曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

みかんぐみみんなで伊那

2007-06-28 | インポート

6月23日(土)


チーフの送別会で、どういうわけか、事務所みんなで伊那市伊奈東小学校の現場へ。住んでいる地域別に車5台に分乗して現地へ (現場車両一台含む)。



agn0623_1

丁度12時前に現場到着。近所の喫茶店をほぼ借り切って昼食。メニューはオムライス三種のみ (普段はいろいろある?)。 担当者以外のスタッフは昼食後現場見学へ直行。担当スタッフと僕たちと構造の金箱さんたちは、現場事務所で打合せをした後に現場へ。


agn0623_2

建物は二階建てで、一階が鉄筋コンクリート、二階が鉄骨造。現場は、一階のコンクリートの打設が済んでいて (半分は脱型済み)、二階の半分くらいまで建て方が進んでいる。スタッフにとっての現場見学としては割といいタイミングだったと思う。写真は二階図書館部分の鉄骨 (屋根)。


agn0623_3


先に見はじめていたスタッフ達と合流して記念撮影。いろいろなところからヘルメットを借りたので、みんなバラバラ。きちっとそろってないほうが、みかんぐみっぽいような気もするか。
間に合わなかったスタッフがいるんだけれど、自分でフォトショップで加工して合体するとか。


agn0623_4


一階のワッフルスラブ部の照明を確認したり (場所ごとに、その場所に合わせた平面プランと構造形式を選択しているので、個別解の集合みたいになっている)、


agn0623_5


予定している仕上げの検討をしたり (平面プランが違うってことは、光の入り方も違うので、仕上げの色も変わる)して、


agn0623_6


現場事務所に戻り、もう一回ミーティング。打合せはいつもながら予想より長くかかってしまって、予定オーバー。車で20分くらいのところにある温泉宿で打ち上げなんだけれど、遅刻。



agn0623_7


着くなり、いきなり宴会。遅刻してるんだから当たり前だな。ともかく、ご飯も日本酒もうまい。失礼なことにそれほど期待していなかったので、うれしい。
みんなの酒が進むかたわらで、新人スタッフは割とすぐにダウンしていて、一方、新人秘書はいくら飲んでも平気っぽい。


agn0623_8


送別会を兼ねているわけで、伊那市のマスコット 「イーナちゃん」 による、記念品贈呈とかもあった。きぐるみは、どうやって借りてきたんだか。このマスコット、主賓の札をつけたKKK団じゃなくて、水滴 (水の恵み) の周りにツツジが咲き乱れてる、っていうのがモチーフ。とはいえ、この手のマスコットとしては、よくできていると思う。



6月24日(日)


agn0624_1


遅くまで飲んでたんだけれど、朝8時には朝食に集合 (落ちこぼれなく、時間に全員そろってたのに驚いた)。帰り道には、諏訪の赤彦記念館にいったり、またまた片倉館で温泉入ったり、


agn0624_2


高過庵をみたり (外からのみ)、


agn0624_3


茅野市民館みたり (中もゆっくり) と、
建築ツアーをしたのち、雨の中、渋滞にもまれて戻ってきたのでした。



以前取材をうけた、artgeneの建築特集のみかんぐみの回が公開になったのでそちらもご覧ください
「今、建築がアツい!!」http://artgene.blog.ocn.ne.jp/plus/




豊科&松本ツアー

2007-06-13 | インポート

6月10日(日)



前日の神奈川大学総合講評会の懇親会のせいで、ちょっと二日酔いだったんだけれど、
頑張って朝8時新宿発のスーパーあずさを目指して出発。
曽我部邸の共同設計者である、丸山さんたち (マチデザイン) が設計した住宅の見学会で
豊科に向かったのでした。丸山さんの東工大での指導教員だった奥山先生とその出身者たちと一緒。



agn0610_1

豊科駅から歩いて10分くらいの、幹線道路沿い。平屋よりちょっと大きく、周辺にたくさんある二階建てよりちょっと小さい。不思議なたたずまい。片流れで、黒い。



agn0610_2

反対側の立面は「へ」の字。片流れ屋根の反対側がどうやったら家型になるのかが不思議。屋根がちょっと変わったかかり方をしているわけですね。



agn0610_3

玄関を入るとすぐ居間のスペース。ここを中心に、個室や水回りが取り囲むようにある。正面の階段を上ると、駐車スペース上の中二階的なスペース。駐車スペースに天井の低い部屋を組み合わせているので、不思議な大きさになっているわけだ。




agn0610_4

個室は完全に仕切られていないところが多くて、天井がゆるゆると連続している。印象としては、真壁構造になっているのが特徴的なのだけれど、現場がはじまってから、元々大壁構造だったのを変更したのだそうだ。



agn0610_5

ぼくは、真壁の建物っていうのを設計したことが無いのだけれど、床や壁が空間を分節するのとは違って、柱梁などの軸組が全体を領域化するような印象になるというのがよくわかる。
ということで、ちょっとずつの不思議な感じが集まってる、見たことあるような感じもするし、全く見たことが無いような感じもする、おもしろい家なのでした。




agn0610_6

で、あとは松本に出て、田楽とか食べながら飲んで、



agn0610_7

伊東さんのまつもと市民芸術館みて、



agn0610_8

諏訪の片倉館で温泉はいって、上諏訪駅前で信州地酒三昧して、



agn0610_9

駅の足湯を軽く堪能して、最終電車の中でも真澄を飲み続けて、ようやくかえって来たのでした。




上勝で間伐材の準備

2007-06-05 | インポート

6月1日(金)

上勝(徳島)のプロジェクトのために最終の飛行機で上勝へ。

長さが2センチオーバーしていたために、羽田で預けるはめになった三脚をまっていたら、たほりつこさんにばったり出会った。同じ飛行機だったみたい。先端芸術表現科を離れて以来だから、とても久しぶり。たほさんも上勝アートプロジェクト参加作家5人の内の一人。記念撮影すれば良かった。

agn0601_1

数日前から学生は作業をしている。僕たちの拠点になった古民家についたら夜9時をまわっていて、彼らは明日の作業の準備をしていた。こういう作業のタイミングでは、入り込む隙がない。今回のプロジェクトのために土地を提供してくれている人が、この場所も提供してくれた。


6月2日(土)

agn0602_1

左手の2階建てが今回のぼくたちの拠点。1階は農機関係の置き場で2階が(おそらく)休憩所だったところ。鮎が釣れる清流に面し、小さな棚田もあるというすばらしいロケーションだ。

風呂が無いので、夏のために対策を考えなくちゃいけない。今回学生達は、町の課長さん家などのお風呂を借りていたみたいだけれど、長期間だとそういうわけにもいかないだろう。

agn0602_2

早起きだったんで周辺を散歩してみた。隣の田んぼの周囲には、竹串に刺さったいろいろなぬいぐるみが設置されてる。どうやら鳥よけ。ミッキーマウスとかドラえもんとか。効果は未確認だけれど、対人間的には、ちょっと怖い。

agn0602_3

ここが作業場。右手が間伐して皮むきまでした材料、左手が長さに合わせてカットしたもの。今回の主な作業は、この切断。

今回、間伐材をたくさん使う、ということも目的の一つ。経済原理で考えれば無駄なように思うのだけれど、それによって得られる特別な存在感を生かすために必要なこと。経済で考えるから無駄ってことになるし、その判断が輸入材主体の状況を生むわけだ。

agn0602_4

皮むきも平行して作業中。一過性のものではなくて、長く残るものにしようということで、含浸処理をするのだけれど、そのためには皮むきの作業が必須。

地域の人たちはみな、使い慣れた昔からの道具を持っていて、それで手伝ってくれる。巨大なピーラーみたいなのとか、柄の長い鎌みたいなのとか、いろいろなタイプがあるみたい。

agn0602_5

切る位置をマークすると、チェーンソーで切ってくれる。上勝の山には間伐を前提に、1ヘクタールあたり3000本の杉が育っているらしい。これを1000本になるまで間伐するのが基本なんだけれど、そのままなので地面に陽が届かない。

今回800本くらいの間伐材を使うので(これも地元の人たちが、自分の山のものを下ろした)、数千平米の地面に陽が届くようになったはず(?)。

agn0602_6

どこの家にも一台はチェーンソーがあるらしい。今回プロの製材所に発注をしたりしていないのだけれど、上勝の人たちの家にあるもので、たいていのことができてしまう。この潜在力はすごい。ちょっと余った材料と休み時間で、こういうのがサクッとできる。ちょっと(かなり?)チェーンソーを使わせてもらったんだけれど、確かにちょっと欲しくなる。エンジンってのがいいんだな。

agn0602_7

たほさんが遊びに来てくれた。こういうのはちょっとうれしい。作業メンバーみんなを記念撮影してくれたところをこちらも撮影。ぼくのたほさんの方に行くつもりで、作業で精一杯だった。

agn0602_8

夕方から懇親会。シカの肉とかを焼いて食べる。はじめに来た時から、上勝は屋外でご飯食べるのがしあわせなところだと思ってたんだけれど、その通りだった。

このあと、夜中に酔っぱらった学生が行方不明になって、それはそれで大変だったんだけれど、ここでは詳細には触れられない。


6月3日(日)

agn0603_1

雨だったんだけれど、朝から作業。みんな要領を得たのでスピードは速い。部材も時間も足りないんじゃないか、っていう予想とは違って、午前のうちにカットは完了。

午後は、組み立て方の詳細打合せ。方針はおおむね決まったけれど、設計ははじめからもう一度だ。で、月曜の早朝の飛行機なので、徳島市内まで出て泊まり。筋肉痛だ。

ということで、この後、穴あけなどの加工をして、夏に組み立て作業を完了する予定。どうしても手伝ってみたい、っていう人は、研究室まで連絡ください。