Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

薄緑(ゴマモンガラ)

2019-09-24 20:36:03 | モンガラカワハギ科

日差したっぷり、風は涼風、バランス的にはやや陽光が勝っているかな…という感じの本日のやんばるです。

風は急速に弱まり、海も急速に回復しています。

二三日は気持ちの良い青空の日が続きそうです。

風は北。晴れ。

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『刀剣乱舞』というゲームがあるのだそうで。やったことはないので詳しくは知りませんが、日本刀の名刀を男性に擬人化した『刀剣男士』とやらを集めて育てる、刀剣育成シミュレーションゲームなのだとか。

実は今日のローカルニュースでこのゲームに関することが話題になっていました。何でもこの『刀剣乱舞』に最近沖縄の刀が新刀剣男士として加わったのだそう。『北谷菜切』という琉球王家に伝来した宝剣なのだそう。

で、ニュースの内容はというと、その『北谷菜切』が今展示されている那覇市歴史博物館にいわゆる『刀剣女子』が詰めかけているのだというもの。沖縄まで、刀を見るためにやって来るのか…、すごいなぁ…。とか思ったりしたわけです。

というわけで、刀の話を…

源氏重代の太刀に、『膝丸』という太刀があります。『平家物語』によると、源満仲が作らせた太刀なのだそう。

罪人を試し切りした際に、膝まで切れたので『膝丸』と名づけられたのだとか。どこから切って膝までなのでしょうね。やっぱり頭の天辺からかな…。

その後、源頼光がこの太刀を使って土蜘蛛を退治したことで、『膝丸』は『蜘蛛切』と名を改められました。

さらにこの太刀は相伝されていき、源為義の代には、夜に蛇の泣くような声で吠えたので『吠丸』と改められたのだとか。蛇って泣くのですか? どんな声で泣くのですか? とか思えたり…。

『吠丸』は為義の娘婿に渡り、彼によって熊野権現に奉納されます。

そして1184年1月、この『吠丸』は源義経に贈られます。このとき義経は、熊野の春の山を出てきた太刀ということで、太刀の名を『薄緑』に改めたのだそうです。

『膝丸』から『蜘蛛切』、さらに『吠丸』そして『薄緑』と、その時代時代で四つもの名前を持つ太刀。こんな太刀は珍しいのではないでしょうか。

まあ、刀剣には詳しくないので、珍しいかどうかの本当のところはよく解りませんけど…。

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さて…

〈モンガラカワハギ科モンガラカワハギ属ゴマモンガラ Balistoides viridescens 19年8月7日 沖縄島安和グスク〉

画像は幼魚。

学名種小名は『緑の、緑がかった、淡緑色の』の意。

鰭の先端部が暗色であることから、かつては『ツマグロモンガラ』とも呼ばれていたのだとか。

 

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チューリング・パターン(アオギハゼ・アカホシカニダマシ・シロブチハゼ)

2019-09-17 20:58:30 | 水中生物
鋭い日差しと北寄りの風のバランスが良く、心地良い感じだった本日のやんばるです。
 
あちらこちらに熱低あるいは熱低の卵が…。
 
沖縄島に近づきそうなものもありそうで、要注意な感じになってます。
 
風は北東~北。晴れ。
 
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「機械は(人間的な)思考をするか?」
 
これは数学者アラン・チューリングの掲げた問いです。何だか、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を連想してしまう問いですが、二つの問いは全く無関係というわけでもありません。この機械というのは、コンピュータのことで、今ならばAIのことでもある、といっても間違いではないでしょう。因みに『アンドロイドは電気羊の夢を見るかは?』は映画『ブレードランナー』の原作です。
 
アラン・チューリングは数学者であると共に、論理学者で、暗号解読者で、哲学者で、コンピュータ科学者でもあります。まあ、つまるところは天才ですね。
 
チューリングマシンという今日のコンピュータの概念を理論化し、コンピュータの父とも呼ばれています。前述の問いから、コンピュータの知能の有無を判定する方法(チューリングテスト)を考え出したりもしています。
 
また、第二次世界大戦時には、難攻不落といわれたナチスの暗号装置エニグマの暗号を解読し、英国の海上補給線をドイツ軍Uボートから守ることに貢献したのだそうです。この辺りはベネディクト・カンバーバッチ主演で「イミテーション・ゲーム」というタイトルで映画化されています。
 
「2つの物質が、ある条件のもとで反応しながら広がるとき、そこに物質の濃淡の波ができその波が生物の形や模様を作り出す」
 
これもチューリングの言葉です。そしてこれは魚の模様に深く関わる理論です。ザックリ言うと魚の模様は、縞模様でも斑模様でも斑点模様でも、設計図のようなものに基づいて作り出されるのではなく、物質間のその場その場の反応によって自主的に生み出されている、という感じの理論。
 
これはチューリング・パターンと呼ばれ、1952年にチューリングによって理論的存在が示されたのですが、長らく生物学に影響を与えることはありませんでした。というか無視されていた感じ。しかし1995年に日本の生物学者によって実験的に確認され、再評価されています。
 
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さて…
〈ハゼ科ハゼ亜科ベニハゼ属アオギハゼ Trimma caudomaculatum 19年7月25日 沖縄島安和〉
 
画像はまだ幼魚。
 
〈カニダマシ科アカホシカニダマシ属アカホシカニダマシ Neopetrolisthes maculatus 19年7月31日 沖縄島崎本部ゴリラチョップ〉
 
これもまだ幼い個体。
 
〈ハタ科ハタ亜科マハタ属シロブチハタ Epinephelus maculatus 19年7月31日 沖縄島安和〉
 
こちらもまだ幼魚。
 
3種の共通点は学名。
 
アオギハゼは『尾に斑点のある』、他の2種は『斑点のある』の意。
 
チューリング・パターンとして生み出された模様なのでしょうか。
 
 
 
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スヌスムムリク(ニシキフウライウオ)

2019-09-10 19:12:48 | カミソリウオ科

ゆる~い南寄りの風、鋭い日差し、もちろん真夏日…だった本日のやんばるです。

南の海上には明日辺り熱帯低気圧が発生しそう。

そんなに勢力は強まらないようですが、週末にかけて東の海上に居座りそうな予報。

うねりありの日が続くのかなぁ…、という感じです。

風は南東のち東。晴れ。

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「長い旅行に必要なのは大きなカバンじゃなく、口ずさめる一つの歌さ」

これはスナフキンの名言の一つ。

スナフキンをご存じない方はいないと思いますが、トーベ・ヤンソンのムーミンシリーズに登場するキャラクターです。

ムーミントロールの親友で、ムーミン谷の生き物たちが冬眠する冬には一人で旅立ち、春の訪れと共にまた戻ってくる永遠の旅人。あるいは世界一有名な風来坊、といってもいい人物ではないでしょうか。

スナフキンというのは英語名で、スウェーデン語で書かれた原作では違う名前です。その名前は『スヌスムムリク』というのだそう。

何だか呪文みたいな名前ですが、北欧の嗅ぎ煙草である『スヌス』と親しみを込めて言うときの『あいつ、兄さん』という意味の『ムムリク』がくっついて、『嗅ぎ煙草兄さん』といった意味の名前なのだとか。

僕たちが知っている英語名のsnufkin(スナフキン)の方は、英語で嗅ぎ煙草を表すsnuf(スナフ)が由来なのだそうで、原作の名をそのまま英語化したもののようですね。

しかしながら、作中でスナフキンは嗅ぎ煙草を嗅ぐことはなく、パイプ煙草を愛用しています。

僕が記憶しているムーミン(昭和アニメ版)のスナフキンもパイプをくわえてたような気がします。

アニメを見ていた当時は、ムーミンにもスナフキンにもそんなに思い入れがあったわけではないのですが、その最終回にスナフキンが静かにムーミン谷を去って行くシーンがとても印象的で、今も記憶に残っています。すごく格好良く思えたんですよね…。

スナフキンは子供より大人が憧れるキャラクターらしく、公式サイトのキャラクター投票でも1位をとる人気キャラクターなのだそうです。

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さて…

〈カミソリウオ科カミソリウオ属ニシキフウライウオ Solenostomus paradoxus 19年7月25日 沖縄島安和〉

風来の意味は、風に吹き寄せられたようにどこからともなくやって来ること。

まあ、そういう泳ぎ方ですね。

〈同種同一個体 同日 同ポイント〉

〈同種同一個体 同日 同ポイント〉

〈同種同一個体 同日 同ポイント〉

どこを切り取っても綺麗な魚です。

 

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黒い縫い目(クロスジイソハゼ)

2019-09-03 20:36:07 | ハゼ科

変わらず強い日差しの真夏日ですが、風が心地良かった本日のやんばるです。

といってもこの日差しも明日までのよう…。

南の海上の台風13号がゆっくりと北上してきそうです。

明後日には先島諸島辺り、そのまま東シナ海を進んでいく予報です。

明日の後半にはうねりありな海況になりそうです。

風は南東。晴れ。

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グリム童話に『わらと炭とそら豆』という話があります。そのあらすじはというと…

お婆さんがかまどでそら豆を煮ようとしたとき、鍋から一粒のそら豆が、かまどからは一本のわらと赤く焼けた消し炭が土間に落ちました。そら豆とわらと炭はそのまま旅に出ることにし、家を出て野原を歩きだしました。しばらく行くと川がありました。どうやってその川を渡るか、三人は思案を始めます。そのうちわらが、自分が横たわって橋になるから、君たちが渡って、最後に引き上げてくれと提案します。炭とそら豆は賛成し、最初に炭が渡り始めました。けれど途中まで行ったところで怖くなり、立ちすくんでしまいました。すると炭の火がわらに燃え移り、二つに折れて炭とわらは川に落ちてしまいました。その様子を見ていたそら豆は、腹を抱えて笑い転げました。あまりにも笑いすぎたため、とうとうお腹が破裂してしまいました。そこへ一人の仕立屋が通りかかりました。仕立屋は親切な人だったので、破裂したそら豆の腹を糸で縫い合わせてくれました。でもそのとき黒い糸しか持っていなかったために、そら豆には黒い縫い目がついてしまいました。

…とまあこんな感じの童話です。

そら豆には『お歯黒』と呼ばれる黒い筋の部分がありますが、何故そんなものがあるのかという理由を示すお話。所謂『由来譚』と呼ばれるものです。

そら豆の黒筋は縫い目だったんですね。一緒に旅する仲間が、川に落ちるのを見て腹が割けるほど笑い転げるって、かなりやばい性格のような気もしますが…。で、そのそら豆は親切な仕立屋に助けられるという…、何というか不条理にも感じられたり。

この話は世界中に分布してまして、エストニア・ラトビア・リトアニア・デンマーク・フランス・ドイツ・ハンガリー・ロシア・インド・アメリカ等々に似た話があるのだとか。

日本でも青森から沖縄まで、八十話近くあるらしいです。まんが日本昔ばなしにも『ソラ豆の黒いすじ』として収録されています。

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さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属クロスジイソハゼ Eviota sebreei 19年7月10日 沖縄島崎山〉

画像は幼魚。

学名種小名は『sebree氏の』の意。献名です。

半透明の体内部に走る赤色縦帯が、クロスジなのでしょうか。アカスジじゃなくて…?

まあどちらにしても縫い目ではありません。

縦帯上縁の白色点列はちょっと縫い目っぽいですけど…。

 

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