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てらまち・ねっと



 アメリカで超大型減税が実施されるのが確実になってきたらしい。歴史に逆行する制度とも言われる。
 当然気になるのは、その内容。

 BBCが「米税制改革法可決 得するのは誰?」はと題して、「低・中所得層家庭への侮辱」とも付記して、内容をまとめている。
 ★≪法人税は35%から21%に恒久的に引き下げ/時限措置として、個人所得税の税率が引き下げ/相続税の引き下げ/子供の税額控除拡大/企業が海外で得た利益への課税引き下げ/ 超党派の合同税制委員会は、現在20兆ドル(約2200兆円)ある政府債務が今後10年間で1兆4000億ドル(約158兆円)増えると試算≫

 他に次を記録しておく。
 アメリカで減税が失敗した州の報告もある。●米国 カンザス減税裏目 経済活性化せず財政赤字拡大/毎日 2017年11月26日

 あとは、批判意見などを見る。
●トランプ税制改革「富裕層優遇」批判も 上院で法案可決/朝日 2017年12月3日
●「減税=成長」はまやかし、トランプ税制改革案の根底にある嘘/Forbes JAPAN 2017/10/03
●米成長に「寄与せず」=大型減税に懸念-元FRB議長/時事 2017/12/07

●トランプの減税案、支持は登録有権者の3分の1以下/ニューズウィーク 2017年10月25日
●【経済】NYの視点:米トランプ政権の税制改革が経済に与える影響は”わずか”と控えめ/市場ニュース 2017年12月05日

●サマーズ:共和党減税は経済成長に資さない/フィナンシャル・ポインター 2017/12/05 
●トランプ税制改革「富裕層優遇」批判も 上院で法案可決/朝日 2017年12月3日 

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●米共和党の税制改革法案、上院を通過
        BBC 2017年12月20日
米税制改革法可決 得するのは誰?
米上院は20日未明(日本時間同日午後)、過去30年以上で最も広範な税制改正となる税制改革法を可決した。

これに先立ち法案は19日に下院を難なく通過した。法案を出した共和党は上下院で多数を占めている。

下院で可決された法案に不備が見つかったことから、下院は20日に再び採決、可決させる予定。

法案が成立すれば、ドナルド・トランプ米大統領は就任後初めて議会で主要な勝利を収めることになる。

税制改革案に対しては、財政赤字を拡大させ富裕層へのばらまきになるとの批判も出ているが、共和党は大企業や中小企業、個人への減税が経済成長を促進させると主張している。

上院では、議長としてマイク・ペンス副大統領が採決の結果を発表した。ペンス副大統領は、「この採決での賛成は51、反対は48。減税および雇用法案は可決された」と述べた。

採決の結果が発表される直前には、傍聴席にいた法案に反対する人々が「法案を破棄しろ」と叫びだす場面があったが、警備員らに退場させられた。

民主党のチャック・シューマー上院議員(ニューヨーク州選出)は、共和党議員たちが来年の中間選挙で、「さんざんな法案」の代償を払わせられると語った。シューマー議員は、「(法案の)内容と採決はあまりにひどいもので、1年後には共和党議員たちが今晩賛成票を投じたのを恥じて、法案から距離を置こうとするだろう」と述べた。

下院では、共和党議員12人と民主党議員全員が反対票を投じたが、法案は227対203で可決され、議場内では共和党委員たちから歓声と拍手が湧き上がった。

ポール・ライアン下院議長は「きょう我々は国民に彼らのお金を返す。結局のところ、このお金は国民のものだ!」と述べた。

トランプ大統領が米国への「クリスマスの贈り物」と呼び、民主党のバーバラ・リー下院議員が「低・中所得層家庭への侮辱」と形容する今回の法案により、法人税は35%から21%に恒久的に引き下げられる。

さらに時限措置として、個人所得税の税率が引き下げられる。

他の主な内容

相続税の引き下げ
子供の税額控除拡大
企業が海外で得た利益への課税引き下げ

超党派の合同税制委員会は、法案が成立すれば現在20兆ドル(約2200兆円)ある政府債務が今後10年間で1兆4000億ドル(約158兆円)増えると試算している。


なぜ税制改革法案が重要なのか
この法案が大半の米国民に影響を与えることに加えて、共和党には、今夏成立を目指していた医療保険制度改革法(オバマケア)廃止法案が頓挫したことを受け、ここで政権運営能力を示す狙いもある。

2010年に成立したオバマケアは、医療保険を購入しない米国民に罰金を科している。オバマケアの廃止をめざす共和党は、税制改革法案で罰金の条項を破棄した。

民主党は中間選挙を来年に見据え、一連の税制改革法案で米国の貧富の差がさらに拡大すると主張している。

●トランプ税制改革「富裕層優遇」批判も 上院で法案可決
          朝日 2017年12月3日 五十嵐大介
 米議会上院が2日に税制改革法案を可決し、トランプ政権が最重要政策に掲げる税制改革が実現に向けて動き出した。トランプ大統領は年内の法案成立をめざすが、下院案とのすりあわせは曲折が予想される。

 「全米の働く家族のための巨額減税の実現に一歩近づいた」。法案が可決された2日未明、トランプ大統領はそうツイートした。法案には民主党全員が反対。共和党はコーカー上院議員1人が反対票を入れた。

 トランプ政権は、法人税率を先進国の平均を下回る20%に引き下げて投資や雇用を呼び込み、「年3%成長」をめざすと訴えてきた。日本や欧州で法人税率の引き下げが進むなか、米国の税率は高止まりしてきた。法人税率の大幅な引き下げは、レーガン政権以来約30年ぶりとなる。世界最大の経済大国の法人税率が下がれば米企業の競争力が高まり、他国でも対応を迫られる可能性がある。

●米国 カンザス減税裏目 経済活性化せず財政赤字拡大
     毎日 2017年11月26日
 米国で法人税や所得税の減税を柱とする税制改革法案の審議が大詰めを迎えている。トランプ政権と与党共和党は、減税すれば経済が活性化するため税収はそれほど減らないとみる。しかし、同じ考え方で先駆けて減税を実施した中西部カンザス州では、経済成長は加速せず、財政赤字が拡大して学校予算さえ不足する事態に陥った。失敗の原因を探った。【カンザスシティー(カンザス州)で清水憲司】

●「減税=成長」はまやかし、トランプ税制改革案の根底にある嘘
      Forbes JAPAN 2017/10/03
ドナルド・トランプ米大統領と与党共和党の税制改革案は、雇用創出や経済成長を促さず、伸び悩む中間層以下の賃金を上昇させることはない。先ごろ発表された一連の改革案は、うその上に成り立っている。

共和党はまたしても、企業や超富裕層への減税が全ての人を助けることになると信じ込ませ、米国民を欺こうとしている。それが正しい考えだと証明されたことは、過去に一度もない。政府の財源を奪い、共和党の選挙資金が滞ることなく増え続けることを保証するための(富裕層への)プレゼントであったことしかないのだ。

全体として改革案は、誰の助けも必要としないグローバル企業や専門分野に特化した企業を支援するものだ。企業が税負担を避けるために国外にため込んできた何兆ドルもの資金が国内に戻ることはなく、雇用を創出することもないだろう。

そして、トランプが計画している大幅な法人税率の引き下げについても注意深く見ていく必要がある。米国の現行の法人税率は35%だが、寛大な税額控除制度のため、これをそのまま支払っている企業はほとんどないことを忘れてはならない。実効税率がゼロの企業も多いのだ。

減税=成長のウソ
減税は経済成長や雇用の増加に効果をもたらすのだろうか?少なくとも、経済の専門家らの間では、「ノー」という答えが多い。

米紙ワシントン・ポストの経済記者ヘザー・ロングは、次のように指摘する。
「ロナルド・レーガン大統領が1986年10月に署名、成立した税制改革法も効果はなかった。共和・民主両党が賛成した46%から34%への法人税率の引き下げが実施された後も、賃金は何か月も何年も下落を続けた」

シンクタンク、税政策センター(Tax Policy Center)の共同創設者であり、クリントン政権で財務省高官を務めたレン・バーマンによれば、「法人減税が賃金上昇や経済成長に大きな効果をもたらすことを証明するものは一つもない」。

また、アメリカン・カレッジ・オブ・ファイナンシャル・サービシズのジェイミー・ホプキンス教授は、次のように述べている。

「減税が経済成長のきっかけとなることはあり得るが、だが、歴史的に見ても、それが経済成長を通じて税収の減少分を埋め合わせたことを示す例はない。…結局のところ、減税は税収の減少にすぎない」「予算の問題を解決したければ、政府は減税を歳出削減と同時に行わなければならない」

歴史を否定する共和党
歴史は教訓を与えてくれる。だが、共和党はそこから学ぶことを拒否する。2000年代前半のジョージ・W・ブッシュ大統領による減税も、平均賃金(物価調整後)の上昇や雇用創出の実現にはつながらなかった。

米国の富の80%を支配する20%の国民の税金をさらに「免除」する必然性はどこにあるのか?巨額の寄付金で、共和党が与党であり続けることを可能にしてくれるからだろうか?つまり、彼らに対する減税を行えば、共和党の選挙資金に「トリクルダウン効果」があるからだろうか?

この改革案が可決すれば何が起きるかは、この点以上に明らかだ。トランプと共和党は政府から、3兆ドル(約338兆円)近い歳入を奪い取ることになる。つまり、政府債務がさらに増える。もっと簡単に言えば、すでに政府がその方針を示しているとおり、社会保障制度やメディケアとメディケイド(高齢者向け・低所得者向けの公的医療保険制度)を縮小していくことになる。

●米成長に「寄与せず」=大型減税に懸念-元FRB議長
       時事 2017/12/07
 【ワシントン時事】グリーンスパン元米連邦準備制度理事会(FRB)議長は6日、米CNBCテレビとのインタビューで、トランプ政権が目指す大型減税が経済成長に「ほとんど寄与しない」との認識を示した。減税によって財政赤字が膨らむことで、急激なインフレになる恐れがあると警告した。 

 米議会が法案の最終的な詰めを行っている法人税減税を柱とする税制改革により、財政赤字は10年間に約1兆4000億ドル(約157兆円)増える見通し。グリーンスパン氏は「(税制改革で)深刻な財政状態に陥ろうとしている」と指摘。「今取り組むべきは債務削減に焦点を当てることだ」と訴えた。

●トランプの減税案、支持は登録有権者の3分の1以下
      ニューズウィーク 2017年10月25日
10月24日、ロイター/イプソスが実施した世論調査で、トランプ米大統領が掲げる減税計画を支持しているのは米国の登録有権者の3分の1に満たず、3分の2以上が富裕層や法人に対する減税よりも連邦予算の赤字削減の方が重要との見方を示していることが分かった。写真はトランプ大統領、ホワイトハウスで24日撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

ロイター/イプソスが実施した世論調査で、トランプ米大統領が掲げる減税計画を支持しているのは米国の登録有権者の3分の1に満たず、3分の2以上が富裕層や法人に対する減税よりも連邦予算の赤字削減の方が重要との見方を示していることが分かった。

独立アナリストなどによると、トランプ氏の計画の下では、財政赤字と連邦債務が拡大すると予想されている。ただ共和党はトランプ氏が提案する減税で経済成長が加速し、これにより新たな税収が生まれるとの立場を示している。

調査では共和党支持者のうち63%が法人税率引き下げよりも赤字削減を優先する必要があると回答。75%が富裕層に対する減税よりも赤字削減を優先するべきと回答した。

一方、調査参加者の半分以上が低所得者に対する減税は連邦赤字削減よりも重要との考えを表明。民主党支持者の68%、および共和党支持者の47%がこうした考えに同調するとした。

議会共和党が税制改革を他の懸案よりも優先させる必要があるとの見方を示したのは登録有権者の15%にとどまった。

また、全体の約4分の1が議会は医療保険制度改革法(オバマケア)に関する取り組みを継続する必要があるとの考えを示した。

議会共和党がこのほど提示した税制改革案について知っていると回答した回答者のうち支持を表明したのは28%。41%が反対するとの立場を示した。31%は知らないと回答した。

調査は10月20─23日に全米50州で実施。使用された言語は英語で、1862人から回答を得た。

●【経済】NYの視点:米トランプ政権の税制改革が経済に与える影響は”わずか”と控えめ
       市場ニュース 2017年12月05日
米上院は2日の早朝、税制改革案を可決した。共和党の上院と下院は、今後、両院案をすり合わせ合意したのち、案を大統領に送る。大統領の署名を経て、案が成立することになるが、共和党は来週中にもトランプ大統領の署名、成立を目指している。トランプ政権は、減税が米国の経済を3-4%成長に押し上げると楽観的な見方を強調している。

期待感が強まる一方で、エコノミストは減税が米国経済の成長に与える影響は「限定的」と、冷静。80年代にレーガン政権が実施した税制改革は個人の減税を柱にしたもので、消費を押し上げ、米国経済成長に大きく貢献した。これ対し、トランプ政権が計画している税制改革案は主に法人税減税を中心としたもので、経済への影響はあまり期待できないと説明している。

全米企業エコノミスト協会(NABE)は、米国の税制改革による2018年の国内総生産(GDP)の成長率の押し上げが0.2%ポイントにとどまると見ている。ゴールドマンサックスやRDQエコノミックスはぞれぞれ+0.3%ポイント。全般的に控えめだ。トランプ政権による税制改革実施の見込みと同様に、市場がその効力を過小評価している可能性もある。市場が織り込んでいない分、ドルの上昇余地が広がる。

●サマーズ:共和党減税は経済成長に資さない
         フィナンシャル・ポインター 2017/12/05 
ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が、共和党による税制改革案に完全なるダメ出しをしている。
この四半世紀で最も低レベルと酷評し、経済成長に資さないと斬って捨てた。

ヘルスケア制度改革によって人々は死にゆき、結果生じる財政赤字の増加によって数十年の間わが国は金欠に悩まされることになろう。

サマーズ氏はMSNBCで、共和党の税制改革案を酷評した。

サマーズ氏は、共和党の税制改革案によって数百万人あるいはその上の桁の国民が医療保険を奪われると指摘する。

問題は社会保障制度にとどまらない。
大盤振る舞いの財政政策で財政が悪化すれば「国家安全保障上の深刻な脅威」となり、本当に必要なインフラ支出さえままならなくなると警告する。
さらには、大統領や共和党によるプロ・グロース(成長志向)との宣伝も全否定する。

「経済成長を大きく加速するとの主張は根本的に不誠実なものだ。
・・・
ワシントンを25年間見てきたが、主要政策についての議論として最も程度の低いものだった。」

不必要に複雑な税制を簡素化するのも、政府の業務を効率化するのもすばらしいことだ。
しかし、トランプ大統領や共和党の優先順位が本当にそこにあるかは相当に疑わしい。
国民の得る恩恵を減らす一方で、減税にばかりに目が行っている。
結果はどうしても格差の拡大につながってしまう。
本当に法人減税をすれば国内産業が繁栄し、その恩恵が津津浦浦の国民まで届くのか。
サマーズ氏はそこに強い疑問を呈しているのだ。

さらにサマーズ氏は、安定化政策という観点からも減税案を批判する。
山を高くした結果、谷も深くすることを心配している。

「経済が減速した時、その時こそより強力な刺激策が必要な時だ。
一発当たった後に1-2パンチを入れたい時ではない。
経済学者が『順循環的』と呼んでいるものを導入している。
この一歩は完全に間違った方向を向いている。」

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