一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

笠戸丸

2015-05-10 14:11:22 | 歴史


     今日は母の日(らしい)。
     毎日が母の日の私は何ら特別な
     ことはない。
     自分のペースで好き勝手に生きら
     れるのが、私流の「母の日」だと
     思っているので、イベントなど
     なし。
      

     ところで、
     前回の南米移民船について、
     もちろん記憶にはないが
     年代からいって多分、笠戸丸では
     なかったか、と思う。

     笠戸丸が初めて南米に移民を運ん
     だのは明治41年で、そのときは
     160家族781人を乗せて出港
     した。
     (これが第一回南米移民である)

     
     戦後の南米移民の総数は
     のべ24万4500人で、
     うち笠戸丸は昭和27年から48年
     までの21年間に6万2800人を
     運んでいる。

     飛行機なら24時間だが、
     船だと1ヶ月以上、40~50日の
     就航である。
     もちろん運賃が安いので、学生など
     一般客もわずかながら混じっていた
     であろう。

     私の記憶にあるのは船上の家族と
     見送り人とを結ぶ紙テープ、
     泣き声と叫び声の混じるなか、
     やがて船はボーッと汽笛を鳴らして
     ゆっくりと出てゆく。

     そのとき移民家族たちは希望や夢
     より、不安でいっぱいであったろう。
     南米にいって成功した人も少なから
     ずいた。
     だが、ほとんどは苦労して苦労して
     帰るに帰れず、一生を終えたのでは
     なかったかと思われる。

     戦後の高度経済成長にともなって、
     南米移民も廃止された。

     そして、多くの人を送りだし、
     たくさんのドラマを作った桟橋も
     いまや、
     楽しく明るい観光地と化し、
     連休はファミリーやカップルで
     にぎわっていた。


     ※写真は「にっぽん丸」船内の
      プール。