一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

杉田久女 ④

2020-06-04 09:13:31 | 読書
        その背景には何があったのでしょう。

        虚子は久女の死後、
        『国子の手紙』という小説を書いています。

        あくまでも〈創作〉といいながら、
        モデルが久女であることは一目瞭然。

        それによると、
        久女は230通もの手紙を師に送りつけ、
        精神分裂症だと、曲解した内容になっています。

        吉屋信子や清張は、それを鵜呑みにし、
        虚子側の噂だけで小説を書いたとしたら、
        虚子の責任は重いといわざるを得ません。

        (例の除名に関しても、
         当時の俳句界のトップに君臨し、
         巨匠といわれる虚子から「除名」されたら、
         この世から抹殺されたも同然ですからね)

        田辺聖子はこれらを一つ一つ洗いだして、
        歪められた久女像を事実にもとづいて立てなおしました。
        (遺児や「ホトトギス」同人から話を聞き、
         生家やお墓にも参って丹念な取材をしています)

        久女は、後世の作家・田辺聖子によって
        生き返ったといってよいでしょう。
         ※田辺聖子著
         『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』
          上下2巻
     

杉田久女 ③

2020-06-04 08:58:30 | 読書


         杉田久女、飛び飛びですが続きます。

         なぜ、久女はそれほどまでに師の虚子に嫌われた
         のでしょうか。

         久女に「菊枕」事件? というのがあります。

         当時、菊の花を詰めものにした枕は、
         安眠をさそい、長寿につながると珍重されました。

         久女はたくさんの菊の花を何ヵ月もかかって乾燥させ、
         枕をつくり、虚子に贈呈。

         まだ師弟関係のこじれていない頃ですから、
         虚子は受けとって、返歌もしています。

         しかし次第に、虚子は久女を避けるようになり、
         そのことは世間の恰好の話題となりました。

         吉屋信子の『底のぬけた柄杓』や、
         松本清張の『菊枕』(「或る『小倉日記』伝」所収)
         では、
         久女は常識も教養もない、
         イヤ~な女として描かれています。

         当時、吉屋信子は売れっ子の大人気作家、
         松本清張は芥川賞をとったばかりで、
         『菊枕』は受賞後、第一作でしたから、
         久女の悪い噂は決定打となりました。


         
         

着きました

2020-06-03 13:06:49 | 雑記
     

        都民ではないけど、
        TVでみました。

        東京は第2ステップにすすんだところで、
        「東京アラーム」が出て、
        レインボーブリッジと都庁が真っ赤に。

        はやく鎮まることを祈っています。

        航空自衛隊のブルーインパルスや、
        花火師たちのエール。

        素晴らしいですね~。
        よし、小さな力でも 頑張らなくちゃ、
        と思います。

        そんななか、着きました。
        「特別定額給付金申請書」が。

        (ごていねいに「給付金サギに注意!」のチラシ
        まで付いて)


        まだ安倍さんのマスクも届いていないのに。
        神奈川が遅いのか、鎌倉市がノロいのか、
        と思っていたので。

        新聞やTVでいろいろ書き方の注意などしていたから
        難しいのかな、と思っていたら、
        なんのことない、簡単でしたよ。

        給付辞退という方法もありますが、
        私はみんないただいて、
        地元の商店街でいちはやく使うべきだと思います。

        6月になって一気に蒸し暑く。
        体調にはくれぐれも気をつけましょう。