Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

季節感…(ハナミノカサゴ)

2015-12-28 18:24:30 | フサカサゴ科

寒い…、そして雨、そして時に強い雨…、って感じの本日のやんばるです。

まあ寒いといっても平年並みになったということで、冬っていう季節感、あるいは年末感を感じられるようになってるというだけですが。

水温のほうは平年より2℃ほど高い感じ。

こっちはもう、このままでもいいなぁ…。

風は北~北東。雨一時強雨、のち曇。

〈フサカサゴ科ミノカサゴ亜科ミノカサゴ属ハナミノカサゴ Pterois volitans 15年11月24日 沖縄島安和グスク〉

ホバリングといえば、ダイバーにとっては中性浮力をとった状態で中層に静止するスキル。

砂底や砂泥底、あるいはサンゴの被覆度が高いポイントでは欠かせないスキルだったり。

本来のホバリングの意味は、ヘリコプターやハチドリなどが空中で静止飛行すること。

ダイバーにとってはゆったりとした静的スキルですが、ヘリや鳥にとっては、ローターや羽を激しく動かし続けるわけですから、動的スキルですね。

さて本種の学名種小名がその『ホバリング』の意。

当然ダイバーと同じ系統のゆったりしてる方のホバリング。

胸鰭や背鰭を開いて浮遊する様子には、ピッタリに思えたり。

また学名種小名にはもう一つ『フラッタリング』の意も。

こちらは『はためいている・ヒラヒラ震えている』ってこと。

これも開いた鰭のイメージそのままな感じに思えたり。

もっとも、のんびりしているように見えて、獲物を狙っていたりすることも多いですが。

それを知っているからか、優雅な迫力も感じたり。

英名はレッド・ライオン・フィッシュですから、迫力を感じるのは当然かな。

 

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メリー…(ヒメサンゴガニ属の一種)

2015-12-25 20:32:57 | エビ・カニ類

一日中雨交じり…な本日のやんばるです。

今夜は38年ぶりの満月クリスマスなのだそうですが、こちらでは見えそうにありません。

ただクリスマスに合わせるように、平年並みの寒さになってます。このまま年末へと寒さが続きそう…。

しかしながら、新しいドライスーツが届いたので問題なしです。

ガッツリ潜ります。

風は北東。雨そして雨。

〈サンゴガニ科ヒメサンゴガニ属の一種 Tetralia sp. 15年11月24日 安和グスク〉

白い地色に歩脚のチャームのような模様がかわいい被写体です。

ヒメサンゴガニの『ヒメ』は基準となる対象種より小さいことを示す接頭辞。

つまりサンゴガニより小さい種ですよってことですね。

小さいことを表す接頭辞はほかにもコ・ショウ・チビ・ヒナなどがあり、コ又はショウ>ヒメ>チビ>ヒナという感じで小ささを示すのが一般的なのだそう。

ということは『ヒメ』は小さいけど、小さい種の中では大きい方の種になるのかなぁ…とかややこしいことを感じてみたり。

ところで画像の個体は抱卵中。

小さな種ですから当然のことなのですが、小さな生命がさらに小さな生命を守り育んでいると思うと、不思議な感じもします。

 

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冬至…ですが…(シボリダマシ)

2015-12-22 18:48:28 | テンジクダイ科

本日は二十四節気の冬至…なのですが…。

寒さはなく、過ごしやす~い一日になったやんばるです。

冬至感まったくなしです。

そして先週冷え込み、今週は暖かくなったためか、1ヶ月ほど早く寒緋桜が開花してるそうです。

もっとも、二~三日ほど遅れてトゥンジービーサー(冬至の寒さ)はやってきそうですが。

風は東~南東。曇ときどき晴れ。

〈テンジクダイ科コミナトテンジクダイ亜科シボリ属シボリダマシ Fowleria vaiulae 15年11月24日 沖縄島安和グスク〉

本種はテンジクダイ亜科タイワンマトイシモチ属だったのに、いつの間にか変わってました。

和名は変わりませんでしたが、学名の方はすっかり変わっていたり…。

新しい学名種小名の接尾辞、つまり末尾は『ae』

前回に書いたりしました。献名というやつでしょう。そして女性への献名なのでしょう。

vaiul(ヴァイウル)は、ウクライナの方の名前なのだとか…。

きっと東欧的美人で……。

いや今回は妄想はなしで、現実的な話を。

今年の4月25日発行の論文によって、テンジクダイ科の分類体系が変わりました。

テンジクダイ科は4亜科に分けられ、そのうちの一つ、本種も含まれているコミナトテンジクダイ亜科には14の族が新設されました。

もちろんそのしたの属にも新称がいくつも加えられていたり。

結果手持ちの図鑑とは大きく異なる様相に…。

ああ、正誤表を作らないとなぁ…。

 

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上り調子…(オトヒメウミウシ)

2015-12-18 18:30:07 | ウミウシ

早朝は厳しい~寒さ。さらにパラパラと雨にうたれたりも…。

でも時間とともに上り調子の空模様で、日中は強い陽光を浴びられたり。

最終的には、ポッカポカな本日のやんばるでした。

週間予報によると日曜日から気温が上がり、来週は11月下旬並みの暖かさに戻るのだとか。

やっぱり暖冬なんですね…。

風は北~北東。雨のち晴れ。

〈イロウミウシ科Goniobranchus属オトヒメウミウシ Goniobranchus kuniei 15年11月19日 沖縄島安和〉

画像はまだ幼い個体。

本種の学名種小名の末尾は『i』

それはつまり献名だ。

『i』だからクニエという名前の男性に献名されたということなのでしょう。

クニエという人物が女性なら、末尾は『e』または『ae』になるはずだから。

ところがネットをウロチョロしてると、クニエとはニューカレドニアの島の名前だという記述に辿り着いた。

クニエは現地の言葉で『海の宝石箱』という意味なのだそうだ。

では何故『i』がついているのだろう。

さらにネットをウロチョロしてると、クニエのスペルがkunie以外にkunyieだったりkounieだったりもして。

もちろん同じ島のことなのに…。

さらにはその意味も『海の宝石箱』だったり『海の宝石』だったり。

なんだか混沌とした気分になってしまったり…。まあ、ネットではありがちなことのような気もしますけど。

それならここでも、さらにカオスな感じにしてしまったりして……

本種が記載されたのは、1930年。記載者はフランスの後鰓類学者アリス・プリュヴォ=フォル。名前からわかる通り、女性。

フィールドワークでクニエ島、フランス名イルデパン島を訪れた彼女は、まるで宝石を散りばめたような水中でワンダーランドに迷い込み(アリスだけに)、そこで一人の男性と出会ってなんだかんだで恋に落ち、なんだかんだと冒険するという体験をした。陸上に無事帰還した後、彼女はその男性が島の精霊であることを知り、そのときに採取した新種のウミウシに島の名を男性化した学名をつけた。

妄想ですよ…妄想ですからね……。

 

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出番はまだ先かな…(ハナイロウミウシ)

2015-12-14 18:42:49 | ウミウシ

日差し乏しい曇天な本日のやんばるです。

でも風は十分に弱く海は凪。

海から上がってもそんなに寒さを感じることもなく…。

12月も中旬になったので、一応インターバル用の車載ストーブを試運転。

快調に作動してくれましたが、出番はまだまだ先になりそうな…。

風は北東のち南東。曇。

〈イロウミウシ科シノビイロウミウシ属ハナイロウミウシ Thorunna florens 15年11月9日 沖縄島安和〉

服飾としてのジーンズは、アメリカが発祥の地。まあ、多くの方がご存じだとは思いますが。

しかしながら、生地としてのジーンズはアメリカではなくフランスが発祥の地。ただしフランスではデニムと呼ばれていますが。

このデニムは陸路をイタリアに運ばれ、イタリアの港からアメリカに輸出されたのだそう。

そしてこの港のあるイタリアの都市の名がジェノバ。そう、ジーンズとはこのジェノバが英語に変化したもの。

何が言いたいかというと、言葉って、変化しながら拡散するものなんだなぁと思ったわけです。ときには海も越えて…。

さて本種学名種小名のフローレンスは『花咲いている・花盛りの・栄えている』の意。

フローレンスと聞くと華やかな貴婦人がイメージされるのですけど、何の影響かな…。

イタリアのフィレンツェはフローレンスと呼ばれるそうで、スペルも同じ。

そもそもは花の女神フローラの町としてフロレンティアと名づけたことが語源だそう。

じゃあ、貴婦人のイメージは遠からずといった感じかな。

そして花を意味するラテン語がフロースで、ここから花の女神の名が生まれたのか、あるいは逆なのか、その辺りはよく知りません。

どちらにしても、この花も生地と同じように海を越え新大陸へ。

『花のような』という意味のフローリド、あるいは『花で一杯の』という意味のフローリダスが、フロリダの由来なのだとか。

花が世界に拡散していく……。

なんて書くと、少し牧歌的な気分になったり…。

 

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全月発生…(ササスズメダイ)

2015-12-12 17:33:42 | スズメダイ科

ヒンヤリした風ですが、日差しはポカポカ…な週末になってますやんばるです。

暖冬を実感するこの頃になってますが、エルニーニョ現象の影響だとか。

データによると過去3番目に規模の大きなエルニーニョなのだそうで、海外のニュースではゴジラ・エルニーニョとも呼ばれているのだそう。

で、南の海上には台風27号が。

これで今年は、1月から12月まで毎月1個以上の台風が発生したことに…。

これは観測史上初の記録なのだそう。

もっとも12月の接近台風の平均値は0.1個だそうで、沖縄島に近づくことはないでしょうけど。

風は北。晴天。

〈スズメダイ科スズメダイ亜科スズメダイ属ササスズメダイ Chromis lepidolepis 15年11月9日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

魚類の鱗は真皮の内部に発達した骨格であり、ハイドロキシアパタイトを主成分とする…、のだそう。

ハイドロキシアパタイトという言葉ですぐに思い浮かぶのが歯。

脊椎動物の歯は、鱗の口腔周辺に分布するものが、摂食器官として分化したものと考えられていたり。

その役割は複数あり、まずは病原体や外敵から体を守る役目。

カルシウムなどのミネラルをためておく役目。

他には水圧や水の振動を感じ取るセンサーでもあり、水の抵抗を少なくする働きもあったり。

あるいは、鱗の隆起線から年齢を推定することができたりとかも。

鱗、鱗と書いてきましたが…

本種の学名種小名は『うろこのうろこ』の意。

一部の鱗に付属小鱗がある、つまりは鱗に鱗が重なってる感じ。

ホントに鱗鱗してる魚だったり。

 

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上り調子…(アオギハゼ)

2015-12-07 18:30:35 | ハゼ科

天気は上り調子でしたが、体感ややヒンヤリだった本日のやんばるです。

明日は日差しと風がせめぎ合うそうで、ぜひ日差しにガンバってもらいたい…。

風は北~北東。曇のち晴れ間。

〈ハゼ科ハゼ亜科ベニハゼ属アオギハゼ Trimma caudomaculatum 15年11月4日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

まだ透明感が残ってる個体。

学名種小名は『尾部に斑点のある・しみのある』って感じかな。

画像の幼魚にもすでに見られますが、尾鰭基部に暗色班あり。

でも学名種小名のラテン語は別の意味にもとれたり…

それは『尾部に覆輪のある』って感じ。

覆輪とは、花びらや葉の外縁部分が、地と違う色で縁取られているもののこと。

画像幼魚にはまだないけれど、成魚では暗色班の外側に紫系や黄色というか金色系の色彩があったりしますから、こっちの方がしっくりしてしまったり。

さらに覆輪は、甲冑・鞍・太刀などを金・銀・錫などで縁取りし、飾りや補強としたもののことも。

こっちの方が断然格好良くていいなぁ。尾鰭が刀の鍔に見えてきたり…。

あるいは覆輪は、女性の着物の八つ口・ 袖口を別布で細く縁どったもののことも。

艶やかな感じにもなってきたり…。

 

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アップダウン…(アカネダルマハゼ)

2015-12-04 18:26:00 | ハゼ科

本日は冬型な感じのやんばるです。

まあそれでも日差しはたっぷりで、気持ちのいい陽気って感じでもありましたけど。

このところ気温のアップダウンのリズムがやや忙しないような…。

明日まではダウンしてるみたいですが、明後日からはまた夏日までアップしそうな予報です。

タイミングをつかみきれずに、まだ衣替えしてなかったり…。

風は北~北西。晴れときどき曇。

〈ハゼ科ハゼ亜科ダルマハゼ属アカネダルマハゼ Paragobiodon xanthosomus 15年10月26日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

アカネは茜色からでしょうか…。どう見ても黄色にしか見えません。

学名種小名も『黄色い体』の意。

まさにその通りって感じですよね。まあ、画像は幼すぎてクリアイエローになってますけど。

キイロダルマハゼなんて和名ではだめだったのでしょうか。

キイロサンゴハゼという本種によく似た姿の(生息環境もかなり似ている)ハゼがいたりしますから、紛らわしくないようにこうなったとかでしょうか。

それならレモンダルマハゼとか、モエギダルマハゼとかでもよかったりしたのでは…。

ちなみにモエギは萌黄で、本種は緑がかった体色の個体もいるようですし、英名もエメラルドコーラルゴビーですから。

と、つらつら考えていてふと思ったりしたのですが、茜は色ではなく植物のアカネそのものことなのかも…。

そもそもアカネは『赤根』の意で、その根を煮出した染料の色が茜色なわけですから。

で、つる性多年生植物のアカネの画像を検索ってみた。

あっ、茎が黄緑色してる。きっとこれから……

いやいや、植物の茎はたいてい黄緑色だった……。

 

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