときは、カンダタみたいに独り占めしないことを忘れないようにしないとな…、なんてことを思ってたりもしてます…。

地獄はサンスクリット語でNaraka(ナラカ)といい、奈落と音写されるのだとか。これが後に演劇の舞台下の空間を指して言うようになったのだそう。

劇場の奈落の由来は地獄だったんですね。

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さて…

〈ベラ科タキベラ亜科タキベラ属タキベラ Bodianus perditio 19年4月15日 沖縄島安和〉

画像は幼魚

学名種小名は『破壊、破滅、地獄落ち』の意。

いったいどんな罪で裁かれたのでしょうか。

というか、すごい学名ですよね…。

 

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女子、騎士、声明(オビテンスモドキ)

2018-10-26 19:54:10 | ベラ科

陽光サンサン、気持ちのいい青空だった本日のやんばるです。

風向が全く気にならないくらいにゆるやか~な風でした。

台風26号は西進し、沖縄島には接近しないようですが、うねりは入るような予報です。

週末は少しだけ寒気も入りそうな…。

風は北東のち北西。快晴。

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『リボン』といわれてイメージするのは、やっぱり女の子の装飾品のリボンでしょうか。

髪や衣服に多くは蝶結び、別名リボン結びで飾り付けられたひも状織物ですね。

あるいはプレゼントのラッピングにも用いられたりもしますが、これも同じような装飾の役割なのでしょうね。

歴史的には、古代ギリシャ・ローマ時代にはすでに頭髪をリボンとピンで美しく結っていたのだとか。

中世になると男性も襟や袖口などをリボンで飾るようになっていたのだそう。

つまり女性だけでなく、男女ともに用いられた装飾品というわけですね。

また、ササン朝ペルシャの初代国王の叙任式(226年)に、リボンのついた王冠を授与する図が残っているのだとか。

リボンは権威の象徴としても用いられ、勲章についていたもしますよね。あるいはメダルを首に下げるのにも使われていたりとか。

騎士はその身分をあらわすために、首や肩からリボンをかけ勲章を吊したのだそうです。

さらに最近では、リボンといえばアウェアネス・リボンなるものも。

これは、社会運動や社会問題に対してさりげない支援や賛同の声明をだす方法なのだとか。

いろいろな色の輪状に折ったリボンのステッカーが車に貼ってあるのを見かけたりしますよね。

リボンには実に幅広い使用形態があるのだなぁ…なんて思えたりします。

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さて…

〈ベラ科オビテンスモドキ属オビテンスモドキ Novaculichthys taeniourus 18年9月13日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『リボンの尾の』の意。

このリボンは、やっぱり装飾品のリボンからなんでしょうね。

 

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NOBEL PRIZE(カマスベラ)

2018-10-12 14:59:00 | ベラ科

二十四節気の寒露も過ぎ、朝晩が肌寒くなってますやんばるです。

くわえて本日は雨交じりで、日中も肌寒いまま…という感じになってます。

ミーニシ(新北風:夏の終わりを告げる風)も吹き始めていたりして、秋を感じたり。

台風後下がった水温は戻る気配もなく、このまま下がっていきそうな…。

気温の方は明後日以降には上昇してくれそうですが。

風は北東。雨が降ったり止んだり。

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先週の月曜日からの1週間はノーベル・ウィークでした。

今年のノーベル賞は、医学・生理学賞を日本人研究者がPD1発見の功績で受賞したり、物理学賞を55年ぶりに女性研究者が受賞したり(しかも物理学賞を女性が受賞するのはこの方でまだ3人目だったり)、あるいは文学賞がスキャンダルで中止になったり、で1年だけの代わりの賞が作られたり、さらにその賞の候補に選ばれた日本人作家が辞退したり…。

と、何かと話題の多かった印象が。

ノーベル賞は今上げたものの他にも、化学賞、経済学省、そして平和賞があります。

今年のノーベル平和賞は、紛争下で性暴力と戦う二人の人物に送られました。

日本に住んでいると、今も世界のどこかで紛争が進行しているという実感をなかなか抱くことが出来ません。

今現在、世界ではどのくらいの紛争が進行中なのでしょう。

そう思って調べてみると…

2017年8月の時点で、過去1年間に1万人以上が死亡した紛争が4件。過去1年間に1000~9999人が死亡した紛争が11件。過去1年間に100~999人が死亡した紛争が29件。過去1年間に1~99人が死亡した紛争が14件進行中なのだそう。

つまり合計58件。

おそらく今尚続いているのではないでしょうか…。

ノーベル平和賞がなくなるような、そんな未来はまだ遠いのでしょうか。

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〈ベラ科カンムリベラ亜科カマスベラ属カマスベラ Cheilio inermis 18年8月28日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

学名種小名は『武装していない』の意。

幼魚は浅場の海草の群生のなか、いわゆるアマモ場で見かける印象。

隠蔽的擬態でしょうか。

 

 

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手渡すアイテム(シロタスキベラ)

2018-09-28 19:31:15 | ベラ科

大型で非常に強い台風24号が接近中のやんばるです。

現在は強風域に入っていて、時折強い雨が降ったりしています。

明日には暴風域に入り、最接近は明日の午後になりそうな雰囲気です。

ほぼ直撃コースで沖縄島を通過しそうな予報ですが、目の大きさが直径100キロなので、むしろ完全な直撃コースで通過してくれた方がまだ被害が少ないような気もします…。

明日は長い一日になりそうです。

停電しなければいいのになぁ…。

風は強い北東~東。雨が降ったり止んだり。

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国際名称"Road relay"というスポーツをご存じでしょうか。

数人が長距離をリレー形式で走る競技で、別名"Ekiden"とも呼ばれています。

そう、『駅伝』のことです。駅伝は日本発祥の競技で、だから国際的な別名も Ekiden なのだとか。

この駅伝のルーツは約350年前の通信制度というか郵便制度。すなわち『飛脚』なのだそう。

その昔、街道の宿場から宿場へ、何人もの飛脚がリレー形式で手紙を運んだのが駅伝の原点なのだとか。

それが競技になったときに、手紙に変わって襷(たすき)を手渡すことになったよう。

何故襷になったのでしょうね。飛脚に因んでいるとは思えませんしね。

飛脚といえば、腹掛け・股引・手甲で、襷は掛けていませんから。

あるいは手紙に因んでいるのでしょうか。飛脚が活躍した江戸時代の手紙って、細長い長方形のイメージで、これに似ていて走るときに邪魔にならないということで襷になったとか…。まあ、勝手な想像ですけど。

何にしても襷は古事記にも登場するアイテムですから、日本発祥のリレー競技で手渡すものとして丁度良いアイテムだったのかもしれませんね。

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さて…

〈ベラ科カンムリベラ亜科シロタスキベラ属シロタスキベラ Hologymnosus doliatus 18年8月20日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

和名のタスキは、成魚雄の体側前部にある幅広い白色横帯に因んでいます。

だからまだこの子は、タスキを掛けていません。

 

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乱と鏡(ニシキキュウセン)

2018-07-16 20:44:46 | ベラ科

灼熱~で、ベタ凪~な日が続いてますやんばるです。

本日もコンディション良好な真夏日でした。

次の週末に台風が接近する予報もでたりしてますが、まだ数日はこのコンディションで楽しめそうです。

風は東。快晴。

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『承久の乱』ってご存じですか?

鎌倉時代の承久3年(1221年)に、後鳥羽上皇が鎌倉幕府執権の北条義時に対して討伐の兵を挙げた兵乱です。

まあ、後鳥羽上皇は敗れてしまうのですが。

この兵乱は、日本史上初の朝廷と武家政権の間で起きた武力による争いなのだとか。

そして実は争いによって、北条義時は朝廷を武力で倒した唯一の武将として名を残しているのだそう。

この後朝廷を監視するための幕府の出先機関、『六波羅探題』が京都に設置されたりして、朝廷と幕府の力関係が完全に逆転してしまった切っ掛けでもあります。

この件は少し置いておいて…

『万華鏡』ってご存じですよね?

内部に鏡を張った筒を通して、移動するビーズなどの着色された細片が描き出す図形模様を見て楽しむ玩具。

そもそもはスコットランドの科学者、ディヴィッド・ブリュースターが偏向の実験の途中で発見したものなのだとか。

江戸時代には、既に日本に輸入されていたのだそう。

万華鏡は英語でカレイドスコープ(kaleidoscope)ですが、このカレイド(kaleido)は古代ギリシャ語の『kal(美しい)』と『eidos(形)』からできた造語で、kaleidoscopeは『美しい形を観賞する装置』という意味になるのだとか。

ところで、『承久の乱』と『万華鏡』にはある共通するキーワードがあるのですか、思いつきますか?

実は承久の乱では、日本史上初めて『錦の御旗』すなわち朝敵を討伐する証として官軍が掲げる旗が使用されたのだそうです。

そして万華鏡は、別名『錦眼鏡』とも呼ばれたりします。

そう、キーワードは『錦』です…。

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さて…

〈ベラ科カンムリベラ亜科ホンベラ属ニシキキュウセン Halichoeres biocellatus 18年6月8日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

『錦』は、様々な色糸を用いて織り出された絹織物の総称。または、その絹織物のように鮮やかで美しいもの指して用いる言葉。

本種は雄と雌で体色・模様が違いますが、どちらも『錦』に相応しい鮮やかな美しさを持っていると思えます。

学名種小名は、『二つの小さな眼のある』の意。

画像の幼魚や雌の背鰭にある2個の眼上斑のことでしょうね。

 

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百眼巨人(ホシテンス)

2018-02-09 18:57:47 | ベラ科

久しぶりに過ごしやすい感じだった本日のやんばるです。

日差しも十分だったし、後半は南寄りの風になって、気温も20℃まで上がりましたし。

インターバルも寒さに震えることなく、心地よく過ごせました。

風は北東のち南東。曇のち晴れ。

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その巨人は全身に100の眼を持ち、それらの眼は交代で眠るのだそう。つまり巨人自身は眠らないのだという。その眼のいくつかは背後にも向けられているため、巨人には時間的にも空間的にも死角がないのだそうです。

これは、ギリシャ神話に登場する〈アルゴス〉という名の百眼巨人のこと。

彼はギリシャ神話の主神〈ゼウス〉の正妻である〈へーラー〉に使えていました。そして〈へーラー〉の命を受けて、様々な英雄的な活躍をした巨人です。

ところがその後、〈ゼウス〉の不倫問題を巡る〈へーラー〉との諍いに巻き込まれ、なんだかんだで〈ゼウス〉の部下の〈ヘルメース〉に首を切り落とされて殺されてしまうという、かわいそうな巨人でもあります。

〈へーラー〉はアルゴスの死後、彼を悼んで百個の眼を取り外し、自身の飼っていたクジャクの尾羽根に飾ったのだとか。こうしてクジャクはその尾羽根にたくさんの眼を持つ姿になったのだそうです。

不倫って、神話の時代からあったんですねぇ…。

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さて…

〈ベラ科モチノウオ亜科テンス属ホシテンス Xyrichtys pavo 18年1月8日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

学名種小名は『クジャク』の意。

成魚の色合いがクジャクのよう、ということのようですが、僕的には今一つしっくりこない感が…。

眼の数も圧倒的に少ないですしね。

ところで、クジャクは「イヤーン、イヤーン」と鳴くのだそう。

百眼巨人が首を切り落とされるときに「イヤーン、イヤーン」と泣いたという……

……伝説はもちろんありません。

 

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壊色を纏う(ケサガケベラ)

2018-02-05 19:15:20 | ベラ科

寒い…そして雨…、な本日のやんばるです。

最高気温が12℃…。

明日は日差しがありそうなので、体感は少し温かく感じられるかなぁ…。

週の後半になれば、気温が上がりそうな予報です。

風は北西。雨。

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『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』

なんて諺がありますが、これは江戸時代の〈寺請制度〉といものが背景にあるのだとか。

江戸幕府が僧侶を通じた民衆管理を法制化したものだそうで、そのため僧侶の権力が強まり、汚職の温床にもなったよう。

それで、この当時に実際に僧侶を憎む人も多かったといわれているのだとか。

そしてお坊さんを憎いと思うあまり、そのお坊さんが身に着けている袈裟まで憎くなるというわけですね。

つまりはこの二つは、僧侶といえば袈裟、袈裟といえば僧侶、というような切っても切れない関係。

特に日本に伝わったあとの仏教においては、僧侶を表す装飾的な衣装で、僧侶の位階や特権を表すものになったそうです。

ということは、本来は違ったわけです。

袈裟はサンスクリット語の『カシャーヤ』を音訳したもので、『壊色』を意味します。

壊色とは、染め直された(これを染壊というのだそう)色のこと。

出家僧侶は財産等の私有物を持つことを禁止されていたので、その衣装も捨てられたぼろ布を綴り合わせて、染め直して身に纏っていたのだそうです。

今と大きく違う感じですね。こんなものなら、坊主が憎くても袈裟まで憎くならないだろうな。

いやこんな感じなら、そもそも僧侶自体を憎くならないですね。

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さて…

〈ベラ科タキベラ亜科タキベラ属ケサガケベラ Bodianus mesothorax 18年1月8日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

変化系幼魚で、だから所謂袈裟懸け模様はまだ纏っていません。散々袈裟の話をしておいてなんですが…。

まあ見ようによっては、布きれを綴り合わせた本来の袈裟を纏っているように思えたりも……。

学名種小名は『中庸の胸の』の意。

中庸とは、かたよることなく、常に変わらないこと。過不足なく調和がとれていること。またそのさま。

そんなような胸をしているのでしょうか…、ってどんな胸でしょう。

 

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にわび…(トモシビイトヒキベラ)

2017-10-16 19:28:02 | ベラ科

台風20号は予報通り西進し、熱帯低気圧になりました。

それと入れ替わるように台風21号が発生…。

こちらは発達しながら北上しそうです。

まだ遙か南の海上なので、その進路もハッキリとしていませんが、次の週末辺りに影響が出るかもしれません。

それはさておき本日は気持ちのいい空模様、なかなかにムシッとした真夏日だったやんばるです。

風は南東~東。晴れときどき曇。

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『火』とは、熱と光を出す現象のこと。

化学的には、物質の燃焼(急激な酸化)に伴って発生する現象、あるいは燃焼の一部と考えられている現象のことなのだとか。

ヒト属の火の使用の開始は170万年前~20万年前までの広範囲で諸説あるそうです。

何にしても、火の使用によってヒトの生活は劇的に変化したのは確かなことでしょう。

熱は調理や暖房に。

そして光は明かり、すなわち灯火(ともしび)として。

ヒトが初めて用いた灯火は、たき火であっただろうといわれています。

たき火は、古くは『庭燎(にわび)』と呼ばれ、夜間庭で焚いた照明。

『庭燎とは、宮中の庭で、夜中参内の諸臣のために焚いたかがり火』という解説もありますけど、これは平安の頃のことでしょうか。

灯火は、実用的な役割だけではありませんよね。

記紀の『天岩戸』の挿話で登場して以来、儀式的に重要な役割を担うことも。

また、たき火を眺めていると、ゆったりとした気持ちになったりしますよね。

たき火の炎の揺れには1/fゆらぎがあり、癒やしやリラックス効果があるのだそうですよ。

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さて…

〈ベラ科モチノウオ亜科イトヒキベラ属トモシビイトヒキベラ Cirrhilabrus melanomarginaus 17年9月4日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

雄の背鰭軟条部の鮮やかな朱色を、灯火に見立てたのが和名の由来なのだそう。

だから画像の個体は、まだ〈トモシビ〉を纏っていません。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

学名種小名は『黒い縁取りのある』の意。

成魚背鰭外縁部の暗色縦帯のことでしょうから、この特徴もまだ纏っていなかったり…。

 

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桜の樹の下…(オグロベラ)

2017-03-10 19:48:41 | ベラ科

雨交じりの一日だったやんばるです。

気温も低めだったので、体感的には少し厳し~感じに…。

明日まではこんな感じが続きそう。

その後はググッと気温が上がってくれそうですけど。

風は北東。曇のち雨が降ったり止んだり。

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今朝のTVの天気予報で、桜の開花予想を目にしました。

そんな季節なんですね。今月の20日過ぎ辺りから、各地で桜が開花するような予想でした。

といっても、当地ではもうとっくに開花してますが…。

気象庁の発表によると、那覇で1月14日に開花したそうですから。

もっともこの桜は、〈ヒカンザクラ〉ですけど。

一般的に〈桜〉といえば、それは〈ソメイヨシノ〉ですよね。

ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラが交雑してできたハイブリッドなのだとか。

そしてすべてのソメイヨシノは単一の樹を始源とするクローンなのだそう。

そのために、すべてのソメイヨシノが一斉に咲き、一斉に散るのだとか。

でもそれこそが、ソメイヨシノの最大の魅力だと思えるのですがどうでしょう。

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さて…

〈ベラ科カンムリベラ亜科オグロベラ属オグロベラ Pseudojuloides cerasinus 16年2月4日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

幼魚のみが纏う線条模様が綺麗です。

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学名種小名は『桜の、桜の樹の』の意。

桜の…、だと咲き誇る花々や、舞い散る花々の美しい光景が思い浮かびます。

でも桜の樹の…、だとおどろおどろしいイメージが浮かんだり。

梶井基次郎の〈桜の樹の下には〉の影響ですね。

『桜の樹の下には屍体が埋まっている!』

という有名すぎる一文の印象が、強すぎるので……。

 

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