えっと、まずはじめに、新年早々更新が滞ってました。すいません。
次に、前回のブログで、浅井くんの名前を間違えてました。ほんとーにすいません。淺井裕介が正解です。前のは、淺も裕も間違ってました。淺井くんは今、取り壊しの決まった 阿佐ヶ谷の団地 (前川国男設計) で製作中です。
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グリーン車付きの常磐線。
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巨大な靴箱と、その前に並ぶ大量の靴。
![agn0127_3 agn0127_3](/images/agn0127_3.jpg)
空っぽの部屋。
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吹き抜けの一部に床をつくって、部屋がしつらえられている。
![agn0127_5 agn0127_5](/images/agn0127_5.jpg)
沖に出た佐藤くん(中央やや下)。イナバウアのポーズで。
![agn0127_6 agn0127_6](/images/agn0127_6.jpg)
これがその船。表面は牛脂?か何かでべたべたしてる。
![agn0127_7 agn0127_7](/images/agn0127_7.jpg)
真っ暗な部屋に羽毛。
![agn0127_8 agn0127_8](/images/agn0127_8.jpg)
箱の中の風景
![agn0127_9 agn0127_9](/images/agn0127_9.jpg)
ヒデハルの電車。
1月27日
久しぶりに取手。東京芸大先端芸術表現科の卒業・修了制作展を見るため。去年の3月まで教えていた教えていたわけで、当時の僕のゼミの卒業生も数名いる。風邪だったんだけれど、やっぱ行かないと。
常磐線にグリーン車がついていて、上野駅でびっくり。しかも試行期間だとかで普通料金で乗っていいらしい。ちょっとだけラッキー。ちょっと行かない間に変わるもんだなあ。
と、思ったら、それ以外は全く変わってなくて、取手駅前の独特の空気感も相変わらず。まあ、当たり前だな。
タクシーでメディア教育棟前に直行したら、川に向かう直前の佐藤大祐くん (ぼくのゼミだった修士) とちょうど出会う。2時からの回に間に合ったみたいだ (詳細は後で)。
建物に入ると受付には志甫和美さん(ぼくのゼミだった学部生。詳細は後で)。で、その前に巨大な靴箱。床に並べてある靴を一つ選んで棚に戻し、その場所に立って自分の足形をチョークで描く、ということを求められる。松田壯統くん (学部) の作品で、靴は全部1000くらいあって、会期が終わったらそこに立った人たち全員を重ねた写真にするんだそうな。現代の千人仏ということらしい。いきなり仏になっちゃったよ。
受付で作品集を買って、というか買わされて (今年は見本帳形式にまとめられたカード式作品集。箱入り)、他の作品をみつつ5階へ。
作品マップによると、笹原晃平くん (ぼくのゼミだった4年生) の作品はもとの僕の部屋だったところにあるらしい。現在、この部屋は写真家の鈴木理策さんの研究室になっていて、いま、彼は理策さんのゼミ。研究室は変わったのに部屋は変わらなかった、ってわけだ。
で、この部屋に入ったら中はからっぽ。何も無い。どれが作品かって思って窓の下を探してみたけど、特に気になるものはない。で、部屋を出ようかと振り返ったら、廊下の向こうに何だか記憶にない風景。普通なら廊下を挟んで反対側に、下の階の吹き抜けがあるのだけれど、その吹き抜けの一部に床を張って研究室のようになっている。ここには天井扇がついていて、それを利用した変わった部屋のインスタレーションか、と思ったら、そうじゃなくて、ものの移動をテーマにしたものらしい。研究室にあったものを、この、臨時の部屋に移したってわけだ。元の状況を知らない人がみたら、 「あら、ここは空いてる部屋ね。で、こっちには小さな研究室もあるのね」 って、まったく何の異常もない感じないだろうなあ。
隣の荒神明香さん (学部) の作品 (天井からぶら下げられたグラフィックによって、空中に擬似的な水平線が生まれる、というもの。写真取り損ねた。っていうか、ちょっとはばかられた) を経て4階へ。
佐藤くんの作品は、手製の船で利根川に出る、というもの。薄いベニヤ板と紙でできた船。手漕ぎで沖にでる様子を、建物のテラスから眺めているわけだけれど、一回目はいきなり木陰に隠れていつの間にか終わってた。二回目のチャレンジで何とか沖に。トランシーバでやり取りをしながら進むのだけれど、なんか、気負いがないっていうか、軽?いやり取り。この間、日比野克彦さんに彼の作品のことを聞いたら、トランシーバでしか講評ができないってのが戦略かも、っていっていたのを思い出した。
4階のその他の作品を経て、3階へ。今度は志甫和美さん (ぼくのゼミだった4年生) のインスタレーション。廊下に羽が散らばっている。部屋に入ると真っ暗な中に真っ黒い箱が置いてある。そこまでの道が羽で演出されてて、六角形の箱に頭を入れてのぞくと、反射で大量に増えた千手観音。佐藤くんとうってかわって、おもーい演出。さて、と振り返ると、出口周りには映像。これまでkazumiさんは、少し個人的な批評性とちょっと新しい表現方法へのチャレンジの組み合わせが特徴的だなあと思ってたんだけど、今回は、少し情緒的な演出を試みたスタイル。ものを組み合わせるっていうやりかた (羽毛と鏡の箱と映像) は、はじめての試みなんじゃないか?。批評性の少し個人的な感じ (つまり、ベタな社会性と心中してない) は相変わらず特徴的。
田中秀春くん (学部) の電車を経て、美術館へ。ヒデハルはぼくがいた頃から原寸の電車をつくるって言い張ってたけど、初志貫徹したようだ。
今回の卒展は、はじめに見たメディア教育棟と大学美術館と取手駅前のカタクラ (ショッピングセンター) の3カ所に分散されている。これまでは、学外 (都内の廃校とか、横浜のBankART NYKとか、現ZAIMとか、大学から離れた、ふる?い建物を使うことが多かった) 中心だったんだけど、今度は取手。この学科は、体制的なというか制度的な仕組みに対して疑問をもつことが表現の基本にあるような感じがあって、学外での卒展というのも、その雰囲気と無関係ではなかったわけだけれど、そもそも、そういう構造が、大学という枠組みの中に存在しているという矛盾が一番おもしろいところなわけで、それが一回裏返って取手に戻ってくる、っていうのも、まあ、必然だったんだろうな。
美術館では遠藤祐輔くん (ぼくのゼミだった4年生) の写真 (取手鳥で砦撮り・・あれなんだっけ。そういうダジャレ系タイトル。まあ、ともかく、取手を主題にした複数の写真を組み合わせた作品。一年前に、それまでの写真をフィルムもデータも全部葬り去るっていうプロジェクトをやったので、まちがいなく、ここ最近の作品) などをみて、カタクラで福田千里さん (ぼくのゼミだった4年生) の論文作品などを確認して帰途に。
風邪をおして来たんだけれど、それなりに楽しめたし、来てなかったら後悔しただろうし、来てよかった。風邪はあきらかに悪化したけど。