Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

星の数ほどって…(ホシゾラウミウシ)

2020-10-27 18:47:09 | ウミウシ

天気図を見ると台風18号が発生してたり、熱帯低気圧があったり…。

とまあ前回と同じ入りをしてしまうような空模様が続いてるやんばるです。

気温は夏日ですが、北東の風が心地良く、夏感はめっきり薄らいでます。

来週の週明け辺りまでは、こんな感じが続きそうです。

風は北東。晴れ。

■■

『星の数ほど…』

数が非常に多いことのたとえとして、よくこんな言い回しをしますよね。

実際の星の数って、どのくらいなのでしょうか?

僕たちが住んでいるのは地球という惑星で、太陽という恒星系に所属していますよね。太陽系の中の恒星はもちろん太陽一つだけ。

しかし太陽系は天の川銀河に所属していて、その銀河系の恒星の数は1000億個以上なのだとか。

さらに宇宙には天の川銀河以外の銀河系が1000億個以上あると考えられているのだそう。

すると宇宙にある恒星の数は1000億×1000億=10の22乗個、つまり100垓個以上あるということになります。

しかも星は恒星だけではありません。惑星や準惑星、衛星や小惑星や彗星なども…。まさに数えきれませんね。

ところでこの無数の星の内、肉眼で見ることが出来るのはどのくらいかご存じでしょうか。

星の明るさは1等星、2等星というような等級に分類されていますが、肉眼で見ることが出来るのは6等星ぐらいまでなのだとか。

その数は全天で8600個程度なのだそう。100垓から比べると微々たる数字に思えてしまいますが、非常に多い数であることは間違いありません。

これだけ多い星の数ですが、その中に存在する星座の数はたった88星座なのだとか。

星座も無数にありそうなイメージだったのですが、そうではないようで…。

因みにこの88星座の内、84星座が観測できるのが沖縄県の波照間島なのだそうですよ。

■■

さて…

〈イロウミウシ科アオウミウシ属ホシゾラウミウシ Hypselodoris infucata 20年9月14日 沖縄島安和〉

画像はまだ幼い個体。

成体には散在している黄色斑や黒色斑がまだ少ないですね。

黎明期の宇宙…という感じでしょうか。

秋の夜長は星の観察に適していますね。

そしてもうすぐ小惑星リュウグウのサンプルを持ってはやぶさ2が帰ってきます…。

 

 

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最初は織田信長が…(モンガラキセワタ)

2020-10-20 19:34:25 | ウミウシ

天気図を見ると台風17号が発生してたり、熱帯低気圧があったりしてますが…。

まあ17号は遠い場所ですし、熱低も今のところ影響していない沖縄島です。

今日も気持ちのいい空模様で、鋭い日差しとひんやりした風が心地良いブレンドになってます。

もっとも週の半ば、明後日辺りは大雨の予報になっていたりしますけど。

何か久しぶりに大雨の予報を目にしたような気がするなぁ…。

風は北東。晴れ。

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『姿は魚で頭は虎、尾鰭は常に空を向き、背中には幾重もの鋭いとげを持っている動物』

といえば…

なぞなぞではありません。これは想像上の生物、『鯱(しゃち)』です。

海獣のシャチ(オルカ)の名は、この鯱に因んでいます。

鯱といえば鯱鉾。大棟の両端に取り付けられ、鬼瓦同様守り神とされています。城の天守などにも取り付けられていたりして、名古屋城の金鯱などが有名ですね。

鯱鉾の起源は、鴟尾(しび)と呼ばれる大棟の両端につけられる飾りの一種だったのだそう。中国から瓦の伝来と共に、飛鳥時代に日本に伝えられたと考えられているのだとか。

火除けのまじないなのだそうで、最初は沓形だったものが、唐時代末にバリエーションとして魚や鯱の形へと変化していったよう。

鯱は海に住み、よく雨を降らす動物だと想像されていたからだそうです。

ただ本来の目的は避雷なのだとかで、飾りの役割だけではないようです。

日本では、鯱鉾は寺院堂塔内の厨子等を飾っていたそうですが、それを城の天守に採用したのが織田信長なのだとか。

安土城を作ったときに、その天主や櫓、城門の屋根の上に鯱を設置したのが、日本での最初の鯱鉾なのだそう。そこから他の城に普及していったのだそうです。

火除けのまじないや避雷の実用もあったのかもしれませんが、信長だけに格好いいから付けてみるか、なんて考えたのかも…とか思えたりも。

しかし僕の記憶が正しければ、件の安土城は焼失していたような…。

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さて…

〈キセワタガイ科キセワタガイ属モンガラキセワタ Philine orca 20年8月21日 沖縄島安和〉

学名種小名は『シャチ』の意。

もちろん海獣の方のシャチです。

乳白色の地色に黒色の不定形斑紋を纏うところからでしょうか。

 

 

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昔は刀、今は電話(キハッソク)

2020-10-13 19:10:48 | ハタ科

風は北からの涼風ですが、それを上回る鋭い日差しで暑さの方が勝っていた本日のやんばるです。

何だかあちらこちらにポコポコ熱低が発生してたり、する予想だったり、台風にまで発達してたり…な感じですが、沖縄島には直接的には影響してません。

波の予報はここ最近ずっと波高に『うねりあり』がくっついてますけど、これは間接的な影響でしょうか。

もっとも、うねりはそんなに強くなく、凪の範疇と言ってもいいようなレベルですが。

数日前からオオシマゼミの鳴音が盛大に聞こえるようになり、その点では秋の深まりを感じたり…。

風は北~北東。晴れ。

■■

『世帯』

住居および生計を同じくする者の集まり。あるいは、一戸を構えて独立の生計を立てること。または、生活に必要な家屋と家具。

『世帯を持つ』とか『世帯道具』なんて言葉もありますね。

同じ意味に『所帯』という言葉がありますが、こちらが元々で、明治期に『所帯』が転化して使用されるようになったのが『世帯』なのだとか。

その『所帯』の本来の意味は、『身に帯びているもの』のことで、持っている財産や得ている地位などのことを差していたのだそう。

所領・官職・身分を表すのが原義で、これらの字面からも何となく推測できますが、その語源は鎌倉時代の荘園における土地財産を意味していたのだとか。

帯にはそもそも着物を身体に固定するという機能の他に、道具を装用するという機能があり、その歴史は衣類自体よりも古いと考えられているのだそう。

初期の形態としては、裸体に腰紐を巻き、そこに狩猟に用いる道具を差していたことが始まりなのだとか。

まさに太古から人類は帯を巻いていた、って感じですか。

身に帯びる物と言えば、一昔前なら刀ですね。身体に最も近いところに置くので、『刀を帯びる』と言うのだそう。

今なら携帯電話ですね。腰には差しませんが。というか携帯電話という言葉もそろそろ死語でしょうか…。

電話=スマホな時代ですから…。

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さて…

〈ハタ科ハタ亜科キハッソク属キハッソク Diploprion bifasciatum 20年8月21日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『二つの帯のある』の意。

成魚では眼と体中央付近に暗藍色の黄帯を纏っています。

この子はまだ帯びていませんね…。

 

 

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いろくず(コクテンニセヘビギンポ)

2020-10-06 20:09:33 | ヘビギンポ科

陽光はサンサン、風はやや強め…。過ごしやすい感じだった本日のやんばるです。

台風14号はまだ暴風域を持たず、予報円も大きくて、どのくらい沖縄島に影響するのかよく分からない状況です。

明日には暴風域が出来そうですが、沖縄島は暴風域には入らないように思えます。

沖縄島への最接近は8日の後半辺りのようで、強風域には入りそう。

明日の後半からは波が高まっていく予報です。

風は北~北東。晴れ。

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『目から鱗がおちる』

これまで見過ごしていたことを発見したり、以前から不思議に思っていた疑問が解消されたり、人生観に影響するほどの大きな気づきを得たときなどにも使う慣用句です。

この鱗、どんな魚の鱗でしょうか?

いやもちろん、魚種までは解りません。しかし海の魚ではなく、川の魚の鱗なのだとか。

『目から鱗』の由来は新約聖書の『サウロの回心』というエピソードに出てくるフレーズなのだそう。

ざっくり言うと、サウロという人物が旅の途中で強い光で視力を失うのですが、キリスト教徒の祈りによって『目から鱗が落ちて』また視力を取り戻した、という感じの故事に因んでいるのだとか。

このときサウロが旅していたのは、海から80km内陸部で、海抜が680mという高地であったことから、この鱗は川魚の鱗だろうと考えられているのだそうです。

ところでなぜ目に鱗が入ったのでしょう? その鱗、自分で取り出せなかったのでしょうか?

『うろこ』という言葉。その語源は『いろくず』なのだとか。

『いろ』とはざらざらした細かいものの意味で、『くず』は『屑』、すなわち物のかけらの意味で、『こ』は『小』の意味なのだそう。

つまり『ざらざらした小さくて細かなかけら』という感じでしょうか。

この『いろくず』が平安時代に俗的な表現で『いろこ』と併用されるようになり、それが『うろこ』に変化したのだとか。

魚を表す『いを』が『うを』に変化したり、『いごく』が『うごく(動く)』に変化したり、『い』が『う』になる音変化は少なからずあったようです。

そういえば僕の実家の地方では、ご年配の方々が「いごく」って言葉を普通に使ってましたけど、あれは平安時代の名残りだったのかな…。

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さて…

〈ヘビギンポ科ニセヘビギンポ属コクテンニセヘビギンポ Norfolkia brachylepis 20年8月17日 沖縄島安和〉

学名種小名は『短い鱗の』の意味。

鱗って、長い短いというスケール感でしょうか…。

 

 

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