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てらまち・ねっと



 2人の上司の検事が逮捕された衝撃。
 3日間、出かけていたので、今朝は、新聞5紙をじっくり読んだ。
 そして、インターネットの記事も眺めてみた。
 もちろん、一番興味があったのは、上司二人の 「改ざんの隠蔽」関与。

 (朝日)  FDのデータを改ざんしたことを知りながら、証拠隠滅罪での刑事処罰を免れさせる目的で、今年2月上旬、大阪地検内からの電話で前田検事に「データの改変は過失によるもの」と説明するよう指示。同月10日には、前田検事が同地検に持ってきた上申書案を読んだうえ、その説明に合うように修正させるなどして、データの改変が故意ではなく過失であるように事実をすり替えた疑い

 (読売) 上司に提出する上申書案について、データ改変が過失によるものであるように書き換えさせることで、前田容疑者の摘発を免れさせた疑い

 (毎日) 共謀し、前田検事に過失だと説明するよう電話で指示、さらに、2月10日ごろ、指示に基づき前田検事が作成した上申書案を、過失との説明が合理的になるように修正することを重ねて指示し、前田検事の犯罪行為を隠した

 (毎日) 両容疑者は容疑を否認している。最高検は当初、在宅起訴の選択肢も検討したが、大坪容疑者らが全面否認を貫く姿勢を示したため、逮捕に踏み切った。

 この間、何度も報道されていたことだが、
 佐賀前副部長は、 (読売)「手控えの執務記録にそんなことは書いていない」

 として自分が日誌に書いたことと違う旨を今までもコメントしている。
 普通の素人観で言えば、「そこにまずいことは書くわけはないこと」、さらにひょっとしたら、「今回問題化したので書き直した」かもしれない。

 ともかく、
 (毎日) 「改ざんの可能性に触れたかどうかを巡る説明に食い違いがあり、最高検は検事18人態勢で全容解明を進める。」

 もちろん、村木事件と同じで「供述だより」で進めると、部長らの無罪判決となり、さらに、その部長らは「反検察」的な存在となって何を暴露するか分からない、そんな指摘もあった。
 検察組織自体が巨大な爆弾を抱えたわけだ。

 最後には、「朝日新聞へのリークに関係か 大阪地検『美女検事』怒りのわけ」という記事も記録。

 こんな情報整理をして、自分自身で、「千葉県への視察」から現実の社会に復帰。

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●大阪地検の前特捜部長らを逮捕 犯人隠避の疑いで最高検
       朝日 2010年10月2日3時7分
大阪地検特捜部が押収したフロッピーディスク(FD)のデータ改ざん容疑事件に関連して、最高検は1日、同部前部長の大坪弘道容疑者(57)と、前副部長の佐賀元明容疑者(49)を犯人隠避の疑いで逮捕した。2人の部下だった主任検事が、FDのデータを改ざんしたと知りながら、隠した疑いが強まった。

 容疑を裏付けるため、最高検は2日にも、直近の職場である京都地検などを捜索する。今後、当時の大阪高検の幹部らからも事情聴取する方針。

 2人が容疑を認めているかどうか、最高検は1日の記者会見で明らかにしていない。2人は最高検のこれまでの調べに容疑を否認していたが、関係者によると逮捕後も否認を続けているという。

 多くの政治家や官僚、企業トップなどを摘発し、「最強の捜査機関」とも呼ばれてきた特捜検察が、トップ以下の組織ぐるみで不正を隠蔽(いん・ぺい)しようとした疑いが浮上した。しかも、特捜部長が在職中に手がけた事件に関連して逮捕されるという前代未聞の不祥事に、検事総長の辞任や特捜部の解体も含めて議論になるのは必至だ。

大坪前部長と佐賀前副部長は昨年、厚生労働省元局長の村木厚子氏=無罪確定=らを逮捕、起訴した郵便不正事件の捜査を指揮した。最高検の調べでは、2人は部下の同部検事・前田恒彦容疑者(43)=証拠隠滅容疑で逮捕=がFDのデータを改ざんしたことを知りながら、証拠隠滅罪での刑事処罰を免れさせる目的で、今年2月上旬、大阪地検内からの電話で前田検事に「データの改変は過失によるもの」と説明するよう指示。同月10日には、前田検事が同地検に持ってきた上申書案を読んだうえ、その説明に合うように修正させるなどして、データの改変が故意ではなく過失であるように事実をすり替えた疑いがあるという。

 2人は今年9月23日以降、東京の最高検で連日のように事情を聴かれた際、「前田検事から『データを誤って書き換えたかも知れない』と聞き、それを信じた。改ざんの報告は受けていない」と説明していた。1日は最高検の捜査チームが拠点を置く大阪市内で取り調べを受けたが、同じ説明を繰り返したとみられる。

 最高検のこれまでの調べによると、前田検事が改ざんした疑いがあるのは、厚労省元係長の上村勉被告(41)=虚偽有印公文書作成・同行使罪で公判中=の自宅で昨年5月に押収されたFD。郵便割引制度を悪用するために作成された偽の証明書が保存されていた。「04年6月上旬に村木氏が上村被告に指示して作らせた」という検察の見立てに合うように昨年7月、最終更新日時が「04年6月1日」だったのを「04年6月8日」に書き換えたとされる。

 前田検事は改ざん後の昨年7月中旬に、同僚検事に「データを書き換えた」と告白。今年1月末の村木氏の初公判で最終更新日時が問題となり、同僚検事が別の公判担当検事に打ち明けたことで、大坪前部長と佐賀前副部長も初めて知るところとなった。

 最高検は、前田検事の証拠隠滅容疑の捜査の中で、同僚検事から「部長と副部長も改ざんを知っていた」との証言を得た。前田検事も最高検の調べに「事件の見立てに合うように改ざんしたことを、部長、副部長に直接、報告した」と供述したとされる。

 大坪前部長、佐賀前副部長、同僚検事の3人は今年2月、大阪地検トップの小林検事正と玉井英章・前次席検事(現・大阪高検次席検事)に報告し、「データを書き換えたといううわさがあるが、問題はない」と説明したという。一方、小林検事正と玉井前次席は「書き換えた疑いがあるという報告なら覚えているはずだが、聞いていない」と食い違う説明をしている。

 大坪前部長は、1984年に検事に任官し、法務省保護局総務課長などを歴任。08年10月から今年4月まで大阪地検特捜部長を務めた。佐賀前副部長とともに、多額の郵便料金を不正に免れた郵便法違反事件や、村木氏を逮捕・起訴した郵便不正事件などの捜査を指揮した。

     ◇
 最高検は1日付で大坪前部長を京都地検次席検事から、佐賀前副部長を神戸地検特別刑事部長から、いずれも大阪高検総務部付に異動させた。


●「改ざんは過失と説明しろ」…前特捜部長ら逮捕
        2010年10月2日03時11分 読売新聞
 郵便不正を巡る証拠品のフロッピーディスク(FD)改ざん事件で、最高検は1日、大阪地検特捜部主任検事・前田恒彦容疑者(43)(証拠隠滅容疑で逮捕)の上司だった大坪弘道・前特捜部長(57)と佐賀元明・前同部副部長(49)を、犯人隠避容疑で逮捕した。

 最高検は、郵便不正事件での厚生労働省元局長・村木厚子さん(54)(無罪確定)の公判を維持するため、改ざんが意図的なものと知りながら、組織的に隠蔽(いんぺい)したと判断した。

 特捜部の現職検事による証拠品改ざん事件は、特捜部トップの強制捜査という検察史上例のない事態に発展した。

 最高検の調べによると、大坪、佐賀両容疑者は共謀の上、1~2月、前田容疑者から「FDを故意に改ざんした」との報告を受けるなどし、前田容疑者が証拠隠滅罪を犯したことを知りながら、2月上旬頃、前田容疑者に電話で「データ改変は過失によるものだと説明しろ」と指示。さらに、同月10日頃、前田容疑者に対し、上司に提出する上申書案について、データ改変が過失によるものであるように書き換えさせることで、前田容疑者の摘発を免れさせた疑いが持たれている。

 両容疑者は容疑を否認している。最高検は当初、在宅起訴の選択肢も検討したが、大坪容疑者らが全面否認を貫く姿勢を示したため、逮捕に踏み切った。


●障害者郵便割引不正:証拠改ざん 大阪地検の前特捜部長ら逮捕 犯人隠避容疑で
          毎日新聞 2010年10月2日 
 ◇「過失説明」を指示
 郵便不正事件に絡む証拠隠滅事件で逮捕された大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦容疑者(43)のデータ改ざんを隠ぺいしたとして、最高検は1日夜、上司だった前特捜部長、大坪弘道(57)と前副部長、佐賀元明(49)の両容疑者を、犯人隠避の疑いで逮捕した。事件は検察の信頼を根底から失墜させる事態に発展、トップである大林宏検事総長(63)の進退が問われるのは必至となった。

 ◇容疑を否認
 逮捕容疑によると、大坪前部長と佐賀前副部長は共謀し、前田検事が証拠品のフロッピーディスク(FD)内に記録された偽証明書のデータを故意に改ざんしたことを認識しながら、2月上旬に前田検事に過失だと説明するよう電話で指示したとしている。

 さらに、2月10日ごろ、指示に基づき前田検事が作成した上申書案を、過失との説明が合理的になるように修正することを重ねて指示し、前田検事の犯罪行為を隠したとしている。


 最高検は前田検事や同僚の供述から、2人が改ざんを故意と認識していたと判断。1日朝から取り調べ、午後9時45分ごろ大阪高検内で逮捕した。

 前部長と前副部長は「過失と認識していた」と容疑を全面的に否認しているとみられる。法務省は逮捕を受け、2人を大阪高検総務部付に異動する人事を発令した。

 最高検は9月21日、FD内に記録された偽証明書のデータの最終更新日時を「04年6月1日1時20分6秒」から「04年6月8日21時10分56秒」に改ざんしたとして、証拠隠滅容疑で前田検事を逮捕した。その後、今年1月末~2月に前部長らが改ざん疑惑の報告を受けながら、過失として処理していたことが判明。最高検は前部長らによる組織的隠ぺいの有無を集中的に捜査していた。前部長と前副部長は小林敬検事正と玉井英章・前次席検事(現大阪高検次席検事)に「問題ない」と報告したとされるが、

 会見した最高検の伊藤鉄男次長検事は「誠に遺憾であり、国民の皆様に深くおわび申し上げます」と謝罪コメントを読み上げた。【三木幸治、鈴木一生】

 <分析>
 ◇検事総長の辞任必至
 「最強」とされる組織を率いた2人の幹部検察官が逮捕されたことで、検察は組織のあり方や捜査態勢の問題点を徹底的に検証し、解体的出直しを求められることになった。

 大坪前部長らによる隠ぺいの疑いが浮上した後、大林検事総長は周囲に「捜査の推移を見守るしかない」と淡々と話していた。「既に辞意を固めている」と見る法務・検察幹部もいる。トップの辞任は不可避とみられるが、事態はそれだけにとどまらない。

 郵便不正事件の捜査で、前田検事は自ら描いた事件の構図に合うような関係者の供述を集める一方、矛盾する証拠の存在を消すためにデータを改ざんしたとみられている。前部長らによる隠ぺいは、組織の中で現場を厳正にチェックする機能がマヒしていることを物語る。前田検事の逮捕後に一部で出ていた「特捜解体論」が強まるのは間違いない。

 法務・検察内部では、裁判員裁判の対象事件で、自白事件に限って行われている取り調べの録音・録画(可視化)を、東京地検特捜部の独自捜査にも導入せざるを得ないとの声が出始めた。可視化に消極的だった特捜部OBの中にも、容認論が広まりつつある。

 容疑者を逮捕、送検することしかできない警察官に比べ、検察官は容疑者を自ら逮捕し、起訴する権限を与えられている。「筋書きありき」の強引な捜査を監視するため、捜査を担当する検察官と、起訴する検察官を分離すべきだという意見もある。強大な権限の見直しを求める声があがるほど、検察が負った傷は深い。

 大坪前部長らは「故意の改ざんとは認識していなかった」と容疑を強く否認している。裏付けとなる物証は乏しいとの指摘もあり、一部の検察幹部は「逮捕するには無理がある」と最高検の強硬姿勢を批判する。

 だが、疑惑を封印した前部長らの対応自体に問題があったのは間違いない。現場の検察官からは「うみをすべて出し切るしかない」と悲痛な声があがっている。【木戸哲】

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 ■ことば
 ◇犯人隠避罪
 罰金以上の刑が科される罪を犯した人や刑務所などから逃走した人をかくまったり逃がしたりして、捜査機関による発見や逮捕を妨げた際に適用される。罰則は2年以下の懲役か20万円以下の罰金。条文には、かくまう場所を提供する「蔵匿(ぞうとく)」と、身代わり出頭や逃走資金提供などの「隠避」が定められている。捜査関係者が身内の犯人隠避罪に問われた例では、神奈川県警警部補の覚せい剤使用を隠すため、尿検査からの検出を伏せたなどとして本部長ら当時の幹部5人が99年に在宅起訴され、1審の執行猶予つき有罪判決が確定した。



●クローズアップ2010:大阪地検前特捜部長ら逮捕 検察不信に危機感
       毎日新聞 2010年10月2日 
 ◇最高検が強硬姿勢 「証拠乏しい」疑念の声
 郵便不正事件に絡む大阪地検特捜部主任検事による証拠改ざん事件は、最高検が当時の特捜部幹部2人を犯人隠避容疑で逮捕し「組織ぐるみ」の構図となった。2人が関与を否定する中で刑事責任を問うという「進むも地獄、退くも地獄」の決断の背後には、かつてない世論の不信を払しょくしたいという危機感がのぞく。「再生のため必要な逮捕」か「証拠の乏しい危ない捜査」なのか。内部の見方は割れている。【坂本高志、日野行介、伊藤一郎】

  (中略)
 ◇主な検察不祥事(処分年月)とその後の対応
 ◆ゼネコン汚職事件で静岡地検浜松支部検事が参考人に暴行、懲戒免職(93年11月)

 ◆株価操作事件で東京地検検事が参考人に暴行、停職(94年6月)

 ◆東京地検検事が汚職事件で取り調べ中の市議に暴行、停職(同10月)。相次ぐ暴行事件で検事総長を初の注意処分。法相が再発防止と指導・監督強化指示

 ◆福岡地検次席検事が判事の妻に捜査情報漏えい、停職(01年3月)。検事正を減給。最高検は検事を企業などへ1~2年派遣する制度を新設

 ◆大阪高検公安部長が接待受け捜査情報漏えい、懲戒免職(02年5月)。検事総長に初の戒告の懲戒処分。最高検に監察担当検事配置

 ◆官製談合事件で東京地検特捜部が証拠品紛失、担当検事を戒告(07年5月)。検事正らを厳重注意

 ◆東京地検検事が強制わいせつ告訴を無断取り下げ、懲戒免職(同8月)。検事正らを訓告


●「検事人生否定された思い」=捜査、公判への影響も懸念-特捜幹部逮捕に衝撃
       時事 2010/10/01-22:48

●大阪特捜解体も!前部長逮捕はトカゲのしっぽ切り?
       スポニチ 2010年10月02日
 大阪地検特捜部の押収資料改ざん事件で最高検は1日、証拠隠滅容疑で逮捕した主任検事前田恒彦容疑者(43)のデータ書き換えが故意だったと認識しながら隠ぺいしたとして、犯人隠避の疑いで前特捜部長大坪弘道容疑者(57)=現京都地検次席検事=と、前副部長佐賀元明容疑者(49)=現神戸地検特別刑事部長=を逮捕した。識者からは「特捜部の存続を含めて検証すべき」との声が上がった。

 将来を有望視された現役幹部2人の逮捕は、検察史上始まって以来の危機。特捜部の解体論も浮上し、上層部の大量処分を含めた組織の在り方そのものの見直しを迫られるのは間違いない。

 ジャーナリストの江川紹子氏は「第三者委員会をつくり、なぜこんな問題が起きたかについて特捜部の存続を含めて検証すべき」とし、東京地検元特捜部長の宗像紀夫・中央大法科大学院教授は「検察は組織を挙げて、特捜事件の捜査の在り方や組織の見直しのほか、このような事件が発生する土壌について分析が必要」と指摘。東京地検元公安部長の若狭勝弁護士も「特捜部は残した方がいいが、大阪を残すのは難しい」と話した。

 一方、検察関係者からは「(無罪となった)村木厚子さん事件の二の舞いになりかねない」などと疑問視する声も出た。東日本の検察幹部は2人の上司の刑事責任については「この短期間で最高検が“法と証拠”に基づき、十分吟味したとは思えない」と指摘。「この事件は証拠が乏しく、言った言わないの水掛け論になりやすい。最高検が世間の目を気にして事件の構図を描き、周囲の証言を固め、供述を得ようとしたり、押し付けたりすれば、それこそ第2の村木さん事件になる恐れもある」と懸念を示した。

 今回の逮捕は、厳しい姿勢を示して信頼を取り戻したい最高検の執念がにじむ一方、最上層部への飛び火までは避けたい「組織防衛」の思いも垣間見え、性急な“幕引きシナリオ”は危うさもはらんでいる。東京地検特捜部OBは「もし、大坪前部長が改ざんを知っていたのなら、大阪高検など上層部に伝わっていてもおかしくない。世間は2人の逮捕も、検察組織を守るためのトカゲのしっぽ切りとしか見ないだろう」と言い切った。

●朝日新聞へのリークに関係か 大阪地検「美女検事」怒りのわけ
          j-cast 2010/9/30 20:57

大阪地検特捜部の不祥事発覚は、若い検事らの周辺によるリークがきっかけだった可能性があることが分かった。週刊朝日も、新聞本体がスクープした1週間ほど前に、地検関係者から内部書類の提出を受けたことを明らかにしている。

「もう部長の顔も副部長の顔も見たくない」
「2人にものすごく腹が立っている」
週刊朝日にも、大阪地検関係者から連絡

朝日へのリークとした週刊誌も
産経新聞の2010年9月29日付記事によると、不祥事を内部告発した公判担当の検事は、同僚にたびたびこう漏らしていたという。

報道によると、前田恒彦容疑者(43)が証拠のフロッピーディスクを改ざんした疑いが持ち上がったのは、1月27日の郵便不正事件初公判の直後だった。

当時、大阪地検刑事部から応援に来ていた取り調べ担当の男性検事(35)に対し、前田容疑者が「時限爆弾を仕掛けた」と日付書き換えを認めたのだ。これを問題視した男性検事は、後に公判担当となる特捜部の女性検事(41)らと同30日に特捜部の副部長や部長に対し、証拠の改ざんがあったと内部告発。そして、9月21日になって、朝日新聞が改ざんの疑いをスクープし、不祥事が表ざたになった。

それはどうやら、若い検事らの周辺がリークした可能性があるようなのだ。

週刊朝日の9月28日発売号によると、スクープの1週間ほど前に、大阪地検関係者から編集部記者らの1人に連絡があり、改ざんを示す内部書類の提出を受けた。一方、週刊新潮は、「美女検事」らの周辺が朝日新聞の記者に改ざんをリークしたと報じており、週刊朝日のケースもあることから、検事らの関係者が新聞や週刊誌にたれ込んでいた可能性がある。

その背景には、産経が報じたような公判担当の「美女検事」らの怒りがあるようなのだ。

当時の特捜部長らは、フロッピーの日付書き換えを前田容疑者の「過失」とみなし、突っ込んだ調査も外部への公表も行わなかった。

「関西検察」、親分・子分の師弟関係
また、週刊朝日によると、前田恒彦容疑者が個人パソコンを無許可で持ち込み、書き換えソフトを入手していたことを、検事周辺とみられる地検関係者が2010年3月下旬に耳にしたという。つまり、前田容疑者は、フロッピー改ざんのようなことを再びしようとしていたというわけだ。

さらに、若い検事らにも、左遷と思われるようなことが起きる。内部告発した女性検事が特捜部から公判部に異動になり、特捜部に移るとみられた刑事部の男性検事は異動がなかったのだ。

真相は不明だが、こうしたことが不満の引き金になり、検事周辺がリークした可能性はありそうだ。

もしこれが本当だとすると、なぜ大阪地検特捜部は、これほどまでに腐敗したのか。

元東京地検検事の大澤孝征弁護士は、特捜のおごりがあるのではと指摘する。

「筋書きに基づいて捜査するのは、いけないというわけではありません。科学で立てる仮説などと同じで、その証拠が認められないときは、別の仮説を立てるわけです。しかし、成功体験を重ねて筋書きが絶対という硬直した考えになり、被疑者がおかしいと思ったり、事実を曲げたりする倒錯した精神状態になっていた可能性があります」
また、大阪ならではの問題があるかもしれないと言う。

「人事が地元だけで回る『関西検察』の慣習があり、親分・子分の師弟関係が強く出てしまいます。つまり、軍隊組織に近く、上司にモノを言える雰囲気がなかったわけです。また、東京に対抗意識があり、負けてはいけないと突っ走るところがあったかもしれませんね」
取り調べ可視化のほか、特捜不要論まで出ていることについては、こう述べる。

「被疑者が本当のことを言わなくなるので、可視化には基本的に反対です。それは仕方ないとしても、司法取引などの導入が必要でしょう。特捜がなくなって喜ぶのは、巨悪や権力者です。どんなことがあってもなくしてはダメだと思いますね」

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