Life in America ~JAPAN編

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Change has come ~その2

2008-11-07 14:37:48 | アメリカ生活雑感

(Chicago Sun-Times 11/5)

この瞬間を境に、“President-Elect Obama(オバマ次期大統領)”と呼ばれる。


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カウントダウンから30分。
今か今かと待ちわびる観衆の前に、オバマ氏が家族と共に現れた。
最愛の娘サーシャの手をとり、ゆっくりと一歩一歩かみしめるように歩く彼にはすでに大統領の風格が漂っていた。

鳴り止まぬ歓声。
無数のアメリカンフラッグが揺れ、その第一声を聞き逃すまいとステージを見つめる人々。

“ハロー、シカゴ!”

勝利の第一声はまず、地元シカゴアンたちへ注がれた。
熱狂する観衆。

今夜は若者、特に大学生から20代~30代の人たちが圧倒的に多い。
普段は政治に関心のなかったこの若い人たちが、何かを変えなければと積極的に選挙に行って1票を投じた結果、今この瞬間がある。



“It's the answer spoken by young and old, rich and poor, Democrat and Republican, black, white, Latino, Asian, Native American, gay, straight, disabled and not disabled ― Americans who sent a message to the world that we have never been a collection of red states and blue states; we are, and always will be, the United States of America.
(老いも若きも、金持ちも貧乏な人も、民主党員も共和党員も、黒人も白人も、ラティーノもアジア人もネイティブアメリカンも、ゲイもストレートも、障害を持つ人も持たない人たちも、今日のこの答えを出したのだ。
アメリカ人が全世界にメッセージを発信したのだ。我々は決して赤(共和党)の州や青(民主党)の州の寄せ集めではないということを。我々は今もそしてこれからも、アメリカ合衆国なのだということを。)



先日、大学のソシオロジークラスでのディスカッションで聞いた、クラスメートたちの生々しい話が頭をよぎる。
「父親が突然レイオフになった」「今年リタイアしたばかりの父親は、もらえるはずの退職金のあてがなくなり呆然としている」
彼らは、途方にくれる親たちの無残な姿を見て何かを変えなければいけないと感じたはずだ。
この、世界恐慌以来の大金融危機が彼らの生活を揺るがし、そのことが意識の変革をもたらしたとは何と皮肉なことだろう。
言い方をかえれば、この金融危機がなければ選挙結果はどう転んでいたかわからない。
ここまで追い詰められたことが、労働者や中間層を真剣にした。
もう白人主義などと言っていられない、誰かこの危機を第一優先として救ってくれる人物が必要だと目が覚めたのだ。


演説のなかで一番胸がじいんとなったのは、オバマ氏がアトランタに住む106歳の女性、アン・ニクソン・クーパーさんのことにふれたときだった。
奴隷解放の一世代後に生まれた彼女は、文字通りアメリカの激動の歴史の中を生きてきた。
女性であるがため、肌の色がちがうがために参政権が与えられなかった時代から、、自ら指でスクリーンに触れて投票した今日までの日々。
幸せな時代も暗い時代もずっと生きぬき、このアメリカという国がどれほど変われる国なのかを知っているのが、彼女なのだと。

そのあとに続いたこのフレーズこそが、彼のテーマだったように思う。


“So tonight, let us ask ourselves: If our children should live to see the next century; if my daughters should be so lucky to live as long as Ann Nixon Cooper, what change will they see? What progress will we have made?
This is our chance to answer that call. This is our moment. This is our time ― to put our people back to work and open doors of opportunity for our kids”

(今夜、自分自身に問いかけよう。もしも我々の子供たちが次の世紀を目にするまで生きたとしたら。もしも私の娘たちが幸運にも、アン・ニクソン・クーパーさんと同じくらい長く生きられたとしたら、彼女らはどんな変革を見るのだろう?私たちはそれまでにどれだけ進歩できるのだろう?
この問いかけに答えるチャンスが今なのだ。我々の瞬間なのだ。我々に与えられた時間なのだ。人々が再び仕事を手にし、子どもたちのためにチャンスの扉を開けるための。)



我々の子どもたちに何を残せるだろう?
そう考えたとき、政策はおのずと決まってくる。それが彼の中を貫く強靭な芯なのだ。
戦争も地球破壊もない世界。
つまらない差別も貧困もない世界。
「イマジン」の世界がそこにはある。



途中からは、10万の群集もオバマ氏に合わせて絶叫する。

“YES WE CAN!!”
“YES WE CAN!!”

”YES WE CAN!"”



目の前の光景があの、何度もビデオで見た伝説のマルティン・ルーサー・キングJr.牧師の“I have a dream”スピーチとだぶり、自分が歴史の1ページの中にいる感覚に酔いしれる。

道が険しいことは皆、わかっている。
しかし、アメリカはようやく決断を下し、動き始めたのだ。
やれる。きっとやれる。
そう思わせてくれる新しい指導者の下で。


群集に何度も何度も手を振り、うなずくオバマ氏。
ミシェル婦人とステージの奥に消えるその瞬間、ふたりは見つめ合い手を取り合う。
その、何と崇高にして堂々たる姿よ。


ホワイトハウスにふさわしい家族がやっと今、新しい家族(子犬)を連れてアメリカと共に歩み始める。


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喜びのシカゴがよく伝わる動画。よく見るとなんと私たちもどこかに!

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6 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
みなさん (shoko)
2008-11-11 03:28:45
コメントありがとうございます!
スピーチ全文などはインターネットでも読めるのではしょりましたが、本当に体の奥底からぐぐ~っと震えがきました。
アメリカをどうしても好きになれなかった私に、好きになるチャンスをくれた瞬間でした。本当はそれがうれしかったのかもしれません。

反対にマケイン派は今どう感じているのか・・このあたりもこのあとUPしていくつもりです。
どうぞよろしくお願いします!
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ほんまや~! (サリー)
2008-11-10 23:02:19
おおお!歴史的瞬間に映ってるーー!!
しょーこちゃんとPちゃんがしっかりと。
うれしそうな二人を繰り返し見ちゃった^^
これは永久保存版だすな。
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感動です (ma)
2008-11-10 02:56:55
このブログを読みながら感動して涙が出てきました。
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Unknown (やっちゃん)
2008-11-08 15:25:21
首相じゃなかった、大統領です・・・。
バカな私。
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Unknown (やっちゃん)
2008-11-08 15:24:15
Shokoさん、歴史的な場面を生で見られて、あの興奮を心と身体で感じることができて、本当に羨ましい!
私もテレビで見ながら、「やっぱりGrant Parkに行けばよかった~!」って悔やみました。
残念・・・。

スピーチは素晴らしかったですね。映画でよく首相のスピーチの場面が出てくるけど、あれでも感動しますもん。
本物、生のスピーチはさぞかし素晴らしかったでしょうね。
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Unknown (Mami)
2008-11-07 20:28:40
ほんとうに歴史的な一日ですね。うちのALTからも早速お祝いメールがやってきました。
私もキング牧師の“I have a dream.”が大好きです。熱い熱い想いがひしひしと伝わってきますが、オバマ大統領の“Yes, we can.”も熱い想いが感じられた名スピーチでした。
今日、神戸の英語教師(日本人だけでなく外国人も)一堂に会したのですが、そこでもオバマ大統領のWining Speachの全文が配られていました。みんなHappyそうでした。
パウエルさんとライスさんのコメントも心に残りました。二人ともとても嬉しそうで、黒人大統領の誕生が黒人社会にとってどんなに待ち望まれたことなのかが実感できました。
それにしても、こんな歴史的瞬間を肌で感じることができたなんてうらやましい限りです。まだまだレポートよろしく。
もちろん“Yes, we can."Tシャツも“Yes, we did."
Tシャツも売ってるのでしょうね。
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