Sunday Song Book #1048

2012年11月11日 | Sunday Song Book

2012年11月11日プレイリスト
「佐藤博 追悼プログラム Part 2」
1. SAY GOODBYE / 佐藤博 "アウェイクニング" '82
2. POM POM 蒸気 / 細野晴臣 "泰安洋行" '76
3. 福生ストラット / 大瀧詠一 "ナイアガラ・ムーン" '75
4. BAD JUNKY BLUES / 佐藤博 "タイム" '77
5. クロール / 佐藤博 "オール・オブ・ミー" '95
6. LADY BLUE / 山下達郎 "ポケット・ミュージック" '86
7. FUTARI / 山下達郎 "フォー・ユー" '82
8. AMAZING II / 佐藤博 "アメイジング II" '06
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■内容の一部を抜粋
・近況
「今日は11月11日。1111。1が4つ並んでおります。めでたい日曜日でございます。すっかり秋めいてまいりました(笑) 」と達郎さん。
竹内まりやさんの新曲のプリプロが今週からはじまるそうだ。デモテープが上がってきていよいよレコーディングがはじまる。

・佐藤博 追悼プログラム Part 2
先週に引き続いて 「佐藤博 追悼プログラム」。今週はそのパート2。前半は佐藤博さんのソロ作品から達郎さんの好きな曲、それから佐藤博さんが参加したいろいろなレコーディング・セッションの中から選んで。そして達郎さんの作品の中で佐藤博さんが参加した曲を紹介。

・SAY GOODBYE
佐藤博さんの作品で達郎さんがギターを弾いてる曲。佐藤博さんはひとり多重録音、ひとり多重プレーでアルバムを作るマルチ・プレーヤー。いつも最先端の新しいものに飛びつく好奇心旺盛の人だった。1982年の4枚目のソロ・アルバム『アウェイクニング』ではリン・ドラムを導入して全編リン・ドラムスで仕上げた作品。このアルバムの中で2曲、達郎さんはギタリストとして参加。その中の1曲で「SAY GOODBYE」。

・POM POM 蒸気
細野晴臣さんの1976年のアルバム『泰安洋行』に入ってる「POM POM 蒸気」。
佐藤さんはブルース・ベーシックでブギやラグタイムに長けたピアノ・プレーヤーだった。特にニューオリンズのものは白眉。そうしたものの代表作が「POM POM 蒸気」で間奏のソロが素晴らしい。

・福生ストラット
細野晴臣さんと大滝詠一さんでニューオリンズものを競っていた時代があった。大滝さんは1975年のアルバム『ナイアガラ・ムーン』でニューオリンズものを取り上げている。細野さんの「POM POM 蒸気」がフランキー・フォードふうであったが、「福生ストラット」はもろミーターズ。ミーターズはニューオリンズのファンク・グループ。のちにウルフルズが「大阪ストラット」としてカヴァーした曲。細野さんの「POM POM 蒸気」と「福生ストラット」はリズム・セクションが同じ。林立夫さん、細野晴臣さん、鈴木茂さん、佐藤博さんのフォー・リズム。歌い手だけが違う。

・BAD JUNKY BLUES
佐藤博さんはこれまでミニ・アルバム、レギュラー・アルバムを合わせて17枚の作品を残している。その中から佐藤博さんが上田正樹さんと音楽活動をはじめた頃の1972年頃に作られた曲で「BAD JUNKY BLUES」。初期の代表作のひとつ。「髪は短くネクタイしめた / やつらの言うことは / あてに出来ない / いつの間にか / だまされてしまう」、1977年のセカンド・アルバム『タイム』に収められている。ドラムス井上茂さん、ベース田中章弘さん、エレクトリック・ギター塩次伸二さん、ハープ妹尾隆一郎さん、コンガ斉藤ノブさんという大阪勢のリズム・セクションに、東京勢でひとりペダル・スチール・ギターで駒沢裕季さんが参加している。

・クロール
佐藤博さんは歌が特に好きでもともと作曲家を目指していてピアノをはじめた人だったとか。ソロ・アルバムでもインストよりも歌もののほうが圧倒的に思い入れが強い面があった。たくさんある作品の中から達郎さんの好きな曲で、1995年のアルバム『オール・オブ・ミー』から「クロール」。
「悲しい恋の歌でございますが。佐藤くんらしいAORのアレンジが施された一曲でございます」と達郎さん。
曲をかけ終えて。
「作詞が松本一起さんなので誰かに書いた曲ですかね。セルフ・カヴァーですかね。松本一起さん、ガラス越しに消えた夏。コーラスが完全にひとりで多重のコンピューター・ミュージックでありますが。コーラスは私のライヴでお馴染み佐々木久美さん、今は亡きキャンディ、それからキャンディのお兄ちゃんの高尾直樹さんであります。ギターだけ鈴木茂さんというパーソナルであります」と達郎さん。

・LADY BLUE
'80年代の半ばになると佐藤博さんは達郎さんのレコーディング・セッションのテープを持って帰って家で練習して考えて後日またやらしてくれないかというパターンになってくる。その典型が1986年のアルバム『ポケット・ミュージック』に入ってる「LADY BLUE」。間奏のアコースティック・ピアノをシンセで作ったハーモニカの音でブレス・コントロール(シンセを息でコントロール)を使いたいと佐藤さんは申し出たとか。長い付き合いなので達郎さんも快く受け入れたそうだ。

・FUTARI
今回、リスナーからのリクエストは1982年のアルバム『フォー・ユー』に入ってる「FUTARI」に集中した。
吉田美奈子さんの曲が今回時間オーバーで書けられなかったのが残念だと達郎さん。

山下達郎 : 先週も申し上げましたがいろいろな思い出話もたくさんありますけれども、こうして音を電波に乗せてですね、空に放って、音を聴きながら思い出を語るというのが、これがやっぱりミュージシャンなのでいちばん喜んでいただけるかと思って、追悼特集二週間に渡ってお送りしました。とにかくもう無類の新しもの好きで好奇心の塊、そういう意味では永遠の青年というような人でありました。佐藤くんに限らずあの時代の'70年代くらいのスタジオ・ミュージックというのはですね、譜面の先を行くといいましょうか、譜面に書かれてないことをみんなで考えてお互いに、それがコラボレーションとなって化学反応を起こして、4人分、5人分の演奏が10人分、20人分に広がる、そういうような時代でありました。とてもいい時代を生きられましてですね、本当に心よりご冥福をお祈り致します。

・AMAZING II
2006年のアルバム『アメイジング II』はセルフ・カヴァー集。本人は「セルフカヴァーじゃないんだ。音楽をタイムマシーンみたいにそこで固定しないで、どんどん自分の中で新しく再構築していくアップデイト・ミュージックだ」と言っていたという。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
11月18日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp

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