津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

二人の女性

2006-04-04 23:34:47 | 書籍・読書
 私が惚れ込んだ二人の女性がいる。徳川家康の生母「お大の方」と、利休宗易の女「お吟さま」である。「お大の方」は山岡荘八の作品「徳川家康」の「お大の方」でなければ駄目だし、「お吟さま」は当然の事ながら今東光の「お吟さま」である。山岡荘八の「徳川家康」は、私がまだ二十代の頃だと思うが、二十数刊の発売が待ち遠しくむさぼり読んだ思い出がある。先の引越しのとき処分してしまった。が、「お大の方」の面影は消えない。「お吟さま」の方は、角川文庫で手許に置いた。昭和44年(七版)購入しているから、36年ほど経っている。東光和尚の素晴らしい日本語を駆使した文章から、すっかり「お吟さま」の虜になってしまった。作中の女性に惚れるなど「笑止の至り」だが、共に卓越した作家の力量ゆえである。共に戦国時代に凛とした生き様を見せた女性である。
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