日本共産党 前玉野市議会議員 松田たつおのブログ ニュース

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12月議会最終日の反対討論

2020年12月22日 | 市議会
 昨日の12月21日(月)に12月定例市議会が閉会した。

ちょうどこの日が冬至であり、この日を転機に少しずつ昼が長くなり、

日暮れが遅くなってくる。昨夜は会議のため午後8時半頃に帰宅。

ゆず湯に浸かり、時の流れ、季節過ぎゆく微かな波動にふれながら

冬至の夜を過ごした。

昨日の本会議で行った議案の反対討論の主旨は以下のとおりである。

日本共産党市議団の松田達雄です。私は12月定例議会に上程された18議案のうち、6議案に反対し討論を行います。
最初に「議案第76号 令和2年度玉野市一般会計補正予算(第8号)」のうち、項、病院費について、また、「議案第81号 令和2年度総合病院玉野市立玉野市民病院事業会計補正予算(第3号)」、「議案第83号 地方独立行政法人玉野医療センターに係わる重要な財産を定める条例」、さらに、「議案第84号 玉野市特別会計条例の一部を改正する条例」の4議案は、いずれも、玉野三井病院と、玉野市民病院を組織統合し、地方独立行政法人を設立するための議案であり、一括して反対討論を行います。
反対理由の第1は、これまでも繰り返し、地方独立行政法人化の問題点を指摘してきましたが、そもそも、地方独立行政法人化は市民が望んだものではなく、指定管理者制度による民営化の失敗、市政の大失政に端を発して、市民への説明責任を果たすことなく、また、市民の意見を聞くことなく、議会の了承さえ得れば良し、として、トップダウンで押し進めているもので容認できません。
第2に、独法化は採算第一主義が強まり、不採算医療などの切り捨て、後退が生ずる恐れがあります。すでに、小児科医療については、当初の新病院基本計画案では、小児科の入院診療再開の文言はなく、議会厚生委員会からの強い要請で、小児・周産期医療について、「入院診療の再開を目指した関係機関との連携」と修正・加筆する有様ですから、市民が必要とする医療・診療体制を充実する姿勢は後退することは明らかです。そのため、統廃合により国・県が示す地域医療構想の病床削減割合を大きく超える119床も病床数を大幅削減するなど許されません。また、市民・患者にとっては個室代、テレビ代、リンネ代、各種手数料の値上げや、保険外負担の拡大が予想されます。さらに、人件費を削減するため看護師等の給料が削減され、労働条件の悪化により職員が辞めていく事例が多くあります。
反対理由の第3に、住民・市議会の関与は弱まります。議会のチェック機能の低下とともに、住民監査請求などができなくなるだけに、改めて議会の一定の関与を保障する条例等の規定をつくることが求められます。
 最後に、本年11月に実施した玉野市民病院職員組合による「地方独立行政法人への移行に伴う給与制度についての意向調査」のアンケート調査では、医師等を除いた正規職員123名の対象者のうち、116名(回収率94.3%)から回答が寄せられています。
設問の「当局が提示した新しい給与制度に賛成ですか」の問いに、賛成9名、反対101名、無記入6名で、87%が反対しており、玉野市民病院職員組合が要望している現行の給与表を移行することに賛成ですかの問いに、賛成91名、反対24名、無記入1名となっています。また、地方独立行政法人へ移行後の就業についての設問に、継続して就業予定であるは68名で58.6%。退職予定であるは、7名、退職を考えていると回答した人は40名と34%に上っています。さらに、退職理由に新しい給与制度が関係していますかの問いに、関係しているが21名(45%)、関係しているがそれだけではないが20名(42%)、関係していないが6名です。退職検討者47名のうち、看護職が30名となっています。
 このアンケート結果からも地方独立行政法人化によって、ますます看護師等の退職につながり、人手不足、スタッフ不足の深刻化とともに、職員のモチベーションの低下が懸念されます。病院職員の理解と合意のない、職員を置き去りにした統廃合には反対です。
 改築前の病床数と同じ198床の新病院を建設した児島の倉敷市民病院、瀬戸内市民病院など多くの自治体病院は、きびしい医療環境のなかで、市民のための、市民の公立病院として公設公営で頑張っていますが、黒田市政は、民営化に走り、6億円もの損失をまねいて、迷走して、今度は市民置き去りに地方独立行政法人化に莫大な税金を投入し、三井病院を早々に閉院にし、国の医療費削減、医師抑制策など国策に乗って、地域医療を弱体化させる方向へ突き進んでいます。
以前にも指摘したように、大きなリスクを抱える独法化よりも、公設公営の「市民のための市民病院」として、病院職員が誇りをもって働くことができるよう、職員の意識改革を含め、経営改善・改革を病院職員と一緒に力を合わせて進めていくとともに、市民からいっそう信頼される病院となるよう、取り組んでいくことに、全力を尽くすべきであります。以上の理由から、これら4議案に反対するものです。

次に 「議案第87号 サンライフ玉野条例を廃止する条例」に反対します。
反対理由は、第1に、旧文化センター跡地を玉野市新病院の建設候補地として決め、その駐車場用地が十分に確保できないために、サンライフ玉野を解体撤去して、新病院の駐車場用地に使用するための閉館、廃止条例であります。
 果たして、旧文化センター跡地が新病院建設用地に相応しいのか、多くの疑問点、問題点があることは、これまで何度も指摘してきました。
とりわけ、平成29年8月2日に開催された「第3回 新病院在り方検討部会」では、「候補地比較表によるメリット・デメリット、課題等」をもとに、早々に候補地2の旧文化センター跡地を建設場所にする意見集約が行われています。ところが、コンサルタント業者からは、その半月後の8月17日に「第3者視点から建築上の敷地・立地に対する評価」という書類が提出されており、当局は「新病院あり方検討部会で候補地2に意見集約されたことを、8月2日の議事概要から説明」したと、令和2年1月27日付の厚生委員会協議会資料に明記しています。つまり、新病院在り方検討部会では、このコンサル業者提出の「第3者視点からの評価」をまったく協議しないで、建設場所を意見集約させています。わずか3回の新病院在り方検討部会の議事概要で見る限り、当局主導の不透明な建設場所決定、通常の行政では考えられない、大雑把でズサンな候補地選定の舞台裏が明らかになっています。新たな第3者により建設候補地の精査、再検討を求めるものです。
反対理由の第2は、サンライフ玉野は昭和62年/1987年3月建築で、昭和56年/1981年以降の新耐震基準で建築された築33年の建物です。まだ20年以上は十分に利用できる鉄筋コンクリートの公共施設を新病院の駐車場確保のためと取り壊すなど、とんでもありません。図書館・中央公民館を新設移転したメルカは、サンライフ玉野の建築より6~7年後に建設されていますが、そこに約6億円も税金投入して図書館を新設移転させていることを考えれば、いかに矛盾した愚策かは明らかです。以上の理由から本議案に反対します。

次に議案第88号 玉野市渋川観光駐車場条例の一部を改正する条例について反対します。
反対理由の第1に、本年9月議会において、渋川観光浴場及び隣接する渋川駐車場について、次年度以降現金収受による新型コロナ感染リスクを防止る観点から、自動ゲートや必要な資機材を設置するための予算が計上されていました。しかし、本会議での予算約3,676万円の提案の際に、冬場を含めて通年で駐車場を有料化する方向での検討協議の説明はなく、まさに、だまし討ち的な手法で、今回の12月議会に通年有料化を打ち出すなど、住民・議会を軽視する行政手法と言わなければなりません。当然、9月議会の提案時には、コロナ対策としての感染防止だけでなく、通年有料化を検討していたはずであり、主要な目的の一つを全議員が出席する本会議で説明しない、このような予算議案提出は許されません。
第2に、すでに9月議会の産業建設委員会への提出資料では、東京に本社がある民間企業が包括連携協定及び駐車場の指定管理者となる意向が示されており、これまた、5月~8月にかけて3度この業者が玉野に来て事前打ち合わせ、協議をしていることが記載されており、競輪場整備・包括委託と同様に特定企業にシフトする不透明な行政運営だと考えます。国立公園・渋川海岸は混雑する夏季シーズンを除き、原則、誰もが自由に行き来でき、無料で駐車でき、散策できる海岸として位置づけるべきです。市外の特定企業の儲けのために、その運営管理をまかせ、通年有料化することは、地域内経済循環にも反するもので、賛成できません。
第3に、玉野市観光協会や渋川観光協会にどれほどのメリットがあり、本市へのメリット、デメリットはどうか、本市にどれだけの利益をもたらすのか、その内容も不透明であり、指定管理者・市外企業まかせの運営となるだけに問題点、デメリットが多くあり、認められません。
第4に、渋川地域住民のみなさんの大方の合意が得られている状況ではないと考えます。アンケートはわずか20数名程度で、しかも、駐車料金はどの程度がよいか、という通年有料化を前提にしたアンケート内容のため、多くの住民のみなさんの声を正しく反映したものではありません。これまで通り、夏のシーズンを中心に自動ゲートで有料化するのは良いが、国立公園の渋川海岸を利用する多くの市民や市外観光客から通年で駐車場料金を徴収することには反対の声が多くあり、以上の理由から本議案に反対するものです。