曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

みかんぐみのお仕事1:建築設計編

2006-06-08 | インポート

そういえば、ブログをはじめて一ヶ月になろうっていうのに、みかんぐみの仕事にあまり触れてなかった。
みかんぐみはぼくを含めた4人が共同で主宰する設計事務所。割と(かなり?)広いレンジで仕事をしています。今回は、日々のみかんぐみ仕事を紹介します。




5月29日(月曜)
横浜の保育園



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保育園の外観。


竣工を目前に控えた、横浜の保育園の現場へ(大学から車で20分でついた)。直接担当して関わっていたわけではないので、現場に行くことはあまりなかったのだけれど、竣工するのはいつもうれしいもので、現場では、コンペの時にこだわった、道路や地面の高低差と、建物内の床レベルの関係が、割とうまくいっているのが確認できた。現場の途中で気になっていた内装の問題もキレイに解決してる。奇を衒ったものではないけれど、とても気持ちのいい建物になっていた。中央アーキ(今回の協力事務所のひとつ)の外構計画が縮小されちゃってるのが、心残りではあるけれど。
たまたまだけれど、ぼくを含めてみかんぐみ関係者の大半が、上が緑で下が黒なコーディネート。この建物の門柱のタイルとフェンスの色もグリーン(地面はアスファルトだから黒)。ものすごい偶然だったんだけど、施主の前だっただけに、緑色記念撮影は断念。



5月30日(火曜)
北九州イノベーション・ギャラリーの家具(北九州デザイン塾)



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モックアップのひとつ。フェルトとスポンジがサンドイッチされている。


北九州のスペースワールドの隣に、(仮称)北九州イノベーション・ギャラリーという建物が建設中なのだけれど、昨年度、そこで用いる家具を、みかんぐみ+北九州の地元の学生たちのチームで考えてきた。
北九州付近にある大学の、さまざまな分野(デザイン系だけでなくて、文化人類学とか経済とか)の学生たちが集まってつくった混成チーム。このチームで半年かけて議論し考えたことを、共同アトリエの矢野さんの協力を得て、みかんぐみでその実施に向けた設計を行った。こういう建物で使う家具を、簡単にカタログから選ぶんじゃなくて、時間をかけいろいろ考えながら決めていくというプロセスは、今日の建築にとってとても大事なことだ。考えたり悩んだりこだわったりは一瞬だけど、できた建物は僕たちが死んだ後も、きっとある。
で、今日はそれを再確認するため、大学の合間を縫っての打ち合せ。このプロジェクトは詳細な情報を公表できる段階ではないので、とりあえずこんな写真で・・・。



5月31日(水曜)
心斎橋の商業ビル



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斜めに突き抜ける吹き抜け内部。



午前中は、某経産省関連のとある集まり(ぼく以外、みんなすっごい有名な人たちばかり)に出てから大阪へ。淀屋橋の某有名組織設計事務所にて心斎橋に計画中の商業ビルの打ち合せ。
敷地は北側で道路に接していて、その道路際から、南側の上空に向けて、斜めに突き抜けるダイナミックな吹き抜けが特徴。このところ、この特徴を守りつつ、貸し床面積を効率的に確保するために、車のシートの隙間から10円玉を拾い集めるような作業が続いている。チリが積もって山になってきた感じだ。基本的なことがまとまってきたことを見計らって、スタッフに任せて退席。このプロジェクト、ここが一番の踏ん張りどころだな。



6月1日(木曜)
妻有アートトリエンナーレ2006



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露天風呂計画スケッチ。左が木の桶、右が石。


みかんぐみでは、メンバー(共同主宰の4人のこと)全員が集まるミーティングを、最低でも週一回行う。MM(Mikan Meetingの略。そのままですね)って呼んでいるのだけれど、今日の朝は、大学へ行く前にMM。
台湾の某プロジェクトや、昨日の心斎橋のビルに関する打ち合せに並んで、BankARTと共同で進めている妻有アートトリエンナーレ2006の空家プロジェクトをどうするのか、っていうのも、議題の一つだった。大きな家なので、まともに改修していたらきりがない。
で、まずは露天風呂を新設しよう、ということになった。既存の池を利用した四角くてハードな素材の風呂と、新しく木の桶でつくる丸くてソフトな素材の風呂。風景を楽しめるBBQの広場とかもつくりたい。またもやテーマは風呂と宴会か。夏にはここでサマースクールも開講。興味ある人はBankARTまで。



6月2日(金曜)
京都のカフェ「soboro」竣工



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soboroカフェ。場所は、三条高倉の京都文化博物館前。


みかんぐみが、神奈川大学のぼくのゼミによる協力体制の中で進めてきたプロジェクトの第一弾である、京都のカフェ「soboro」が竣工。辰野金吾の建物(京都文化博物館/旧日本銀行京都支店)前というか一部という、とんでもなく緊張する立地だったわけだけれど、無事オープン(屋根が一部未完だったりはしているけれど)。
現地についたら、夜行バスで向かった学生たちは到着していた。準備で忙しそうな店の人たちを邪魔しないように、建物の確認。デザインは、椅子から屋根まで、みーんな同じような形をしているというもの。辰野式ストライプともマッチしてるし、キレイだっていうことで、評判は上々。良かった。
夜中に梅林克さんと合流したりして、まあいろいろとあったわけだが、最後に店を出た時には、既に朝。明るくなっていた。学生たちにもいい経験になったと思う。克には、とても感謝。



6月3日(土曜)
soboro続き



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昼のsoboroカフェ。みんなテーブルみたいな形。



いい天気。明るい時間の様子を見に朝の「soboro」へ。
今日は旧日本銀行京都支店の竣工100周年記念ということで、取材のカメラとかも来ていた。「soboro」もきっとどこかでテレビデビューしたことだろう。
オーナーであるNPOの太田さんがいて、いろいろ話をしていたら、学生たちがやってきた。約束していたわけではないし、ホテルも別々だったんだけれど、朝食をここで食べようってことになったようだ。彼らはこれから京都観光。うらやましい。ぼくは、大学や事務所の用事のため、バタバタと帰京。



6月4日(日曜)
ハンガートンネルとか


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BankART NYKへのアプローチであるハンガートンネル。


事務所でスタッフと打ち合せをした後、BankARTでアーティスト・イン・スタジオの選考など。BankARTの外部アドバイザー(なのかな)としてのお仕事の一環。
ところで、BankARTにはみかんぐみの作品がいくつかある。あ、でも、たくさんあるから、これはこれで一回分のネタだな。話の入口ってことで、アプローチの入口の写真だけ紹介しておこう。


ということで、今週のテーマ、「みかんぐみのお仕事1:建築設計編」はおしまい。近いうちに「2:BankART編」をやりたいと思います。






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