蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ハケンアニメ!

2018年06月03日 | 本の感想
ハケンアニメ!(辻村深月 マガジンハウス)

テレビアニメのプロデューサ、監督、原画担当(いずれも女性)のそれぞれの視点からアニメ制作やマーケティングの現場を描く。

「ハケン」というのは「派遣」のことで派遣社員であるアニメータの悲哀を描く、みたいな内容だと思って読み始めたのですが、実際は「覇権」でした。あるクールで放送されたアニメのうち、DVD等の売上?NO.1の作品を指すそうです。

本作の登場人物は、いずれも私生活は顧みず、ワーカホリック的に仕事に没頭しているのですが、3人ともアニメ自体が大好きなので、仕事しかない人生に疑問を感じたりすることはありません。

アニメ制作の現場委は、徹夜で仕事、が日常なのに(出来高制などのせいで)驚くような低賃金のブラックな職場らしいと聞きます。それなのに志望者がひきもきらないのは、現実の世界でも(本書の登場人物のように)仕事を趣味の延長(携われるだけで幸せで貰えるおカネには関心がない、みたいな)としてとらえているような人が多いせいなのでしょうか??

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