曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

安養(アニャン)市にいく2:食べ物編

2006-10-16 | インポート

韓国 アニャン (安養) 市の dna(デザイン・ネットワーク・アジア) が主催する、都市と美術を横断するワークショップの講師として、10日間程韓国に滞在することになった。

今回は、前回と同じ日程を、食べ物の視点で追い直してみました。



 9月19日 


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アシアナ航空の機内食は、チューブ入りのコチジャン付き。からい。


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夕方、時間つぶしで入ったビール屋で、店主おすすめのオリジナルメニュー。中村政人さんが「乾きものはやなんだけど、あまりおなかにたまらない方が良いんだよね・・・」(たぶん)っていって出て来た。キムチをパスタのシートで包んだもの。からいが案外旨い。


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事務局であるdnaの人と焼肉。韓国では、料理に関係なくたくさんのキムチが出てくるのが楽しい(と、このころまでは思える余裕があった)。


 9月20日 


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最初の昼食は学食にチャレンジ(食べ物の写真とり忘れた)。かなり素っ気ないメニューでした。あと、カップラーメンを持って行くと、簡単な具とお湯を入れてくれるカウンターがあった。


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学校主催のオープニングセレモニー。学内にあるゲストハウスの庭でBBQでしたが、肉はほぼありつけず(ワインを飲む中村政人)。


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近所の店でビール。路面店はコンビニでさえも、店の前にテーブルを用意している。外で食べられるのはとても気持ちがいい。


 9月21日 


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受講生の一人トクさんの家(団地)を見学させてもらって、そのまま、そこで出前(中華なんだけど辛い)の昼食。新聞を広げて大勢で食べるというのも、よくある風景らしい。ぼくはチャンポン(これも辛い)。


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夜はスタジオの学生たちと懇親会で焼肉。すっごい人数と、すっごい肉の量。余らせるのが当たり前の文化の中では、食べ過ぎる。


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またまた屋外テーブル。やはり、外で食べられるのはとても気持ちがいい。気がついたら1時。


 9月22日 



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学生たちと昼から鍋(飲んでません)。サンゲタンとキムチの鍋。素材から出る味が、とにかく濃い。


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市主催のオープニングセレモニー。お酒は少なめで(ジュースなどはある)、つまみはお菓子主体。そういうものなんだな、きっと。


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早くも食べ物の名称をほぼ忘れきっているのだけれど、ともかく、この麺が落ち着いたところで肉を入れて食べる。椎茸の量からさっぱり系と期待したが、やっぱりそんなはずは無かった。


 9月23日 


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中村さんと一緒に定食屋のようなところで朝食(前日まではコンビニのサンドイッチだった)。内蔵肉のスープ。スープとご飯の朝食は悪くないけれど、血のソーセージがちょっと多すぎだな。

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ビビンバ。好きなだけ具とソースを入れてひたすら混ぜる。辛さも自由にできるので、かなり平和。


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これは前にも食べたことがある。軍隊鍋っていうんだったか。インスタントラーメン、ソーセージ、スパム、モチなど、配給の横流し品の鍋。韓国B級グルメの代表(?)。ジャンクな感じが割と好きです。


 9月24日 



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朝は今日も中村さんと。鳥のスープ。キムチなどで味を整えつつ、ご飯とともに食べる。朝は、こういうのがいいな。


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夜はちょっと上品なものを食べようと、中村さんがタクシーの運転手に相談して発掘した、現代版韓国宮廷料理の店。昼は上流階級の主婦たちで予約がいっぱいだとか。そういう感じの店です。料理もいろいろ工夫されてました。


 9月25日 


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昨日と同じ店で朝ご飯。みそのスープと、豆腐のスープ。朝ご飯は、きっと日本の習慣より体にいい。でも、夜、あまりに食べ過ぎなので話にならないけれど。通風が怖いなあ。毎日ビール飲んでるし・・・。


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市役所近くの北朝鮮料理の店。ユッケがたくさんの果物とミックスされていて、上品で旨い。あわせて飲んだ、北朝鮮の酒は新しい感覚だけれど激しかった。2本目からはいつものペクセジュ。


 9月26日 


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一人だったので、さっぱりした韓国っぽくないものを食べようと、ロッテマートのカフェテリアへいく(ハングルが読めるようになってきたので、何とか注文もできる)。で選んだのがトンカツ。さっぱりしてないじゃん。気がついたら食べ終わってたので、空の皿の写真。


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正統日式料理の店「魚島」。刺身の用意がこれだ。正統ねえ。醤油も一応あるが、ぼく以外は(日本人はぼくだけ)主にコチジャンでたべるみたい。


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松茸のスライス(生)、ウニのほか、写真には写ってないが、アワビもあった。高級だ。こういうものでさえ、思いっきり余ってる。


 9月27日 



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最終日でみんな忙しそうなので、一人で昼ご飯。以前、dnaの人とここに来たとき、彼が、これにご飯をぶっこんで、牛丼だっていっていたのを思い出したので、この店に。超ツユダク薄味牛丼ですな。

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打ち上げ!。すでに夜11時くらい。やはり焼肉だ。もともとこの鉄板は、お釜の蓋だったらしい。取っ手がついている。それはともかく、ワークショップの裏番組、10日間グルメの旅、っていうか、食とのあくなき戦いが、ここで終了したのでした。


関連リンク


ケイワン美術大学
CHOI MOON-GYU






安養(アニャン)市にいく1:活動編 その2

2006-10-09 | インポート

 9月23日 


中間プレゼン。チームごとの発表。コミュニケーション不足なチームの、不安そうな雰囲気がこっちにも伝わってくる。8チームでのグループワークなのだけれど、作業しやすいチーム分けではなく、とにかく、国籍や出身校がバラバラになるように組み合わせたので(バラバラになることだけを目指した)、コミュニケーションのハードルは、当然高い。がんばってくれ。
昼食後、APAPのプロジェクト(屋外型のミニアートテーマパークみたいなもの)を見て回る。途中学生とはぐれたものの、なんとか合流。アニャン中心街の怪しく広い屋台的市場を見学する。


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コンテナ内プレゼン。


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ディディエ・フォスティノの作品。実作ははじめて見る。

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東京ピクニッククラブ(太田浩史さんとかのユニット)の飛行機型の芝生。芝生の隣で、シートを広げてくつろぐ親子連れがいたりして。


 9月24日 


午前中、学生たちの作業をながめ、ゆっくり目の昼をとった後、ソウルAXを見に行く。渋谷にある渋谷AXのソウルバージョンで、基本計画まではみかんぐみでやったんだけれど(というより、構成はほぼ、渋谷のまま)、その後、知り合いの地元建築家の人に依頼し、竣工後、完成した建物は見ていなかったのだ(正確に言うと、いつの間にか完成していた)。
何となくの場所を覚えているつもりだったので、何の準備も無く電車に乗ったのだけれど、路線図をながめ、しばし呆然。適当に行って、タクシーで修正(ソウルのタクシーは安い)。なんとか明るいうちに到着。予想通りのものができていたが、周りを含め、一気に開発されていた。バブルだ。


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ソウルAX(なぜか、melon-AXっていう名前だった)



 9月25日 


最終案プレゼン日。いくつかのチームにちょっとした亀裂が生まれつつあるようだけれど、すでに突っ走っているチームもある。で、午後は一部の学生とソウル大の美術館へ。レム・コールハースの設計。いかにもな感じだが外観は微妙。学生たちは、本物のレムははじめて、とはしゃいでいる。初々しい。建物名はMOA(MUSEUM OF ART)。OMAを意識したのか、それにしても、堂々としたネーミングだ。


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電子辞書とインクカートリッジとサツマイモ。なんだか今回のワークショップの象徴だ。


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MOA



 9月26日 


外国にいるのだけれど、携帯も普通にかかってくるし、メールがいつも通りに受けられるので、原稿などの細かい仕事がたまっていく。今日は学生たちが頑張る日だろう、ってことで、ぼくはホテルで仕事、と頑張ってみたものの、緊張感が続かず、近所に髪を切りに行く。韓国の床屋はプラスアルファのサービスがすごいっていうか怖いっていうはなしだったんで、覚悟(期待?)をして行ったんだけど、割とすんなり髪を整えてもらって終了。


またホテルに戻って仕事、と頑張ってみたんだけれど、すぐあきて、ふと思い立って、ソウルで活躍している建築家の友人(CHOI MOON-GYU)に連絡してみたくなった。連絡先など控えてなかったんだけれど、ネットで探していたらほどなく事務所を発見。急遽、訪ねることにした。ソウルまで電車に乗って、彼の事務所を見学して、なぜか彼のクライアントたちと彼のスタッフたちとの会食(っていうか宴会)に混ざって盛り上がり、最終日前日でなければなあ、と後ろ髪を引かれる思いで、アニャンに帰還。どうやら、この頃、学生たちは大変だったみたい。


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彼(CHOI MOON-GYU)の事務所は一軒家。


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作品の乗っている雑誌などをもらった。



 9月27日 


最終日。いろいろあったものの、夜8時にプレゼンがスタート。韓国語と日本語のバイリンガルで1チーム5分で準備していたんだけれど、急遽途中に英語通訳が入ることになり、グググッと時間が押してしまった。でも、まあ、作品はなかなかおもしろかったんじゃないか。中村さんのスタジオのアニャンクリック(映像作品)もかなりおもしろかった。プレゼン完了が夜10時。打ち上げ会場到着が10時半くらいだっただろうか。1次会終了(2時半くらい)で、ぼくたちは退散。何しろ、翌日の授業があるので、朝8時半金浦発の飛行機にのることにしていたんだけれど、アニャンからだと、朝5時半前に出発だった。


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屋外プレゼン会場(人数少なくないか?)


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学生たちが壇上でプレゼン


まあ、いろいろあったけれど、楽しかった。ハングルも読めるようになったし(読めると格段と街が歩きやすくなる)。でも、韓国に長くいると、体重が増えるな。ということで、次回は食べ物編。




安養 (アニャン) 市にいく 1 :活動編 その1

2006-10-04 | インポート

韓国 アニャン (安養) 市dna (デザイン・ネットワーク・アジア) が主催する、都市と美術を横断するワークショップの講師として、10日間程韓国に滞在することになった。
日本からはぼくと中村政人さんが参加。他に韓国、タイ、中国のデザイナーや作家が参加している。人選的には、現実のアニャンの街に対して、何か新しいことを考えよう、という傾向のようだ。


9月19日(火)

羽田からアニャン市へ出発。帰ってくる日は、その足で授業なので、車を羽田に置いておくことにした (羽田の国際線駐車場は、国際線利用者に限り一日1000円)。

途中、金浦空港に迎えに来てくれた若いアーティストが道に迷ったりしたものの順調にアニャン到着。
まず、宿に連れて行かれたのだけれど、これがケイワン大学前のラブホテル。で、到着した車のナンバープレートをおっさんがパネルですかさず隠す。フロントのしつらえなども、それらしい。予約してくれた彼は、近くて広くて安くて、しかもテレビもでかくていいだろう、って。 まいいか。
大学の様子などを把握して、ご飯食べて、中村政人さんと飲んで散開。

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パネルで隠されたナンバ-プレート

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高速道路の柱が落書き防止でカバーされているんだけど、柱とカバーの間が、絶好の立ちションポイントになってるらしい。臭い。

9月20日(水)

いよいよ初日。なんだけれど、なんだかよくわからないままのスタート。どうも、いろいろなことがなし崩し的になっているようだ。 ぼくにも担当のスタッフなどはいないらしい。 勝手にやれってことだな。まあ、勝手にやるけど。
主催者的には初回の大イベントで、しかも、ちょっと風呂敷を広げすぎな感じ。中国からのゲスト講師のビザが降りずにこられないなど、幸先悪い感が漂う。

夜は大学で、関連の展覧会オープニングセレモニーに顔をだし (なぜかテープカットも)、その後、屋外BBQのオープニングパーティー。

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ぼくの教室となるコンテナ(中村さんとのシェア)。

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ケイワン大学と開催地をつなぐ市バス。赤く怪しい光(誰も気にはとめていない)

9月21日

学生たちとアニャンの団地を探索に。今回、どういうワークショップにするのか悩んだんだけれど、韓国にも団地ってのがあるっていうので (発音もほぼ同じ) 今回は、学生たちと韓国での団地再生計画ネタを考えることにしたのだ。

近所の、廃墟化している古い団地をアポ無しで訪れ (ほどなく管理人というようり警備員に追い出された)、その後、受講している学生の家 (当然団地) を訪れた。キムチ専用冷蔵庫や、床面作り付けの石造洗濯板、オンドル柄の床ビニルシートなど、見慣れないものが多数ある。団地の地下には避難所を兼ねた倉庫まで。実際の家には発見が多い。

一旦散会して、夜は、ぼくのスタジオと中村さんのスタジオをとっている学生で懇親会へ。食ってばかりのようだけれど、食ってばっかだった。で、食べ物ネタは、次回食べ物編で。

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韓国における団地黎明期の建物。これは今は誰も住んでいない。

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団地のバルコニー。ガラスは住んでいる人が自由につけていいらしい。面積が増える、とかって気になるのは日本の法規に縛られてるからか。

9月22日

プリンタトラブルデー。文化の違いか、彼らの個性かわからないが、まあ、ともかく、学生の注目ポイントの写真をプリントして、それをネタに議論したいだけなんだけれど、まったくうまくいかない。なんでプリンタの心配までするんだ?って思ってスタッフにちょっときれたりしたものの、どうにもならん。悪気は無いんだろうけれど、みんなちょっと勝手。プリントすら終わらないまま、この日の作業はおしまい。

で、この日夜は、市長主催のオープニング。なんとなーく始まって、いつの間にか終わる。ゆるい。みんなノリなんだな。ノリだけじゃプリンタは動かんなあ。

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中村さんがぼくのことを説明するために、随分前に書いたものらしい。箸袋のプロジェクトだ。なつかしい。

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紙コップ用ゴミ箱。