『清水紫琴 幻の女流作家がいた』を上梓
して間もなく、大きな転機があった。
出版社を通して古在由秀さんからお手紙を
いただいたのである。
古在由秀さんは紫琴の孫で、現在85歳。
高名な天文学者で、
(紫琴一家は「朝日人名辞典」に子息と孫
をふくめて4人も載るほどの学者一家)
紫綬褒章、文化功労章などの受賞もされて
いる方なのである。
ああ、紫琴のご遺族のことなど全く考えも
せずに本を刊行してしまった。
私に余裕があれば、どんなことをしてでも
探しだして取材すべきであったろうと思っ
たがすでに遅し。
お手紙は、
「当時の自由民権運動のことがよく解った」
というような丁寧な書き出しではじまり、
私の杞憂など払拭してくれるものであった。
とてもうれしく有難かったのは、
今回、お手紙とメールのやりとりで、これ
まで(資料不足から)解らなかったことが
いくつか判明したことである。
さらに、
古在由重氏(紫琴次男・哲学者)が亡くな
った時の資料が藤沢の大庭図書館に寄贈
されていることも分かった。
由重氏の資料だけでも7~8000点。
それとは別に「紫琴関係」として400点
ほど所蔵されていたのである。
いずれも門外不出の貴重な資料ばかり。
目下、大庭図書館に通って調査中である。
膨大な資料の中から、精査して要点を絞り
込まなければならない。
そう思っている最中である。
※ 写真は藤沢市湘南大庭市民図書館