一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

こぼれ話

2013-05-02 17:33:09 | 雑記


     現在でも過疎地には分校があるのだろうか。

     これはもう半世紀以上も前の、田舎の話である。
     Y子ちゃんは小学校2年まで分校に通い、3年生から
     本校にいくことになった。

     その本校にはじめて行く日、雨が降って、なんと兄
     のお嫁さんの背中におんぶして登校したというのだ。

     本校までは約4キロ。
     お嫁さんは嫁(とつ)いだばかりの20歳くらい。

     Y子ちゃんは小柄でやせてはいるが、それにしても
     ……。重かったろうし、おんぶされているY子ちゃん
     だって窮屈だったにちがいない。

     お嫁さんとY子ちゃん、それに周囲の人たちの様子が
     想像できるようで、笑った後にはじ~んと胸が熱く
     なったのだった。

     私はというと、学校(本校)から歩いて10分もかか
     らないところに住んでいたから、今にして聞いて驚く
     話である。

     
     分校から来た生徒は男女合わせて12~3人いたであろ
     うか。
     学校の近くでぼんやりしている私なんかに比べて、みな
     しっかりしているような気がした。
     (現に家の手伝いもよくやり、頭のいい子が多かった)

     (くどいようだが、Y子ちゃんの家も浜が近かったので
      今回の津波で流された)

     
     あれこれ思い、最後に寄った鎌倉文学館の庭園で、
     「相馬」という名前のバラを見つけてびっくり。

     バラ園の見ごろは5月半ば以降で、まだ花には早かった
     が、プリンセス・ミチコをはじめ、イングリッド・バーグ
     マン、エリザベス・テーラーといった並みいる名称のなか
     で「相馬」とはまあ、
     どんな理由でこの名前が付き、いかなる花を咲かせるか
     分からないが、いつしか私の方が地味でスミマセンと
     つぶやいていた。

     ※ 写真は長谷寺の地蔵と孟宗竹の竹の子