一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

はてさて……

2017-02-04 08:55:14 | 雑記


       立春前から街の商店街ではバーゲンセールが
       目立つようになった。

       20%OFF,30%OFF,なかには半額
       なんてのもあって、つい宣伝につられて覗いて
       しまう。

       どうせ来冬買うんなら、ちょうどこの冬もの
       コート欲しかったんだわ、と手に取って
       鏡のまえで合わせてみたりする。

       それが、近頃、ちょっとためらいがあるのだ。

       この新しいコートを買ったとしても、
       この先、充分着こなす期間が自分に与えられて
       いるのだろうかと。

       そんなことを思っていたら、
       佐藤愛子さんの本に似たようなことを書いてある
       のを知った。
       
       『90歳、何がめでたい』 小学館

       私はまだ読んでいないのだが、新聞の紹介に
       よると、

       愛子さんは2~3年に一度、デパートで
       気にいった口紅を何本かまとめて買うように
       していた。
       ところがあるとき、売り場で迷った。
       今使っているのがまだ半分くらいある。
       それを使いきるまで待とう。
       そう思って、売り場を逃げだした。

       というのである。
   
       ある人はそれをケチだといったが、愛子さんは
       「死生観」だという。

       このエッセイにはこんなくだりがあるらしい。
       「若さと元気ばかり追い求めていると、ある日、
        突然しっぺ返しを食うことになる。
        そのときに慌てないですむように、日頃から
        自分の衰えを見守っておきたい」

       愛子さんは現在93歳。
       高齢者になって久しい彼女は、
       「そういう心境で生きていくのが私の理想」
       とまでいう。