一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

世は理不尽だらけ

2016-01-30 14:40:35 | 雑記


      また整体院にいき「週刊新潮」を見て笑って
      しまった。
      目下、週刊誌を読むのはこの整体院のみ。
      しかも最新号とは限らず、適当に読むので
      これも12月の最終号か1月初週のものだ
      ったと思う。

      内容は数学者である藤原正彦氏の「管見妄語」
      というものである。

      氏は10年ほど前、ある新聞社から人生相談
      の回答者の依頼をうけた。
      氏は数学者だから人間には興味がない。
      奥さんも「どう考えても無理。無常識だから」
      という。

      断ることに決めた。
      ところがその時に奥さんがふと放った言葉で
      引きうけることになったのだから、これも
      何かの縁かもしれない。
      「でも、無常識者の回答って、もしかしたら
      面白いかもしれない」

      ふたをあけてみると、意外にも高評だった。

      21歳の女子大生の相談
      「これまで親の云うとおりやってきて大学にも
      入ったけれど、意義が見いだせない。大学を
      中退するかどうか悩んでいる。でも親を悲しま
      せるかと思うと、ふんぎりがつかない」
  
      回答
      「はい、あなたのような優柔不断では何もでき
      ない。どうせできないなら、親孝行しなさい。
      そのうち自分の力で(自らの途を)見つけるこ
      とができるでしょう」

      というもので、それはそれで事なきを得た。
      次にもまた、20代の女性から相談がきた。

      「父親の行動が余りにも理不尽でイヤでたま
      らない。家族が食事中帰ってきて
      『お茶をくれ』『漬物を出せ』
      とわざとのように要求する。
      TVのチャンネルは子供が見てようとお構いなし、
      勝手に替える。
      この横暴な父にどこまで我慢すればいいのか
      と思うと腹立たしくてならない」
 
      回答
      「お父さんは一日会社で働き、遅く帰ってから
      娘に次々と命令するのは当然。
      親孝行を娘に教えているのです。
      学校では先生が生徒を教え育てているのだから
      生徒よりエライ。
      親に手伝いを頼まれた子は親に従い、先生に
      宿題を出されたら生徒はやらなければならない。
      文面でみるかぎり、お父様は正常な範囲で、
      不平を持つべきではない」

      この回答が物議をかもし新聞社にはクレームが
      殺到した。
      だけでなく担当部長が青くなって謝罪文を書いて
      欲しい、と云ってきたのだという。

      氏は文責は自分にある。世の中にはいろんな人
      がいるのだから放っておけばいい。
      謝罪文は書かない、と断った。

      ところが部長は(新聞の)不買運動なんか起こ
      ったら困るから、と引き下がる気配がない。

      結論は「氏が自分から回答者を降りた」
      ということになるのだが、
      私はおかしくてならなかった。
      世の中は理不尽だらけなのである。

      今でも家事の手を休めて思い出し笑いをしている。

      (これは文面どおりではありません。記憶をも
      とに書いていることをお断りします)
      

      ※ 通りがかりに見た雪の日の建長寺