2019年05月12日プレイリスト
「最近亡くなったミュージシャンをしのんで、棚からひとつかみ」
1. パレード / 山下達郎 '76
2. THE MAGIC GARDEN / THE 5TH DIMENSION "THE MAGIC GARDEN" '68
3. HAVA NAGIRA / DICK DALE & HIS DEL-TONES "KING OF THE SURF GUITAR" '63
4. LOOKING UP TO YOU / MICHAEL WYCOFF '82
5. I'LL RUN TO YOUR SIDE / SIDNEY JOE QUALLS "SO SEXY" '79
6. JOANNA / SCOTT WALKER '68
7. ROCK AND ROLL IS HERE TO STAY / DANNY & THE JUNIORS '58
8. DRIFT AWAY / DOBIE GRAY '73
9. 片想い / 山下達郎 "アルチザン" '91
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■内容の一部を抜粋
・最近亡くなったミュージシャンをしのんで、棚からひとつかみ
達郎さんは昔から音楽が好きで'60年代からリアル・タイムでロックンロールを聴き続けてきた。自分が歳を重ねると共に、愛聴していたミュージシャンが次々と鬼籍に入っていくので、しみじみとした気分になるのだとか。特に今年入ってから相次いでいろいろな方の訃報が飛び込んできて、それぞれが一週間もしくは二週間の特集が組める方々なんだけれども、そういうプログラムを綿密に構築する時間的な余裕がなくて、今週は今年に入って亡くなられた方を中心に「最近亡くなったミュージシャンをしのんで、棚からひとつかみ」という企画。音楽は明るい曲ばかりなので明るく偲べるかなという感じなんだそうだ。
・パレード
「パレード」は達郎さんがシュガー・ベイブ時代に作った曲で当時はライヴでもやっていた。アルバム『SONGS』には収録できなかった。現在『SONGS』のCDに入ってるのはボーナス・トラックでシュガーベイブのデモ音源の「パレード」。達郎さんがソロになる前の1976年に大瀧詠一さんと伊藤銀次さんと達郎さんの3人で作った『NIAGARA TRIANGLE』というアルバムにソロ名義で収録しているのが公式のテイク。それがその後、『ポンキッキーズ』などに使われて認知されている。上原裕さんのドラム、寺尾次郎さんのベース、坂本龍一さんのピアノ、達郎さんのギターという4リズムでレコーディングしたものに、ブラスとコーラスを足したもの。
・THE MAGIC GARDEN
最近亡くなったミュージシャンの偉業を偲んで。まずはハル・ブレイン。3月11日に亡くなった。享年90歳なので大往生。達郎さんが最も敬愛するドラマー。達郎さんもドラムをやっていたのでドラマーを初めて意識した人のひとり。今はレッキング・クルーなんて誰でも口にするが、昔は達郎さんがハル・ブレインと言ったとき、「誰それ?」と散々言われた。今は普通にハル・ブレインという名前がメディアに上がっていい時代になったと達郎さん。本当は特集してもいいのだけれど、'90年代に一度特集しているので、今特集しようとしたらもう少しそのときより突っ込んだ内容にしなければならない。そうすると時間と手間がかかるので、ちょっと今はできないそうだ。一段落して心の余裕ができたらハル・ブレインの特集を組んでみたいとか。今日はフィフス・ディメンション。1967年のアルバム『THE MAGIC GARDEN』からジミー・ウェブの名曲「THE MAGIC GARDEN」。「このあいだ特集したジョー・オズボーンと天国で演奏していることでしょう」と達郎さん。
・HAVA NAGIRA
サーフィン・ミュージックの草分け、ディック・デイルが3月16日に亡くなった。享年81歳。今は誰でも「MISIRLOU(ミザルー)」を知ってる時代だけどチャートには入ってない。ヒットしてない。そのときのヒットというものが歴史に残るか残らないかは別問題。例えばディック・デイルの作品は好きな人が口にして継がれてゆくもの。もうどこに行っても「MISIRLOU」なので、達郎さんがいちばん好きなのは「KING OF THE SURF GUITAR」という歌入りの曲なんだけれど、今日はちょっと趣向を変えて「MISIRLOU」に勝るとも劣らないグルーヴの演奏、1963年のレコーディングで「HAVA NAGIRA」。いわゆるトラディショナル・ソングでインスト・グループがたくさんカヴァーしているが、ディック・デイルのヴァージョンが秀逸。スパニッシュ・メロディのナンバー。ディック・デイルはもともとプロのサーファーだったがサーフ・ボードをギターに持ち替えてサーフ・ミュージックをはじめた。
・LOOKING UP TO YOU
次はR&B系でマイケル・ワイコフ。3月13日に亡くなった。67歳だった。達郎さんよりちょっと上だが同世代。キーボード・プレーヤーでシンガー。スティービー・ワンダーのレコーディングに参加したあたりから名前が知られるようになった。いちばん有名なのはRCAでのセカンド・アルバム『LOVE CONQUERS AL』に収められ1982年にシングル・カットされてソウル・チャート47位の「LOOKING UP TO YOU」。リオン・ウェアの作品。マイケル・ワイコフは洒落た音楽をやってた人で、'80年代以降はドラッグとアルコール中毒に悩まされて、最後はゴスペルに救いを求めた。ちなみに息子はDJ マイケル・ワイコフ。DJで活躍している。
・I'LL RUN TO YOUR SIDE
シドニー・ジョー・クオールズはR&Bのシンガー。享年65歳。南部からシカゴに移り、1974年にベイカー・レーベルでシングル・ヒットを出した。この人はアル・グリーンに傾倒している人で、アル・グリーンに似た歌い方をしていて、逆に評価は低かったのだが、1979年のアルバム『SO SEXY』がいい出来で達郎さんもよく聴いていた。その中から「I'LL RUN TO YOUR SIDE」。当時は達郎さんと同い年だと知らなかったそうだ。
・スマホ
北九州市の56歳の超常連のリスナーからスマホ・デビューのお便りを読んで。
「私はちなみに今でも電話とメールはガラケーです。セキュリティーの問題がありますので。iPhone、スマホ関係はネット見るだけにしております。そういう人間もおりますので(笑)。いいんです、そんなもん。人が作ったものなんですからね。わかりますからそのうち。そんなものがですね、少しくらい遅かったり、わからなかったりしてもですね、別になんでもないんです。そんなものは。ええ」と達郎さん。
・JOANNA
スコット・ウォーカーは3月26日に亡くなった。76歳。ウォーカー・ブラザーズからソロ、その後のひじょうにアヴァンギャルドな作品と沢田研二さんに似た感じがある。「大スターからそれを拒否した、そうした、語弊あるかな(笑)。でも、ちょっとテイストがですね、スピリットとかそういうものが似てるような感じがしますが」と達郎さん。スコット・ウォーカーも特集したいそうだが、全く余裕がないという。今日はすごくベタなやつで1968年の「JOANNA」。全英チャート7位。心の余裕ができたら近日中にスコット・ウォーカーの特集をするつもりと達郎さん。
・アンコール上映
昨年公開されたまりやさんのライヴ・ドキュメンタリー映画『souvenir the movie ~Mariya Takeuchi Theater Live~』のアンコール上映が決定した。今回はそれに加えて2012年に公開された『山下達郎シアター・ライヴ PERFORMANCE 1984 - 2012』が同時にアンコール上映される。共に今週5月17日(金)から二週間限定。ただし二本立てではなくそれぞれ別々の上映となる。上映時間は各劇場によって異なる。今回は前売り券の販売はない。詳しくは竹内まりや40周年特設サイトにて。
https://www.mariya40th.com
あるいはワーナーミュージックの山下達郎特設サイトにて。
https://wmg.jp/tatsuro/
・関ジャム完全燃SHOW
本日よるテレビ朝日系列にて音楽バラエティー番組『関ジャム完全燃SHOW』で竹内まりや特集がオンエアされる。詳しくは竹内まりや40周年特設サイトにて。
https://www.mariya40th.com
https://www.tv-asahi.co.jp/kanjam/
・竹内まりや40周年記念アルバム
竹内まりや40周年記念アルバムの発売が決定した。アルバムタイトルは『Turntable』。モア・ベスト&レアリティーズ&カバーズというコンセプトごとに分けられた3枚組。8月21日に発売。DISC1は『EXPRESSIONS』に収録されなかった楽曲。DISC2はアルバム未収録の楽曲やレア音源を収録。岡田有希子さんに提供した「ファースト・デイト」ほかセルフ・カヴァー、初出音源満載。DISC3はサンソンでおなじみ、いわゆる「課外活動」と言われた、納涼夫婦放談や年忘れ夫婦放談で披露した竹内まりやの課外活動が初CD化。ディズニー映画『ダンボ』日本版エンドソング「BABY MINE」の英語ヴァージョンを収録。詳しくは竹内まりや40周年特設サイトにて。
https://www.mariya40th.com
・PERFORMANCE 2019
今年の全国ホール・ツアーが決定した。6月から10月まで5ヶ月間、26都市50公演。5月11日から7月公演分のファミリーマート先行受付がはじまっている。エントリーは5月19日18時まで。詳しくは山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp
・ROCK AND ROLL IS HERE TO STAY
デヴィット・ホワイトは作曲家。享年79歳。もともとはドゥー・ワップ・グループのダニー&ザ・ジュニアーズでスタート。その時代のヒット曲は今やロックンロールのアンセムとなっている。1958年、全米19位の「ROCK AND ROLL IS HERE TO STAY」。フィラデルフィア・ドゥー・ワップ。
・DRIFT AWAY
ギタリストのレジー・ヤング。南部のメンフィス、ナシュビルで長いあいだ活躍した。享年82歳。1973年のドビー・グレイのミリオンセラー「DRIFT AWAY」はレジー・ヤングの代表作。
・片想い
5月になるとこの曲。1991年のアルバム『ARTISAN』から「片想い」。
・近況
ツアーのリハーサル真っ最中だとか。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2019年05月19日は、「リクエスト+棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp