トランプ氏が大統領に当選してからちょうど1年。1年を振り返る報道もあって確認した。
一番わかりやすかったのは、「ニューズウィーク 2017年11月21日」の「当選から1年、トランプの成績表」で、
「★実現できた公約/最高裁判事に保守派を指名/パリ協定からの離脱/環境規制を緩和する/不法移民を強制送還/自由貿易と距離を置く」
「★実現できなかった公約/オバマケアを撤廃する/メキシコ国境に壁を建設/クリントンを訴追する/イスラム教徒の入国禁止/あらゆる人に減税を/無駄遣いと休暇を減らす」
ふむふむとの想いで、下記でリンクしておく。最近の周辺状況も確認しておく。
今朝、ミサイルを発射した「北朝鮮との関係」のことも。国内で支持率が落ちると海外に話題をそらす、というのは安倍氏も同じ。二人にとって北朝鮮は恩恵か。
なお、今朝は気温6.7度でウォーキングしてきた。大気がよどんでいるのか、一部の場所で排気ガスの匂いを感じて不快感があった。
●フリン氏の弁護士、トランプ氏弁護士と情報共有中止 ロシア疑惑捜査/BBC 2017年11月24日
●トランプは金正恩を利用しているだけ、戦争する気はない/ニューズウィーク 11月21日
●トランプ大統領、ゴルフの時間、オバマ氏の3倍の勢い/CNN 11.26
●トップ不在、人員半減——停滞続くトランプ政権の科学技術行政/MITテクノロジーレビュー 11.27
●米消費者金融保護局を最悪と非難したマルバニー局長代行、改革を約束/ブルームバーグ 11月28日
●米消費者金融保護局の副局長、局長指名巡りトランプ大統領を提訴/ロイター 11月27日
●知らぬうちに中国に白旗を揚げたトランプ大統領 AI大国を目指す中国の野望、ツイートにかまけて気づかなかった?/フィナンシャル・タイムズ 11月23日
●トランプの無策が中国の追い風に/ニューズウィーク 11月27日
●トランプに対する米国内の「評判」 就任後もさらに低迷 調査結果/FORBES 11/24
●当選から1年、トランプの成績表 実現できた公約 実現できなかった公約/ニューズウィーク 11月21日
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●フリン氏の弁護士、トランプ氏弁護士と情報共有中止 ロシア疑惑捜査
BBC 2017年11月24日
マイケル・フリン氏は就任わずか23日で大統領補佐官(国家安全保障担当)を辞任した
就任間もなく事実上解任されたマイケル・フリン前米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の弁護団は、2016年大統領選挙のロシア疑惑に対する特別検察官の捜査状況について、ドナルド・トランプ米大統領の弁護士チームとの情報共有を中止したことが明らかになった。米紙ニューヨーク・タイムズやCNBCなどが23日、伝えた。
報道によると、フリン氏の弁護団がトランプ氏の弁護士たちと捜査情報を共有しなくなったことは、フリン氏がロバート・ムラー特別検察官の捜査チームに協力している可能性を示唆する。
ムラー特別検察官は、ロシアが大統領選の結果を左右しようと活動し、トランプ陣営がそのロシアと結託していたとされる疑いを調べている。ロシアもトランプ陣営も、疑惑を否定している。
フリン氏は大統領選中からロシアとトランプ陣営をつないだ重要人物とみなされてきた。弁護団はこれまで、捜査内容をトランプ氏の弁護団と共有してきた。
ニューヨーク・タイムズは匿名の捜査筋4人を情報源に、この協力関係は打ち切られたと伝えた。CNBCも、この内容を確認したと伝えた。
複数報道によると、これはつまりフリン氏が捜査当局に協力しているか、もしくは司法取引を交渉中だと示唆する展開だという。一方の依頼者が捜査に協力しながら、他方の依頼者がまだ捜査対象となっている場合、弁護士同士は情報交換をやめなくてはならない。
フリン氏は就任わずか23日で大統領補佐官(国家安全保障担当)を辞任した。トランプ大統領の就任前に、駐米ロシア大使などと接触していた問題をめぐり、事実上解任された。
大統領選とロシア疑惑については、今年初めに複数の米情報機関が、ロシア当局がトランプ氏の当選を支援しようとしていたと発表。この問題はトランプ政権に大きな影を落としている。
上下両院で複数の委員会が調査を開始すると共に、連邦捜査局(FBI)のジェイムズ・コーミー長官(当時)も今年3月、FBIも独自にロシア疑惑を捜査していると下院で証言した。
トランプ氏は5月9日、「このロシア騒ぎ」を理由にコーミー長官を解任。政権による隠蔽工作だという批判の声が高まった。
こうしたなか、司法省は5月18日にロシア疑惑捜査の指揮に元FBI長官のムラー特別検察官を任命。捜査チームは10月末に、初の起訴状を提出した。訴追された中にはトランプ陣営の元選対本部長や元外交顧問が含まれる。特に、元外交顧問はヒラリー・クリントン氏に不利な情報をめぐり昨年春にロシア政府関係者と会談していたことが明らかになった。
●トランプは金正恩を利用しているだけ、戦争する気はない
ニューズウィーク 2017年11月21日
北朝鮮をテロ支援国家に再指定したのもトランプ一流の目くらまし?
・・・(略)・・・アンダーソンによれば、北朝鮮はアメリカと戦争を始めても何も得るところがない。だがトランプは、北朝鮮のこけおどしを本物のように扱って、一時的にせよトランプ政権内部の混乱から人々の目をそらすのに成功した。
「内政がうまくいかなくなると、外に目を向けさせようとするのは指導者の常だ。北朝鮮はおあつらえ向きのエサだった。中国やロシアより指弾しやすいし、『北朝鮮はそれほど脅威じゃないよ』と言えるほど北朝鮮に詳しいアメリカ人もほとんどいない」
・・・(略)・・・
「アメリカにとって北朝鮮は生存を脅かす敵ではないが、北朝鮮にとってアメリカは生存を脅かす存在だ」と、かつて韓国駐留米軍の副司令だったジャンマルク・ジョウアス中将は言う。「相互確証破壊による抑止はない。もし戦えば、確実に破壊されるのは北朝鮮だけだ」
●トランプ大統領、ゴルフの時間、オバマ氏の3倍の勢い
CNN 2017.11.26
トランプ氏、「ゴルフをする時間ない」
ワシントン(CNN) トランプ米大統領が就任1年目でゴルフ場で費やした時間がオバマ前大統領の1年目に比べ3倍もの水準に達しそうな勢いになっている。ジョージ・W・ブッシュ元大統領の2期8年での合計時間を上回る可能性もある。
・・・(略)・・・
●トップ不在、人員半減——停滞続くトランプ政権の科学技術行政
MITテクノロジーレビュー 2017.11.27
トランプ大統領が科学顧問を指名しない期間は、歴代大統領の中で最長になった。これまで、ホワイトハウスの科学技術政策局は数多くの科学的な問題解決に関与してきた。科学顧問は経済顧問や安全保障担当と同じぐらい重要な役職だ。それにもかかわらず、トランプ政権にまだ指名の動きがないことに議員や科学者はいらだちを隠せない。
ドナルド・トランプが大統領の職に就いて10カ月経ったが、科学顧問をまだ任命していない。ホワイトハウスの米国科学技術政策局(OSTP、科学顧問が局長に就任)が設立された1976年以降、大統領が10カ月もの間、科学顧問を指名しなかったのは最長記録である。
OSTPの要職もまだ埋まっていない。議員や科学の専門家からは憂慮する声が上がっている。加えて、トランプ大統領が科学へ敵意を持っていることも懸念材料だ。
・・・(略)・・・
●米消費者金融保護局を最悪と非難したマルバニー局長代行、改革を約束
ブルームバーグ 2017年11月28日 11:35
米消費者金融保護局(CFPB)をかつて「最悪」の政府機関と呼んだミック・マルバニー行政管理予算局(OMB)局長は、CFPBを存続させる考えを示した上で、資本主義を窒息させることなく市民を保護するよう改革すると表明した。
トランプ大統領からCFPB局長代行に指名されたマルバニー氏は・・・(略)・・・
●米消費者金融保護局の副局長、局長指名巡りトランプ大統領を提訴
ロイター 2017年11月27日 12:34
[ワシントン 26日 ロイター] - 米消費者金融保護局(CFPB)のイングリッシュ副局長は26日夜、トランプ大統領による新局長の指名差し止めを求める訴訟を起こした。
●知らぬうちに中国に白旗を揚げたトランプ大統領 AI大国を目指す中国の野望、ツイートにかまけて気づかなかった?
フィナンシャル・タイムズ 2017年11月23日
・・・(略)・・・米国の安全保障にとって、AIにおける中国の野心は北朝鮮の核ミサイルよりも大きな長期的脅威だ。
北朝鮮の方はおそらく、必ず全滅に追い込むという姿勢を取って封じ込めることができるだろう。一方、米国を追い抜こうとする中国を明らかに阻むものは存在しない。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先日、「(AIの)リーダーになる者が世界の支配者になるだろう」と語った。
中国が2020年までに米国に追いつき、2025年までに追い抜き、さらにその後の5年間で世界のAIを支配するという意図を明らかにしたことを受けた発言である。
米国の主要な科学技術者たちは、中国の野望が実現する公算はあると考えている。「いいかい、あの中国政府がそう言ったんだぞ」。アルファベットのエリック・シュミット会長はそう述べた。
スプートニクのときとは異なり、中国の1つの行動で米国が脅威に目覚めることはなさそうだ。
しかし、見たいと思う人の目には、脅威に至るトレンドラインがくっきりと映っている。習近平国家主席は、中国がAIの分野で優位に立つことを戦略的な目標に掲げて喧伝している。
一方のトランプ氏は、米国がどうしたいのかについて何も語っていないが、先日提出された予算案の方は饒舌だ。
これによればトランプ氏は、政府が支出する「インテリジェント・システム」開発資金を11%減らし、連邦政府全体の研究開発予算も20%近く削減することを望んでいる。米航空宇宙局(NASA)の予算も縮小されるだろう。
トランプ氏はまた、合法的な移民の流入も半減させたいと思っている。実行されれば、米国はトップクラスの研究者をこれまでのようには集められなくなるだろう。・・・(略)・・・
トランプ氏が近視眼的なものの見方をしていても、米国は優勢であり続けられるのだろうか。その可能性は十分ある。何と言っても、米国の大きなハイテク企業は世界をリードする存在だ。しかし、2番手との差は縮小しつつある。
・・・(略)・・・
中国には有利な点が2つある。
第1に、中国では経済のオンライン化が米国よりも進んでいる。世界全体のeコマース(電子商取引)の40%は中国国内で行われており、そのほとんどが阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント)、百度(バイドゥ)という中国の3大ハイテク企業で占められている。
この3社は、法的な制限をほとんど受けずに大量のデータを収集・処理することができ、その事業の規模も気が遠くなるほど大きい。
テンセントは先日、市場時価総額が5000億ドルの大台を超え、フェイスブックを上回った。
オンライン決済や画像認識、音声ソフトウエアなど一部の分野では、中国はすでにシリコンバレーの企業の先を走っている。自動運転の分野でも急速に追い上げている。
これらの技術はほぼすべて、軍事転用が可能だ。大量のドローンが飛び交う戦争がどんなものになるか、考えてみるといいだろう。
第2に、中国の民間セクターは政府と密接に協力し合っている。自由を高く評価するリバタリアンには、この関係が足かせに見えるかもしれない。
しかし、人は忘れやすい生き物だ。かつてドワイト・アイゼンハワーがシリコンバレーの台頭を財政面で支えたように、中国政府は中国が機械の深層学習で優位に立つために補助金を出しているのだ。
また、中国のデジタル・セクターは自給自足にますます近づいている。
米国がリードを保っているマイクロプロセッサーを除いて、中国はほとんどの技術を自国で編み出している。世界のサプライチェーン(供給網)が混乱しても、その影響を受けにくくなりつつある。
仮に世界的な貿易戦争が勃発しても、AIの開発については、おおむね影響を受けずに継続できるかもしれない。中国がグーグルやフェイスブック、ツイッターなどを閉め出したことには、ちゃんと理由があったのだ。
・・・(略)・・・
国が何を重視しているかを知りたければ、予算を見るのが一番だ。
トランプ氏の主たる目標は、米国の法人税率を20%に引き下げることにある。アイゼンハワーの時代には所得税の限界税率が90%を超えていたが、そのせいで米国の官民が独創性を発揮できずにソビエトの後塵を拝したということはなかった。
今日では、世界の科学技術をリードしているのは米国だ。しかしトランプ氏が操縦桿を握ったことで、明日には状況が様変わりしているかもしれない。
●トランプの無策が中国の追い風に
ニューズウィーク 2017年11月27日
<アジア歴訪でもトランプ政権の政策は不透明。このままでは既成事実化を進める中国の思う壺だ>
11月5~14日のアジア歴訪でドナルド・トランプ米大統領は主に北朝鮮問題と通商問題に集中したようだ。南シナ海の領有権問題で強硬姿勢を強める中国を厳しく批判することは避けた。
その隙に中国は、世界有数の戦略的海域の実効支配を黙々と進めている。人工島に軍事施設を増設し、周辺の国々を犠牲にして南シナ海での軍事プレゼンスを急速に増大させている。
周辺国、西太平洋で影響力を維持したいアメリカ、そして長年アジアの平和と繁栄を推進してきた法に基づく国際秩序にとっては、厄介な話かもしれない。
10月の中国共産党大会で、習近平(シー・チンピン)国家主席は南シナ海における人工島建設を1期目の実績に挙げ、「海洋権益の擁護を効果的に遂行」したと自画自賛。その一方で、周辺国の懸念を和らげようと同海域の「安全な航行」を保障している。
「トランプが北朝鮮問題に気を取られ、かつトランプ政権の政策決定が混乱し遅々として進まないせいで、南シナ海にツケが回っている」と、米外交問題評議会のシニアフェローでジョー・バイデン前副大統領の顧問を務めたイーライ・ラトナーは言う。
中国は近年、南シナ海に一夜にして人工島を建設。某米軍幹部に「砂による万里の長城」を築いていると言わしめた。それに比べれば、最近の進出の衝撃度は薄い。「切迫感がないせいで、今回の歴訪では優先課題にしなかった」のだろうと、オバマ政権のアジア政策特別顧問を務めたユーラシア・グループのエバン・メディロスは言う。
だが専門家によれば、中国は水面下で軍事基地を拡大し、レーダーやセンサー設備、ミサイル格納シェルター、燃料や水や弾薬の広大な貯蔵庫などを建設。着々と南シナ海の軍事拠点化を進めている。
今年7月半ば、ベトナムはスペインの国有石油ガス会社レプソル傘下の自国企業に自国の排他的経済水域(EEZ)内での天然ガスの採掘計画を許可した。ところが中国がベトナムの駐中国大使を呼び付け、中止しなければ軍事行動も辞さないと威嚇。アメリカには頼れないと感じたベトナムは早々に採掘中止を決定した。
「兵器や軍事設備の数の力でフィリピン、ベトナム、マレーシアは締め出され始めている」と、米戦略国際問題研究所のグレゴリー・ポーリングは指摘する。
オバマ前政権とは正反対
トランプ政権発足から10カ月余り。南シナ海問題をめぐるオバマ前政権との政策の違いは鮮明だ。前政権は外交重視で、一貫してこの海域での国際法遵守を重視した。一方、中国を牽制するための「航行の自由」作戦は避けがちだった。
逆にトランプ政権では「航行の自由」作戦が恒常化。その半面、中国の侵略に対抗する外交政策を指揮したり、中国の進出に脅かされているアメリカの同盟国を励ましたりする気配はほとんどないと、元政府関係者や専門家は指摘する。
「南シナ海問題ではトランプは無策で、中国に主導権を握られている」と、米中関係とアジアの安全保障問題に詳しいエール大学法学大学院のミラ・ラップフーパー上級研究員は言う。
アジア歴訪終盤、トランプはベトナムと中国との「仲介役」をすると申し出た。だがベトナム側は、北朝鮮をめぐる米中のゲームの駒にされるのではないかと恐れている。
それでもオバマ前政権関係者の一部には楽観論もある。トランプ政権はようやく南シナ海での中国の活動に対する監視強化など、一貫した政策策定に乗り出している。今回の歴訪中、日本とベトナムで今後も南シナ海の領有権争いを軍事力ではなく国際法に基づいて解決することを支持すると表明した。
「トランプはようやく政策策定に慣れて、今後は南シナ海問題にも力を入れるのではないか」と、前政権で副大統領顧問を務めたラトナーも期待を示す。「諦めるのはまだ早い」
●トランプに対する米国内の「評判」 就任後もさらに低迷 調査結果
FORBES 2017/11/24 Karsten Strauss
トランプの米大統領就任から約10か月。この間に、彼の指導者としての評判は、元々高くなかった水準からさらに低下した。
・・・(略)・・・評価の分析詳細・・(略)
●当選から1年、トランプの成績表 実現できた公約 実現できなかった公約
ニューズウィーク 2017年11月21日
選挙中は大胆な公約を掲げたトランプだが Andrew Kelly-REUTERS
<トランプが勝利した昨年の大統領選から1年――選挙期間中にトランプが掲げた大胆な公約が実現したか、していないか、チェックしてみると......>
世界中に激震が走った「あの日」から1年。ヒラリー・クリントンとのデッドヒートを制して第45代アメリカ大統領に選出されたドナルド・トランプは、国内外でさまざまな物議を醸しながらもその重責を担ってきた。選挙戦のさなかに支持者を熱狂させたトランプの大胆な公約の中には、大統領令によって実現したものもあれば、議会に阻止されて頓挫したものもある。主な公約の進捗状況をチェックしてみよう。
実現できた公約
★最高裁判事に保守派を指名
出だしからトラブル続きのトランプ政権にとって、最初の明確な勝利の1つが連邦最高裁判事の人事だ。共和党が多数派を占める上院はオバマ政権が指名した穏健派判事の承認を先延ばしにしていた。銃の所持を認める「合衆国憲法修正第2条を尊重する」判事の登用を公言していたトランプは、その空席に保守派のニール・ゴーサッチを指名。4月に上院で承認された。
★パリ協定からの離脱
かねてから地球温暖化は作り話だと訴えてきたトランプは、気候変動対策の新たな国際的枠組みであるパリ協定についても、アメリカ経済の成長を阻む規制だとの批判を展開。今年6月に正式に離脱を表明した。脱退が実現すれば、パリ協定に参加していないのは世界第2位の温室効果ガス排出国アメリカだけになる。
★環境規制を緩和する
カナダからテキサス州のメキシコ湾岸に原油を運ぶ「キーストーンXLパイプライン計画」を、オバマ政権は環境への影響などを理由に却下していた。しかし、この方針の撤回を公約に掲げていたトランプは就任早々に計画を推進する大統領令に署名。環境への悪影響はなく、多くの国内雇用を生み出す施策だと主張するが、米環境保護局(EPA)は異議を唱えている。
★不法移民を強制送還
不法移民はアメリカから「出ていけ」と繰り返していたトランプ。強制送還の対象者は全ての不法移民1100万人以上から犯罪歴のある約80万人に絞られたものの、当局に身柄を拘束され国外追放されるケースは増加している。特に注目されるのは、15歳以下で入国した不法移民の強制送還を免除するオバマ時代の救済措置の行方。トランプはこの措置の撤回を発表したが、議会では協議が続いている。
★自由貿易と距離を置く
トランプは自由貿易推進の要であるTPP(環太平洋経済連携協定)やNAFTA(北米自由貿易協定)を否定し、保護主義を通じた貿易赤字の解消とアメリカ人の雇用拡大を公約に掲げた。就任からわずか数日後には、TPPを離脱する大統領令に署名して関係各国を驚かせた。NAFTAについても再交渉が続いており、11月半ばから第5回会合が行われる予定だ。
実現できなかった公約
★オバマケアを撤廃する
トランプはバラク・オバマ前大統領が遺したオバマケア(医療保険制度改革法)を「大災害」と酷評し、今年1月の大統領就任初日に見直しに向けた大統領令に署名した。だが本当の関門はその後。議会共和党の代替法案作成が難航するなか、トランプは「これほど複雑な問題だとは誰にも分からなかった」と語った。結局、共和党内から造反者が出て代替法案は上院で否決され、今後の道筋は見えないままだ。
★メキシコ国境に壁を建設
不法移民対策としてメキシコとの国境に壁を建設し、その費用をメキシコに負担させるという勇ましい公約は支持者を熱狂させた。だが就任直後に壁の建設を命じる大統領令に署名した後も、事態は動かず。民主党との予算折衝は行き詰まり、4月には国土安全保障省のジョン・ケリー長官(当時)も「大陸を横断する形で壁、あるいは物理的な障壁を建設する可能性は低い」と認めた。
★クリントンを訴追する
選挙期間中、トランプの支持者たちは対立候補ヒラリー・クリントンの私用メール疑惑をやり玉に挙げ、「彼女を収監しろ!」とシュプレヒコールを上げた。トランプも昨年10月のテレビ討論会で「私が勝利したら、あなたの状況を調べる特別検察官を指名するよう司法長官に指示する」と発言。だが選挙後は「アメリカはクリントンに『恩義』がある」とトーンダウンし、訴追の話は立ち消えに。
★イスラム教徒の入国禁止
トランプは就任早々、イスラム圏7カ国の出身者のアメリカ入国を一時停止する大統領令に署名した。だが全米各地で抗議デモが相次いだ上、複数の連邦裁判所に執行停止を命じられて計画は頓挫。ただし、その後署名した新たな大統領令の一部は執行が認められ、イスラム圏6カ国からの移民は米国内に住む人物・団体との「真正の関係」を証明することを求められるように。
★あらゆる人に減税を
トランプは個人の所得税率と連邦法人税率をそろって引き下げる大型減税を掲げ、「あらゆる人々、特に中間層が減税の恩恵を受けられるだろう」と豪語していた。実際、9月には約30年ぶりとなる抜本的な税制改革案を発表したが、恩恵を享受できるのはごく一部の富裕層に限られるとみられ、批判の声が上がっている。
★無駄遣いと休暇を減らす
選挙期間中のトランプはオバマがゴルフばかりしていると批判し、「自分が当選したらホワイトハウスをめったに留守にしない」と語っていた。だが就任以降、彼がゴルフ場で過ごした日数は既に70日以上。家族による「無駄遣い」も目に付く。妻メラニアと息子バロンは6月までニューヨークで暮らしており、ワシントンとの往復の旅費や警備費に巨費が投じられた。
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