BOB DYLAN and his Band IN SHOW & CONCERT!

2014年05月01日 | Live

ボブ・ディランは1941年5月24日、アメリカ・ミネソタ生まれ。現在72歳。
1961年にレコーディング・アーティストとしてコロムビアと契約。
最近では2005年の映画『No Direction Home』の影響なのか、
2006年のアルバム『Modern Times』、2009年のアルバム『Together Through Life』が
連続して欧米のアルバム・チャートでNO.1を獲得している。
2012年、デビュー50周年の年には通算35枚目となる
スタジオ録音盤の『Tempest』が発売になり全米、全英ともチャートの3位を記録している。

僕が聴きに行ったのはZEPP NAMBA OSAKAで行われた日本公演の千秋楽。
4年ぶりのディランだったが前評判通りの本当に素晴らしいライヴだった。
今回のツアーは最新作『Tempest』、そして『Modern Times』、
『Together Through Life』からの曲を中心にして組まれたセットリストで、
2000年代に何回目かの絶頂期を迎えたディランを体現するかのようなパフォーマンスだった。

ステージには額縁に入った鏡が置いてあり、
頭上には照明が6つペンダントライトのようにぶら下がっている。
3回チャイムが鳴ってライヴはスタートした。
ディランは白いスペイン帽をかぶって、この夜は黒の4つボタンのカントリースーツ。
袖と裾にウェスタン調の柄。ブーツはウェスタン・ブーツなのか白色に見えた。
最近はスタンド・マイクを前にして歌う。左手を腰に当てて、ちょっと気取った感じ。
バンドはグレーのスーツ姿。
ディランがピアノを弾きながら歌う曲もあり、
このときはバンドがディランを見ながら演奏していた。
ディランが自由に弾くので、それに合わせて演奏してるようだ。

ディランを前にして最初はちょっと緊張していたが
何曲か聴いてようやくリラックスした。
「What Good Am I?」が心に沁みた。

「Duquesne Whistle」が前半のベスト・トラック。
ダミ声とむせぶような声、ハーモニカ、自由なピアノ演奏がそれを象徴してると思った。
一方でギターは一曲も弾かなかった。
関節炎を患ってるから痛くて弾けないのだと聞いた。

ディランは演奏中にときどき歯を見せ、それがニカっと笑ってるように見えたが、
ディランが笑うかなと半信半疑に思ってたところ、
一部の終わりに(今回は二部構成で途中20分ほどの休憩が入る)、
「Love Sick」が終わった後に「トモダチ アリガトウ」と片言の日本語を話した。
驚いた。喋る姿を見たのははじめてだ。そして「友だち」というのがうれしかった。

後半も『Tempest』からの「Early Roman Kings」、「Spirit on the Water」が素晴らしかった。
「Spirit on the Water」の間奏でディランのピアノは
ドレミファソラシドと音階のリフを繰り返したが、それが何とも楽しい。
ワンフレーズ毎にオーディエンスが反応した「Long and Wasted Years」。
日本公演を観た誰もが思うとおり、
今回のセットリストの中で最も印象に残る楽曲のひとつだ。
ディランの声に心が震えた。


■BOB DYLAN and his Band IN SHOW & CONCERT!
2014年4月23日(水) Zepp Numba Osaka
1階スタンディング整理番号207番

Band Members
Bob Dylan - guitar, keyboard, harp
Tony Garnier - bass
George Recile - drums
Stu Kimball - rhythm guitar
Charlie Sexton - lead guitar
Donnie Herron - trumpet, electric mandolin, pedal steel, lap steel

1.Things Have Changed (『Wonder Boys(OST)』2001/『DYLAN(2007)』他)
2.She Belongs to Me (『Bringing It All Back Home』1965)
3.Beyond Here Lies Nothin' (『Together Through Life』2009)
4.What Good Am I? (『Oh Mercy』1989)
5.Huck's Tune (『Lucky You(OST)』2007/『Tell Tale Signs : The Bootleg Series Vol.8』2008)
6.Duquesne Whistle (『Tempest』2012)
7.Pay in Blood (『Tempest』2012)
8.Tangled Up in Blue (『Blood on the Tracks』1975)
9.Love Sick (『Time Out of Mind』1997)

休憩

10.High Water (For Charley Patton) (『Love and Theft』2001)
11.Simple Twist of Fate(『Blood on the Tracks』1975)
12.Early Roman Kings (『Tempest』2012)
13.Forgetful Heart(『Together Through Life』2009)
14.Spirit on the Water(『Modern Times』2006)
15.Scarlet Town (『Tempest』2012)
16.Soon after Midnight (『Tempest』2012)
17.Long and Wasted Years (『Tempest』2012)

Encore:

18.All Along the Watchtower(『John Wesley Harding』1967)
19.Blowin in the wind(『The Freewheelin' Bob Dylan』1963)

●Duquesne Whistle

コメント (2)
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