一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

『起源』

2016-01-11 15:52:21 | 読書


    
    「『起源』古代オリエント文明:西欧近代文明の背景」
       ウィリアム・W・ハロー著   岡田明子 訳
                    (青灯社)

     友人の岡田明子さんが翻訳された大著である。

     「起源」とは何とも人類の根源というか、
     なにかしら心の奥底から湧きでる好奇心をそそら
     れる言葉である。
     タイトルからして「西欧近代文明」の起源、
     つまり、日本人である我々の文明そのものの
     起源ということであろうけれど。

     いま手に入ったばかりで読了するには時間が
     かかるが、「訳者あとがき」を一部紹介して
     おこう。

     「ところで電気・ガス・水道完備・男女同権・
     テレビ・パソコン・マイカーは当たり前、普段
     から洋装で、ベッドで就寝、フローリング、
     ウオッシュレットだって珍しくもないという
     現代の私たちの日常は、一昔前の日本人だった
     らまったく想像すらできなかったような
     『西欧の近代生活』にどっぷり浸かっている。
     そう思いながら本書を読むと、都市生活と自然
     回帰・田園生活とのギャップ、農耕・牧畜・冶金
     の産物利用とハイテク産業、『お金』と有価証券・
     カード類、冠婚葬祭の儀式・葵祭や神田祭など
     各地の祭礼の伝統と宗教、女性の社会進出と
     『ガラスの天井』の存在や、少子化問題などなど、
     『古代オリエント文明由来の背景』はまさに
     『私達現代日本人の生活』の随所にもみられる、
     といえるのではないだろうか」
                  P641~642引用
     
     
     決して難しくない、むしろ気持ちのいい、
     含蓄のある言葉である。
     たまにはこういう書物を手にとって、わが
     身辺を見回したり、振り返ったりしてみる
     ことも必要ではないでしょうか。

     興味のある方は是非手にとって、ご一読くだ
     さい。