曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

兵庫と徳島

2007-08-20 | インポート

8月11日


大館から兵庫に向かう。伊丹空港まで、現地入りしていた学生が迎えに来てくれたんだけれど、お盆モードでちょっと渋滞。


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加西市(兵庫県)についたら夕方6時過ぎ。今回の活動拠点(作業スペース兼宿泊所)はお寺。原始人会というグループのための小さな建物の設計をしているのだけれど、住職も原始人会の一人。



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お寺をオフィスにするのは初めてだけれど、畳にちゃぶ台でパソコンはいつものスタイル。設計している建物とも、寸法関係が近くて、そういう意味でも都合がいい。関係者が集まって、さっそく打合せ。だいたい方針が定まった。



8月12日


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お寺の屋根裏を見学させてもらったりして(ぼくは、ハシゴの強度が微妙だったのでパス)、配置の確認のため敷地に向かう。



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簡単に縄張りしてみたりして、建物の位置を確認したり、移動してみたり。そうしたら、昨日打ち合わせて、了解が得られたばっかりの平面構成を変更した方が良いんじゃないか、っていう話に。

原始人会のイベントが行われていて、それも興味深かったんだけれど、上勝に行かなくっちゃ。で、検討を学生に託して、上勝(徳島)に出発。



8月13日


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久しぶりの上勝。アートプロジェクトの作品制作も佳境。で、今日は雨。前回はここで切断と皮むき作業をしていたわけだけれど、すでに全ての部材の含浸処理も終わり、部材のパーツ化も9割方完了。



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1800巾に一列に並べた状態で1パーツ。これが200以上ある。当然、とっても重い。現地の人たちの動きは疲れ知らずで無駄がない。効率的にパーツ化していく。



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朝から夕方まで働いて、風呂。宿泊場所に借りている農作業小屋には風呂が無かったんだけれど、敷地の端に、余った間伐材を構造部材にした即席の風呂ができていた。



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さすがゼロウェイストの町。捨てられていた風呂とか、いらない木製建具などが素材。川に向かって開放感のある気持ちのいい風呂。鉱泉(ホント)。あらゆる意味で、すばらしい。



8月14日


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晴れた。とても暑い。午前中、最後の部材をパーツ化して、午後からいよいよ敷地での組み立て作業のスタート。ユンボで持ち上げて、母屋材で仮固定して建てていく。



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この日は、6パーツ組み合わせることができた。まだまだあるけれど、この方法で組み立てることが可能なことが判った。



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作業を終えて、山を下りたところでみんなで軽く(その日の)打ち上げ。醤油をかけた豆腐とかとビール。作品の制作を見学に来た人たちがいたのだけれど、僕たちがその本人だとは気がつかなかったみたい。そりゃそうか。



8月15日


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この日は、この地区の夏祭り。日本最小の祭りとかっていっていた。で、ぼくの仕事は焼き鳥屋さん。町の課長とかと一緒に焼き鳥を焼く。



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祭りには子どもの相撲とか、材木の早切りとかいろいろなイベントがあって、その一つ、ビールの早飲み大会で学生のYくんが優勝。



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徳島県なので、町内のお祭りといえども阿波踊りがあり、



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小さいとはいえ、お祭りなので本格的な花火があり(でも6発)、



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やっぱり、スタッフ打ち上げを車座でやって、終わったころには、多分、日付が変わってた。



8月16日


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翌朝8時、何事も無かったかのように作業をスタート(僕たちは、朝時間通りに行くのに必死)。午後一には、裏側のエレベーションが完成。




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この日は、25パーツくらいを組み合わせた。全体のほぼ一割。この手前までやってくるわけだ。


ということで、今回の上勝、ぼくはここまで。学生と地域の方々にゆだねて、また月末に。



8月17日


今回の、どさ回りシリーズ最終、アーキファイトっていうイベントの審査員のため、徳島から名古屋まで、電車を延々と乗り継いで向かう。



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名古屋都市センターが主催する「だがねランド」。夏の一ヶ月間、このフロアを、小学生が運営育成する都市にする、っていう企画。町長が週代わりで選挙され、公約に従って町が変わり、地域(?)通貨「だがね」が経済を支える。かなり面白い。

「だがね」っていうのは、愛知の言葉の語尾で「~ですよ」とか「~じゃないですか」っていう意味(ぼくは、幼稚園の途中から小学校の5年生まで愛知)。



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アーキファイトは、この「だがねランド」の関連企画。名古屋周辺(といっても福井大学も入っていた)の大学生有志が、子どもが楽しくて、素材と光がテーマの作品を、セルフビルドで、24時間耐久でつくる、っていう企画(もりだくさんなテーマだ)。今年度始めたばかりの企画らしい。



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だがねランドに参加している子ども達が選んだのがこれ(内観)。っていってもわかりませんね。巨大万華鏡みたいなもの。



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ぼくが選んだのがこれ(内観)。これもなにかわかりませんね。可動ベッドに横になって、スライドして箱に入ると、こういう世界が展開。ジェームス・タレルのガス・ワークスみたい。



ということで、秋田から始まった巡業ツアーも一段落。でも、また、上勝行かなくちゃ。





ゼロダテ@大館 (秋田)

2007-08-16 | インポート

8月8日


大学院の面接を終えて、中村政人さんが仕掛人の展覧会 「ゼロダテ」 に参加するため大館へ。羽田で中村さんと合流して青森経由で向かう (大学から羽田までがギリギリで、タクシー+走り。間に合ってよかった)。ゼロダテは大館の大町商店街を舞台に繰り広げられる美術展で、学生達は現地に入って準備を進めていた。



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事務局についたら21:30だったのだけれど、二日前だけあってまだまだこれから、っていう雰囲気。地域の人たちが運営しているので、本格作業が夜、っていうこともあるみたい。


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何気ない、もと喫茶店みたいな場所なのだけれど、よくみると照明がバケツ。しかも、もともとこうなっていたとか。大館のセンスっていうか余裕を垣間みた。


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晩ご飯を食べにいくと、既にラストオーダーだったらしく、先に来ていた藤浩志さんやHEARTBEAT DRAWING-SASAKIさんたちが、親子丼 (特産の比内地鶏の有名店) を頼んでおいてくれていた。曲げワッパ入り。特産コンビですね。


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曽我部研究室が担当するのは元時計と貴金属の店。店は夕方6時までしか使えないので、学生達は宿泊所 (アパートの空き室) で作業。マックを並べて映像編集中。



8月9日


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早起きして商店街周辺を散歩。おもしろい建物が多い。こういう建物を掘り下げるっていうプロジェクトもあったかと思う。時間に余裕があったら、展示にプラスしてみよう。


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ショーケースに大きなイラストを展示するようになっていたんだけれど、どうも閉鎖的な感じ。いろいろと考えて、イラストパネルは内部の間仕切りにして、急遽、ショーケースには大町商店街での実写アイデア紹介 (写真) を設置することに。24時間を切ってからの追加作業だから、ちょっと大変。
それに、他の展示スペースは、リノベした倉庫のような、展示室的な質を備えているんだけれど、ここだけはこの間まで営業していた高級目なショップ。内装もそのままに使うってことで、取り組む相手としてはかなりハードルが高い。


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新しい作業のためにロケハンしていても、興味深い建物に遭遇する。これは、蔵を改修したスナック。飾りがここでもバケツ。大町商店街は、バケツと何か関連があるのか?


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居酒屋で釜飯食べて (あと、この三日間かけて焼くっていう鳥皮も)、残りの作業を学生に託してぼくはリタイヤ。



8月10日


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いよいよオープニング。市長さんも参加。作家代表で宣言する中村政人。ここは中村さんの出身地。感極まってか、涙腺が少し緩んだようだ。


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オープニング記念の和太鼓。曲げワッパの技術で作った太鼓らしい。普通の太鼓より、軽い音なのかと思ったら、全然そんなことなかった。


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曽我部研究室の準備も完了。大町商店街を大学化するためのプロモーションオフィス (もちろん架空)。


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もともとはきっと時計とか貴金属が陳列してあったと思われるところに、アイデアパネルを設置。この他に、現地で撮影してつくった映像とかもある。


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夜は懇親パーティ。一次会は事務所っぽいとこで、比内地鶏の丸焼きほか。二次会はスナック貸し切り。三次会は老舗ジャズ喫茶。終わったのが朝の4時。



8月11日


作品の写真はまずいかもしれないけれど、商店街を歩いて見える範囲で、少しだけ紹介。


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坂口さんの作品。ショウテンガイ (街とGUYと外らしい)。


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藤さんの作品。カエッコ.ヤ入口。かえっこが商店街進出。


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中村さんの作品。店舗の内部が全部黄色い照明。


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普津澤画乃新さんの作品。独特の画風のマンガ。


他にも、HEARTBEAT DRAWING-SASAKIさんのドローイング (人の心臓音を元に波形で面をぬり込める) とか、石山拓真さんの映像作品 (古い百貨店の記憶を構造化するような作品) とか。ほとんどが (っていうか、ぼくと藤さん以外) 大館出身の作家。底力のある町でした。


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朝、中村さんの持っている土地 (ものすごく広い) を藤さんと見に行って、学生に青森空港に送ってもらって (っていうか、空港まではぼくが運転)、次の目的地、兵庫へ出発。


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中村さんの土地の近くにあった廃車。作品みたい。




久しぶりに妻有

2007-08-08 | インポート

8月3日と4日


久しぶりにゼミの有志と妻有に向かった。
ゼミの学生達は、大館 (秋田) と上勝 (徳島) にいっているので (来週からは加西 (兵庫) にも)、横浜にはあまり残っていないのだが、一冬越えて、しかも中越沖で被災もしている妻有も気になるところ。


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ちょっとばかり不安を感じながら到着。でも、外観はまったく変わらず、中もそれなりに片付けられていたので、普通に見ていると何も変わっていない。BankARTの渡辺さんが、ウッドデッキ部分を並べ直してくれていた (冬場は、雪囲いとして活用していた)。


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デッキの色は、当然変わってる。デッキっていっても、ただのツーバーフォー材 (1×4) で、仕上げもしてないので、この程度の変色で済んでいるのはむしろ驚き。


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内壁の一部は、無理矢理合板で壁を固めてパテで仕上げたので、普通にしていてもクラックは入ったと思うけれど、地震のせいで、そういったところが割れている。去年、除雪ごとに建物が傾いているっていう話もあったんだけれど、そういうことは無いみたい。


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去年の改修で一番激しく手を入れたのがここ。内部の間仕切りもかなり撤去し、外壁に至っては、コーナーで1間ずつ壊していた。それなりに、他の壁面で壁量を確保できるように補強はしていたのだけれど、不安は不安。でも、何ともなかった。この窓は、ツーバイフォーの部材を切ってビスで留めただけなんだけれど、ヒビも入ってなかった (少し壊れているようにも見えますが、もともとこういうものです)。


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で、新たに室名表示をつくり (字のうまい学生がいる)、


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山頂風呂を補修復旧し (ブルーシート防水。釜との接続部分からの漏水が止まらない)、


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お湯が沸くことを身を以て確認し (湯船がでかいので、17度が35度になるのに1時間半。水漏れが止まればもっと早くなるはず)、途中、MVRDVとR&Sieを見学しつつ帰路に。22時頃、車は大学に戻って、乗員を全部入れ替えて、今度は大館に向かったのでした。


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実は今回の裏企画で、彼 (大学の窓から突然やってきたらしいカブトムシ) の連れを探すっていうプロジェクトがあったんだけれど、明け方の雨で断念したみたい。残念でした。