Motoharu Radio Show #158

2013年07月25日 | Motoharu Radio Show

2013/07/23 OnAir - Extra Week - 特集:60年代のガールポップ
01.Martha Reeves & The Vandellas:Dancing In the Street
02.The Supremes:My World Is Empty Without You
03.The Ronettes:Baby, I Love You
04.The Poni-Tails:Before We Say Goodnight
05.The Paris Sisters:I Love How You Love Me
06.The Ikettes:I'm Blue
07.The Shirelles:Baby It's You
08.The Cookies:Chains
09.The Crystals:Then He Kissed Me
10.The Chiffons:One Fine Day
11.Lesley Gore:It's My Party
12.The Exciters:Tell Him
13.The Dixie Cups:Iko Iko
14.チャーティーボーイズ:Be My Boy
15.The Ronettes:Do I Love You?
16.Martha Reeves & The Vandellas:Nowhere to Run
17.The Supremes:You Can't Hurry Love
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■内容の一部を抜粋
・'60年代のガールポップ
'60年代のガールポップの特集。

・Dancing In the Street
モータウンのグルーブ、マーサ & ザ・ヴァンデラスの「Dancing In the Street」。

佐野元春 : 最近のポピュラー音楽のメインストリームを見てみると世界的に女性アイドル・グループの活躍が目立ってます。そこで今夜のMotoharu Radio Showは歴史を振り返って'60年代のガール・グループを特集したいと思います。'60年代のガール・グループの中で特に僕が好きなグループは今聴いたマーサ & ザ・ヴァンデラス。ガール・グループ特集、まずは僕の気に入りのグループから聴いています。続いてザ・シュープリームス、そしてロネッツのレコードに続きます。

・My World Is Empty Without You
・Baby, I Love You

佐野元春 : ザ・シュープリームス。ダイアナ・ロスがメイン・シンガーのガール・トリオです。'60年代に合計12曲、全米NO.1ヒットを出しました。正に国民的なスターといっていいと思います。華やかなショウビズの世界でありますけれども時には影の部分もあります。グループのひとりフローレンス・バラード。ダイアナ・ロスだけが目立つ売り方を不満に思ってそのことがきっかけとなってグループを首になってしまいます。その後、ソロ歌手として2枚のシングルを出しましたが、うまくいかずに1976年に亡くなっています。この悲劇を描いたのがミュージカル『ドリーム・ガールズ』です。見た方もいるかもしれません。ザ・シュープリームス。グループとしての活動は事実上1977年に終わりました。僕の気に入りのガール・グループ。ザ・シュープリームスに続いてもうひとつ。ロネッツ。自分の話になりますが両親が音楽好きということもあってザ・ロネッツのレコード、家でよくかかってました。僕も好きでしたね。レコードのフロントカバーを見てみるとロネッツのメンバー、みんなビーハイブヘアでした。蜂の巣を上に盛ったようなスタイルですよね。ずいぶん変わってるなと思ってじっと見ていました。ザ・ロネッツ。メイン・シンガーのヴェロニカ・ベネット。のちにフィル・スペクターと結婚するんですがすぐに離婚しています。そのとき名前をロニー・スペクターと変えて今でもソロとして活躍しています。Motoharu Radio Show。'60年代のガール・グループ特集。続いては日本ではあまり知られてないかもしれません。しかし僕がお勧めしたいガール・グループ。ザ・ポニーテールズ、そしてザ・パリス・シスターズ、ザ・アイケッツ。この3つのグループ、まずはレコードを聴いてみたいと思います。

・Before We Say Goodnight
・I Love How You Love Me
・I'm Blue

佐野元春 : 3組続いた最初のグループはポニーテールズ。'50年代に活躍したグループです。大きなヒットはなかったんですが、とてもいい曲を何曲か残しています。続いてザ・パリス・シスターズ。こちらは三姉妹ですね。'50年代にデビューしてなかなかヒットが出ませんでしたが、その後フィル・スペクターがプロデュースして人気が出ました。そしてアイケッツ。アイク & ティナ・ターナーのバッキング・コーラスとして知られています。このグループはとてもファンキーですよね。同じ時代の他のガール・グループの中でもその歌い方、そしてダンス、とてもキャラクターがあってかっこいいです。ただ問題はこのアイケッツをプロデュースしていたアイク・ターナーですね。女癖が悪くて、しかもギャラを値切るということで、アイケッツのメンバーは相当入れ替わりが激しかったということです。Motoharu Radio Show。'60年代のガールグループの特集続いてます。さて、このガール・グループ。盛んになったのは1950年代後半のことでした。歌手になりたいという若い女性たちがいて、裏方のソングライター、そして音楽プロデューサーがいる。一曲のヒット・シングルを生み出す度にチームを作って仕事をしようということですよね。そこに優れたスタジオ・ミュージシャンたちのバックアップがあればひとつのヒット・ファクトリーが出来上がります。このスタイルで出てきたのが例えば'60年代で言えばシュレルズ、クリスタルズ、シフォンズといったグループです。レコードもよく売れてこのガール・グループというのはひとつのジャンルになりました。それと同時に曲を書いてる作詞作曲家たちも有名になりました。これがいわゆるブリルビルディング・サウンドですね。Motoharu Radio Show。ここからは'60年代ガール・グループ全盛期にヒットしたレコードを聴いてみます。

・Baby It's You
・Chains
・Then He Kissed Me

佐野元春 : これは自分の話になるんですけれども、以前米国ニューヨークにいたとき、是非行ってみたい場所がありました。それはブロードウェイに面したところにあるブリルビルディングというところです。実際行ってみて何か音楽のスピリットのようなものを感じました。ここはかつてアルドン・ミュージックという大手の音楽出版社が入居していました。ブリルビルディングというのはそのビルの名前のことです。このアルドン・ミュージックという音楽出版社に当時とても優れたソングライターが契約していました。キャロル・キングとジェリー・ゴフィンのコンビ。ジェフ・バリーとエリー・グリニッチ、そしてニール・セダカ、バート・バカラック、またフィル・スペクターはプロデューサー契約をしていました。当時若かったそうしたソングライターたちにとってこのブリルビルディングというのは、互いにしのぎを削りあう、いってみればソングライター道場のような場であったと思います。'60年代ガール・グループの多くはこのブリルビルディングから生まれました。一方米国の南部ではジェリー・リーバーとマイク・ストーラーというソングライター・チームが活躍していました。エキサイターズ、ディクシー・カップス、シャングリラス、そうしたガール・グループを育てました。リーバー & ストーラー。後にアトランティックR&Bの黄金時代を築く、とても重要なプロデューサー・チームとなります。Motoharu Radio Show。'60年代ガール・グループ全盛期にヒットしたレコード続きます。

・One Fine Day
・It's My Party
・Tell Him
・Iko Iko

エキサイターズの「Tell Him」はジェリー・リーバーとマイク・ストーラーのプロデュース。

佐野元春 : 実を言うと僕も以前自分のレーベルでガール・グループをプロデュースしたことがあります。'90年代に出した『mf VARIOUS ARTISTS』というレコードです。月に一回新人のアーティストをプロデュースして僕自身が全て監修するという仕事でした。僕がプロデュースしたガール・グループの名前はチャーティーボーイズ。元イミテーションのCHEEBOと坂本みつわという女性の二人組ですね。プロデュースするということで曲の作詞作曲編曲僕がやりました。そして演奏ですね、ブラス・セクションを除いてほぼ僕がやりました。あとエンジニアリングですね、ミックスダウンをして仕上げました。要はインディーズということで何でも手前でやってやれという、そんな精神ですね。チャーティーボーイズ、とても楽しく歌ってくれてなかなかのレコードになったのではないかと思っています。自分のキャリア、最初で最後のガールズ・グループのプロデュースということで今夜はそのレコード、リスナーのみなさんにも聴いていただきたいと思って持ってきました。1989年『mf VARIOUS ARTISTS』からチャーティーボーイズ、曲は「Be My Boy」。

・Be My Boy

佐野元春 : '90年代以降のガール・グループというと、例えば英国で最も商業的に成功したガール・グループといえばスバイスガールズですね。世界中で2,300万枚以上売ったという記録が残ってます。国内ではスピード、モーニング娘。AKB48、そしてパフュームですね。そして韓国からは代表的なガール・グループとして少女時代、KARA、ワンダーガールズ、そうしたグループがいます。音楽のスタイルで見てみるとほとんどがエレクトロニック・ダンス・ポップですね。個人的には'60年代のガレージ・ロック、'70年代のパンク、フォーク、そうした音楽に影響を受けたちょっと風変わりなガール・グループ聴いてみたいな、そんなふうに思うんですけれどもどうでしょうか。

・Do I Love You?
・Nowhere to Run

佐野元春 : 僕の好きな'60年代のガール・グループからザ・ロネッツ「Do I Love You?」、そしてマーサ & ザ・ヴァンデラス「Nowhere to Run」聴いてみました。

・特集「佐野元春 & THE COYOTE BAND 最新ライブ」について
二週に渡って特集した「佐野元春 & THE COYOTE BAND 最新ライブ」のリスナーからのフィードバックを読んで。
「そうですね。前回ツアー最終公演、きちんとまとめてしっかりDVDで残そうと思っています。また北海道、札幌ですね。前回のツアーでは行けませんでした。次回は必ず行くので待っていてください」と元春。

・You Can't Hurry Love
特集最後はシュープリームスの「You Can't Hurry Love」。
「永遠のモータウン・ビート。ソングライターとしてこんな曲が書けたら幸せですね」と元春。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・次回放送
8月6日火曜日、夜11時。
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