Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

みかまがめ(ダンダラダテハゼ)

2022-12-20 19:39:22 | ハゼ科

久しぶりに気持ちよく晴れたなぁ……という印象だった本日のやんばるです。

北寄りの風はもちろん冷たいですが、日差しのおかげで過ごしやすい一日でした。

明日は雨空になりそうですが、それ以後は雨アイコンが見当たらない週間予報になってます。

たっぷりと日差しを楽しめるクリスマスウィークになりそうです。

風は北東。晴天。

■■

『目は口ほどにものを言う』

なんてことわざがありますが、目からは人の内側の情報を多く読み取れるもの。

また人が受け取る情報の8割以上が視覚からの情報だとされているのだそう。

人の情報の入出力にとって、目は重要な器官のようです。

39億年前に地球上に生命が誕生したとき、その生物に目はありませんでした。

生物が目を獲得したのは約5億4千万年前なのだとか。

5億4千万年前といえば、『カンブリア紀の大爆発』と呼ばれる現象が起こったとき。地球上に突如として多種多様な生物が出現したときですね。

この地層から出てくる化石に、目のかたちがはっきりと刻印されているので、目が誕生したのはカンブリア紀であると考えられているのだそう。

『目(め)』の語源は『見(み)』が変化したものという説が多いのだとか。

ただし『まなこ(眼)』の『ま』が変化したという説もあるのだそう。

つまり、「みかまがめになった」ということのようです。いや、ちょっと面白い響きだなと思っただけです……。

因みに『まなこ』は『目の子』という意味で、もともとは黒目の部分のみを指す言葉だったのだそうです。

■■

で、『め』といえば……

〈ハゼ科ハゼ亜科ダテハゼ属ダンダラダテハゼ Amblyeleotris periophthalma 22年10月24日 沖縄島安和〉

学名種小名は『まわり一面に、あるいは非常に+眼』の意。

まわりって、何に対してのまわりなのでしょうか……。

 

 

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応量器(ハチマキダテハゼ)

2022-12-13 20:08:40 | ハゼ科

気温よりも水温の方が高い……という日が続いているやんばるです。

今日はときどき日差しがあったので、まあ過ごしやすい日でしたけど。

今週はドンヨリ曇か雨交じりという空模様が続きそう。

そして週末は暴風雨、そしてその翌日にはガツンと気温が下がる予報なんですが……。

風は北。晴れたり曇ったり。

■■

『鉢合わせ』

『鉢巻』

『托鉢』

共通するのは『鉢』ですね。

『鉢合わせ』は出会いがしらに頭と頭がぶつかり合うこと、からの偶然ばったり出会うこと。

『鉢巻』は額の位置で頭を布や紐で結ぶこと。またはその布や紐のこと。

共通点は『頭』ですね。

では『托鉢』はというと……。

仏教などの出家者の修行の1つで、街を歩いたり街の辻に立ったりして、食料などをこう修行。

『托』は手のひらに物をのせるという意味。『鉢』は……頭蓋骨のことなのだとか。

といってもお坊さんが頭蓋骨を手にのせて街を歩いたりはしてませんよね。手にのせているのは『応量器』という個人の食器なのだそう。

その『応量器』の中で最も大きな器である『頭鉢(ずはつ)』という器を托鉢には使うのだそう。

出てきましたね、『頭』が。

これが何故『頭鉢』と呼ばれるのかというと、この器がお釈迦様の頂骨であるとされているからなのだそうです。

『頂骨』、つまりは『頭蓋骨』ですね。

これがもととなって、『頭蓋骨(頭)=鉢』になったのだそうです。

■■

で、鉢巻……

〈ハゼ科ハゼ亜科ダテハゼ属ハチマキダテハゼ Ambolyeleotris diagonalis 22年10月21日 沖縄島崎本部〉

画像はまだ幼い個体。

学名種小名は『斜行の、対角の』の意。

目の後方の上後方に向かう黒褐色斜線が『鉢巻』ということのようですが……。

僕にはどうもそれっぽく思えないんですよねぇ……。

まあ、くわがた結びの鉢巻が近いかなぁ……。

 

 

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モヤウ(モヨウシノビハゼ)

2022-12-06 18:36:01 | ハゼ科

昨日の夜に強い北風が吹き、今日はめっきり冬めいた一日になったやんばるです。

風はかなり弱まりましたが、なかなかにうねりありなコンディションでした。

気温よりも水温の方が5℃ほど高かったので、エントリーすると温く感じたり……。

明日以降は少し暖かくなるようですが、今週いっぱい雨交じりの日が続きそうな予報になってます。

風は北東~東。曇ときどき雨。

■■

『模様』

図形、図柄、ありさま、様子、らしい様子などを表す言葉。

もともとは漢語で『モヤウ』だった語形が『もよう』に変化したのだとか。

漢語では図柄や様子を表したのだそう。

『今日の空模様』や『午後には雨になる模様』などの、名詞につけて物事の動向を推測する場合の用法は、日本的用法なのだとか。

『模様』と同じような意味の言葉に『紋様』と『文様』がありますよね。

3つの違いをご存じですか?

『模様』は、『紋様』や『文様』を含めた図柄の総称なのだそう。

『紋様』は、平面上に自然と出来上がった『模様』のことなのだとか。

そして『文様』は、人工的に作られた『模様』のことなのだそうです。

だから僕たちが目にする砂地の水底に波が描いた『模様』は『紋様』、つまり『砂紋』というわけですね。

■■

さて模様といえば……

〈ハゼ科ハゼ亜科モヨウシノビハゼ属モヨウシノビハゼ Echinogobius hayahii 22年10月21日 沖縄島崎本部〉

学名種小名は『林氏の』の意。

本種に最初に和名をつけた魚類学者の林公義氏に因んでいます。

本種は一属一種の魚で、共生ハゼ類と同じような環境に生息していますが、テッポウエビ類との共生関係はありません。

 

 

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高貴な息女(ヒメクロイトハゼ)

2022-11-29 19:21:37 | ハゼ科

気持ちのいい青空、陽光サンサンで気温はもちろん夏日まで上昇した本日のやんばるです。

たっぷりと日差しを浴びて、ちょっと焼けたかも……。

しかし明日からは陽光の乏しい日々が続きそうです。

一日中雨というわけではなさそなので、雲間から日差しが見られるかもしれませんけど。

沖縄地方は10月中旬頃から長雨と日照不足が続いているのだそうです……。

風は南西。晴天。

■■

『姫』

皇室から公卿、将軍家、大名などの高貴な身分にあった人の息女に用いられた敬称。

あるいは小さく可愛らしいもの、乳児時代の自分の娘を指す場合にも用いられます。

『姫』はもともと中国の姓が由来なのだとか。

中国の姓は5000~6000年前が起源なのだそうで、その属する集落の名、あるいはその集落の長の名が起源だと思われるのだそう。

姓は母系を示すため、最も古い姓は部首に『女』を含むのだとか。

つまり『姫』も最も古い姓の一つというわけ。

その昔中国の姫姓の諸国では、王女・公女は『〇姫』と呼ばれたのだそう。

そのため後世では高貴な女性を『姫』と呼ぶようになったのだそうです。

ところで、本来『姫』という呼称には年齢の制限はなく、日本でも江戸時代までは高齢の者も姫と呼ばれていたのだとか。

しかし童話やファンタジー等の影響により、現在においては『姫』=『幼い・若い女性』というイメージが定着したのだそうです。

まあ確かに姫やプリンセスと言われて、おばあさんのイメージは浮かびませんね……。

■■

さてこちらは小さいを表す方の姫……

〈ハゼ科ハゼ亜科クロイトハゼ属ヒメクロイトハゼ Valenciennea parva 22年10月21日 沖縄島崎本部〉

学名種小名は『小さい』の意。

クロイトハゼよりは小さい種ということですね。

 

 

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お稚児さん(チゴベ二ハゼ)

2022-08-16 19:56:58 | ハゼ科

日の出から日没まで、いやそれ以前からそれ以降も、灼熱~感が拭えない本日のやんばるです。

スコールにも出会わなかったから暑く、そして暑い一日でした。

この先一週間も真夏日続き、ほとんど猛暑日な感じの予報になってます……。

風は概ね南。晴天。

■■

『お稚児さん』

稚児とは本来は乳児・幼児のことで、『ちのみご』という言葉が縮んだものと考えられるのだとか。

稚児にはいくつかの意味があるみたいですが(インモラルなものも含めて)、そのなかの祭りにおける稚児が『お稚児さん』というのが僕のイメージ。

お稚児さんには3つのタイプがあるのだそう。それは『よりまし型』、『舞踏・芸能型』、そして『行列型』の3つ。

よりましとは神霊が依り憑く対象物のことで、祭りにおいてそういう役割を持った稚児のことなのだとか。

例えば京都の祇園祭のお稚児さん。山鉾巡行の数日前に神の使いの位を授かったら、その後は地面に足をつけてはいけなかったり(つまり移動は全て大人が抱いてだったり)、女性とは一切関わりを持ってはいけなかったり(だから女性の作った料理も食べてはいけなかったり)、等々様々なNGがあるのだそう。つまり神様として扱われるということですね。

舞踏・芸能型は神楽や舞楽などを奉納・上演する少年少女のこと。

行列型は寺院の祭りや神社の祭り、あるいはそれぞれの行事ごとで、行列で練り歩くタイプ。このタイプが一番多く見られるのだそう。

白粉やいわゆる麻呂眉みたいな化粧をして、煌びやかな冠り物や華やかな衣装を着て少年少女が練り歩くって感じです。

稚児行列に3回出ると幸福になれるという言い伝えもあるのだそうです。

実は僕、幼い頃に1回だけこの行列に参加したことがあります。もちろん化粧されて冠り物を頭に載せられて、衣装着せられて……。

なんかもう、面倒くさかった印象しか残ってません……。

■■

さて、稚児といえば……

〈ハゼ科ハゼ亜科ベニハゼ属チゴベニハゼ Trimma naudei 22年6月30日 沖縄島安和〉

学名種小名は献名です。

 

 

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横浜発祥の清涼飲料(キンセンハゼ)

2022-07-05 19:02:31 | ハゼ科

台風4号が去って、また灼熱~な感じに戻っているやんばるです。

今日は午後の遅くにスコール系の雨。少しだけ涼しさを感じられたりも。

まあ、ほんの少しですけど…。

明日も後半に雨が降りそうな予報。

その後の一週間も晴れときどき曇の予報がずらりと並んでいますので、灼熱&スコールな空模様になるのではないでしょうか。

風は南。晴れときどき曇、一時雨。

■■

暑い日には水分補給が重要。清涼飲料水やそれに炭酸水を加えた炭酸飲料なんかをごくごくと飲むと水分補給プラス心地よさも得られたり。

炭酸飲料の代表格の一つに『サイダー』がありますが、これはもともとリンゴ酒を表す英語なのだとか。

日本ではリンゴに限らず様々な果物の香味がつくものを含め、アルコールを含まない無色透明の炭酸飲料の総称にサイダーという呼称が用いられているのだそう。

日本のサイダーの発祥地は横浜なのだそうで、1868年外国人居留地で設立されたイギリス系の薬種問屋が製造販売を始めたのだそう。

しかしこれは在留外国人向けの商品だったため、一般の日本人は飲むことが出来なかったのだとか。

日本人が作った最初のサイダーは、1875年にやはり横浜で『日の出鶴』という商品名で発売され、1889年に『金線サイダー』という名に改称、そして1899年に登場した王冠を使用した瓶入りの製品が、日本で本格的に流通した最初のサイダーなのだそうです。

サイダーと言えば『三ツ矢サイダー』をイメージする方は多いのではないかと思いますが、三ツ矢サイダーが発売されたのは1907年なのだとか。

この三ツ矢サイダーと金線サイダーは製造会社の合併により一時期は兄弟銘柄となっていたのだそう。

その後三ツ矢サイダーのみが残されたという経緯があるのだそうです。

■■

さて、金線といえば…

〈ハゼ科ハゼ亜科サラサハゼ属キンセンハゼ Amblygobius hectori 22年6月23日 沖縄島安和〉

画像はまだ幼い個体。

学名種小名は『Hector氏の』の意。献名ですね。

頭から尾鰭基底にかけて走る金色の縦線が特徴の本種。

幼い方が金色が目立つ印象です。

 

 

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だて(ミナミダテハゼ)

2022-05-03 20:46:17 | ハゼ科

GWの後半は、尻上がりに気持ちのいい空模様になる一日で始まったやんばるです。

風は少しヒンヤリしてましたけど、陽光とのバランスは丁度良い感じ。

ただ明日からはまた日差しの乏しい、あるいは雨交じりの日が続きそう…。

でもGW最後の週末は夏日を超える気温になりそうです。

風は北東。曇のち晴れ。

■■

『伊達』

意気や侠気をひけらかすこと。人目を引く派手な服装や振る舞いをすること。見栄を張ること。

好みがしゃれていること。考えがさばけていること。そしてこれらのさま。

一説によると、そもそもの語源は意気を示すこと、人目につくようにすることの意の『立つ』の連用形である『立て』からなのだとか。

そしてその行為を『だてをする』と言ったのだそう。

この『だて』に『伊達』の漢字があてられたのは、戦国時代の武将で奥州の独眼竜として有名な伊達政宗に由来しているのだとか。

秀吉に命じられた朝鮮出兵の際に、黒ベースに赤と金を配した戦装束に統一した軍を率いて京都の中心街を行進したのだそう。

それを見た京都の人たちが斬新でしゃれた格好だと感嘆して、『伊達者』という言葉が生まれたのだとか。まあ、これも一説ですが。

また正宗は秀吉に服従の挨拶をしたときも、死装束で面会したというエピソードが残っているのだそうで、これは『死んでもいい覚悟で服従します』というアピールらしく、でもまあ本当は死ぬつもりはなかったでしょうから、そういう演出力に長けた人物だったのかもしれません。

因みに大河ドラマの『独眼竜正宗』で、このシーンを見ました。とても印象的なシーンでした。

『伊達』は『豪華』、『華美』、『魅力的』、『見栄』、『粋』などを意味する用語でもあり、この辺りも伊達政宗に繋がっているのではないでしょうか。

■■

さて、当地の伊達者と言えば…

〈ハゼ科ハゼ亜科ダテハゼ属ミナミダテハゼ Amblyeleotris ogasawarensis 22年3月1日 沖縄島安和〉

学名種小名は『小笠原諸島の』の意。

タイプ産地が小笠原諸島父島二見港付近の海岸であることに因んでいます。

被写体としてはスルーされがちですけど、伊達者ですよね?

 

 

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アヤミハビル(サラサハゼ)

2022-03-22 20:11:39 | ハゼ科

前線通過で一時強い雷雨になった本日のやんばるです。

通過の前後で風向もガラリと変化しました。

雨が上がったあともスッキリとしない空模様が続いた一日でした。

今週は雨交じりの日が多い感じになりそうです。

風は南~南西のち北西~北。曇、一時強雨。

■■

春といえば花が咲く季節、そして花から花に蝶が飛ぶ…というイメージが一般的なのではないでしょうか。

その蝶に対しては『きれい』、『かわいい』という印象なのに、よく似た昆虫である蛾に対しては『汚い』、『気持ち悪い』という印象を持つ人が多いのだとか。

でも蝶と蛾は学術的には大差はなく、その境界も明確ではないのだそう。

例えば触角の形態的違いや、とまり方の違い、あるいは繭を作る作らないなどの違いがあるとされていますが、これらには例外が存在し、あくまでも一般的な違いなのだとか。

そもそも蛾という夜行性の昆虫がいて、その進化の過程で昼間に活動するものが出現し、それが現在蝶と呼ばれる昆虫になったのだそう。

その過程で昼行性の蝶は繁殖のための視覚的要素が強まり、夜行性の蛾はフェロモン的要素が強いのだとか。

まあ、真っ暗な中では姿は見えないですからね…。

しかしながら派手な模様や美しい模様を羽に纏った蛾も沢山います。

「蝶と蛾の違いは、蝶はきれいだけど蛾は美しい」

これは日本蛾類学会会長の言葉ですが、名言ではないでしょうか。

八重山諸島には『ヨナグニサン』という固有種の蛾がいます。

これも美しい模様の羽を持つ蛾で、与那国方言では『アヤミハビル』と呼ばれています。

『アヤミ』とは『模様のある』、『ハミル』とは『蝶』という意味なのだそう。

つまり蝶という名の蛾というわけ。

やっぱり、蝶と蛾は近しいのだと思えたり…。

■■

さて、蛾といえば…

〈ハゼ科ハゼ亜科サラサハゼ属サラサハゼ Amblygobius phalaena 22年1月20日 沖縄島安和〉

学名種小名は『蛾または鯨』の意。

鯨的な要素はどこにも見つけられませんけど…。

 

 

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明かりをつけましょ…(ボンボリイソハゼ)

2022-03-01 19:23:42 | ハゼ科

先週末は、もう春だなぁ…って感じの陽気でした。

そして週が明けると、もう初夏ですか? って感じの暖かい日が続いてるやんばるです。

今日も陽光たっぷりで、そのうえ南風。気持ちのいい一日でした。

このまま暖かい日が続きそうです。

風は南。晴天。

■■

明後日はひな祭りですね。ひな祭りは中国の五節句の一つである『上巳(じょうし)の節句』が日本に伝わってきたのがその由来なのだとか。

中国では桃の花に長寿や魔除けの力があると考えられ、上巳の節句のときには桃の花のお酒を飲んだり、桃の葉のお風呂に入ったりして厄払いをしたのだそう。

ひな祭りが『桃の節句』ともいわれるのは、この辺りに由来しているのだそうです。

季節の節目である『節』の時期は、昔から邪気が入りやすいといわれていたのだとか。

上巳の節句では、邪気を払うために川で身を清める習慣があったのだそう。

それが日本に伝わったときに人形に穢れを移し、川に流して邪気払いをする行事へと変化していったのだとか。

この風習が『流し雛』となり、人形制作の技術の発展と共に、川に流すのではなく飾る習慣へと変化していったよう。

これが平安貴族の間で流行っていたおままごと遊びの『ひひな遊び』合わさって、『ひひな』が転じて『ひな』となり、ひな祭りの形が出来上がったのだそうです。

当地には旧暦3月3日に『浜下り』という女の子の行事を行います。

ビーチに行って潮だまりで身を清めるという風習ですが、これも元を辿れば上巳の節句に繋がるのかもしれませんね。

■■

さてひな祭りといえば、定番の歌がありますね…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属ボンボリイソハゼ Eviota ancora 22年1月13日 沖縄島崎本部〉

学名種小名は『フック状に曲がった、錨』の意。

和名は胸鰭前後に並ぶオレンジ斑と白色斑を雛飾りのぼんぼりに見立てたのだそうです。

明かりをつけましょ ぼんぼりに~♪

 

 

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星の集合(ホシハゼ)

2022-02-15 20:16:21 | ハゼ科

昨日の雨まじりから一転、陽光サンサンな空模様になった本日のやんばるです。

汗ばむほどの気温というわけではありませんが、体感はとても気持ち良かった一日でした。

小春日和…というか小夏日和とでも言ってもいいんじゃないかと思えるくらい…。

週の半ばはドンヨリでヒンヤリな感じのようですが、後半は比較的暖かな感じになりそうです。

まあ、すっきりしない空模様は続きそうですが…。

風は北東。晴天。

■■

『星』

空に点状に輝く天体のこと。広義には『恒星』、『惑星』、『衛星』、『彗星』、『流星』なども含み、狭義には、星座を作る恒星をさすのだそう。

古代から星々は超越神として尊敬され、人間の運命を支配する超自然的な存在として畏怖されていたのだとか。

現在でも占星術や十二星座占いを気にする人は多いのでは。僕も毎朝テレビで星座ランキングをついつい見てしまったり…。まあ、それによって行動が変わることはないですけど。

天体の運動が人間社会に大きな影響を与えると信じられていた紀元前数千年のバビロニア王国では、金星の観測や黄道の観察が行われていたのだそう。

それらから得られた知識が、誕生時の天象から人の運命を占断するホロスコープ天文学の根源なのだとか。

バビロニアの知識はギリシャに移植され、そこでギリシャ神話の人物、動物、器物の名を冠した星座が制定されたのだそう。

そして1609年にガリレオ・ガリレイが手製の望遠鏡で天体観測を始め、天文学は一気に科学へと傾いていくわけです。

去年のクリスマスには『ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡』が打ち上げられ、観測を始めています。本格稼働はまだですが、数日前に撮影画像が公開されていましたね。

いろいろな天体イベントがニュースになると注目してしまうのは僕だけではないはず。

日食や月食、流星群等の話題がテレビやネットで流れるとにわかに観察したくなったり…。

直近の天体イベントとしては、3月から5月にかけて、明け方の東の空に肉眼でも明るく輝く惑星が集合するのだとか。

3月24日の明け方には、土星、金星、火星、加えて月が見え、4月26日にはさらに木星が加わり、4惑星、1衛星が見えるのだそうです。

早起きが苦手じゃない方は、観察してみては…。

■■

さて、星といえば…

〈ハゼ科ハゼ亜科ホシハゼ属ホシハゼ Asterropteryx semipunctata 21年12月2日 沖縄島崎本部〉

学名種小名は『半分(やや)斑点のある』の意。

体側に星を纏ったハゼです。

小さいですが鰭にも纏っています…。

 

 

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sp.(ダルマハゼ属未記載種)

2022-02-01 20:37:45 | ハゼ科

朝からたっぷりの日差しを浴びられた本日のやんばるです。

風もゆるやかで、気持ち良~く過ごせた一日でした。

インターバルには陽光が心地良くてうとうとしたり…。

沖縄気象台が、本日ヒカンザクラの満開を観測したと発表しました。

平年値より三日早く、去年とは同じ日の満開となりました。

でも明日からは数日ぐずついた空模様になりそう…。

風は北東。晴れ。

■■

『sp.』

『エスピーピリオド』

今日、生物の学名は属名と種名(種小名)の二語を並べる方法で表記されています。

この方法は二名法、または複名法と呼ばれています。

例えばダルマハゼならば、Paragobiodon echinocephalus と表記され、Paragobiodon が属名、echinocephalus が種小名になります。学名は斜体で表記するのが普通な感じ。

因みにダルマハゼという日本語の名前は標準和名と呼ばれています。図鑑の日本語名は標準和名ですね。対して学名の方はラテン語です。

前述のsp. は種名の特定できない場合に属名の後、種小名の位置に表記されます。つまり属は分かるけど種はまだ分からないということ。

sp. のピリオドは省略していることを表し、『sp.』は『species』のことです。

これを日本語で表すときは、三つの表し方があるよう。

僕の勝手な印象ですが、図鑑でよく見かけるのは〇〇属の1種。ネットニュースなんかでよく見かけるのが〇〇属の新種。

そして論文系の文章等で見かけるのが、〇〇属未記載種…って感じかな…。

あとsp. は斜体にはしません。これは種小名ではありませんから。

■■

さて、この子も未記載種のようです…

〈ハゼ科ハゼ亜科ダルマハゼ属未記載種 Paragobiodon sp. 21年11月17日 沖縄島安和〉

小さなサイズで成熟するダルマハゼ属の未記載種である可能性が高い個体です。

標本に基ずく検討が行われていませんから、はっきりと言い切れませんが…。

体側の白い斑点が特徴です。

 

 

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赤と黒のメラ(クロダルマハゼ)

2021-10-12 19:21:38 | ハゼ科

台風18号の影響は、まああるといえばあるかな…って感じのやんばるです。

南部の方はもっと明確な影響が出ているのかもしれませんが。

空模様がすっきりしない感じは続いています。明日も雨交じりになりそうな予報です。

風は東。雨のち曇。

■■

『メラメラ 火を噴いて 私は夜の狼♪』

最近の僕のヘビロテ…。

火が燃え上がる様子を『メラメラと燃える』なんて言いますけど、このメラメラはもともとはインドネシア由来の言葉なのだとか。

インドネシア語でメラは『赤』。つまりメラメラと燃えるは、火が赤赤と燃え上がる様だということのよう。

一方、同じ音でもギリシャ語由来のメラは『黒』なのだとか。

例えば黒色色素の『メラミン』のメラ、憂うつ症の『メランコリック』のメラ、あるいは『メラネシア』群島のメラ。

メラネシア群島は黒く見えるからメラが付いているのだそうですが、何がどう黒く見えるのでしょう。空から見たときでしょうか。それとも海から見たときでしょうか。

大和言葉の『あか』と『くろ』は、それぞれ『あかるい』と『くらい』と同源と言われ、昼と夜の関係にも通じているのだそう。

中国の五行においても夏と昼は火で『赤』、冬と夜は水で『黒』となっているのだとか。

経済でも『赤字』『黒字』って言いますし、バッテリーだって赤がプラスで黒がマイナスですね。

というように『赤』と『黒』とは正反対の色。それが異なる言語で同じ音を持つというのは、なかなかに面白く思えたり…。

■■

この子はギリシャ語由来の方で…

〈ハゼ科ハゼ亜科ダルマハゼ属クロダルマハゼ Paragobiodon melanosomus 21年9月1日 沖縄島安和〉

学名種小名は『黒い体の』の意。

種小名の mela- は火の赤ではなく、水の黒のほう。

まあ、魚ですからね…。

 

 

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透明な頭飾り?(スミツキイソハゼ)

2021-09-06 20:07:28 | ハゼ科

9月に入ってから8月よりも真夏っぽい毎日になっているように思えるやんばるです。

真夏の季節風、真夏の鋭すぎる陽光、そして夏凪のコンディションが続いています。

ただ南の海上には昨日台風13号が、そして今日14号が発生しました。

今のところの進路予想では、13号の影響はなさそう。

14号は今後の進路しだいでは沖縄島にも影響が出るかもしれません…。

風はゆるい南西~南。晴れ。

■■

『頭飾り』

と聞いてどんなものをイメージします?

言葉の意味を調べてみると、「髪飾りのこと。髪の乱れを防ぎ、頭髪を飾るもの」という意味だとか。

つまり『頭飾り』と『髪飾り』はほぼ同じものを指すよう。

『頭飾り』を画像検索してみると、花の髪飾りや王冠やティアラのようなもの、あるいはカーニバルに使うようなものや、さらにはネイティブアメリカンの羽根冠のようなものまで…。

これを見ると、いわゆる髪飾りよりももう少し大がかりに装飾するものといったイメージなのかもしれません。

ネイティブアメリカンの羽根冠は『ウォーボンネット』という名称なのだそうで、非常に栄誉ある地位の男性が身につける冠なのだとか。

戦場の他、儀式のときにも着用され、民族の精神的・政治的に非常に重要なアイテムとされているのだそう。

この羽根冠には『レガリア』の意味があるのだとか。

『レガリア』とは、王権などを象徴し、それを持つことによって正当な王や君主であると認めさせる象徴となる物品なのだそう。

『レガリア(regalia)』はラテン語のregalisの複数形で、『王の物』を意味するのだとか。

日本にも『レガリア』はあって、それは『三種の神器』ですね。

そう考えると『ウォーボンネット』はものすごい権威の象徴に思えたり…。

■■

さて、そんな頭飾りですが…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属 スミツキイソハゼ Eviota infulata 21年6月29日 沖縄島新里〉

学名種小名は『頭飾りで飾られた』の意。

どこがどのように飾られているのか、僕にはよく解りません。

頭飾りのような形態でもないし、そのような模様があるとも思えませんし…。

透明な頭飾り? としか思えないのですが…。

 

 

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綱引きの一番後ろの人(ボンボリイソハゼ)

2021-08-17 19:33:48 | ハゼ科

空模様も良好、海況も良好な感じになってるやんばるです。

熱中症には相変わらず厳重注意な日が続いてます。

グアム付近で熱帯低気圧が出来たり消えたりしてますが、今後の予報もよく解りません。

週末に先島諸島に接近する予報もあるのですが、このまま消滅する感じの予報もあったり…。

今後の情報に注意が必要なようです。

風は南西。晴れ時々曇。

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『アンカレッジ(Anchorage)』

アメリカ合衆国アラスカ州にある都市で、北米を代表する港湾都市の一つです。

1914年にこの地にアラスカ鉄道建設のための拠点として、資材搬入のための港湾や作業員宿舎が造られたのだとか。

そのとき、この臨時の投錨地を地図に記載するのに、投錨地という意味の一般名詞である『anchorage』とするべきところを『Anchorage』と誤記してしまい、固有名詞として定着してしまったのが都市名の由来なのだそう。

ちょっと面白い由来ですよね。

アンカレッジのアンカー、すなわち『いかり』には、『碇』と『錨』の二つの漢字がありますね。

確認されている最も古い『いかり』は、紀元前2500~2000年頃のもので、重りとなる石にロープをくくりつけてその重さで船を留めておく仕組みだったのだとか。

その後この石に複数の穴を開け、木の棒などをはめて爪の役割を持たせるものが使用されるようになり、さらに時代が進むと鉄製ものが使用されるようになったのだそう。

つまり『いかり』は石製のものから金属製のものへと変わっていったというわけですね。

で、日本では石製のものを『碇』、金属製のものを『錨』と使い分けることになったのだとか。

今はたぶん『錨』ばかりが使用されているのでしょうね。

ところで陸上競技の最終走者のことを『アンカー』と呼びますよね。この『アンカー』も、『いかり』が由来なのだそう。

その昔、『綱引き』がオリンピックの陸上競技の正式種目だったとき、一番後ろの人のことを『アンカーマン』あるいは『アンカー』と呼んだのだとか。

その言葉が綱引きがなくなった後も、他の競技で使われ続けているのだそうです。

石や金属のようにずっしりと重い人が、一番後ろの役割を担っていたということなのでしょうか。

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さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属ボンボリイソハゼ Eviota ancora 21年6月7日 沖縄島新里〉

学名種小名は『フック状に曲がった、錨』の意。

以前本種を紹介したときに、学名種小名の意味で『碇』の方の漢字を使ってしまってましたけど、石はフック状に曲げられないのでこの子の場合は『錨』の方ですね…。

 

 

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世界自然遺産(ホシヒレイソハゼ)

2021-07-27 20:01:58 | ハゼ科

台風が過ぎ去っても曇ベースの空模様が続くような予報だったのですが、連日陽光十分な感じになっているやんばるです。

今週は週末までこんな感じの天気が続きそうな雰囲気です。

ただ、周辺海域にポコポコと熱帯低気圧が発生しそうで、それによっては変化するかもしれません。

どちらにしても暑い一週間になりそうです。

風は南東~東。概ね晴れ。

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昨日、『奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島』が世界自然遺産に登録されることが決まりました。

国内では小笠原諸島以来の10年ぶり5件目の世界自然遺産登録なのだとか。

世界遺産とは、1972年のユネスコ総会で採択された『世界遺産条約』に基づいて、人類が共有すべき『顕著な普遍的価値』をもつ物件のことで、移動が不可能な不動産が対象となっているのだそう。

そのなかで生態系や地形・地質、絶滅危惧種の生息地などは『自然遺産』となるのだとか。

世界自然遺産には、『自然美・自然現象』、『地形・地質』、『生態系』、『生物多様性』の4つの基準のうちの1つ以上を満たす必要があり、今回の登録では『生態系』や『生物多様性』の基準を満たしているとして選ばれたようです。

ところでダイバーにとってもっともメジャーな世界自然遺産といえば、それは『グレートバリアリーフ』ではないでしょうか。

世界最大のサンゴ礁地帯ですね。2600㎞を超える長さに2,900以上の暗礁群と約900の島を持ち、総面積は344,400㎢以上なのだとか。

宇宙空間からも確認できるほど広大なのだそう。しかもそれは、微少なサンゴやポリプ等の有機体が数十億集まって形成された単一の構造物なのですから驚異的ですよね。

約400種のサンゴに、1500種以上の魚が生活しているのだそうです。

『グレートバリアリーフ』の地理的な位置は、オーストラリア北東部のクイーンズランド州沿岸の珊瑚海に存在します。

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で、クイーンズランドといえば…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属ホシヒレイソハゼ Eviota queenslandica 21年5月24日 沖縄島新里〉

学名種小名は『クイーンズランドの』の意。

前述のクイーンズランド州沿岸がタイプ産地なのでしょうか。

『クイーンズランド』って、『女王の土地』ですよね

この場合の女王とはビクトリア女王のことなのだとか。

クイーンズランドができた1859年当時、ビクトリア女王が統治君主であったことからそう名付けられたのだそうです。

 

 

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