神戸市立博物館 2008年7月19日~8月31日
要するに神戸市博の名品展ですが、こちらはコレクションの割にコレクションを飾る機会が意外に少ない(ブロックバスター展が結構入るので)ので貴重な機会。
図録もあります。定番の名品と飾ってなかったものがミックスされているのもよい。「小敦盛絵巻」かわゆい。狩野吉信「一の谷・屋島合戦図屏風」絵としてもみどころあるな。七福神が洋装の引き札笑える。「世界四大洲図・四十八カ国図屏風」美術としてもやる価値がありそう。透視遠近法をちょっとかじった遠小近大構図だけど中国的な枠組みも生きている。「泰西王侯騎馬図」池長金具が素敵。このレベルで洋風にもってくにはモノ写しだけでは無理で手とり足とりの指導があったんだろな。「四都図・世界図屏風」この絵の具の不透明感も洋風なのねん。ザヴィエル像の画家は洋風としては半可通かという気もあらためて(だからダメというわけではなく)。狩野内膳「南蛮屏風」今更ながら名品。ちょっと洛中洛外図屏風~風俗図という流れの中にもおいてみたい。人物の姿型も。喜多長兵衛「隠元像」自写実性 隠元顔>隠元着物>>>獅子 喜多元規「王心キョ」長兵衛のほうがむしろ線ぽい?この2点に限ればか。逸然「羅漢渡水図巻」均質な線の細かい感じは版ぽい。若芝「群仙星祭図」なぜ星祭図なんだろう・・・・・・意外と持ち物書いてる。八仙の系譜における。熊斐「王母献寿図」プライスコレクションの岩井江雲の「三千歳図」と結構似たパターン。彫塗とか熊斐のほうが奇想っぽい。虫食いはっぱとか若冲のもとはこの辺かも。渡辺秀詮「長崎唐館交易図巻」長崎での洋風と中国風はやっぱり近い。川原慶賀「長崎港図・ブロンホフ家族図」この二図が衝立というフォーマットを持つ意味は?鶴亭「四君子・松・蘇鉄図」若冲と共通する要素は少しあるが、かなり違う。その違いは画家の個性だけか?大友月湖「群虎図屏風」すごい隠し玉(笑)なんか構成が不思議。岩が抽象的だし。蕭白と並べてみたい。広渡湖秀「桃に鹿図・巌浪双鶴図」確かに張月樵とかと同じ雰囲気が・・・・・・ 秋田蘭画、ナンピン派との共通点と違い。不透明感は秋田蘭画にも多少ある。蓮図の青空はちょっと雲があるのか?雲があるのは洋風という気が。
展示内容には何の不服もないのですが、冷房が恐ろしく寒かった・・・・・・