一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

東でなく西へ

2011-06-22 17:29:37 | 


     九州はここ3週間は週末が大雨で、
     そんな中、急きょ熊本入りした。
(新幹線が止まる中、飛行機がかろう
      じて着陸してくれました)

     こんなときに、未だその思いは抜けない
     のだが、被災地の東日本ではなく、
     西(南)に行くことになったのです。
     昨年の夏、この欄でも報告したと思うが、
     お墓の移転(改葬)のためだ。

     あれ? もう済んだのでは?
     そう、そのつもりでした。
     ところが古い過去帳が見つかって、その中
     には亡夫関係のご先祖様ご一行(6名)が
     いることが分かったのです。

     没年をみると明治のが3名、昭和初期が
     3名という内訳です。
     1つのお墓に4家族が入っていたことは、
     以前にお話した通り。
     
     どうしよう、正直いって悩みました。。
     果たしてそんな古いお骨をいまさら神奈川
     くんだりまで運んで、果たしてご先祖さま
     が喜ばれるだろうか。
     土にかえすといった方法を聞いたことがあ
     るが、もし可能なら、それが自然なやり方
     ではなかろうか、と。

     だっていちばん古いのが明治21年没で
     123年前、最も新しいのでも昭和8年没
     だから78年前になるのです。
     もちろん、私が名前も聞いたことのない大先
     祖様ばかり。

     詳しい方に相談したところ、土にかえすに
     はまた、それなりの手順を踏まなければな
     らないとか。それならばと、先に改葬した
     お骨とともに、この大先祖様にもお引越し
     を願うことになったのです。

     雨の中、100年以上のお骨とご対面!
     明治21年といえば大日本帝国憲法のでき
     る前の年。
     現在、TVで政局劇を毎日のように見せ
     られているが、当時はまだ選挙もなけれ
     ば国会も開かれていなかった。
     (第1回総選挙ーー有産階級のみーーが行
     われて国会が開設されたのは明治23年)

     この大先祖様がどのような生涯を送られた
     のか知る由もないが、まさかご本人も今頃
     堀りおこされることも予想だにしなかった
     だろう。
     しかも6個のお骨のうち、2つが幼児のもの
     で、それは小さな壺に入っているのだった。
     (衛生状態のよくない昔は、乳幼児の死亡率
      も高かった!)     

     住職にはていねいにお経をあげてもらいま
     した。
     このお寺は浄土真宗の古刹で、去年、
     屋根瓦をとりかえたばかり。
     (そういえば○十万円単位の寄付金の要請
      もありました)
   
     住職のありがた~いお話の後、とりかえた
     古い瓦を見せてもらいました。
     なんと慶長6年(1601)で、これまた
     家康が江戸城をひらく2年前。

     なんだか明治を一気に超えて、江戸時代に
     タイムスリップしたような、おかしな気分
     でした。
     (近々、そのお骨の納骨をしなければなり
      ません)

     写真は慶長6年の屋根瓦。
     瓦に年号が刻んである。
     これは何の動物の貌を象ったものでしょうか。