Motoharu Radio Show #144

2013年03月20日 | Motoharu Radio Show

2013/03/19 OnAir - 3rd. Week - 特集:『ZOOEY』第三回~コヨーテバンドを迎えて~
01.Ben Folds Five:Jackson Cannery
02.Schroeder-Headz:Linus and Lucy
03.James Brown:Funky Drummer
04.Nona Reeves:Mr. Melody Maker
05.Creedence Clearwater Revival:Have You Ever Seen the Rain
06.PLAGUES:トリシュナ
07.Grateful Dead:Eyes of the World
08.Curly Giraffe:Rootless wanderer
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■内容の一部を抜粋
・『ZOOEY』第三回~コヨーテバンドを迎えて~
佐野元春 and The Coyote Bandのアルバム『ZOOEY』の特集。その第三回目はスタジオにコヨーテバンドのメンバーをゲストとして迎えてミュージシャン、ソングライターとしての彼らのプロフィールを紹介する。ギターの深沼元昭、ベースの高桑圭、ドラムスの小松シゲル、キーボードの渡辺シュンスケ。ギタリストの藤田顕はスケジュールが合わず今回は欠席、また機会を改めて。

・アルバム『ZOOEY』を聴いた印象
高桑圭「パッケージ(『ZOOEY(Deluxe Edition)』)がゴージャスでした。すごいびっくりしましたね。重量感もあってね」

佐野元春「(『ZOOEY(Deluxe Edition)』は)マスターだけではなくて、僕たちの制作のプロセスがわかる写真集とか、それからインストゥルメンタル・ナンバーもね、ただヴォーカルを抜いただけではなくて、編集をちょっと工夫して、バンドのアンサンブルをそのまま聴いてもらおうという、そういうことをしました」

高桑圭「ブックレットに中に僕が自分で書いた譜面があって、ちょっと恥ずかしくなっちゃったんですけれど(笑)。アレ、僕、自分でないと読めない譜面で」

小松シゲル「アルバム作ってるときにツアーしたじゃないですか。ツアーとレコーディング制作を両方やりながら入っていくのはなかなかないことなので、それがすごいバンド感をより強くしたなと思いますね」

佐野元春「レコーディングをしながらツアー。これね、すごくよかったと思います。僕たち、スタジオの中だけじゃ、どうしても煮詰まってしまうでしょ。ライヴに出てオーディエンスとのやりとりの中で音楽が生き生きとしていくよね。その感覚をスタジオに持ち帰ってくる、そのバック・オン・フォースがいいかな」

小松シゲル「お客さんの顔が見えながら、またそれを思い出してレコーディングするという感覚ができたということはよかったですよね」

・コヨーテバンド
3人の素晴らしいソングライターがいる。ビートルズ、イーグルス、バーズ、バッファロー・スプリングフィールド。そんなバンドに似てるんじゃないかと元春は思ってるそうだ。

・渡辺シュンスケ
キーボード担当。1975年、名古屋出身。自分のバンド、カフェロンのヴォーカルとピアノを担当して作詞作曲もしている。サポートとしてもCHEMISTRY、BONNIE PINK、堂島孝平などそうしたミュージシャンのレコーディングやライヴに参加している。コヨーテバンドのレコーディングには今回が初参加。通称は「シュンちゃん」だが、元春は最初の頃「ショウちゃん」と名前を混同していて呼んでいたという。

佐野元春「シュンちゃん素晴らしいなと思うのはキーボードを弾く、そして僕と同じソングライターだということだよね。だからただの技術的なピアノの技法だけではなくて、歌と伴った演奏だなぁといったことを感じるんだけれども」

渡辺シュンスケ「いい歌というのはすごく立体的に楽曲ができていて、いらないところはスパっと省いたりとか、スペースを作ったりとか。佐野さんの音楽はすごい立体的にできていて、すごくやってて楽しませてもらってます」

カフェロンは渡辺シュンスケがヴォーカルをやろうとして作ったバンド。シュローダー・ヘッズは鍵盤の音楽を別の方向で極めてみようとして作ったユニットのだとか。ユニットの名前の由来は「スヌーピー」に出てくるピアノ男子がシュローダーくんなのだとか。ヘッズは言葉の響きから。

今回、コヨーテバンドのメンバーには影響を受けた音楽を一曲番組に持ってきてもらっている。渡辺シュンスケは一曲に絞りきれずに二曲持ってきた。ピアノをはじめた頃にボガンボスのキョン(Dr.kyOn)に憧れてて、Dr.kyOnについて調べるとニューオリンズの音楽があり、アラン・トゥーサンに行き着いたという。アラン・トゥーサンの「Southern Nights」はオリエンタルな雰囲気のあるすごく変わった曲で、音をクリエイトするのは演奏するだけではなくて、おもしろいエフェクターを使ったりして、空間を作ることのおもしろさをこの曲から教わったのだとか。
もう一曲はベン・フォールズ・ファイブ。はじめて聴いたときに「これがやりたい」と思ったそうだ。ピアノ、ベース、ドラムのトリオ。それまでお行儀の良いイメージしかなかったピアノを、まるでギターをかき鳴らすかのように鍵盤を弾く、ときには拳骨で叩きながらロックに歌う、それがかっこよく憧れたという。

・Jackson Cannery
・Linus and Lucy
ベン・フォールズ・ファイブの「Jackson Cannery」とシュローダー・ヘッズの「Linus and Lucy」を2曲続けて。

続けて聴くと相当影響を受けていると気がつく。「Linus and Lucy」は'60年代のヴィンス・ガラルディのカヴァー。ガラルディは「スヌーピー」のサントラをやっていたピアニストでもともとはジャズの大人しい曲。シュローダーヘッドはベン・フォールズ・ファイブと同じバンド編成で、ロックよりの演奏で激しくやってみようというコンセプトだったという。コヨーテバンドでもときどき演奏していて、3月13日に開催された『ZOOEY』発表記念ライヴでも披露された。

・小松シゲル
ドラムス担当。1972年、長野県出身。ノーナリーヴスのメンバーで、セッション・ドラマーとしても現在NO.1のドラマー。キリンジ、BONNIE PINK、いきものがかり、レキシほか数多くのミュージシャンのレコーディングやライヴでサポート・メンバーとして活躍している。通称は「コマ坊」で、ノーナリーヴスのメンバーの西寺郷太が名付け親。最近は「トマツ」と呼ばれていてファンのあいだで広まりつつあるらしい。

5歳上のお姉さんが中学生のとき吹奏楽部に入部、パーカッションを担当していてドラムに興味を持ったという。最初にバンドを組んだのは中学生の頃だとか。'80年代のMotoharu Radio Showで聴いたブッガーT. & MG'Sからソウル・ミュージックにのめり込むようになった。影響を受けたのはジェームズ・ブラウンで「Funky Drummer」のブレークビーツに痺れたそうだ。

・Funky Drummer
・Mr. Melody Maker
2曲続けて。ノーナリーヴスの新しいアルバム『POP STATION』から「Mr. Melody Maker」。

・深沼元昭
ギター担当。1969年、福島出身。プレイグス、メロウヘッド、GHEEEの3つのバンドを率いて活動している。元春の1996年のアルバム『FRUITS』収録の「水上バスに乗って」にプレイグスがバッキングとして参加。プレイグスは一時活動停止していたが2012年に活動再開して11年ぶりにアルバム『CLOUD CUTTER』を発表した。

・Have You Ever Seen the Rain
・トリシュナ
2曲続けて。影響を受けたアルバムとして持ってきたのはクリアデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル。そしてプレイグスのアルバム『CLOUD CUTTER』から「トリシュナ」。

・高桑圭
ベース担当。1967年、オーストラリア出身。元グレート3のメンバーで、2005年からソロ・プロジェクトのカーリージラフとして活動している。最新作は2012年の『FLEHMEN』。高桑圭がロッテンハッツのメンバーだった頃に伊藤銀次のレコーディングで元春とはじめて会ったそうだ。元春プロデュースの曲で、元春がコーラス・ラインを作るのでスタジオでちょっと待っててくれと言われ、12時間スタジオで待ったという。

影響を受けた曲はグレートフルデッドの「Eyes of the World」。高校生の頃にはじめて聴いて、最初はふにゃふにゃしている音楽だと思ったそうだが、何回も聴いてるうちにハマったという。一時はデッドしか聴いてない時期があり、二十代の頃にニルヴァーナがデビューしたのを当時は全く知らなかったとか。

佐野元春「グレートフル・デッド。僕らの世代の解釈によるとアシッド・ロック、あるいはサンフランシスコのサイケデリックのエリアから出てきた。ただレコード・サウンドよりも、むしろ彼らの場合はライヴですよね。年がら年中ライヴをやって、そしてファンは全米中ついていくという。デッド・ヘッズ。確かにカントリー、ブルース、R&B、いろんな要素が入ってんだけれども、グレートフル・デッドにしか奏でられないオリジナルな音楽っていうか空気感。これはね、世代を超えて共通するのはグレートフル・デッドのバンドが持ってる、あるいはそのサウンドが持ってる自由な感じっていうんですか、解放された感じというかね」

カーリージラフのアルバム『FLEHMEN』。アルバム・タイトルの由来は、馬が歯を見せる現象があって、馬が臭いときにする感情表現で、「フレーメン現象」と言うらしい。カーリージラフのアルバムが心に響くものであったらいいなという願いを込めたのだとか。

・Eyes of the World
・Rootless wanderer
グレートフル・デッドの「Eyes of the World」とカーリージラフの「Rootless wanderer」を2曲続けて。

佐野元春「全部自分で打ち込みでやってるということだけれど。是非、コヨーテバンドでね、僕たちのフィジカルな演奏でやったら、これはこれでいいと思うんだよね。どう?」

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・次回放送
4月2日火曜日午後11時。
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