その背景には何があったのでしょう。
虚子は久女の死後、
『国子の手紙』という小説を書いています。
あくまでも〈創作〉といいながら、
モデルが久女であることは一目瞭然。
それによると、
久女は230通もの手紙を師に送りつけ、
精神分裂症だと、曲解した内容になっています。
吉屋信子や清張は、それを鵜呑みにし、
虚子側の噂だけで小説を書いたとしたら、
虚子の責任は重いといわざるを得ません。
(例の除名に関しても、
当時の俳句界のトップに君臨し、
巨匠といわれる虚子から「除名」されたら、
この世から抹殺されたも同然ですからね)
田辺聖子はこれらを一つ一つ洗いだして、
歪められた久女像を事実にもとづいて立てなおしました。
(遺児や「ホトトギス」同人から話を聞き、
生家やお墓にも参って丹念な取材をしています)
久女は、後世の作家・田辺聖子によって
生き返ったといってよいでしょう。
※田辺聖子著
『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』
上下2巻
虚子は久女の死後、
『国子の手紙』という小説を書いています。
あくまでも〈創作〉といいながら、
モデルが久女であることは一目瞭然。
それによると、
久女は230通もの手紙を師に送りつけ、
精神分裂症だと、曲解した内容になっています。
吉屋信子や清張は、それを鵜呑みにし、
虚子側の噂だけで小説を書いたとしたら、
虚子の責任は重いといわざるを得ません。
(例の除名に関しても、
当時の俳句界のトップに君臨し、
巨匠といわれる虚子から「除名」されたら、
この世から抹殺されたも同然ですからね)
田辺聖子はこれらを一つ一つ洗いだして、
歪められた久女像を事実にもとづいて立てなおしました。
(遺児や「ホトトギス」同人から話を聞き、
生家やお墓にも参って丹念な取材をしています)
久女は、後世の作家・田辺聖子によって
生き返ったといってよいでしょう。
※田辺聖子著
『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』
上下2巻