熊本経由(?)で、イギリスの北の方にいってました。まともに全部書くと大変なので、軽~く行った先の紹介など。
12月8日(土)
前日から、またまたくまもとアートポリス関連で熊本。
この日は、もくばんR2の最終審査。3段階にわたる大変なコンペだったんだけれど、1回目から選ばれ続けている、設計室の渡瀬正記さんと永吉歩さんの「Wooden Lace」が選ばれました。
このところのアートポリスはかなり盛り上がってます。新たに、小学校のプロポーザルが二件同時に募集されます(みかんぐみでやりたいくらいだけれど、当然ながら審査員は出せない)。
ワークステーションで設計を進めている体育館がそろそろ着工(来年秋竣工)、藤本壮介さんのもくばんもそろそろ着工(ゴールデンウィーク前に竣工)、西沢立衛さんの駅前広場も設計が始まって、これに渡瀬さん達のもくばんR2。たのしみです。で、懇親会を遠慮させてもらって、この日の内に成田。(熊本は写真を撮り損ねました)
12月9日(日)
朝の早い便で、パリ経由マンチェスター行き。そこから電車で2時間半弱。工業都市バローに到着。夜11時に宿についてひと休み。寝てたら、夜中に事務所からの電話で起こされた。
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電車の切符がこれ。CHEAPってのは普通席ってことみたい。言葉の感覚がちょっと違う。
12月10日(月)
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電話のせいか時差ぼけもなく普通に起床して街にでるものの、暗い。朝は9時前にならないと明るくないし、夜は4時前には暗くなる。南中高度もとても低い。写真は朝8時半の街一番の繁華街の様子。
今回Art Geneはっていうアートイニシアティブ的な機関の関係で、この街のテラスハウス相手に団地再生的なことを考える、っていうリサーチプログラム。みかんぐみのメンバー4人が順番にやってくる。本当は2週間強の予定だったんだけれど、さすがにいろいろまずいことになりそうなので、無理矢理1週間に変更。それにしても、Art Geneって、同姓同名がイギリスにあるんですね。
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定食屋(?)的な場所で食べたポテトとひき肉のパイ。Art Geneのスチュワートは、子供の頃の食事を思い出すらしい。いろいろ食べたけれど、これが一番好きだったかも。マニュエルにはレンガみたいだったらしい。っていうか食べ物にあまり期待しちゃいけないところみたいだ。
12月11日(火)
この日はなぜか、Art Geneを運営しているもう一人、マディの企画した、子供相手の現代建築巡りに同行してマンチェスターに。フリースクールの子どもたちを対象とした建築教育のためのツアー。いままでは大人相手にやっていたのを、これからは将来に期待して子供に教育をするんだとか。
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こういうのとか(ジェームス・スターリングが亡くなる直前に手がけていたとか)
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こういうのとか(リベスキンド)を駆け足で見学する中で、興味深かったのがこれ。
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典型的テラスハウスのリノベーション。道路側の外壁だけ残して、屋根も中の床も何もかも全部新調。日本でも歴史的建築のファサードだけを残す「これでいいのか?」っていうリノベーションがあるけれど、これは相手が相手だけに、さらに衝撃は大きい。
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看板のパースがこれ。中庭側の真ん中の通路部分を駐車スペースにして、テラスを2階レベルにあげている。煙突はキッチン用のトップライト。もう販売の済んでいるブロックもあって、価格を忘れたけれど、1億に近かった。それが、即日完売だったらしい。考えさせられるなあ。
そんな話をしていたら、テレビ番組を録画したDVDを貸してくれた。技術的地域的時代的な根拠無く、懐古趣味的な様式にみんなが向かってしまっている、っていうことを読み解こうっていう壮大な企画。長崎のオランダ村とかも出てきてちょっと恥ずかしいが、イギリスも同じ病魔にやられてるってことか。
12月12日(水)
この街の最大の問題は食べ物。朝、9時よりも前に開いているところは、マクドナルドとサブウェイしかない(でも、マックの朝食は週に1度)。
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マクドナルドは椅子がヤコブセン。日本だと似せて作ったやつだったりするんだけれど、さすがに近隣国だからか本物だった。
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並びの不動産屋でテラスハウスの値段とかも見てみた。街中の平均的なタウンハウスはこんな値段(7万ポンドくらい)。リノベーションが必要なのだと、もっと全然安い。10年くらい前、町中の雰囲気が遥かに悪かった頃は、10分の1くらいの値段だったらしい。
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僕たちのスタジオ。とても広い。中二階もある。このくらい余裕のあるスタジオはうらやましい。日本でも、遠くにいけばいいんだろうな。
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大きなギャラリーもある。会期は終わってたんだけれど、都心の文脈をテーマにした展覧会の作品が残ってた。そのなかの一つ。ラップとかタバコとかパッケージの箱から文字情報を削除した大量の箱。乗り物のようだったり建物のようだったり。
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スチュワートがつくったムール貝。おいしかった。そのまま飲みながら彼の作品をみる。今は、むやみに巨大なリモコンとかダーツとかをつくってるけど、言葉の意味を問題にした作品群とか、ちょっと批評的な映像作品群とか。多彩。
12月13日(木)
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街の関連施設見学にまわる。これは、ドック・ミュージアム。古い造船のドックの上に屋根をかけて作った資料館。街の歴史を紹介する映像が6本。
で、判ったのは、割と近くに大きな修道院の廃墟があるものの、基本的には鉄鋼業に始まる工業都市。日本の工業都市は、何らかの歴史があったところが工業に軸足を移す、ってことだと思うけれど、ここは、数件の漁村が突然工業都市になったらしい。そういわれてみると、街も機械の一部のように見えてくる。
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BAE SYSTEMSっていう潜水艦の工場。長く各国の軍事用潜水艦を製造していて、今は原子力潜水艦をつくってる。でかくて街のどこからでも見える。どうしようもない感じの存在感。
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でも、図書館に飾ってあるのは潜水艦とか潜水艦工場とかの絵だし、
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スーパーに付属している食堂に飾ってるのは、昔の造船工場の写真とか。
みんな、戦艦を作って来た街としての歴史を誇りに思っているので、潜水艦工場の巨大さも嫌いじゃないんだろう。戦艦三笠をつくったのもここで、映像では日本にはそれにちなんだ三笠公園がある、って紹介していた。
12月14日(金)
だんだん街の骨格とか背景とかがわかってきた。
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街の中心部には、工業都市として作られた当初のテラスハウスが建ち並ぶ。道路に面した正面側には車が並ぶ。できた頃には車はそんなになかったし。
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裏側の路地。典型的なイギリス式のテラスハウスで、この路地部分がフェンスで閉じられているところもあった。
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街の北の方には、少し高級なテラスハウス。これもかなり古くって、工場の経営者クラスの人たちのためだったとか。工場の匂いや音の感じられないところにつくったんじゃないかっていうことでした。庭もある。
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その北のエリアから、さらに東に入ったり北に行ったりすると、割と最近の高級住宅エリア。芝生の庭付き。まるで戸建てみたいなセミデタッチドハウス。
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南に行くと海なんだけれど、細長い島があって、そこにも最近の住宅エリアが広がっている。90年代前後(らしいが、聞いた相手もプロじゃない)の建て売り住宅。絵に描いたようなセミデタッチドハウス。
ということで、社会階層ごとに割と判りやすいエリア分けがあって、しかもその全部が歩いていける範囲にある。
12月15日(土)
おまけ。
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Peter Green Wayっていう道。シャレか、って思ってスタジオの人に聞いたら、シャレだって思ってるのはここにいる数人で、普通にPeter Greenさんにちなんだ道らしい。そりゃそうか。
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外を歩いていると寒くって、ケンタッキーフライドチキンでコーヒーを買ったら、砂糖とミルクが三つずつついて来た。いれすぎだろ。
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木製仮設フェンスの基本ディテール。ちょっと厚手の木を重ね張りしてる。
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スーパーマーケット付属のレストラン前にある、カート入れ。清算の終わったものをカートごとここに置いておいて食事して、その後に駐車場にいく、ってことだ。
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図書館のカウンターには飲み物の販売機がある。
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おむつ替えの場所は、「Baby Change」。ちょっとびっくりするネーミング(知ってる人には当たり前なんだろうけれど)。
ということで、1週間の滞在が終わり。16日の12時の電車で出て17日の夜に到着。帰りも結局時差ぼけなしで普通の毎日。そういうもんかな。