一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

金子みすず 秘話

2011-06-17 14:18:58 | 読書
     

      こだまでせうか

    「遊ぼう」っていふと、
    「遊ぼう」っていふ。

     「馬鹿(ばか)」っていふと、
    「馬鹿」っていふ。

    「もう遊ばない」っていふと、
    「遊ばない」っていふ。

    さうして、あとで
    さみしくなって、

    「ごめんね」っていふと、
    「ごめんね」っていふ。

    こだまでせうか、
    いいえ、誰でも。

   金子みすずが童謡詩人の矢崎節夫(現・みす
   ず記念館館長)によって発掘され、はじめて
   『金子みすず』全集が出たのは1984年。
   矢崎氏らの長年の努力の結果である。

   また今回、実の弟の上山雅輔(劇団若草の
   創始者で本名・正祐)の功績も大きいこと
   を知った。

   正祐は幼くして親戚に養子にやられたため、
   みすずが実の姉だとは知らなかった。
   養父の意向で知らされなかったのだが、
   年頃になって正祐は次第にやさしいみすず
   への思慕を募らせる。
   (みすず展にはそんな正祐の手紙が何点か
    あった)

   実は、みすずの結婚が急がれたのは正祐の
   気持ちを断ち切るためでもあったようだ。
   正祐はその後、勉学のため東京に出るが、
   姉との文通はつづき、みすずの詩作をはげ
   ました。

   みすずは死ぬ前に三冊の手帳を弟に託して
   おり、彼女の詩が散逸しないで残っていた
   のも正祐のお陰なのである。
   正祐はみすずの最大の理解者でもあった。

   (写真は金子家の縁側で、みすずと正祐)