Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

天を駆ける犬(テングモウミウシ)

2017-03-28 19:33:35 | ウミウシ

最低気温が13℃、最高気温が20℃…。

朝昼の寒暖差が激しかった本日のやんばるです。

おかけで日中の暖かさがとても心地よく感じたり。

週の後半に掛けてまた風が回りそう。

もう旧暦も3月に入ったのに、今年の風回りはしつこいなぁ…。

風は北東。晴天。

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空神、ハテンゴ、スネカ、ナゴミ、ナゴミタクリ、アンモ…。

これらはすべて、一つの生き物の別称なのだそう。

生き物といっても、伝説上の存在ですが。

それは〈天狗〉です。

赤ら顔で鼻が高く、翼を持ち飛翔する、神とも妖怪ともいわれる伝説上の生き物。

日本では古くから民間信仰の対象にもなっていますよね。

元々天狗という言葉は、中国において凶事を知らせる流星を意味するものだったとか。

これはいわゆる火球のことで、大気圏に突入し、空中で爆発して大音響を発する火球を、『咆哮を上げて天を駆け降りる犬』の姿に見立てたのだそう。

つまり〈天狗〉は、天体現象が起源だということなのですね。

日本でも最初は火球だったものが、いつの間にか異形の存在に変化したようです。

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さて…

〈ハダカモウミウシ科オオアリモウミウシ属テングモウミウシ Costasiella kuroshimae 17年2月23日 沖縄島安和〉

こちらの方は、頭部正中の黄色線を天狗の鼻に見立てているのだそうです。

背面突起の色彩・模様の方が目立つ特徴だと思えたりもするのですが……。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

 

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まっすぐ貫くもの(ジュズベリヒトデ)

2017-03-25 19:07:47 | 水中生物

時間と共に風が変化した本日のやんばるです。

それと共に後半は少しヒンヤリした感じに…。

雨交じりの空模様のせいで、気持ち的にヒンヤリ度が増していたような気もしますけど。

風は南西のち北西。曇ときどき雨。

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一番身近にある法具(仏具)といえば数珠ではないでしょうか。

なんせ僕でも持ってますから。といっても略式の片手数珠ですけど。

その起源は一説によるとバラモン教で用いられていた道具が原型なのだとか。

それをお釈迦様が用いるようになり、仏教と共に日本に伝わり普及したのだそう。

お葬式のときに持っていくものというイメージしかありませんでしたが、本来は手にかけ珠を爪繰って、念仏の回数を数えるのに用いるのだとか。

だから数珠なのですね。あるいは念仏のときに使うので念珠と呼ばれたりもするのだそうです。

梵語つまりはサンスクリット語では、数珠のことを〈アクシャ・マーラー〉といいます。

〈アクシャ〉は物をまっすぐ貫くもの、〈マーラー〉は物を糸で繋げて重ねたものという意味。

〈アクシャ〉はまた、言葉のすべてを象徴する単語でもあるのだそう。

念仏の奥深さをイメージさせる言葉だと思えたり…

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さて…

〈ホウキボシ科ジュズベリヒトデ属ジュズベリヒトデ Fromia monilis 17年2月16日 沖縄島安和〉

学名種小名は『数珠の、念珠の』の意。

腕の縁の骨板が数珠状に並ぶのが、本種の特徴です。

数珠の珠の数は108なのだそうですが、本種の珠はいくつありますかねぇ…。

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ところで、上の画像の個体は色彩等が変異しているタイプだと思われます。

一般的な本種の形態はこんな感じ↓

〈同種別個体 17年2月4日 沖縄島RP〉

こちらのタイプの方が圧倒的に多い印象です。

 

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甘く凍らせた…(スイートジェリーミドリガイ)

2017-03-21 19:19:41 | ウミウシ

昨日は南、今日は北…。

風がクルクルと向きを変えるサイクルが続いてますやんばるです。

まあ、この時期は毎年こんな感じですけど。

明日以降も、風は数日かけて時計回りに変化しそうな気配です。

そして一回りした後に、季節が次のステップに移行しそうな予報です。

風はやや強い北西。曇のち晴れ。

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日本でいうゼリー、つまり英語のジェリー(jelly)は、フランス語のジュレからの借用語なのだとか。

そのジュレはイタリア語のジェラートと同様の語源を持ち、それはゼラチン、ジェル、ゲル(シリカゲルとかのゲルのこと)も同様。

つまり上記のすべての言葉は一つの言葉を由来としているのです。

毎度のパターンですが、その言葉とはもちろんラテン語。

ラテン語のゲラーレ(gelare)で、『凍らせたもの』という意味なのだそう。

ゼリーといわれて凍った食品をイメージすることはないですけどね…。

まあ、夏にフルーツゼリーを凍らせて食べると美味しいですけど。

あとプリンを凍らせるのも……、おっとこれは関係なかった…。

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さて…

〈チドリミドリガイ科アデヤカミドリガイ属スイートジェリーミドリガイ Thuridilla albopustulosa 17年2月16日 沖縄島安和〉

どの辺りが甘そうで、どの辺りがジェリーっぽいのでしょうか。

ジェリービーンズのように見えなくもないですけど。

甘く凍らせたミドリガイ……。

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学名種小名は『白い吹き出物の多い』の意。

白色または乳白色の斑紋が散布している模様からなのでしょう。

和名とのギャップが激しいですね…。

 

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星と大地のエネルギー(ヒメハナギンチャク)

2017-03-17 19:29:26 | 水中生物

雨交じりな一日だったやんばるです。

まあ、夕刻になって青空もチラホラ見えたりもしましたけど…。

気温は高めで、寒さはやわらいでます。

そして当分はこのままの感じが続きそうです。

風は北東。雨のち曇。

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午前・午後をAM/PMと表記しますよね。

AM/PMは略語なのですが、何の略語かご存じでしょうか。

〈ante meridiem〉と〈post meridiem〉の略です。

〈meridiem〉は『正午』の意味で、〈ante〉は『~の前』、〈post〉は『~の後』の意味。

つまりAMは正午よりも前=午前、PMは正午よりも後=午後というわけです。

これらは実はラテン語です。

あるいは…

ナンバー(Number)は略して書くと〈No.〉と書きますが、これもナンバーの語源がラテン語の〈Numero〉だから。

つまり最初のNと最後のoを取っているわけです。

あるいは…

僕は朝&昼にパンを食べることが多いのですが、この〈パン〉も元を辿るとラテン語の〈panis〉なのです。

日常的に、僕らは結構ラテン語を使用しています。

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さて…

〈ハナギンチャク科Pachycerianthus属ヒメハナギンチャク Pachycerianthus magnus 17年2月7日 沖縄島安和グスク〉

学名種小名は『大きな、偉大な』の意。

これに状態を表す接尾辞である〈tude〉をくっつけたのが〈magnitude〉。

すなわち地震の規模を表すあの〈マグニチュード〉です。

こんなところにもラテン語が…。

因みに日本では星の明るさを表す単位に〈等星〉という言葉を使っていますが、これ欧米では〈マグニチュード〉を使っているのだとか。

もともと星の明るさに使われていたものが、地震のエネルギーの大きさを表す単位としても使われるようになったのだそう。

日本では星にマグニチュードを使うことはないのでいいですけど、海外ではややこしくなったりはしないのでしょうか。

 

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古フランス語…(クロスジアメフラシ)

2017-03-14 19:04:10 | ウミウシ

午後の遅くになって、やっと日差しが降り注いだ本日のやんばるです。

このところずっと雨交じりだったので、気持ちいい感じに…。

実際には雨が降っていたときより気温が下がっていっているのですけど、体感は逆だったり。

明日はもっと陽光が増えるようですが、気温は下がるそう。

体感的にはどうでしょうかねぇ…。

風は北~北西。雨のち曇、のち晴れ間。

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古フランス語に〈rifler〉という言葉があります。

『かすめる、削る』という意味です。

これを由来とする〈rifling〉という言葉をご存じでしょうか。

カタカナで書くと〈ライフリング〉。

ライフリングとは、銃砲の銃砲身内に施された螺旋状の溝のことで、銃砲身内を加速する銃弾(或いは砲弾)に旋回運動を与え、ジャイロ効果により直進性を高める目的で用いられるものなのだそう。

つまりピストルなどの命中率を上げるための技術という感じでしょうか。

このため、発射された銃弾にはライフリングによる痕が刻み込まれるのだとか。

よく刑事ドラマに出てくる〈ライフルマーク〉、日本語で言うと〈線条痕〉と呼ばれてるものです。

ライフリングは銃一挺ごとに微妙に異なっているため、指紋のように銃弾のライフルマークから発射した銃を特定できるのだそう。

犯罪捜査にとっても、重要な技術ということでしょうか。

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さて…

〈アメフラシ科クロスジアメフラシ属クロスジアメフラシ Stylocheilus striatus 17年2月4日 沖縄島安和〉

学名種小名は『線条のある、縞のある』

その名の通り、体表面全体に縦線が密に入っています。

和名も当然この縦線からなのでしょう。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

いろいろな個体の画像を並べたら、ライフルマークのように個体識別が可能……なのでしょうね…。

 

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桜の樹の下…(オグロベラ)

2017-03-10 19:48:41 | ベラ科

雨交じりの一日だったやんばるです。

気温も低めだったので、体感的には少し厳し~感じに…。

明日まではこんな感じが続きそう。

その後はググッと気温が上がってくれそうですけど。

風は北東。曇のち雨が降ったり止んだり。

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今朝のTVの天気予報で、桜の開花予想を目にしました。

そんな季節なんですね。今月の20日過ぎ辺りから、各地で桜が開花するような予想でした。

といっても、当地ではもうとっくに開花してますが…。

気象庁の発表によると、那覇で1月14日に開花したそうですから。

もっともこの桜は、〈ヒカンザクラ〉ですけど。

一般的に〈桜〉といえば、それは〈ソメイヨシノ〉ですよね。

ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラが交雑してできたハイブリッドなのだとか。

そしてすべてのソメイヨシノは単一の樹を始源とするクローンなのだそう。

そのために、すべてのソメイヨシノが一斉に咲き、一斉に散るのだとか。

でもそれこそが、ソメイヨシノの最大の魅力だと思えるのですがどうでしょう。

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さて…

〈ベラ科カンムリベラ亜科オグロベラ属オグロベラ Pseudojuloides cerasinus 16年2月4日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

幼魚のみが纏う線条模様が綺麗です。

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学名種小名は『桜の、桜の樹の』の意。

桜の…、だと咲き誇る花々や、舞い散る花々の美しい光景が思い浮かびます。

でも桜の樹の…、だとおどろおどろしいイメージが浮かんだり。

梶井基次郎の〈桜の樹の下には〉の影響ですね。

『桜の樹の下には屍体が埋まっている!』

という有名すぎる一文の印象が、強すぎるので……。

 

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結合する性質(リュウキュウカスミミノウミウシ)

2017-03-07 19:06:20 | ウミウシ

北寄りの風はかなり冷たかったですが、陽光の方もかなりパワフルだった本日のやんばるです。

というわけで、エキジット直後も厳しーという感じの寒さはなく…。

ただまあまだ数日は、平年を少し下回る寒さが続きそうです。

風は北~北西。晴れ。

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英国や南アフリカでは、ケロシンのことを指してパラフィンと呼ぶのだとか。

ケロシンはジェット燃料やロケット燃料に使われる石油製品ですが、身近なところでは灯油は成分的にほぼケロシンです。

もっとも日本ではケロシンのことをパラフィンとは呼びませんので、灯油のこともパラフィンとはいいませんね。

日本でパラフィンといえば違うものを指し、それは固体や液体の形で僕らの身近にけっこうあります。

固形のパラフィンならば、それはロウやクレヨンとして使用されています。

液体のパラフィンならば、最も身近なものはベビーオイルがそうです。

パラフィンはラテン語の〈parum affinis〉に由来し、それは親和性が低いという意味だそう。

親和性とは物質同士が結合する性質や傾向のことですが、それが低いということは、パラフィンは他の物質と反応しにくいということ。

つまり、反応性が極低い=肌に刺激をあたえない。

というわけで、ベビーオイルに使われているようです。

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さて…

〈オオミノウミウシ科カスミミノウミウシ属リュウキュウカスミミノウミウシ Cerberilla affinis 17年1月30日 沖縄島安和〉

像はまだ幼い固体。

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学名種小名は、『親和性・親和力』の意。

何と?? という感じですが、実はこのラテン語には別の意味もあって…

その意味は『近似の・近縁の』

つまりカスミミノウミウシに対しての関係性を表しているのでしょうか。

 

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相席で…(ウミシダヤドリエビ)

2017-03-03 19:48:53 | エビ・カニ類

数字的には平年を下回る寒さだった本日のやんばるです。

でも北寄りの風は弱まり、後半は日差しもタップリ。

体感的には心地よい一日でした。

風は北東。曇のち晴れ。

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片利共生という言葉をご存じでしょうか。

片利共生とは共生の一形態で、一方が共生によって利益を得るけれど、もう一方にはその共生によって利害が生じないこと。

因みに共生とは、複数種の生物が相互関係を持ちながら同所的に生活する現象のこと。

つまり異種の生物が一緒に暮らしているときに、片方は得をして、もう片方は損も得もしていないように見える関係。

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この子たちの関係もそのようです。

〈テナガエビ科カクレエビ亜科ホンカクレエビ属ウミシダヤドリエビ Periclimenes commensalis 17年1月30日 沖縄島安和〉

片利共生は、英語で〈commensalism〉

これは〈commensal〉という単語に由来する言葉なのだとか。

〈commensal〉は『食事仲間・食物の共有』という意。

そしてその〈commensal〉は、ラテン語の〈commensa〉に由来するのだそう。

これは、『テーブルを共有するもの』の意。

というわけで、学名種小名もこの辺りの意味になるのでしょう。

つまり、「相席お願いします」ってことですか。

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〈同種同個体 同日 同ポイント〉

ウミシダは、羽根で採取したプランクトンを腕や羽根の中心にある食溝を通して口盤に運ぶ食餌方法なのだそう。

本種はその途中でプランクトンを横取りして食べてしまうのだとか。

相席の上につまみ食いまで…という感じですか。

片利共生には3種類あるそうで、本種は着生型片利共生。

すなわち、別の生物を住処として生活するタイプの片利共生。

本種も宿主と同じような色彩を纏い、隠れ場所としての利益も得ているわけです。

居候して、勝手に食卓に着き、つまみ食いまでしてしまう……

そう考えると、とても大胆なヤツですね。

 

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