Sunday Song Book #1581

2023年01月29日 | Sunday Song Book

2023年01月29日プレイリスト「極私的 高橋幸宏 追悼」
1. サマー・ビーチ・ガール / バズ '75
2. ELASTIC DUMMY / 高橋ユキヒロ "サラヴァ!" '78
3. BACK STREET MIDNIGHT QUEEN / 高橋ユキヒロ "サラヴァ!" '78
4. WALK ON THE WAY OF LIFE / 矢野顕子 "東京は夜の7時" '79
5. JUST IN THE RAIN / ラジ "ラヴ・ハート" '78
6. JUST ANOTHER NIGHT / アン・ルイス "ピンク・キャット" '79
7. あしたこそ、あなた / 矢野顕子 '81
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■内容の一部を抜粋
・近況
昨年のツアーの振替公演は順調に消化していて、先週は中野サンプラザでの東京最終公演。「サンブラザ、ひょっとしてこれが最後かなという感じで、やらしていただきました。いざお終いとなるとですね、なんとなく感慨無量といいましょうか、胸に迫るものが」と達郎さん。残り5公演になり、2月6日(月)、7日(火)は札幌文化芸術劇場 hitaru。2月16日(木)は岩手県民会館 大ホール。千穐楽の2月21日(火)、22日(水)は仙台サンブラザホール。

先週は卯年にちなんで「『ウサギ』で棚からひとつかみ」。今週も引き続いてパート2の予定だったが、注文しているレコードが届いてないとか。最近、国際郵便事情も悪くなっているという。

・極私的 高橋幸宏 追悼
今週は高橋幸宏さんの追悼特集。テレビの特集まで予定されていることもあり、この番組で「RYDEEN」をオンエアしても、ということで「極私的 高橋幸宏 追悼」。達郎さんと幸宏さんが仕事を一緒にした作品を時系列に並べて偲ぶ。

高橋幸宏さんはドラマーであり、作曲も手がける。YMOで一世を風靡した。素晴らしいドラマーで、サディスティック・ミカ・バンドからプロのキャリアをスタートして、その後スタジオ・ミュージシャンを経て、YMO、そしてソロ作品もたくさん残した。達郎さんと幸宏さんがいちばん最初に会ったのは1975年。お兄さんの高橋信之さんがコマーシャルをたくさん制作していて、達郎さんはコマーシャルのスタジオ・ミュージシャンの仕事をしていたので、その仕事をしていたら、幸宏さんから声がかかったという。コーラスをやっていて、ビーチボーイズが好きだというのが、ビーチボーイズ好きの幸宏さんの耳に入ったとか。

・サマー・ビーチ・ガール
男性デュオグループのBUZZのシングル盤の「はつかり5号」(1975年)のB面で幸宏さんの作曲作品になる「サマー・ビーチ・ガール」。ビーチボーイズのオマージュ・ソングで、伊藤銀次さんがギターを弾いている。この曲のコーラス、ベースのトップで、裏声のパートを担当。真ん中の3パートはBUZZと達郎さんの三人でやってる。これが幸宏さんとの最初の仕事の出会いになった。BUZZの1975年の「サマー・ビーチ・ガール」。

幸宏さんは達郎さんと同じ歳で1952年6月6日生まれ。達郎さんは1953年の2月4日生まれなので学年が一緒。「だけど、なんか(笑)、学年上みたいに言っとりました、いつも幸宏さん、幸宏さんって言ってました。同級生の歳でありました」と達郎さん。武蔵野美術大学のデザイン科に行かれた方なのでフッション関係のセンスもたくさんある。幸宏さんのインタビュー記事が出ていて、どこかに書いてあるけれど、野音かなにかに達郎さんが出たときに、当時キーボードを担当していたのが坂本龍一さんで、そのときに幸宏さんと坂本さんが出会って、そこからYMOに発展していく。YMOをはじめる前にお互いスタジオ・ワークをたくさんやっていたので、幸宏さんの1978年のソロ・デビュー・アルバム『SARAVAH!』というアルバムに2曲ほど達郎さんがコーラスで参加している。

・ELASTIC DUMMY
『SARAVAH!』はYMO前夜の作品なので坂本龍一さんがアレンジを全面担当している。幸宏さんのドラムに、細野晴臣さんのベースという素晴らしい演奏のアルバム。達郎さんと吉田美奈子さんでコーラスをやっているインストゥルメンタルの「ELASTIC DUMMY」。
曲をかけ終えて。
坂本龍一さんの作曲。「これなんと一発録りじゃなくて、全員別に録ってるというですね、クリックで全員別に演奏しているという驚くべきトラックであります(笑)。ギターのソロは松木恒秀さん。しかし、もうこの幸宏さんのスネアのですね、スナップの音。このシャープさ。素晴らしい」と達郎さん。

・BACK STREET MIDNIGHT QUEEN
もう一曲『SARAVAH!』から達郎さんのコーラスが入ってる「BACK STREET MIDNIGHT QUEEN」。こちらは幸宏さんのヴォーカルが入っている。2018年に幸宏さんが歌だけ録り直して再発したけれど、達郎さんは元の歌のほうが好きなのでオリジナルのアルバムから。ギター・ソロは和田アキラさん。

1978年だからYMOができた年。細野晴臣さんはずっと昔から幸宏さんを狙ってたということを達郎さんに語ってくれたことがあったとか。
この後1979年からYMOがメガになってゆくがその前夜。
矢野顕子さんのバックアップも細野さんと幸宏さんと坂本龍一さんで担当している。その時代、1979年にライヴ・アルバム『東京は夜の7時』が出ている。このライヴも達郎さんと吉田美奈子さんでコーラスをやっている。

・WALK ON THE WAY OF LIFE
『東京は夜の7時』から「WALK ON THE WAY OF LIFE」。アルバムの最後の曲で全員がソロ回しでメンバー紹介される。珍しく細野さんのベース・ソロと幸宏さんのドラム・ソロが入ってる。
曲をかけ終えて。
アルバムは1979年に出たけれどレコーディングは1978年で中野サンプラザか渋谷公会堂かどっちか。

・『BIRTHDAY』で棚からひとつかみ
来週は2月5日のオンエア。達郎さんは2月4日で70歳になるので、久しぶりに「『BIRTHDAY』で棚からひとつかみ」。90年代と2000年代、これまでに二回やっているという。ちょっと仕込んでみたら、ほとんど前二回とかぶらないでやれるのがわかったそうだ。「そんなもん、別に今更という感じ(笑)。気は心。70歳になりましたので『BIRTHDAY』で棚からひとつかみ。うさぎはその後に。そうするとたぶんちゃんと来るでしょう」と達郎さん。

・TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection
RCA時代のカタログ8作品をアナログ盤とカセットで再発することになった。76年から82年までの作品を『FOR YOU』から遡るかたちで順次発売。第一弾は5月3日。
5月3日に『FOR YOU』。
6月7日に『RIDE ON TIME』。
7月5日に『MOONGLOW』と『GO AHEAD!』。
8月2日に『SPACY』と『CIRCUS TOWN』。
9月6日に『IT'S A POPPIN' TIME』と『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』。
5ヶ月連続リリース。
詳しくは山下達郎RCA/Airイヤーズ・ヴァイナル・コレクションの特設サイトにて。
https://www.tatsurorcaairyears.com

・JUST IN THE RAIN
元ポニーテールで、女性シンガーのRAJIEさんの1978年のセカンド・アルバム『LOVE HEART』を幸宏さんがプロデュース。このレコーディングに達郎さんがコーラスで呼ばれて、幸宏さんの作詞作曲のシカゴ・ソウル風の「JUST IN THE RAIN」のコーラスを担当した。途中でRAJIEさんとデュエット状態になる。
曲をかけ終えて。
この曲のパーソナルは先ほどの矢野顕子さんと全く同じ。幸宏さんのドラムに、細野さんのベース、坂本くんのキーボード、そして松原正樹さんのギターというラインナップ。

細野さんと幸宏さんのベースとドラムはこういう仕事をしているとあんまり素晴らしいので、達郎さんも仕事をお願いしたことがあるそうだ。

・JUST ANOTHER NIGHT
アン・ルイスさんの1979年のアルバム『PINK PUSSYCAT』は達郎さんがプロデュース。「JUST ANOTHER NIGHT」はのちに大作曲家になるダイアン・ウォーレンの作品。ダイアン・ウォーレンはなかなか目が出なくて、もうやめて故郷に帰ろうかと思ってたが、そんなときにアラン・オデイが優秀な作曲家がいるので使ってくれないかと売り込みに来て、いい曲だったので達郎さんはアン・ルイスさんのためにレコーディングをしたそうだ。この曲がダイアン・ウォーレンの作品がレコーディングされた最初のものになる。これでダイアン・ウォーレンが勇気が出て、もう一度踏ん張ってみることにし、数年後に大作曲家になる逸話がある。
この曲のパーソナルは幸宏さんのドラムに、細野さんのベース、松原正樹さんのギター、キーボードは佐藤博さん。

大体1979年から1980年の初頭まで幸宏さんと一緒に仕事をしたけれど、その後にYMOがとにかくメガ・ヒットになって、達郎さんも「RIDE ON TIME」がヒットし全国ツアー、自分の活動が主になり、スタジオ仕事からだんだん離れてゆく。それ以降はほとんど一緒に仕事をすることはなかったそうだ。

「この70年代の中期から80年代初期にかけてですね、いろんな仕事で働かしていただきました。幸宏さんは本当に人間的に穏やかな人で、いい思い出ばっかりであります。同じ歳だったので、なんか本当にさみしい思いもしますが。そうして旅立っていった方々の分まで、残った者は一所懸命がんばっていかなければなんないと思う今日この頃でございます。心よりご冥福お祈りいたします」と達郎さん。

・あしたこそ、あなた
今日の最後は1981年に矢野顕子さんのシングルのみでリリースされた「あしたこそ、あなた」。「アソシエーションみたいなコーラスをやってくれ」というオファーで、「ですからそういうアソシエーションみたいなコーラスをやりまして、自分でもうまくいったと思いました。そこから発想してクリスマス・イブのコーラス・ワークを思い付いたという、そういうような時代の音であります」と達郎さん。
この曲はクリック、ドンカマと一緒に演奏しているが、クリックを聴きながらこれだけのグルーヴを出せる高橋幸宏さんというドラマー、細野さんのベースの技量が素晴らしい。幸宏さんのドラム、細野さんのベース、矢野顕子さんのピアノ、達郎さんのギター。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年02月05日は、誕生日記念「『BIRTHDAY』で棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp

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