曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

週末は地方巡業

2007-11-19 | インポート

毎年、秋になると、週末は地方巡業がつづく。この週末は大阪と熊本と福岡。


11月9日(金)

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金曜、夜の便で大阪。みかんぐみで関わっていた心斎橋の商業ビルの関係者打ち上げ。梅田から乗ったタクシーの運転手に行き先を告げたら「あの新しくできた白いビルね」って、知ってた。ちょっとうれしい。

1、2階にバートンが、地下にはカメラのナニワが入っている。ちなみに場所は、そごうと大丸の間の道を入ってちょっと行った右手。

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全面道路が自転車などでごちゃごちゃしている上に、真北側なので暗い。その印象を払拭しようと、建物の南上部から北側の足下まで斜めに貫く吹き抜けを設けている。

当然、昼間の方が効果が大きいのだけれど、翌日、朝一便で熊本に行ってしまったので、明るい時間は見損ねた。写真はiopの林さんのとったものです。

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地上6階地下1階。上の方は飲食店になるみたい。みかんぐみは基本設計とデザイン監修。すっごく時間が短くて、一発勝負みたいな設計プロセスでしたが、ほんとによくできました。実施設計日本設計、施工はりんかい日産建設。みんなすごい。

もつ鍋を食べて(蟻月が心斎橋にもある)、スナックでカラオケ。


11月10日(土)

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朝の飛行機で熊本。某プロジェクトの敷地などをみてから、午後、熊本県立大へ。神奈川大学との共同ワークショップの発表会。身近な素材でシェルターをつくる、ってやつで、これは、ものすごく細く巻いた新聞のドーム(部分)。意外と丈夫。

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園芸用のポールを構造体にしたもの。そんなもの、イザっていうときにたくさん手に入らないだろう、って思ったら、あらかじめ、防災意識を明確にするのをかねて、小学校とかの植え込みで使ってもらうようにお願いするらしい。朝顔とかヘチマとかで使う棒をシェルター向きの長さのものにしておいてもらう、ってことだな。

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牛乳パック。避難所のライン代わりに使えば、ここをカスタマイズすることで明るい気分になる、ってことか。シェルターじゃないが、伸び縮みするのがおもしろい。

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床下収納付きで、壁は視線コントロールのルーバー兼棚で、屋根の開け閉めで風も抜けるっていう段ボールハウス。体育館の床は冷たいから(この日も冷たかった)、上げ床がありがたい。ということで、夜は打ち上げ。辻原先生とかなり遅い時間まで飲み続ける。


11月11日(日)

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熊本県立大で、今度は講演会をやって、その後、県立大の構造の先生とのワークショップ講評をやって、最後に去年までみかんぐみの長期オープンデスクで来ていた学生の相談にのって、博多へ。ホテルに荷物を置いて、天神にあるNKSアーキテクツ(末廣さんたちの事務所)へ遊びにいく。

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事務所空間のかなりの部分が模型で構成されている。1月(だったかな)に竣工が3つとか4つとか(詳細は忘れた)。日曜だってのに、まったく普通に全員が仕事していた。打ち合わせ室に隠れていた九州大学の学生たちと、天神の老舗らしい居酒屋に行く。

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でっかいおにぎり。


11月12日(月)

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九州大学。ぼくにとっては初めての箱崎キャンパス。福岡空港からの飛行機が、上空で旋回していく。今日は普段と違う風向きだったみたいで、逆方向に旋回していたようだ。

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キャンパスの環境がとってもいい。緑も豊富だし、公園のような場所も多い。こういう、魅力的な建物も点在している(閉鎖されていたんだけれど、まさか取り壊しなんてことは…)。こういう環境で建築を学べるっていう事自体、大きな価値だと思う。

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工学部の中心と思われる建物の講義室でレクチャーをしてから、建築学科の建物へ。製図室はここの一階に、末廣さんの研究室とか大学院生の部屋は二階にある。中庭だった場所に屋根がかかっていて、そこで課題のポスターセッション。内部とも外部ともいえない場所の特性が、ある種の自由さと厳格さを併せ持った環境を生んでるのかも。そういう使い込まれ方が、いい感じ(東大建築の製図室もそうやってできた場所だなあ)。

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院生の部屋。くまもとアートポリスもくばんR2」応募案(1回目を勝ち残ったものの、2回目で敗退した案)の原寸モックアップが立てかけてあった。

ということで、夜遅い便で横浜にもどって、学生たちとやっているプロジェクトの打ち合わせのために大学。




東京モーターショー2007

2007-11-08 | インポート

この忙しいのにって言われそうだけれど、ちょっと事情もあって東京モーターショーに行って来た(その「事情」のために使った時間は全体の1%くらい?)。2003年以来の4年ぶり。

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2003年は、とある雑誌の取材だったから、プレスの日に行ったので人は多くなかったんだけれど、今回は一般の公開日。すごい人出。

前のときは時代がエコ中心だったせいで、ブースのデザインも植栽とか水とか、自然のイメージ満載でかなり恥ずかしかったけれど、今回は、そういうのはほとんど無い。

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記憶では、前回ここはジャングルジム状の柱に植栽満載だったんだけれど、かなり減っていた。それでも、今回も植栽を一番多用してたのはここ。環境の問題は、ここ数年でかなりリアルに(つまり、木とか水じゃない)なったってことだと思う。

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同時にブースのデザインも、全体にそれほど主張しない方向に向かっている感じ。まあ、ブースのデザインもイメージを相手にする場合が多いわけで、いろいろな意味で、自動車が引き寄せるリアルな価値評価に重心が移動しているってことか。

右がレクサス、左がトヨタのブース。車はレクサスLF-A。Aピラーの角みたいなのが他の車種にもあった。なんだろう。

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映像がスペースの雰囲気演出のために、空間全体に展開するように使われてるのも、今回目立っていた。これはホンダ。

メッシュ状に並べたLEDが壁や天井を覆っている。幕張メッセは、防災上の理由から天井を覆ってはいけないのだけれど、メッシュ状なのでオッケーってことだろう。メッシュはかなり荒いけれど、映像は十分リアル。

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林立する金属ポールに囲まれた光岡自動車のブース。こういう独特の空間演出の試みは、今回の中では例外的だった。吉松秀樹さんの灰塚のプロジェクトを思い起こす。きっとリファレンスにしたんだろうな。車は「オロチ」。写真で見ていたよりも、違和感がないっていうか、それほど異常じゃなかった。

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モーターショー的空間演出の伝統(?)に一番忠実な感じだったのがメルセデスのブース。床は毛足の深いカーペット(下地がカタカタいってたのは愛敬?)。ブースデザインに反して、先端技術の解説が一番面白かったのはここのF700。技術へのお金の掛け方が違うんだろうな。買わないっていうか、買えないけど。

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F700。説明のお兄さんが、「次はサスペンションについて」って言ってたのに、いきなりヘッドライトの解説。大丈夫かこいつは、って思ったら、ライトがセンサーで目の前の路面のでこぼこを検知して、サスペンションをタイヤごとに個別調整するから、車はまっすぐ進むんだって。いろいろすごいことになってた。

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今回のモーターショーで一番注目を集めたのが、日産のGT-Rだと思うんだけれど、会場構成は破綻してた。わざと動線計画をしなかったのか、むやみに混雑した感じになっている。大阪万博月の石状態(古いですね)でも期待したんだろうか。CMをしないとかって戦略は面白いって思っていたんだけれど、こういうの見ちゃうとなあ。あたま悪そうにしちゃダメじゃないかなあ。

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モーターショーに行った「事情」っていうのの中心は、これ。東京電力のブース。建物と建物の間の通路空間にあって、しかも、カタログとかに出てないので、よっぽどの人しか行かないのでは、って思ったら、案外人が集まっていた。ほっ(とする必要もないんだけれど)。

帰路についてから気がついたんだけれど、電気自動車が変える生活みたいなのの展示(ちょっと前に、コンペの審査をしていた)って、どこにあったんだろう。まずいなあ。見忘れた。


ブースデザインの印象は、だいたい以上のようなかんじ。
そのほかで印象的だったのは、


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2階からの見下ろし。特に、部品系のメーカーが集まっているところは、なんだか途上国の電気屋さんみたいな感じ(って、通じませんね)。ともかく、この視線、とても大事だと思うんだけれど、当然、だれもコントロールしてません。ここを頑張ったところで、直接誰かが儲かるわけじゃないからね。

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外に出ると、とんこつラーメン屋。敷地内なんだけれど、まるで高架下の店舗のようなつくり。向かいには、手書きで、臨時交番って書いてある窓があったけれど、それが本当に交番なのかどうかは不明。

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世界のナンバープレート。他にも、ちょっとマニアックな展示も多数。行けなかったけれど、トミカとかのコーナーもあったみたい。

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そういや、限られた数名しか中に入れないロールスロイスのブース。マセラティもそうだけれど、どうやって中に入る人を選んでるんだろう。全く誰も入れないフェラーリはわからなくもないが…。


乗り物のことも触れなくちゃいけませんね。


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いちばん気合いの入ってたコンセプトカーはこれ。「タイキ」。ライトがボディを透けて光る(つまり、消えているときは、何も見えない)、っていうのは、割と基本。運転席が黒で助手席が白っていうのが、意外と特徴的。それにしても、こういう能天気なコンセプトカーが少なかったような気がする。

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トヨタはここでプロモーションのショー。手前からiREAL(iUNITの進化型)、RIN(エコっぽさ勝負)、IQコンセプト(リアルなエコカー)、1/X(すっごく軽い。300Kgだか400Kgだか。見た目にもすかすか)。RINは正直よく判らなかったけれど、基本的にトヨタらしくまじめに未来を考えてる感じ。

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日産は再びですが、GT-R。このアングルを得るまで、どれだけ大変だったか。で、結局よくわからなかった。エンジンかからないし。そういや、なんでモーターショーって、エンジンかけられるところでやらないんだろう。

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ホンダ、puyo。ジョイスティックの車。iREALとかもそうだけれど、左利き迫害問題はまたまた棚にあがってるのか(ぼくは、刃物とか工具とかマウスが左。マルノコとかのスイッチ配置は、左利きには本当に危険)。で、文字通りボディが柔らかい。事故時に怪我しなくなるかどうかはあやしい。

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スズキ、BiPlane。アキラの金田がのってそうなバイク。走るのか?っていうか、複葉機のイメージ(でデザインされているらしい)よりも、そのまま金田の実際に走るバイク(赤いやつ)を見てみたい。

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スズキの自動車はこれ。PIXY。正直ちょっとイタい(ごめん)。この小さいタイヤで、どこを走るんだろう。長距離は後ろのSSCってのの中に入って移動するらしい。なんで狭いままなんだろう。まあ、そういうことじゃないんだな、きっと。で、目的地に着いたら、ここから出て来て走り回ると。

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これも、目的地ついたら小さいタイヤで走り回るってことか。ルノー、マルチパーパスビーグル。どういうところがマルチパーパスかは判らないけれど、ともかく、目的地に着いたら、リアゲートから、ローラースケートで出発、ってことですね。マジみたいだ。

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フェラーリ612。よくわかりませんが、最後はこの辺で締め、ってことで。