詩人でもあり直木賞作家でもある伊藤桂一さんがこの度、
詩集「ある年の年頭の所感」で三好達治賞を受賞された。
伊藤さん(私にとっては師ともいうべき人)は現在、89歳。
はじめて賞(農民文学賞)をいただいた時の選考委員でした。
授賞式の後の懇親会で「がんばってください」と励ましの
言葉をかけていただいたのが忘れられない。
その後、ペンクラブの会合などでお目にかかっても、いつも
優しい笑顔で接して下さる(私はめったに出ないが)。
それにしても、創作意欲はいくつまで持続できるのでしょう。
そういえば数年前に川端康成賞をとられた青山光二氏も当時
80代後半だった。
「吾妹子哀し」(新潮社)は青山氏が、アルツハイマーに
なった奥さんの介護記を小説にしたもので、たんなる手記に
終わらず見事に「小説」になっていることに強い衝撃と感動
をおぼえたものです。
遅いスタートでさらに遅筆の私ですが、先輩諸氏の先生方に少し
でもついていけるよう、精進を重ねなければ……と思った次第。
本当におめでとうございます。心からお喜び申し上げます。