Sunday Song Book #1549

2022年06月19日 | Sunday Song Book

2022年06月19日プレイリスト「ニューアルバム『SOFTLY』特集 PART 2」
1. SHINING FROM THE INSIDE / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
2. LEHUA, MY LOVE / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
3. OPPRESSION BLUES (弾圧のブルース) / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
4. コンポジション / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
5. YOU / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
6. ANGEL OF THE LIGHT / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
7. 光と君へのレクイエム / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
8. REBORN / 山下達郎 "ソフトリー" 6月22日発売 ニューアルバム
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているそうだ。ライヴがはじまるときに取材をやりながら番組の収録をしている(梅雨入り前の収録と推察される)。

・ニューアルバム『SOFTLY』特集 PART 2
番組ではいつも発売日前にニュー・アルバムの紹介をしている。今週は「ニューアルバム『SOFTLY』特集 PART 2」。先週は前半7曲、今週は後半8曲。全15曲収録。

・ニュー・アルバム『SOFTLY』
ニュー・アルバム『SOFTLY』が6月22日、今週水曜日に発売。11年ぶりのオリジナル・アルバムで通算14枚目のオリジナル・アルバム。初回盤のCDは二枚組、通常盤のCD、アナログ・レコード(15曲入りなので二枚組)、カセットテープという4形態で発売する。初回盤のみボーナス・ディスクが付いていて、2021年12月3日にTOKYO FMホールで行われた番組1500回記念のアコースティック・ライヴの音源を7曲収録。
詳しくはアルバム特設サイトにて。
https://tatsurosoftly.com

・全国ホール・ツアー「PERFORMANCE 2022」
3年ぶりの全国ホール・ツアー「PERFORMANCE 2022」は6月から11月までの24都市47公演。先週、6月18日(金)は広島県の福山、今週はアルバム発売日前の21日(火)に岡山県の倉敷市民会館、25日(土)に愛媛の県民文化会館。
詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp

・SHINING FROM THE INSIDE
8曲目は「SHINING FROM THE INSIDE」。前半は割とアップテンポが続いて、ほとんどバラードがないけれど、後半は割とバラードが多めになってくる。偶然でそうなっただけで、別に意図したものではないそうだ。後半は割とメロウでソフトリー。2021年にTBCのCMのために書き下ろしたアカペラで、英語の詞。アラン・オデイが亡くなって以来、英語詞の歌はしばらく作ってなかった。nana hatoriという若い女性のシンガー・ソングライターの作詞。アメリカ生まれでアメリカでの生活が長く英語が堪能なのでお願いしたという。ここでアルバムは折り返し。

・LEHUA, MY LOVE
折り返しの後の9曲目は2019年にJALのハワイ・キャンペーンのために書き下ろした「LEHUA, MY LOVE」。ハワイ島には「オ匕ア・レフア」という伝説がある。ハワイの火の女神がオヒアという若者に惚れて求愛するが、オヒアにはレフアという恋人がいて求愛に応じなかった。火の女神が怒ってオヒアを木にしてしまう。恋人のレフアは悲しんで泣き暮らし、その姿を見て火の女神が反省して、二人がずっと一緒にいられるようにレフアをオヒアの木に咲く花にしてあげた。オ匕ア・レフアの木には真っ赤な花が咲く。そのことを題材にして書いた曲だが、内容はそれとは関係なく、純粋なレフアへのラヴ・ソングだとか。作品的にはいわゆるフィリー・サウンドのような感じ。でもアーバンじゃなくてネイティヴなハワイ向きにして作ったそうだ。

・OPPRESSION BLUES (弾圧のブルース)
次の曲はこの間、YouTubeで発信していて、番組でも何回かオンエアした「OPPRESSION BLUES (弾圧のブルース)」。今はウクライナの紛争に呼応して語られるが、曲を書いたのは昨年だという。直接の動機はアフガンにおけるタリヴァンの女性に教育はいらないという、そういうようなものとか、IS(Islamic State)[イスラム国]が少女を連れ去る問題とか、あとはミャンマーの問題とか、香港の問題とか、一連のそうした報道がニュースで伝えられる度に「いつまで続くのかな」とやるせない感じになり、それで書いた曲。あまり声高に物事を言うよりも、少し静かな、抑制したトーンの方が伝わるものがあるんじゃないかと思ったそうだ。この曲も上原裕さんが参加している。「人力飛行機」のあがりがすごく気に入ったので、「もう一曲頼む」と改めて依頼し、後日にレコーディングしたとか。
「ユカリに頼むんでしたらこんな曲がいいんじゃないかと、ビル・ウィザース、そういう感じを目指しましたけれど。それに合う詞を考えましたら、そういうことをふと思いまして、OPPRESSION BLUESというタイトルで曲を書きました。音楽家は音楽で表現するというような考えで、ずっと40数年やってきましたので、それのまぁ今回も反映であります。で、スモール・コンボでありまして、この曲に関しては自分で全部ギターを弾いております。リード・ギターも自分でやっております、恥ずかしながら」と達郎さん。
曲をかけ終えて。「OPPRESSION BLUES」はリリック・ビデオというかたちでYouTubeでも発信している。今後も各国語でアップしていく予定。
この曲と「人力飛行機」に関してはクリック、リズム数を入れずに4人の自由なビート感で演奏して、昔の感じがよく出ている。上原裕さんのドラムのところからクリックを検出して、後からパーカッションを入れたそうだ。それでも全く揺れがない素晴らしいプレイ。

・コンポジション
2013年のシングルのカップリングで、NHKのドラマ『第二楽章』の主題歌として書いた「コンポジション」。途中にチャイコフスキーのヴァイオリンのコンチェルトのフレーズが出てくる。本当はフル・オーケストラでやったら、もっとすごくいいと思ったが、残念ながらキー設定が違う。こういう情緒は生楽器では出なく、マシーンでなければこの情緒は出ないという。

・ライヴ会場限定の特典の直筆のサイン色紙
6月21日(火)の倉敷市民会館、25日(土)の愛媛県県民文化会館の会場で、ニュー・アルバム『SOFTLY』を予約、もしくは購入すれば、ライヴ会場限定の特典の直筆のサイン色紙をその場でもれなくもらえる。チケットがなくても予約、購入は可能とのこと。詳しくはアルバム特設サイトにて。
https://tatsurosoftly.com

・YOU
12曲目は「YOU」。ネットサーフィンして見つけたポエム、「あなたの瞳 あなたの耳 あなたの鼻 あなたの...」と続いて、最後に「YOU」で閉める詩だった。そういう言葉を羅列していく歌詞を、昔から作ってみたいなと思って、「RECIPE」のシングルでアイテムを並べたが、それをもっと極端なかたちでやってみようという意図で作ったそうだ。昔の有名なミュージカル『ヘアー』の「I Got Life」という曲が正にそういう曲だったが、レナード・バーンスタインがその曲に対してあまりいいことを言ってない。「素材さえあれば小学生にもできる」ということをレナード・バンスタインが発言していたことに、ちょっと違和感があって、じゃあ、そういう曲を書いてみようかと思って8ビートで作った。
曲をかけ終えて。
最近のトラックはフェイドアウトがほとんどなくなってしまったが、フェイドアウトじゃなきゃ出せない情緒がある。「OPPRESSION BLUES」もそう。フェイドアウトに未だにこだわると達郎さん。新曲だったけれど、朝日生命の「あんしん介護」のCMが決まって、昨日6月18日からオンエアがはじまっている。「新曲でもなんでもタイアップ付ける! これもまたレコード会社と事務所がいろいろと画策しているところであります。えぇ」と達郎さん。

・ANGEL OF THE LIGHT
2008年にシングル「ずっと一緒さ」のカップリングで出した「ANGEL OF THE LIGHT」。ミックスが気に入らなくて前作のアルバム『RAY OF HOPE』でボツった。これを最近のデジタル環境でやり直したら、すごく気に入ったので無理矢理入れたとか。アラン・オデイに作詞してもらった最後の作品。アラン・オデイの遺作で、哲学的な難しい歌詞で歌うのがとても大変だったそうだ。

・光と君へのレクイエム
2013年のシングルで映画『陽だまりの彼女』の主題歌「光と君へのレクイエム」。原作の越谷オサムさんの『陽だまりの彼女』はビーチボーイズの『Pet Sounds』、とりわけ「Wouldn't It Be Nice」が重要な役割を果たしていて、「Wouldn't It Be Nice」を歌詞の中に入れられないかという要望だった。「Wouldn't It Be Nice」だから、ちょっとサーフィン・ホットロッド風に仕立ててみようかと思って作った曲だという。

・アルバム・カバー
アルバムのジャケットを描いたのはヤマザキマリさん。もともとヤマザキさんはイタリアのフィレンツェの美術学校で15世紀のルネサンス期の肖像画の技法を7年間勉強されたという人。達郎さんは若い頃から自分の肖像画を誰かに描いてほしいという淡い願望があり、古い付き合いのヤマザキさんにお願いしたとか。画家として20年ぶりに油絵を描いたという。肖像画は写真から起こして、最終的な仕上がりのディテールが冷たかったため、達郎さんは二時間ほどモデルになったという。近いうちに実物の肖像画を展示する機会があるそうだ。

アルバムという形式がいつまで続くのかという疑問があって、あとこれから何枚アルバムが作れるのかという前に、アルバムというものがなくなるんじゃないかという感じがしているそうだ。曲目解説についてはコンサート・パンフレットに詳しく説明しているので、是非それを見てほしいとのこと。ヤマザキマリさんとの対談でジャケットのことも語っている。コンサートに来られなくてもパンフレットは購入できる。

・REBORN
いちばん最後に入ってる曲は「REBORN」。アルバムを作るときからこの曲を最後の曲にすると決めていたという。年相応に人間の死生観というようなものが「うたのきしゃ」とかにも出ている。そういう意味では山下達郎の年相応の作品になった。2017年の映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の主題歌。リミックスでさらに奥行きが増した。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2022年06月26日は、レギュラー・プログラム「棚からひとつかみ」(予定)
http://www.tatsuro.co.jp

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