サマー・ロックトークセッション

2008年08月27日 | 佐野元春 Radio Days

■サマー・ロックトークセッション
2008年8月26日(火) NHK-FM PM23:00 - 24:00
DJ: 渋谷陽一
GUEST: 佐野元春
http://www.nhk.or.jp/fm-blog/200/10726.html

Playlist
アンジェリーナ('99 mix version) / 佐野元春
君が気高い孤独なら / 佐野元春
黄金色の天使 / 佐野元春
約束の橋(アルバム・ヴァージョン) / 佐野元春
ジュジュ(Studio live mix) / 佐野元春
SOMEDAY / 佐野元春
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■内容の一部を抜粋
・近況
ツアーが終わって自由気ままに生きているそうだ。
音楽活動以外のこともやっていて新聞に読書コラムを書いたという。
(日経新聞水曜夕刊の連載コラム「読書日記」7月の5回は佐野元春が担当した)
立教大学に講義を持ったりもした。
そうしながら次の作品の構想を練る充電期間なのだそうだ。
自由に翼を広げて遊ぶ、いろんな人に会う、それが楽しいと佐野元春。

・アンジェリーナ('99 mix version)
渋谷陽一の選曲。
佐野元春のデビュー曲。今回は『The 20th Anniversary Edition』(2000年)から。

・最新アルバム『COYOTE』
昨年6月に発表したアルバム。
作っていたときから、言いたいことも、サウンドのデザインもフォーカスが合っていて、迷わずできたアルバムなのだという。できてからも広いジェネレーションから聴いてよかったという評価があり、達成感のアルバムだったと佐野元春。
佐野元春というと若いジェネレーションから年上のアーティストだっていうことで、それだけで敬遠されてしまうが、佐野元春が携わっているのはロックンロール音楽なので十代、二十代、三十代の若い世代に聴いてもらいたい。そうなると佐野元春が歌っているというよりかは、コヨーテと呼ばれる男が織りなすひとつの映画の音楽みたいなふうに設定して -映画は監督が60歳でも瑞々しい十代の映画を作ったりするので- そのアプローチで音楽を作ってみたのだという。作ってみて自分のソングライターとしてのスキルがひとつ前進したという実感があり、充実感があり、何よりも自分の実験を含めたアプローチが、これまでのファン、新しいファンに受け入れられたというのは喜びなのだと佐野元春は話す。

・キャッチーなメロディがこのモードでどんどん生まれてきたのはなぜ?
違いがあるとしたならホーボーキングバンドというベテラン・ミュージシャンじゃなくて、自分より10歳年下のドラム、ベース、ギターを集めて、仮のバンドを作ってレコーディングしたので、それがよかったんじゃないかと佐野元春。
彼らは佐野元春の音楽を聴いてきた世代なので、佐野元春のいいところも駄目なところも知ってる。スタジオ入って駄目なことをやると「それ佐野元春らしくない」と言われちゃうのだとか。

・君が気高い孤独なら
「夏の曲としてもいい」と佐野元春。
「君が気高い孤独なら」、Kmi(Ga)-Kedakai-Kodoku(Nara)と"K"で -頭韻(とういん)- 頭で韻を踏んでいるのだとか。

・Spoken Words - 共感伝達としての「言葉」と「音楽」
母校立教大学で約半年間学生たちに教えていた。
文学部の講座で実際学生に詩を書いてもらって、自分でその詩をリーディングしてもらうというクリエイティブ・ライティングを行ったという。
佐野元春自身は学生時代、大学には行ってなかったそうだ(笑)。
でもアカデミー・ワークは大学からずっと続けてほしいと言われてるのだとか。
時間が空いてればこれから先も続けたいと思ってるそうだ。

・そういった経験は自分に返ってくるものがあったか?
「詩」とは何か、「なぜ詩を書くのか」という本質的な問いを投げつけて生徒たちとディスカッションしたことは自分にも役に立ったと佐野元春。彼らの世代意識やどんな音楽に接しているのかもわかったという。

渋谷「授業の後、みんなで飲みに行くとか、そういうふうなことは?」
元春「僕はけじめをつけていたから、そういうのは一切なしです」
渋谷「ははは。やらなさそうだな~(笑)。『僕はこれで帰りますから。それでは、さよなら』って言いそうだな~(笑)」
元春「ははは」

・自分でレーベルを立ち上げてインディーズでやってゆくというのはユニークだが?
これまでのメジャーのレコード会社の役割はもう終わってるのかな、この先同じことをやっていても未来はないかもしれない、レコード会社の形態も'60年代、'70年代とずいぶん変わってきたので、自分で思ってるようなレコード・メーカーを自分でやったほうが楽しいと思ったのが最初だったと佐野元春。

・音楽活動だけじゃなくてビジネスのことも考えてやってゆくのは苦手なんじゃないですか?
自分の作った作品には権利が派生する。それを自分でちゃんと面倒みてゆくのは健全だと思うし、権利を管理してビジネスをはじめるのは当たり前の世界だと思うと佐野元春。こういった考えはインターネットがリリースされてから大きく世界が変わったのだと。

・いつもアーティストとしての在り方の規範となってますね
自分をいつもカウンターの位置に置くことでやる気が出てくるのだと佐野元春は話す。
カウンターにいるとエネルギッシュでいられるし、批評していられるのでロックンロールな感じなんだそうだ。

・黄金色の天使
きれいなメロディでポップ・ミュージックとしてのクオリティーを誇っているナンバーだと渋谷陽一。

・ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
1989年の6月にリリース。今年の6月に限定編集版が初回限定で発売された。

・約束の橋
佐野元春の代表曲だが、一時期ライヴで風変わりなアレンジにして披露していた。
『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』のリード・シングルの「約束の橋」はチャート20位のスマッシュ・ヒット。3年後にドラマの主題歌となりチャート4位のヒットとなった。
その3年の間、ヒットしなかったのでハーフ・テンポにして"Woodstock Version"としてやっていた。ファンのことを全然考えてなかったと佐野元春。そうしたらレコード会社から「お願いですからオリジナル・ヴァージョンに戻して下さい。今、ヒットしかけてますから」と言われたそうだ。
「かっこよく言うとクリエイティブでいたいんだ(笑)」と佐野元春。

・DVD
今回の限定編集版には1989年に行われた横浜スタジアムでのライヴ映像が入ってる。
映像を見ると笑ったのは最後だけで、ずっと怒っている。一ヶ月前に天安門事件があったり、新興宗教の台頭があったりして、いろいろな雰囲気を感じていたそうだ。

・ジュジュ(Studio live mix)
今回の限定編集版のDisc 2[RARE TRACKS]から。
このスタジオ・ライヴは1991年春、WOWOW開局記念の番組『Goodbye Cruel World』からで、ハートランドによるアンプラグド・ライヴのパフォーマンス。

・デビュー30周年
アルバム一作にかけるエネルギーは尋常じゃないと佐野元春は話す。
「伸るか反るかみたいな感じ(笑)。おかげでスリリングな人生です」と佐野元春。
再来年、デビュー30周年を迎える。サザンの桑田佳祐とは同級で、今年サザンはデビュー30周年目。アニバーサリー・イヤーはみんなから祝福されるかと思いきや、新しいアルバムを出したり、ベスト盤を出したり、ライヴをやったりして、広く動かなきゃいけないから忙しくて大変なのだと話す。

・今後の予定
デビュー30周年に至るまでライヴ・ツアーを2~3回行いたいそうだ。
アニバーサリー・イヤーはそれなりの規模のコンサートを展開したいし、新しいレコード、自分の過去の作品をまとめたベスト盤のようなもの、書籍とか、イベントと、ファンにこれまでの支援に感謝して楽しみを還元する年にしたいのだという。

・次の作品は?
元春「愛について歌いたいという感じかな。僕の年齢で考えるところもいろいろとあるんで、ポップ・ミュージック、ボップ・ソングの永遠の命題ともいえるでしょ。あえてメロディ、そしてテーマは愛、そうしたところに挑んでもいいのかなって気持ち入ってきてますね。なぜか、なぜか、なぜか。うまくまとまるといいんですけれどね」
渋谷「"時代と呼吸する佐野元春"っていうのを今ちょっと感じましたけれどね」
元春「振り返ってみると、自分が出してきたアルバムはそのときの自分が編集した新聞のようなもの。ちょっとジャーナル専門然としたね。僕もソングライターとして、時代に生きながら言葉を書いて、メロディを紡いでいる。特に僕はその傾向が強いと思っている。なので次に出てくる僕の作品、自分自身でも楽しみですね」

・SOMEDAY
渋谷「佐野元春の代表曲と同時に、日本のポップ・ミュージックのひとつのスタンダード。こういう曲を持ってるというのも幸せだよね」
元春「ファンが価値を発見してくれたんですね」

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