卯年、うさぎ年が明けました。
けど、周囲にうさぎ年生まれもいないし、何の
感慨もない。
「卯」続きで考えていたら「卯波」に行きついた。
「卯波」は2003年に96歳で亡くなった鈴木
真砂女のやっていた小料理屋の名前である。
紆余曲折を経て50歳からはじめ、小さいながら
も銀座の名店の1つだった。
真砂女は丹羽文雄の『天衣無縫』や瀬戸内寂聴の
『いよよ華やぐ』のモデルとなった女流俳人。
あるときは舟より高き
卯波かな
の名句からも伺えるように、人生の波間を恋と俳句
を頼りに生ききった。
死ぬまで人間としての誇り、女性の色香も失わない
ひとでもあった。
彼女の句のなかで私の好きなのは次の一句である。
今生(こんじょう)のいまが幸せ
きぬかつぎ
小さなきぬかつぎ(サトイモのようなもの)に
事よせて人生というものを表している、そんな
雄大さが好きなのだ。
彼女はたしか、死ぬ直前まで店をやっていたよ
うな気がする。
但し、「卯波」とは卯月(陰暦の4月)頃に海に
立つ波のことで、これまたうさぎ年とは関係ない。
せめて、ぴよん!!と飛んでみたいとは思うけど
……。
このように少しピント外れの私ではありますが、
今年もよろしくお願いいたします。
(写真は鶴岡八幡宮前の通りで見た看板)