大学での今セメスタも半分がすぎ、いよいよ架橋に入ってきた。
「幼児発達学」クラスでは今週、Midterm、いわゆる中間テストがあり、珍しくここ2週間は家にこもりきりだった。
別にこのトシになって成績うんぬんはどうでもいいのだが、なんだか日本人の性分とでも言うのか受けるからにはカンペキに理解してのぞみたい。
いくつになってもテストはいやだが、現在の理解度を復習するにはいい機会だ。
でも。こういうときに限って締め切りの仕事がふたつ重なってしまって、結構きつかった・・・
ともあれ、中間テストも無事終わりほっと一息ついたところ。
もうひとつの「ソシオロジー」は、今までのレクチャー方式から一転、毎回決められたテーマを読み、次のクラスでディスカッションをするという方式に変わった。宿題は全てネットに掲示され、レポート提出も全て紙ではなくネットで行ういわゆる「ハイブリッド形式」だ。時間も短縮できるし、私のような人間にはとてもありがたい。
先週のテーマは、「(性別や人種などによる)差別」
事前に見ておく課題として「A Class Divided」というWebプログラムが与えられた。
これは1968年に、3rd grade(小学3年生)のクラスで実際に行われた“差別教育”の模様をドキュメンタリーにしたもの。
舞台はオハイオの、住民の100%が白人という小さな田舎町。
時まさしくマルティン・ルーサー・キング牧師が暗殺され、世の中が人種差別の波に揺れ動いていた。そんなとき、地元で小学校の教師をしていたジェーン・エリオットは、子どもたちにどうやって人種差別の愚かさを身をもって教えようかと悩んでいた。そして、ある方法にたどり着いた。
彼女はある日、クラスを二つのグループに分けるという実験を提案する。
「青い目のグループ」と「茶色い目のグループ」。
「青い目は茶色い目に比べて優秀なのです。今から茶色い目のグループは青い目のグループと仲良くしてはいけません。休み時間も外の遊具を使ってはいけません。それから、ウォータークーラーの水は直接飲まずに自分専用の紙コップだけを使うように」
はじめは面白がって始めた子どもたちに、明らかに変化が現れ始める。
優越感にも似た感情に躍る青い目グループ。
奈落に突き落とされたような屈辱を味わう、茶色の目グループ。
翌日。先生はこう告げる。
「昨日私が言ったことは間違いでした。実は茶色い目のほうが青い目よりも優れていました」
そして、子どもたちに昨日とは全く逆の状況で生活をさせる。
その日の終わりに、先生は子どもたちを集めて感想を聞き、こう言う。
「目の色や皮膚の色で差別したりされたりするのはいいことだと思う?」
「NO!!」と大きく首を振る子どもたち。
わずか数時間だけでも、子どもたちにとって差別し、される経験したことはとてつもなく恐ろしい記憶になったのだ。
そして14年後。
クラスの同窓会が行われ、成人した当時の子どもたちが一堂に会して当時のビデオを鑑賞し、そのときの気持ちや今彼らの生活にいかに影響を及ぼしているかを語り合った。
100%白人の田舎の町では、今も黒人(有色人種)に対する根強い差別感情がある。しかしこれは、彼らのせいではない。見たこともない人種を見たら、大人も子どもも関係なくたじろくものだ。
この子どもたちのように、しかるべき年齢に正しい教育を、正しい教育者から教わることがいかに大切かを実感させてくれるとてもいいプログラムだった。
このプログラムにはその後、同じ実験を大人にも行った様子も収められており、それも興味深い。
この番組は以下のWebサイトから見ることができる。(英語のみ)
http://www.pbs.org/wgbh/pages/frontline/shows/divided/
エリオット女史は、教師をリタイア後、全世界を回って講演活動を続けており来日経験もあるという。
そのときのビデオが販売されている可能性もあるので、是非見つけて全ての人たちに見て欲しい。
日本の小学校すべてにこの教育が行き届く日が来ることを心から祈っている。
「幼児発達学」クラスでは今週、Midterm、いわゆる中間テストがあり、珍しくここ2週間は家にこもりきりだった。
別にこのトシになって成績うんぬんはどうでもいいのだが、なんだか日本人の性分とでも言うのか受けるからにはカンペキに理解してのぞみたい。
いくつになってもテストはいやだが、現在の理解度を復習するにはいい機会だ。
でも。こういうときに限って締め切りの仕事がふたつ重なってしまって、結構きつかった・・・
ともあれ、中間テストも無事終わりほっと一息ついたところ。
もうひとつの「ソシオロジー」は、今までのレクチャー方式から一転、毎回決められたテーマを読み、次のクラスでディスカッションをするという方式に変わった。宿題は全てネットに掲示され、レポート提出も全て紙ではなくネットで行ういわゆる「ハイブリッド形式」だ。時間も短縮できるし、私のような人間にはとてもありがたい。
先週のテーマは、「(性別や人種などによる)差別」
事前に見ておく課題として「A Class Divided」というWebプログラムが与えられた。
これは1968年に、3rd grade(小学3年生)のクラスで実際に行われた“差別教育”の模様をドキュメンタリーにしたもの。
舞台はオハイオの、住民の100%が白人という小さな田舎町。
時まさしくマルティン・ルーサー・キング牧師が暗殺され、世の中が人種差別の波に揺れ動いていた。そんなとき、地元で小学校の教師をしていたジェーン・エリオットは、子どもたちにどうやって人種差別の愚かさを身をもって教えようかと悩んでいた。そして、ある方法にたどり着いた。
彼女はある日、クラスを二つのグループに分けるという実験を提案する。
「青い目のグループ」と「茶色い目のグループ」。
「青い目は茶色い目に比べて優秀なのです。今から茶色い目のグループは青い目のグループと仲良くしてはいけません。休み時間も外の遊具を使ってはいけません。それから、ウォータークーラーの水は直接飲まずに自分専用の紙コップだけを使うように」
はじめは面白がって始めた子どもたちに、明らかに変化が現れ始める。
優越感にも似た感情に躍る青い目グループ。
奈落に突き落とされたような屈辱を味わう、茶色の目グループ。
翌日。先生はこう告げる。
「昨日私が言ったことは間違いでした。実は茶色い目のほうが青い目よりも優れていました」
そして、子どもたちに昨日とは全く逆の状況で生活をさせる。
その日の終わりに、先生は子どもたちを集めて感想を聞き、こう言う。
「目の色や皮膚の色で差別したりされたりするのはいいことだと思う?」
「NO!!」と大きく首を振る子どもたち。
わずか数時間だけでも、子どもたちにとって差別し、される経験したことはとてつもなく恐ろしい記憶になったのだ。
そして14年後。
クラスの同窓会が行われ、成人した当時の子どもたちが一堂に会して当時のビデオを鑑賞し、そのときの気持ちや今彼らの生活にいかに影響を及ぼしているかを語り合った。
100%白人の田舎の町では、今も黒人(有色人種)に対する根強い差別感情がある。しかしこれは、彼らのせいではない。見たこともない人種を見たら、大人も子どもも関係なくたじろくものだ。
この子どもたちのように、しかるべき年齢に正しい教育を、正しい教育者から教わることがいかに大切かを実感させてくれるとてもいいプログラムだった。
このプログラムにはその後、同じ実験を大人にも行った様子も収められており、それも興味深い。
この番組は以下のWebサイトから見ることができる。(英語のみ)
http://www.pbs.org/wgbh/pages/frontline/shows/divided/
エリオット女史は、教師をリタイア後、全世界を回って講演活動を続けており来日経験もあるという。
そのときのビデオが販売されている可能性もあるので、是非見つけて全ての人たちに見て欲しい。
日本の小学校すべてにこの教育が行き届く日が来ることを心から祈っている。