「『起源』古代オリエント文明:西欧近代文明の背景」
ウィリアム・W・ハロー著 岡田明子 訳
(青灯社)
友人の岡田明子さんが翻訳された大著である。
「起源」とは何とも人類の根源というか、
なにかしら心の奥底から湧きでる好奇心をそそら
れる言葉である。
タイトルからして「西欧近代文明」の起源、
つまり、日本人である我々の文明そのものの
起源ということであろうけれど。
いま手に入ったばかりで読了するには時間が
かかるが、「訳者あとがき」を一部紹介して
おこう。
「ところで電気・ガス・水道完備・男女同権・
テレビ・パソコン・マイカーは当たり前、普段
から洋装で、ベッドで就寝、フローリング、
ウオッシュレットだって珍しくもないという
現代の私たちの日常は、一昔前の日本人だった
らまったく想像すらできなかったような
『西欧の近代生活』にどっぷり浸かっている。
そう思いながら本書を読むと、都市生活と自然
回帰・田園生活とのギャップ、農耕・牧畜・冶金
の産物利用とハイテク産業、『お金』と有価証券・
カード類、冠婚葬祭の儀式・葵祭や神田祭など
各地の祭礼の伝統と宗教、女性の社会進出と
『ガラスの天井』の存在や、少子化問題などなど、
『古代オリエント文明由来の背景』はまさに
『私達現代日本人の生活』の随所にもみられる、
といえるのではないだろうか」
P641~642引用
決して難しくない、むしろ気持ちのいい、
含蓄のある言葉である。
たまにはこういう書物を手にとって、わが
身辺を見回したり、振り返ったりしてみる
ことも必要ではないでしょうか。
興味のある方は是非手にとって、ご一読くだ
さい。