曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

香港深圳ビエンナーレに行ってました。

2008-03-19 | インポート

みかんぐみで出展している香港深圳ビエンナーレの関係で、香港に行ってきました。
香港は3、4年ぶりくらい、って香港ではみんなに答えてたんですが、
帰りの飛行機で暇つぶしにパスポート眺めてたら6年ぶりでした。



3月14日



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早起きして9時成田発で香港へ。この日は夕方から香港大学でレクチャー。大学の運転手さんっていうのがいて、空港からホテルまで送ってくれる。そういうものなんだな。ちょっと驚く。


部屋は25階の海側の部屋。ゴルフ場とかテニスコートとかプールとかフィットネスとか、スポーツ関連施設が豊富なので有名なのだとか。関係ないな。



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ちょっと時間があったので、ホテルのある湾仔 (ワンチャイ) から大学方向へ散歩。


窓ごと全部カルバン・クラインのグラフィックでカバーされてる高層ビルなどに遭遇。程度に躊躇が無いのが、香港らしいかんじ。スターフェリー利用者向け看板?



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ビエンナーレの会場に偶然遭遇。中に入ろうかとも思ったんだけれど、時間が厳しそうなので、明日ゆっくり見ることに。なんだか大量の人がいる。


で、香港大学でレクチャー。英語でのレクチャーははじめての体験。写真取り忘れた。余裕無かったんだな。台湾版 「POST-OFFICE」 をもっている学生がいたけれど、売れてるんだろうか。



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夕食会は陸羽茶室。老舗の有名店で、地元の人のメニュー選択だからか、おいしい。


これは、豆腐ようみたいなのを味付けに使った煮物。怪しいルックスで、かつ、とてもおいしい。ここは二回目なんだけれど、前回は20年以上前。昼ご飯だった。アルコールなしの健康的な食事。



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でも、緊張した後はやっぱりビールかなあと思って、すぐ近くの蘭桂坊 (ランカイフォン。香港の六本木?) に行ってみた。金曜の夜ってことで、異常な人数の人たちが溢れている。


「恋する惑星」 に出てくるこの場所とは、別の雰囲気。もともと香港の人たちは 「道は移動のため専用」 っていうふうには思ってないのだと思うけれど、それ以前に、移動のためにはほぼ役に立っていない。




3月15日



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ビエンナーレ会場は元刑務所だったところで、展示よりも建物をみにきた人たちでごった返している。普通に子連れの近所の人みたいな人たちも多い。


展示の状況も、人も密度も、動線計画も破綻している感じで、それはそれで香港ぽい。作品を手で押しのけて、建物の写真を撮っている人など多数。子供のグループも。インフルエンザで香港の子供は学級閉鎖ってのはガセネタか?って思うくらいたくさんの人たち。まあ最終日だしな。



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みかんぐみは 「験築」 というタイトルで、体験型の展示を目指した。とはいえ、予算が少ないので、2年前オルレアンでの展覧会で使った巨大なぺらぺら住宅模型とか、数年前ブダペスト、モスクワなどで展示した空気膜の変形可能なユニットとかを転用。


夏竣工予定の伊那東小学校は、現場の様子を3面の映像で見せる。はずだったんだけれど、プレーヤが壊れてて、なぜか2面。



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来場者のタイプやこのビエンナーレの位置づけを考えると、体験型っていう方針はぴったりだったと思うんだけれど、ここの人たちが体験するというのは、ぶっこわれるというのと表裏一体なのを忘れてた。いろんな国で展示してきたんだけどなあ。


ショックを受けつつ、あと数時間のことなので、特に対応もせず。



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今日は、シンポジウムへの参加が主な用事。妻面が取り払われた倉庫がシンポジウムの会場。テーマはランドスケープとアーバニズムについて。


聞きにくる人たちは、様子をのぞいて自由に出たり入ったりしている。会場からの発言が、日本での標準に比べるとものすごく活発。通訳がいないっていうので、どうなることかと思ったけれど、パネラーは、はじめにそれぞれ勝手にしゃべるのと、質問に応えるだけ。助かった。



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で、食事をしてこの日はおしまい。ホテルからは半島側の夜景が華やか。半島側の高さ制限の法律が変わったとかで、建設ラッシュ。建設のお金もイルミネーションのお金も、どっから出てきてるんだろう。


サッシの無目が丁度いい高さにあって、「ここにビールをおいて、夜景を見ながら飲め」 といってる (ように思えた) ので、飲む。計ったら床から65センチだった。


3月16日



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撤収日。朝、旺角 (モンコック) に食事に行ったついでに、女人街をのぞいてみたら、屋台の設営をしていた。


「く」 の字型のフレームを地面にあけた穴に差し込んでいるのが基本構造。地面からキャンチで、壁と屋根が立ち上がっている。上部を二カ所つないで補強 (片側だけの場合もあって、その場合は補強なし)。



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縦のポールは伸縮可能になっていて、低い状態で照明とか膜材をかけて上に伸ばす。膜の固定はダブルクリップ。日常的なアイテムをシステマティックに構成している。


解体組立は、毎日なのか、週に一回なのかは不明 (今日は日曜)。



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たまたま近くに来たので、夜にも行ってみた (夜11時くらい。日曜のこの時間にも人はたくさんいる)。



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撤収の確認 (というか、本来は貸し出してた2台のプロジェクターのピックアップが目的) に行ったら、模型を部材ごとに収納する段ボールでつくった箱が水没してたり、プロジェクタのケースがみつからなかったり、まあ、いろいろあるもんだ。


夜は気を取り直して、昔の九龍城跡の近くにある潮州料理の店に。創発潮州飯店。「創発」 ってのが気になって、、、 (飯店だけどホテルじゃないです)。



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店の前の発泡スチロールの箱の中で、いろいろ泳いでる。幅の広いシャコみたいなエビとか、面積のでっかいイカとか、妙にでかい巻貝とか。珍種系も多い。これをそのまま料理することもできるし、できている料理を選んでもオッケー。ラフでアクティブで親切でおいしい。今回、一番のヒット。最後にすごく小さな茶碗に入ったお茶がたくさん出てくるのが潮州流らしい。


もしも、行ってみようって言う人に助言: 飲み物はビールにするのが無難です (九龍城城南動60号)。




3月17日



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もう最終日。書類の件で大学に行ったり、撤収の件で会場に立ち寄ったり。


朝ご飯はここ。龍門大酒楼。ホテルのある湾仔近くの老舗飲茶屋。地元のおっさんたちが、新聞読みながらゆっくりしてる。品数は少ないけれど、おいしかった。




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おまけの写真を数点。


おまけ1。
トラムの2階をつぶした宣伝。キャセイ航空のボールで埋まってる。



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おまけ2。
屋根がヴィトンのスターフェリー。ホテルからの見下ろしに期待してる?



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おまけ3。
派手になった香港上海バンク。911以降、両サイドに追加された部分があるらしい。



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おまけ4。
とある薬屋。パッケージのファサード。



ということで、無事に帰国。いろいろあっても、やっぱりアジア旅行は楽しい (食事のせい?)。


香港tips: 空港送迎付き格安ツアーだったんだけれど、無理を言って送迎を外してもらった。
帰りなど、あらかじめ香港駅でチェックインしておけば (荷物も)、その後、街を散策してから電車で空港へ。
送迎バスよりも2時間くらい長く、香港の街に居られます。